JPH0221582Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ダイヤフラム気化器におけるオーバ
ーフロー装置に関する。

〔従来の技術〕

従来は、一方が燃料室で他方がクランク室にブ
リード孔を介して連通するブリード室となるよう
ダイヤフラム室内をダイヤフラムにより仕切つて
形成し、前記燃料室をプライマポンプに吸込路を
介して連通連設するとともに、前記プライマポン
プより延出する吐出路の先端側より垂設した接手
パイプの下部には垂下するオーバーフローパイプ
の上部を嵌装して構成したダイヤフラム気化器に
おいて、プライマポンプの操作により汲み上げた
燃料がダイヤフラム室およびプライマポンプを満
たした後にオーバーフローパイプから外方に排出
される場合、前記吐出路内からオーバーフローパ
イプ内にかけては、サイフオン現象により燃料が
残溜することになつて、この気化器を装備した刈
払機等の作業機を運転したときには、残溜してい
る燃料がオーバーフローパイプから飛散して作業
者の衣服または燃料タンク等に付着し、危検状態
になるといつた問題点があつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は、その問題点を解決したもので、その
ように吐出路の終端近傍部分からオーバーフロー
パイプ内にかけて燃料が残溜しないように完全に
燃料を排出させることができて、作業中にオーバ
ーフローパイプから飛散することのないようにす
ることができ、簡単な構造にして好適に実施でき
るよう提供するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

そのため、本考案では、嵌装して重合する部分
となる接手パイプとオーバーフローパイプとの間
には、その重合する縦方向の長さより長くなる縦
方向のスプリング杆を挿入するとともに、該スプ
リング杆の両側方には大気とオーバーフローパイ
プの内方に連通する〓間を形成し、前記スプリン
グ杆の上端部には係止用の屈曲部７ａを形成して
構成したものである。

〔作用〕

したがつて、接手パイプとオーバーフローパイ
プとの嵌合間には大気に通じる隙間がスプリング
杆にそつてできることになり、プライマポンプの
操作によりオーバーフローパイプから燃料を排出
させる際に、最後には前記隙間から通気されてサ
イフオン現象が起こらずにオーバーフローパイプ
内には燃料が残溜しないよう完全に排出できるこ
とになる。

〔実施例〕

次に、図面に示す実施例について説明する。第
１図ないし第４図において、第１図はダイヤフラ
ム気化器の一部の断面図を示し、ダイヤフラム室
１内にはダイヤフラム８で仕切られた燃料室１ａ
内に、ボス９、コントロールレバー１０等を配設
し、ダイヤフラム８によつて仕切られた他方のブ
リード室１ｂはブリード孔１１を介してクランク
室に連通し、前記燃料室１ａとプライマポンプ２
とは逆止弁１２を介装した吸込路３を介して連通
連設し、また、逆止弁１３を介装してプライマポ
ンプ２に連通する吐出路４の終端側からは接手パ
イプ５を垂設し、該接手パイプ５の下部には略20
cmの長さに垂下したビニール製オーバーフローパ
イプ６の上部を嵌着して従来形構造同様に構成す
る。

７はスプリング杆で、前記接手パイプ５とオー
バーフローパイプ６とが嵌合して重合する縦方向
の長さより長く形成し、その上端部には前記接手
パイプ５の外周に嵌合できる環状の屈曲部７ａを
一体にして形成するとともに、下端には少しく屈
曲した屈折部７ｂを形成する。

したがつて、スプリング杆７をオーバーフロー
パイプ６の上部内に嵌入して、そのまま、先に屈
曲部７ａを接手パイプ５に嵌入するとともにオー
バーフローパイプ６の上部を接手パイプ５に嵌入
し、第１図および第２図に示すように屈曲部７ａ
がオーバーフローパイプ６の上端より少しく上方
となつて、屈折部７ｂが接手パイプ５の下端より
下方となるようにして嵌着すると、第３図に示す
ようにスプリング杆７の両側となる両パイプ５，
６の嵌合間には大気に通じる隙間Ｃができること
になる。

また、第５図ないし第７図は別の実施例を示
し、前記実施例とは同一符号で示すように略同様
に構成するが、スプリング杆７上端の屈曲部７ａ
はオーバーフローパイプ６の上端に係合できるよ
うに逆Ｕ字状に形成したものであり、その屈曲部
７ａをオーバーフローパイプ６の上端に係合して
スプリング杆７をオーバーフローパイプ６の上部
内に嵌入したまま、オーバーフローパイプ６の上
部を接手パイプ５に嵌合すると、第５図に示すよ
うに取りつけることができることになり、その状
態で、第６図に示すように大気に通じる隙間Ｃが
できることになる。

運転時に、プライマポンプ２の操作により汲み
上げられた燃料は、ダイヤフラム室１を満たした
後に吸込路３からプライマポンプ２に流入し、こ
れを満たしたあと吐出路４へと流れ、接手パイプ
５内からオーバーフローパイプ６内を通して流出
することになるが、オーバーフローパイプ６内に
残ろうとする燃料は隙間Ｃを通して大気圧がかか
るため、従来のようにサイフオン現象を生じるこ
となく、そのままオーバーフローパイプ６より排
出されることになる。

〔考案の効果〕

このように本考案は、接手パイプ５とオーバー
フローパイプ６の嵌合間にスプリング杆７を介装
して、大気に通じる隙間を形成できることにな
り、従来のようにサイフオン現象により接手６お
よびオーバーフローパイプ５内にかけて燃料が残
溜していたが、この欠点を解決して完全に燃料を
排出させることができ、この気化器を装備する刈
払機等の作業機の運転中にオーバーフローパイプ
６から燃料が飛散して危険状態となることを完全
に防止できることになり、また、スプリング杆７
の上端に屈曲部７ａを形成したので、外れにくく
また取りつけやすく装備できることになり、簡単
な構造にして好適に実施できる特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例であるダイヤフラム気
化器の一部の断面図、第２図はその一部の拡大
図、第３図は第２図の−線における断面図、
第４図はスプリング杆の斜視図、第５図は別の実
施例である要部の断面図、第６は第５図の−
線における断面図、第７図はスプリング杆の側面
図を示す。 １……ダイヤフラム室、２……プライマポン
プ、３……吸込路、４……吐出路、５……接手パ
イプ、６……オーバーフローパイプ、７……スプ
リング杆、７ａ……屈曲部、Ｃ……隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一方が燃料室１ａで他方がクランク室にブリー
   ド孔１１を介して連通するブリード室１ｂとなる
   ようダイヤフラム室１内をダイヤフラム８により
   仕切つて形成し、前記燃料室１ａをプライマポン
   プ２に吸込路３を介して連通連設するとともに、
   前記プライマポンプ２より延出する吐出路４の先
   端側より垂設した接手パイプ５の下部には垂下す
   るオーバーフローパイプ６の上部を嵌装して構成
   したダイヤフラム気化器において、嵌装して重合
   する部分となる前記接手パイプ５とオーバーフロ
   ーパイプ６との間には、その重合する縦方向の長
   さより長くなる縦方向のスプリング杆７を挿入す
   るとともに、該スプリング杆７の両側方には大気
   とオーバーフローパイプ６の内方に連通する〓間
   Ｃを形成し、前記スプリング杆７の上端部には係
   止用の屈曲部７ａを形成した構成したことを特徴
   とするオーバーフロー装置。