JPH02212360A - 複合材料の製造方法および原料組成物 - Google Patents

複合材料の製造方法および原料組成物

Info

Publication number
JPH02212360A
JPH02212360A JP1031750A JP3175089A JPH02212360A JP H02212360 A JPH02212360 A JP H02212360A JP 1031750 A JP1031750 A JP 1031750A JP 3175089 A JP3175089 A JP 3175089A JP H02212360 A JPH02212360 A JP H02212360A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
periodic table
elements
raw material
carbon
boride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1031750A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiko Tani
俊彦 谷
Shigetaka Wada
重孝 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP1031750A priority Critical patent/JPH02212360A/ja
Publication of JPH02212360A publication Critical patent/JPH02212360A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、周期律表の第IVa〜VIa族元素のうちの
少なくとも1種の炭化物と、第IVa〜VIa族元素の
うちの少なくとも1種の硼化物とからなるセラミックス
複合材料を製造する方法およびその原料組成物に関する
ものである。
〔従来の技術〕
周期律表の第■a〜VIa族元素の硼化物、または炭化
物は、高硬度、高耐蝕性のため、ダイスなどの耐摩耗部
材や摺動部材、あるいは耐食部材等に幅広い用途がある
。しかしながら、これらの材料は、単相では破壊靭性が
乏しいため、炭化物と硼化物とのような複相構造にした
材料が報告されている。例えば、炭化チタニウム・ハフ
ニウムと第IVa〜VIa族元素の硼化物とからなるセ
ラミック材料(特開昭62−260775号)等がある
これらの複合材料の製造方法としては、いずれも第IV
a〜VIa族元素の炭化物と、第IVa〜VIa族元素
の硼化物と、必要に応じて添加した焼結助剤とを混合し
て原料とし、この原料を加圧焼結あるいは常圧焼結する
方法である。
しかしながら、この製造方法では、複合材料を構成する
第1Va〜Vl’a族元素の硼化物の原料として該硼化
物粉末をそのまま使用しており、以下のような欠点があ
る。
(1)  第1Va〜Vla族元素硼化物は、一般に粒
径が大きく、しかも10μmを超えるような粗大粒子が
存在している。このような粗大粒子はセラミックス複合
材料の破壊起点となりやす(、靭性は向上するものの、
逆に材料強度を低下させる。
(2)微細な金属元素硼化物粒子はきわめて反応性が強
く、焼結体を製造するための粉末処理プロセスは大気に
汚染されないように不活性ガス雰囲気で行われている(
J、 Am、 Ceram、 Soc、 、 67  
No、 3 、 1984年、P2O7〜212)。ま
た、さほど微細な粒子でなくても、例えば、1〜5μm
の直径のT I B 2粉末が分散したセラミックス複
合材料を常圧焼結法により製造しようとする場合には、
サブミクロンのSiC粉末と分級したTiB2粉末との
均一な混合物を調整する際に有機溶媒を用いて水のない
環境で混合や乾燥を行っている。しかし、混合の際に媒
体として有機溶媒を用いるのは、安全・衛生上問題があ
るばかりでなく、高コストである。
(3)微細な金属元素の硼化物粒子は水との反応性が高
く、原料の混合時に混合媒体としての水を用いることが
できず、粉末特性を一定に保つことが困難であり、この
原料を用いて製造した複合材料は焼結体のばらつきが大
きくなる。
〔第1発明の説明〕 本第1発明(請求項(1)に記載の発明)は、上記従来
の技術の問題点に鑑みなされたものであり、特性が劣り
、取り扱いの難しい第IVa〜VIa族元素の硼化物を
原料として使用せずに、これらの硼化物が含まれてなる
セラミックスの複合材料を製造することができる方法を
提供しようとするものである。
本第1発明は、周期律表の第IVa〜VIa族元素のう
ちの少なくとも1種の炭化物と、周期律表の第IVa〜
VIa族元素のうちの少なくとも1種の硼化物とからな
る複合材料の製造方法であって、周期律表の第IVa〜
VIa族元素のうちの少なくとも1種の炭化物と、周期
律表第IVa〜VIa族元素のうちの少なくとも1種を
含む酸化物または/および該酸化物の前駆体と、周期律
表の第IVa〜VIa族元素のうちの少なくとも1種の
硼化物を除く硼素を含む物質と、必要に応じて添加した
炭素または/および熱分解により炭素を生成する有機物
質とからなる原料組成物を調製する工程と、該原料組成
物を焼成する工程とからなることを特徴とする複合材料
の製造方法である。      ゛本第1発明によれば
、原料として第IVa〜VIa族元素の硼化物を使用す
ることなく、該硼化物が含有してなるセラミックスの複
合材料を製造することができる方法を提供することがで
きる。
すなわち、本第1発明では、上記原料組成物を焼成する
段階で原料組成物中の上記酸化物または/および該酸化
物の前駆体と、硼素を含む物質とを反応させて上記第■
a〜VIa族元素のうちの少なくとも1種の硼化物を生
成させ、該硼化物と第1Va〜Vla族元素のうちの少
なくとも1種の炭化物とからなる複合材料を製造するも
のである。
上記酸化物は一般に安価であり、しかも高純度なサブミ
クロン粉末が容易に入手できる。また、該酸化物の前駆
体からも熱分解等により高純度で微細な酸化物粒子が得
られることから、生成する上記硼化物も微細かつ高純度
となる。
そのため、上記第rVa〜VIa族元素の炭化物をマト
リックスとし、その中に上記硼化物粒子が分散した構造
の複合材料の場合には、分散してなる上記硼化物粒子の
粒径が小さいので、強度が高く、しかも破壊靭性、強度
等の特性が安定している。
また、上記硼化物を原料として使用しないので、原料組
成物の混合時に水を用いることができ、更に、焼結体特
性のばらつきの小さい複合材料を製造することができる
。よって、安価に、しかも安全に複合材料を製造するこ
とができる。
〔第2発明の説明〕 本第2発明(請求項(2)に記載の発明)は、本第1発
明の製造方法に使用することができる原料組成物を提供
しようとするものである。
本第2発明は、周期律表の第rVa〜VIa族元素のう
ちの少なくとも1種の炭化物と周期律表の第IVa〜V
Ia族元素のうちの少なくとも1種の硼化物とからなる
複合材料の原料組成物であって、周期律表の第IVa〜
VIa族元素のうちの少なくとも1種の炭化物と、周期
律表の第IVa〜VIa族元素のうちの少なくとも1種
を含む酸化物または/および該酸化物の前駆体と、周期
律表の第IVa〜VIa族元素のうちの少なくとも1種
の硼化物を除く硼素を含む物質と、必要に応じて添加し
た炭素または/および熱分解により炭素を生成する有機
化合物とからなることを特徴とする複合材料の原料組成
物である。
本第2発明によれば、本第1発明の製造方法で用いるこ
とができる原料組成物を提供することができる。
〔第1発明および第2発明のその他の発明の説明〕以下
、本第1発明および本第2発明をより具体的にしたその
他の発明を説明する。
本発明で使用する原料組成物は、周期律表の第Na族元
素(チタン、ジルコニウム、ハフニウム)、第Va族元
素(バナジウム、ニオブ、タンタル)、第VIa族元素
(クロム、モリブデン、タングステン)のうちの少なく
とも1種の炭化物と、第■a〜VIa族元素のうちの少
なくとも1種を含む酸化物または/および該酸化物の前
駆体と、第IVa〜VIa族元素のうちの少なくとも1
種の硼化物を除く硼素を含む物質と、必要に応じて添加
した炭素または/および熱分解により炭素となる有機物
質とからなり、それらの混合物であるのがよい。なお、
原料組成物は、粉末の状態で焼結体の製造に使用するの
が望ましい。
本発明において、第IVa〜VIa族元素のうちの少な
くとも1種の炭化物(以下、金属炭化物とする)は、複
合材料の製造により複合材料の構成相となるものである
。該金属炭化物としては、TiC,ZrCXHfC,V
CXNb2C,NbC。
Ta2C,TaC,Cr+ C2、MO2C,MOc、
w2c、wc等であり、これらのうちの少なくとも1種
どする。一般に遷移金属の炭化物は必ずしも上記のよう
な化学量論組成で存在しているとは限らず、広い固溶範
囲を示す。例えば、TiC,ZrC等は一般にはric
+−a 、ZrC+−n(0≦a<1)等の化学式で存
在している。本発明では、このような非化学量論組成の
物質でも複合材料の構成相として十分に高い特性を有す
ることにより、該非化学量論組成の物質を原料として使
用してもよい。
また、第IVa〜VIa族元素のうちの少なくとも1種
を含む酸化物(以下、金属酸化物aする)または/およ
び該金属酸化物の前駆体は、製造工程中に第IVa〜V
Ia族元素のうちの少なくとも1種の硼化物(以下、金
属硼化物とする)または金属炭化物に変(Eするもので
ある。なお、第IVa〜VIa族元素の炭化物の代わり
に炭化硼素(B4C)を用いて、B、Cと第■a〜VI
a族元素の硼化物との複合材料を製造することも可能で
あるが、B4Cは第IVa〜VIa族元素の炭化物に比
べ、一般に低強度であり、電気伝導性にも乏しいため、
放電加工が困難である等の欠点がある。したがって、B
、Cと第IVa〜VIa族元素の硼化物との複合材料に
おいて、第IVa〜VIa族元素の硼化物の配合量が少
なければ放電加工は困難になる。また、強度を比較した
場合、第IVa〜VIa族元素の炭化物と第IVa〜V
Ia族元素の硼化物との複合材料の方が、B、Cと第I
Va〜VIa族元素の硼化物との複合材料よりも強度に
すぐれている。
該金属酸化物としては、T iO,T i 02 、T
i2O3、Zr01ZrO2、HfO2、vO1vO2
、V2O1、V2O5、Nb01NbO2、Nb2O5
、Ta205、Cr2O5、MoO2、V0O3、WO
2、WOl等の単独の酸化物でもよいし、(Ti、Zr
)02や(Nb、Ta)205のような酸化物固溶体、
あるいはT iO2ZrOzやTiO2”Nb2O5の
ような複合酸化物でもよい。金属酸化物は、これらのう
ちの少なくとも1種を用いる。
金属酸化物の形状としては、粒子状でも繊維状でもよく
、あるいは両者が混合したものでもよい。
また、反応により金属酸化物となる前駆体としては、水
和物を初め、加熱により熱分解して金属酸化物となる塩
類、水和反応により酸化物または酸化物の水和物となる
アルコキシド類、およびその他の有機金属化合物が挙げ
られ、これらのうちの少なくとも1種を使用する。この
前駆体の形状としては、粒子状でも繊維状でも液状でも
良い。
また、硼素を含む物質(以下、硼素含有物質とする)と
しては、最も望ましいのは炭化硼素(B。
C)であるが、酸化硼素(B20s)、硼酸(H3BO
3)、カルボラン類(Bx C,H,; x、y。
2は正の整数)でもよく、また、硼酸または酸化硼素と
グリセリンやポリビニルアルコール(PVA)のような
有機物との縮合物(BhC,Oi Hk:hr  It
  L  kは正の整数)でもよい。これらの物質は加
熱により、熱分解あるいは炭素と反応して炭化硼素とな
る。硼素含有物質は、これらのうちの少なくとも1種を
使用する。なお、硼素含有物質は、上記金属硼化物は用
いない。
上記硼素を含む物質を粉末として用いる場合、平均粒径
は108m以下がよく、更に、望ましくは平均粒径が2
μm以下の粉末を使用するのがよい。また、10μmを
越えるような粗大粒子のない粉末を使用するのがよい。
また、炭素または/および熱分解により炭素を生成する
有機物質は、原料組成物中の酸素のモル量が、これと反
応し得る炭素のモル量を上回る場合に還元剤として添加
する。
炭素は通常広く市販されているカニボンブラックで良い
が、炭素は拡散しにくいため、直径1μm以下の粉末、
望ましくは0.1μm以下の微粒子を用いるのがよい。
熱分解により炭素を生成する有機物質としては、フェノ
ール樹脂、コールタールピッチ、フラン樹脂等が挙げら
れ、これらのうちの少なくとも1種を用いる。これらの
物質は加熱により分解して炭素となる。
本発明の原料組成物には、必要に応じて焼結助剤を添加
してもよい。該焼結助剤としては、MgOなどのアルカ
リ土類金属化合物、Afz03などのAi’化合物、Y
2O3などの希土類化合物、炭素などが挙げられる。
本発明においては、゛上記金属酸化物と、上記硼素含有
物質とが、焼成段階で反応して前記金属硼化物を生成す
る。あるいは、金属炭化物が優先的に硼素含有物質と反
応して金属硼化物が生成し、その際析出する炭素または
原料組成中の炭素と金属酸化物とが反応して金属炭化物
となることもある。
なお、原料組成物中の酸素の量と、これと反応し得る炭
素の量とのモル比をl:1とし、COガスとして系外へ
排出することにより、製造する複合材料中に酸素を残留
させず、かつ遊離炭素量をできるだけ少なくするのが望
ましい。
上記析出分散する金属硼化物は、いずれも数種の化学量
論比のものがある。例えば、Nbの硼化物としては、N
b2 B、Nb3 B2 、NbB、、、Nb3 B、
 、NbB2の5種がこれまで挙げられている。このう
ち、最も低比重、高熱伝導率、低熱膨張率であるのが二
硫化ニオブ(NbBz)であり、金属炭化物と複合材料
を構成した場合にも、比強度、耐熱衝撃性に最も優れて
いる。他の金属元素についても同様であり、2硼化物(
以下、MB2とする。)を析出させるのが最も望ましい
ただし、MoとWについては、M O2B s 、W2
B5が知られており、これも良い特性を示す。
このMB2の生成に必要な両者の割合は、モル比でM:
B=1:2である。
これらの原料組成物の混合割合は、金属酸化物と硼素含
有物質と炭素とが反応して金属硼化物を生成するための
化学量論量に加え、上記焼結助剤としての必要量を加算
した量でよい。例えば、金属酸化物としてNb2O5を
用い、硼素含有物質として炭化硼素(B、C)を用いた
場合、反応式%式% で表され、化学量論的に必要なNb20s  :B。
C:Cのモル比は1:l:4である。同様にして、最も
一般的な酸化物と炭化硼素と炭素との反応式%式% のようになり、一般式としては、金属酸化物(M。
0、)とB、CとCの反応で金属硼化物(M−Bd)が
生成する反応は、 T i B2  +2 Co1 一一一→ □Mc Ba  +bU(JTで表され、化
学量論的に必要なM、O,:B、Cある。
また、原料組成物に炭素または熱分解により炭素を生成
する有機物質を用いない場合には、金属炭化物と金属酸
化物と硼素含有物質の王者が化学量論的に反応すれば金
属硼化物を合成することができる。例えば、Tic、T
iO2、Bt Cの混合物を、TiCのモル数を’ri
o2、B4cのモル数よりも多くした条件で焼成するこ
とにより、結果的に反応式 %式% が生じたのと同じことになり、TiCとTiB2とのセ
ラミックス複合材料が製造できる。
製造される複合材料中の金属炭化物と金属硼化物との体
積比は95:5〜5:95の範囲内がよく、この範囲で
あればどちらか単相の材料よりも高い靭性を有する。
これらの原料組成物を調製する方法としては、金属炭化
物と、金属酸化物または/およびその前駆体と、硼素含
有物質と、必要に応じて添加した炭素または/および熱
分解により炭素を生成する有機物質を混合することによ
り上記混合物を得る方法がある。
上記組成物の混合は、乾式でも湿式でもよいが、湿式の
方が十分に均一な混合物を作り得るので望ましい。湿式
の場合、混合媒は水でも有機溶媒でもよく、乾燥は噴霧
乾燥、凍結乾燥、吸引ろ過等どんな乾燥法でもよい。ま
た、上記乾燥は真空中、不活性雰囲気、酸化雰囲気、還
元雰囲気のいずれでもよい。
なお、熱分解により炭素を生成する有機物質を添加する
場合には、湿式混合の混合媒としては、有機溶媒を用い
る。また、炭素粉末を添加する場合には、湿式混合の際
に少量の界面活性剤を加えれば、炭素粉末の分散性を改
善することができる。
上記の原料混合物に、耐食性向上のためSiCを添加し
てもよい。該SiCの添加量は原料組成物全体に対して
30体積%程度までとするのが望ましい。
なお、複合材料の成形品を製造する場合には、焼成の前
に原料組成物を成形するのがよい。成形は、セラミック
スの成形に通常行われる方法のいかなる方法も採用する
ことができ、例えば、スリップキャスト、射出成形、押
出成形、金型成形、湿式プレス成形、ドクターブレード
等広範な方法が利用できる。
焼成工程では、前記原料組成物を真空または非酸化性雰
囲気中で焼成するのがよい。
雰囲気を真空または非酸化性にするのは、原料組成物が
酸化されることなく、速やかに複合材料を製造するため
である。
焼成温度としては、1500〜2200℃の範囲内が望
ましい。この範囲内であると、理論密度の90%以上の
焼結体を得ることができる。
ただし、クロムの硼化物およびモリブデンの硼化物は融
点が約2200°Cと低いため、それらの硼化物を析出
させる場合には2100℃を越えない温度で焼成するの
が望ましい。
また、(:r3C2を原料として用いる場合、Cr3C
2は融点が約1900℃であるため、この場合には、1
900℃を越えない温度で焼成するのが望ましい。
この焼成の途中段階で金属酸化物と硼素含有物質と(あ
るいは金属酸化物と硼素含有物質と炭素と)が反応して
金属硼化物が生成する。あるいは金属炭化物と硼素含有
物質と(あるいは金属炭化物と硼素含有物質と炭素と)
が反応して金属硼化物が生成し、その際金属酸化物と炭
素とが反応して金属炭化物を生成する。
金属酸化物と硼素含有物質との反応、または金属酸化物
と炭素との反応は反応速度が比較的小さいので、望まし
くは、昇温の途中に、反応が生じ、かつマトリックスと
なる物質の緻密化が大きく進行する温度より低い温度に
て十分な時間保持を行い、硼化物生成反応を完了、ある
いはほぼ完了してから再昇温するのが良い。この温度範
囲は1000〜1800℃、更に望ましくは1100〜
1600℃である。これらの反応で発生するCOガスを
系外へ除去すると反応はさらに早く進む。このため、こ
の温度域での途中保持は炉内を真空排気しながら行うの
がより望ましい。好ましい途中保持条件は反応の種類、
発生するCOガスの量、成形体からのガスの抜けやすさ
、炉の構造、真空排気能力によって異なるが、少なくと
も1時間は真空排気しながら途中保持するのがよい。こ
の焼成途中温度で中間保持を行う条件は、反応系の種類
、ガス発生の量、炉の構造、特に発生するガスの排気さ
れやすさ、等により異なる。
焼成方法としては、常圧焼結、あるいはホットプレス等
の加圧焼結等、どのような方法も利用することができる
。なお、ホットプレスを行う場合、COガスの排気を容
易にするため、上記途中保持処理が完了するまでは加圧
せず、でき得れば成形体をダイス、ポンチ等で密閉しな
い状態で保つのが望ましい。
また、焼結体にさらにHIP (熱間静水圧)処理を施
すことにより、さらに緻密な焼結体を得ることができる
。その中の1つの焼結HIPでは、予め常圧焼結あるい
はホットプレスを行い開気孔がほぼあるいは全て消滅す
るまで緻密化させた焼結体を、さらに1700〜210
0°Cの温度域で非酸化性雰囲気で静水圧を加えること
により、さらに密度および強度をたかめることができる
。静水圧力は、10MPa以上であれば効果があるが、
50MPa以上の圧力を加えることが望ましい。
また、カプセルHIPでは、予め生成形体を熱処理して
金属硼化物生成反応を完了させた後に、成形体をガラス
カプセル中に真空封入しHIP処理を行う(ガラスカプ
セル法)、ガラス系の粉末の中に埋め込んでHIP処理
を行う(ガラス浴法)、ガラス粉末を成形体表面に塗布
した後、加熱により塗布層を焼結させて気密のシール層
に変換して、HIP処理を行う(焼結ガラス法)、成形
体をガラス粉末に埋め込んだ状態で加熱し、−軸加圧し
てガラスを気密なシール層とした後HIP処理を行う(
プレスシール法)等の方法が採用され、やはりポストH
IP法と同様の条件下でHIP処理することにより緻密
な複合材料が得られる。
このようにして、焼成の第1段階にて金属酸化物と硼素
含有物質と炭素との三者の反応により、金属硼化物が生
成析出し、第2段階にてマトリックスの緻密化が達成さ
れる。
以上の方法により製造された複合セラミックス焼結体は
本質的に金属炭化物と金属硼化物とから成る。
しかしながら、炭素または/および熱分解により炭素と
なる有機物質のうちの少なくとも1種の添加量が多い時
、および金属元素の炭化物またはB4Cを原料として用
い、これから析出する炭素の量が反応に必要な炭素量を
上回る時は、焼結体に炭素が残留することがある。これ
らの炭素は焼結体中に残留していてもよいが、耐酸化性
などの材料の特性を損なわないためには5体積%以下の
残留量とするのが望ましい。
本発明により製造された、金属炭化物と金属硼化物とか
らなる複合材料は、高強度かつ高靭性であり、ダイス等
の耐摩耗部材、化学プラトン部品等に利用することがで
きる。
〔実施例〕
以下、本発明の詳細な説明する。
実施例1 TiC(平均粒径1.5μm)とTiC2(ルチル型、
平均粒径0.4μm)とB、 C(平均粒径0゜8μm
)とカーボンブラック(平均粒径0.02μm)との各
粉末を、T i O2とB、CとCとが化学量論的に反
応して生じたT i B 2と、TiCとが体積分率(
TiB2 :TiC)で10:90.70:30.50
:50.30ニア0となるように秤量し、水を用いてボ
ールミルで混合し、吸弓ろ退役、乾燥および解砕して原
料組成物を作成した。この原料組成物を内側にグラファ
イトテープを貼った黒鉛ダイスに入れ、圧力を加えずに
真空排気しながら昇温した。1400℃で4時間保持し
た後、炉内にArガスを導入すると共に30MPaの圧
力を印加し、2000°CX 1 hでホットプレスし
て複合材料(第1表の試料Nαl〜4)を製造した。
また、比較のため、上記TiC粉末のみを原料組成物と
したもの(試料No、C3)あるいはT i B 2粉
末(平均粒径4μm)のみを原料組成物としたもの(試
料No、C2)、あるいは、TiC粉末と上記T i 
B 2粉末とを70:30(体積比)で混合したものを
原料組成物したもの(試料N11C3)についても上記
と同様にしてホットプレスして試料を製造した。
上記試料をダイヤモンドホイールで試験片に加工し、焼
結体密度、JIS規格4点曲げ強度、および破壊靭性値
(Klc、 5ENB (Single EdgeNo
tched Beam)法による)を測定した。その結
果を表に示す。
本実施例の複合材料は、いずれもTiCとTiB2とか
らなるものであった。また、第1表より明らかなように
本実施例の複合材料は、比較例の試料よりも高い密度、
強度およびKICを有していることが分かる。また、本
実施例の材料(試料No。
1〜4)は、いずれも放電加工により、容易に切断する
ことができた。
実施例2 実施例1の試料No、2に用いたのと同様な混合粉末を
300kg/crlの圧力で金型成形した後、3000
kg/crtlの圧力で静水圧成形した。この成形体を
真空排気しながら加熱し、1400℃で4時間保持した
後、炉内にArガスを導入すると共に、再び昇温し、2
050°CX 4 h rで焼成した。また、比較のた
め、実施例1の試料No、C3に用いたのと同様な混合
粉末を上記と同様に成形し、焼成した。
本実施例の焼結体はTiC(!:TiBzとからなり、
相対密度96.8%に達したが、比較例の焼結体は相対
密度87.5%にとどまった。
実施例3 TiC(平均粒径1.5μm) 、ZrO2(平均粒径
1. Opm> 、84 C(平均粒径1.5μm)、
カーボンブラック(平均粒径0.02μm)およびAl
2O3(平均粒径0.1.czm)を重量比で100 
: 58.2 : 13.0 : 10.0 + 1.
5の割合で秤量し、水を用いて混合した。これは、Z 
r O2、B 4C,C三者が化学量論的に反応した場
合、合成されるZrB2とTiCとが体積比で30ニア
0となり、かつ、TiC100重量部に対し焼結助剤と
して各1.5重量部のAj’20sとCを加えたもので
ある。実施例1と同様のプロセスで得られたホットプレ
ス体は、設計と異なり、TiB2とZrCとTiCの三
相から成り、しかもZrCにはTiの、TiCにはZr
の固溶が見られた。しかしながら、このホットプレス体
は開気孔率がゼロであり、抗折強度510MPa、に+
c値4.7MPaという高い値を示した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1) 周期律表の第IVa〜VIa族元素のうちの少なく
    とも1種の炭化物と、周期律表の第IVa〜VI族a元素の
    うちの少なくとも1種の硼化物とからなる複合材料の製
    造方法であって、周期律表の第IVa〜VIa族元素のうち
    の少なくとも1種の炭化物と、周期律表の第IVa〜VIa
    族元素のうちの少なくとも1種の酸化物または/および
    該酸化物の前駆体と、周期律表の第IVa〜VIa族元素の
    うちの少なくとも1種の硼化物を除く硼素を含む物質と
    、必要に応じて添加した炭素または/および熱分解によ
    り炭素を生成する有機物質とからなる原料組成物を調製
    する工程と、該原料組成物を焼成する工程とからなるこ
    とを特徴とする複合材料の製造方法。
  2. (2) 周期律表の第IVa〜VIa族元素のうちの少なく
    とも1種の炭化物と、周期律表の第IVa〜VIa族元素の
    うちの少なくとも1種の硼化物とからなる複合材料の原
    料組成物であって、周期律表の第IVa〜VIa族元素のう
    ちの少なくとも1種の炭化物と、周期律表の第IVa〜V
    Ia族元素のうちの少なくとも1種の酸化物または/お
    よび該酸化物の前駆体と、周期律表の第IVa〜VIa族元
    素の少なくとも1種の硼化物を除く硼素を含む物質と、
    必要に応じて添加した炭素または/および熱分解により
    炭素を生成する有機物質とからなることを特徴とする複
    合材料の原料組成物。
JP1031750A 1989-02-10 1989-02-10 複合材料の製造方法および原料組成物 Pending JPH02212360A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1031750A JPH02212360A (ja) 1989-02-10 1989-02-10 複合材料の製造方法および原料組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1031750A JPH02212360A (ja) 1989-02-10 1989-02-10 複合材料の製造方法および原料組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH02212360A true JPH02212360A (ja) 1990-08-23

Family

ID=12339698

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1031750A Pending JPH02212360A (ja) 1989-02-10 1989-02-10 複合材料の製造方法および原料組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH02212360A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2736380B2 (ja) 炭化珪素質材料の製造方法及び原料組成物
US5470806A (en) Making of sintered silicon carbide bodies
Kim et al. Pressureless sintering of alumina‐titanium carbide composites
US5525560A (en) Zirconia based composite material and method of manufacturing the same product
US5034355A (en) Tough silicon carbide composite material containing fibrous boride
Baldus et al. Studies on SiBN (C)-ceramics: Oxidation-and crystallization behavior lead the way to applications
JP3667121B2 (ja) 炭化ホウ素焼結体およびその製造方法
US5081077A (en) Process for producing sintered body of metal boride and raw material composition therefor
JP2651935B2 (ja) 複合材料の製造方法および原料組成物
Lin et al. Fabrication of mullite/SiC and mullite/zirconia/SiC composites by ‘dual’in-situ reaction syntheses
JPH02212360A (ja) 複合材料の製造方法および原料組成物
JPH09221367A (ja) 導電性炭化珪素質複合材料及びその製造方法
JP2711875B2 (ja) 複合材料の製造方法および原料組成物
CN111732436A (zh) 易烧结钛和钨共掺杂碳化锆粉体及其制备方法
JP2678300B2 (ja) 炭化珪素質焼結体の製造方法およびその原料組成物
JP2756685B2 (ja) 複合材料の製造方法および原料組成物
JPS6042188B2 (ja) 窒化珪素成形体の製法
JP2696138B2 (ja) 複合材料及びその製造方法
JPH01145380A (ja) 窒化珪素質焼結体の製法
JPH0524922A (ja) ダイヤモンド含有高硬度高密度複合焼結体及びその製造法
JP2946593B2 (ja) 窒化珪素質焼結体およびその製造方法
EP0241514A1 (en) Dense ceramics containing a solid solution and method for making the same
JPH05286765A (ja) 炭化珪素質複合材料およびその製造方法
JPH02175656A (ja) 複合材料、その製造方法、およびその原料組成物
JPS6138143B2 (ja)