JPH02211243A - 発熱物質吸着体 - Google Patents

発熱物質吸着体

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JPH02211243A
JPH02211243A JP24773089A JP24773089A JPH02211243A JP H02211243 A JPH02211243 A JP H02211243A JP 24773089 A JP24773089 A JP 24773089A JP 24773089 A JP24773089 A JP 24773089A JP H02211243 A JPH02211243 A JP H02211243A
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polyamino acid
adsorbent
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pyrogen
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平山 忠一
Hirotaka Ihara
博隆 伊原
Toshimasa Tsunoda
角田 俊誠
Katsutoshi Aihara
相原 勝敏
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Chemo Sero Therapeutic Research Institute Kaketsuken
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、注射等により生体内に投与された場合に発熱
を惹起する元凶となる物質、すなわち発熱物質(パイロ
ジエン)の除去に有効な水不溶性発熱物質吸着体に関す
る。
[従来の技術及び問題点] 生体内に投与される医薬品の製造においては発熱物質を
除去する技術の重要性は非常に高い。
ここで言う発熱物質は、ジフテリア菌や黄色ブドウ球菌
等が分泌する外毒素と、大腸菌等のダラム陰性苗の細胞
壁の成分である内毒素に分類される。このうち、通常、
問題となるのは後者のダラム陰性菌の内毒素であり、そ
の正体は多糖類と結合した脂質の複合体、すなわち、リ
ポポリサッカライド(L P S)中の活性中心にあた
る糖脂質であるリピッドAであることが知られている。
このような発熱物質が混入した注射剤等が生体内に投与
された場合、これらの発熱物質が視床下部等の温熱中枢
に作用して発熱を起こすと考えられており、その結果、
重篤な発熱現象や時にはショック死に至らせる場合もあ
る。従って、注射剤等の医薬品製造においては、通常、
安全性確認の為ウサギを用いた発熱試験が実施されてお
り、発熱物質が混入していないことを確認することが義
務づけられている。
このような発熱物質を除く方法としては、炭素粉末やイ
オン交換樹脂等を用いて発熱物質を吸着除去する方法や
、酸あるいはアルカリを用いて発熱物質を分解し除去す
る方法、またウルトラメンブランフィルタ−を用いてこ
れらを選択除去する方法等が知られている。
さらには、ヒスタミン等の含イミダゾール化合物や核酸
塩基をデキストラン系のゲル担体に結合させ、これを発
熱物質の吸着除去に応用した例も報告されている。[美
濃部等、Journal ofChromatogra
phy、262  p193498(1983)コ 。
しかしながら、医薬品製造における発熱物質の除去は対
象となる製剤そのものが不安定であったり、精製する際
の目的物質の量に対して除去されるべき発熱物質の量が
非常に微量であること等の理由から、さらには工業的製
造レベルに前記の方法を適用させる際にはまだ技術的に
も多くの問題が残されており、これらの問題を解決でき
る効果的でしかも簡便な方法の開発が切望されている。
このような状況のもとで、ポリアミノ酸球状粒子を担体
とし、これにイミダゾール誘導体を結合させることを特
徴とする新規な発熱物質吸着体が1発熱物質との親和性
に優れしかも担体の硬質性に基づく発熱物質吸着操作上
の利点を有していることが見いだされた(特開平0l−
127039) 。
しかしながら、発熱物質吸着体を調製する際には数段階
の反応過程を要し多少の煩雑性を伴うことは否めず、ま
たリガンドとなるイミダゾール誘導体の導入量には限界
があり、自ずと発熱物質の吸着能にも限界があった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の課題は1選択眼着性に優れ、工業的製造レベル
にも適用できる発熱物質吸着体を提供することである。
[課題を解決するための手段] これらの問題を鑑み、本発明者らはさらに鋭意研究を重
ねた結果、側鎖及び/または主鎖の末端に、脂肪族基及
び/またはアリール基を有する修飾基を含むポリアミ4
ノ酸や、いかなる修飾基も含まないポリアミノ酸より構
成される水不溶性物質が発熱物質に対して極めて高い親
和性を示し、目的物質から発熱物質を特異的に吸着除去
できることを見いだし本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の発熱物質吸着体は、側鎖及び/また
は主鎖の末端に、脂肪族基及び/またはアリール基を有
する修飾基のみを含むこともあるポリアミノ酸よりなる
水不溶性物質であることを特徴とする。
前述のごとく、従来より発熱物質を除去する方法は種々
試みられているが、医薬品製造における発熱物質の除去
操作においては、処理するサンプル中の目的物質の濃度
が比較的高いのに対して、除去すべき発熱物質の量が非
常に少ないという問題があり、思うように発熱物質のみ
を吸着できない場合が多く、発熱物質に対してより特異
性の高い吸着体や、より効率の良い発熱物質の除去方法
の開発が望まれている。また、医薬品の製造工程として
の発熱物質除去方法には、前記の特異性の点に加えて迅
速に処理できる方法であることが要求される。
本発明の発熱物質吸着体は、従来の吸着技術で用いられ
ていたアガロースゲルやデキストラン系のセファロース
ゲルを用いずに、これに代わるポリアミノ酸を使用する
ことによって発熱物質との親和性が大きく向上し、さら
に従来の多糖体ゲルに比較して優れた硬質性を有する特
性により発熱物質を目的の最終精製物から効率よくしか
も迅速に分離除去することが可能となった。
本発明の発熱物質吸着体に用いられる脂肪族基を有する
修飾基としては、メチル基やシクロヘキシル基に代表さ
れるアルキル基、ビニル基のようなアリル基、メトキシ
基のようなエーテル基、カルボキシル基、エトキシカル
ボニル基に代表されるエステル基、アセチル基やシクロ
ヘキシルカルボニル基のようなアシル基、メチルアミノ
基やアミノエチルアミノ基のようなアルキルアミノ基や
カルバモイル基、メシル基などを挙げることができる。
アリール基を有する修飾基としてはフェニル基のような
アリール基や、ベンジル基のようなアラルキル基、フェ
ノキシ基やベンジルオキシ基のようなエーテル基、ベン
ジルオキシカルボニル基に代表されるエステル基、ベン
ゾイル基のようなアシル基、ベンジルアミノ基のように
芳香族化合物に脂肪族のスペーサーを介して結合したア
ミノ基、トルエンスルホニル基などがある。
本発明の発熱物質吸着体に用いられるポリアミノ酸には
アラニン、フェニルアラニン、バリン、ロイシンのよう
な中性アミノ酸からなる本来的に疎水性のアミノ酸ポリ
マーがある。
これに加えて、親木性ポリアミノ酸を疎水性化したもの
(疎水性基を導入した親水性アミノ酸ポリマー)が使用
できる。そのような親水性ポリアミノ酸誘導体としては
、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸等の酸性ポリ
アミノ酸を疎水性エステル化したもの、例えば、それら
のアミノ酸のアルキルエステル、ベンジルエステル、ジ
シクロヘキサンメチルエステル、テトラヒドロピランメ
タノールエステル等を挙げることができ、また、リジン
、オルニチンのような塩基性アミノ酸を疎水性基で保護
したもの、例えば、そのようなアミノ酸のカルボベンゾ
キシ化物、カルボエトキシ化物を挙げることができる。
本発明に用いられるポリアミノ酸は、単一のアミノ酸か
らなる重合体あるいはアミノ酸の混合物からなる共重合
体のいずれでもよい。
また、前記ポリアミノ酸の末端アミノ基をアシル化した
もの、例えばポリアミノ酸のアセチル化物やベンゾイル
化物を挙げることができ、またイソシアナート化合物と
反応させたもの、例えば、ポリアミノ酸のカルバミド化
物を挙げることもできる。
さらにはポリアミノ酸あるいはポリアミノ酸誘導体とウ
レタンプレポリマーやエポキシ樹脂等との共重合体も用
いることができる 本発明の発熱物質吸着体に適さないポリアミノ酸誘導体
としてエチレンジアミンで側鎖をアミド化したポリグル
タミン酸を更にグルタル酸で修飾したポリグルタミン酸
誘導体が挙げられる。
本発明の発熱物質吸着体であるポリアミノ酸、あるいは
ポリアミノ酸誘導体にさらに塩基性官能基を導入するこ
とにより発熱物質吸着活性を増加させることができる。
従って、エステル化等によって疎水化されたポリアミノ
酸誘導体、例えばポリグルタミン酸メチルエステルはそ
のエステル部分をアミノ化することで、また本来側鎖に
アミノ基を有するリジン、オルニチン等の疎水性化誘導
体、例えばポリ(Nε−カルボベンゾキシリジン)は、
従来から既知の方法により疎水性基を脱離することによ
り、発熱物質吸着能をさらに増加させることができる。
ここで言う塩基性官能基は特にアミノ基、とりわけ脂肪
族アミノ基が好ましい。
すなわちエチルアミンに代表されるアルキルアミン、エ
チレンジアミン、ジエチレンジアミン、ベンジルアミン
のような脂肪族アミンあるいは芳香族化合物にスペーサ
ーを介して結合したアミン等が用いられる。なお、本発
明に用いられる塩基性官能基のほとんどは p K a
 6 、5以上の酸電離指数値を有している。これらの
塩基性官能基を前記ポリアミノ酸あるいはポリアミノ酸
誘導体に導入する場合には、直接もしくはスペーサーを
介して導入することができる。また、スペーサーを介し
て導入することにより発熱物質との親和性に優れた本発
明の吸着体を調製することも可能である。このようなス
ペーサーは、本発明の吸着体を構成しているポリアミノ
酸あるいはポリアミノ酸誘導体に応じて選択されること
が必要である。
例えば、グルタミン酸誘導体またはアスパラギン酸誘導
体を含むポリアミノ酸誘導体の場合には炭素数2〜6の
多価アミンが好適であ“る。
ここで言う塩基性官能基の導入数に制約はない。
本発明の発熱物質吸着体に使用されるポリアミノ酸また
はポリアミノ酸誘導体は特に限定されることはないが原
料入手のしやすさ、すなわち合成の容易さ、また粒子m
製後の化学修飾の容易性を考慮すると、好ましくは例え
ばポリグルタミン酸エステルまたはポリアスパラギン酸
エステル、グルタミン酸エステルもしくはアスパラギン
酸エステルを一部含みその他の疎水性アミノ酸からなる
ヘテロポリマー、疎水化ポリリジンまたは疎水化ポリオ
ルニチン、または疎水化ポリリジンもしくは疎水化ポリ
オルニチンを一部含有しその他の疎水性アミノ酸からな
るヘテロポリマー等が用いられる。例えば、グルタミン
酸誘導体及び/またはアスパラギン酸誘導体からなる本
発明の吸着体の調製には、これらのアミノ酸のメチルエ
ステル、エチルエステル、プロピルエステル、またはベ
ンジルエステル等を原材料として、目的のポリアミノ酸
誘導体を調製することができる。
なお、ポリアミノ酸またはポリアミノ酸誘導体の重合度
に関しては特に制限は無いが、強度の点から100以上
が好ましく、一般に、100〜100oが選ばれる。
本発明の発熱物質吸着体の形状は特に制限されることは
なく、例えば球状粒子、wIA維、フィルムや、粉末等
いずれでも良い。
特に、本発明における発熱物質吸着体の一形態である球
状粒子は、従来の多糖体系の球状粒子とは全く別の素材
であるポリアミノ酸(合成ポリアミノ酸)を利用したも
のである。このようなポリアミノ酸の基本的な球状粒子
及びその製法に関し・て本願発明者らは先に特許出願を
行っている(特開昭62−1728) 。
本願発明に用いられる発熱物質吸着体であ、るポリアミ
ノ酸球状粒子のm製には、本来的に疎水性のポリアミノ
酸及び疎水性化したポリアミノ酸誘導体を原料にするこ
とにより、それらの球状粒子を得ることができる。
すなわち疎水性ポリアミノ酸あるいは疎水性化したポリ
アミノ酸誘導体を有機溶媒に溶解したものを水性媒体(
該溶液が溶解しないか、または、僅かしか溶解しない媒
体)に加え、懸濁させ有機溶媒を除去することにより球
状1粒子が形成され、必要に応じてこれらをさらに修飾
する。
また、前述したような球状粒子、特に分散体の調製時に
疎水性ポリアミノ酸誘導体の形態を採用しさえすれば、
粒子調製後に保護基の脱離等の手段により最終的に疎水
性ポリアミノ酸誘導体および親木性ポリアミノ酸誘導体
(両親媒性ポリアミノ酸誘導体を含む)のいずれの球状
粒子をも得ることができる。l!製される疎水性あるい
は親水性、ポリアミノ酸誘導体粒子の選択に際しては、
発熱物質を除去しようとする目的物質の性質が大きく影
響してくる。すなわち、一般には精製しようとする目的
物質が親水性のものであれば、親水性および疎水性ポリ
アミノ酸誘導体粒子のいずれもが特に制約を受けること
なく使用され得るが、目的物質が疎水性のものであれば
親水性ポリアミノ酸誘導体粒子が採用されることが好ま
しい。
本発明の発熱物質吸着体のうち、ポリアミノ酸球状粒子
の調製法において用いられる有機溶媒は、疎水性ポリア
ミノ酸あるいはポリアミノ酸誘導体を良好に溶解すると
ともに水に不溶であり且つ沸点が水性溶媒よりも低いも
のが最適である。
好ましい有機溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメ
タン、ジクロロエタンおよびそれらに類似するハロゲン
化炭化水素、ベンゼン、ならびにそれらの混合溶媒であ
る。このような反応には、有機溶媒中でアミノ酸あるい
はアミノ酸誘導体から疎水性ポリアミノ酸あるいはポリ
アミ酸誘導体を重合することによって得られた溶液をそ
のまま用いることも可能である。
球状粒子の粒径は有機溶媒−水性媒体系の粘度および攪
拌速度により容易に制御することができる。一般に、有
機溶媒中のポリアミノ酸あるいはポリアミノ酸誘導体濃
度が高くなるほど、また、水性媒体系の粘度が低くなる
ほど得られる球状粒子の粒径は大きくなり、攪拌速度を
大きくすることにより粒径の小さい球状粒子が得られる
また、部分酢化ポリビニルアルコール、ゼラチンのよう
な粘度調節剤を添加することによってさらに制御が容易
になる。
さらに、多孔性の球状粒子も容易にHaすることができ
る。すなわち、疎水性ポリアミノ酸あるいは疎水性化し
たポリアミノ酸誘導体の有機溶媒溶液に、該ポリアミノ
酸あるいはポリアミノ酸誘導体と非相溶性であるが該ポ
リアミノ酸あるいはポリアミノ酸誘導体を溶解している
有機溶媒には相溶性であり、且つ、それらの有機溶媒お
よび水性溶媒よりも沸点が高い添加剤を加えて前述と同
様の反応を行う。このような添加剤としては、デカリン
、テトラリン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、
ジエチルベンゼン、アニソール、ヘキサノール、オクタ
ツール、ジブチルエーテル、シクロヘキサン、パラフィ
ン類、フタル酸ジブチルのようなフタル酸エステル類、
ドデカン酸メチルのような高級脂肪酸エステル類、オレ
イン酸のような高級飽和脂肪酸等が挙げられる。このよ
うな添加剤の種類や量を調節することにより、水溶性多
糖類の分子量に換算して102〜107に相当する孔径
を有し、空孔率10〜99%までの任意の多孔性球状粒
子を得ることができる。本願発明の特に好ましい粒子と
しては空孔径が103〜10丁のものである。また、こ
のような球状粒子は前述の方法に従って調製されること
により、その粒径を任意に制御することができる。一般
に、ここで得られる球状粒子の粒径は1〜300μmの
範囲にあるが、反応液の粘度あるいは攪拌速度を調節す
ることにより0.1〜1mmの範囲で造粒することも可
能である。粒子のサイズは用途に応じて適宜選択される
が、例えばカラムクロマトグラフィー法で使用される場
合は5〜300μmの範囲のものが好適である。
このような球状粒子の特徴は、従来より使用されている
多糖類系の球状粒子に比較して硬質な点にある。この球
状粒子を赤外吸収スペクトルを測定し分析すると、少な
くとも部分的にβ構造の存在が認められ、このβ構造の
存在が粒子の硬質化に一層寄与しているものと考えられ
る。
繊維状発熱物質吸着体の調製は常法により容易に行われ
る。すなわち、ポリアミノ酸またはポリアミノ酸誘導体
の有機溶媒溶液を調製し該ポリアミノ酸またはポリアミ
ノ酸誘導体と非相溶性である有機溶媒中に溶液紡糸する
ことにより繊維を得ることができる。繊維の太さは用い
る紡糸ノズルの径により適宜選択されるが、通常30〜
60μmの径の繊維が用いられる。
フィルム状発熱物質吸着体の調製も常法により容易に行
うことができる。ポリアミノ酸またはポリアミノ酸誘導
体の有機溶媒溶液を調製し、ガラス板上にキャストし、
有機溶媒を除くことにより得ることができる。フィルム
の厚さは、キャスト時に適宜選択される。
ポリアミノ酸あるいはポリアミノ酸誘導体の粉末は不均
一系重合により容易に調製することができる。すなわち
、重合性モノマーであるアミノ酸N−カルボキシ無水物
と相溶性であり、生成するポリアミノ酸と非相溶性であ
る有機溶媒を用いて重合反応を行い、析出する該ポリア
ミノ酸あるいはポリアミノ酸m導体を分離することによ
り粉末を得ることができる。
シリカやアルミナ等の多孔質担体にポリアミノ酸あるい
はポリアミノ酸誘導体を表面処理して用いることも可能
である。
例えばポリアミノ酸あるいはポリアミノ酸誘導体の有機
溶媒溶液中に多孔質担体を分散させ、そののち分離乾燥
することにより該ポリアミノ酸あるいはポリアミノ酸誘
導体で表面処理された多孔質担体を容易に得ることがで
きる。用・いられる多孔質担体として特に制限はないが
、比表面積の大きいシリカやアルミナ等の無機担体が有
利に用いられる。
さらには、セルロース、ポリエステル、ポリアクリロニ
トリル、ポリオレフィン等、他の素材からなるI!誰の
表面にポリアミノ酸やポリアミノ酸誘導体をコーティン
グ処理したものも用いることが可能である。用いられる
1!維に特に制限はないが比表面積の大きい繊維が有利
に用いられる。
このようなポリアミノ酸あるいはポリアミノ酸誘導体で
表面処理した多孔質担体や繊維の特徴は、球状粒子と同
様従来より使用されている多糖類系の球状粒子に比較し
て硬質な点や比表面積が大きい点にあり、発熱物質を目
的の最終精製物から効率よくしかも迅速に分離除去する
ことが可能である。加えて球状粒子に比ベポリマーの使
用量が少なく、経済的にも有利である。
上記の発熱物質吸着体を用いて発熱物質を除去する操作
としては、カラムを用いたクロマトグラフィー または
バッチ処理法のいずれの方法でも実施することができる
カラへ法の場合には、本発明の発熱物質吸着体をカラム
に充填し、適当な緩衝液で洗浄した後に発熱物質を含有
する目的の溶液を通液し、素通り画分を回収することに
よって発熱物質が除去された目的物質を得ることができ
る。
また、バッチ法においては発熱物質含有溶液に本発明の
発熱物質吸着体を添加し攪拌した後、吸着体のみを液体
から分離除去することにより発熱物質を含まない目的物
質を得ることができる。
本発明の吸着体は従来のアガロースやデキストラン系の
粒子と比較すると、膨潤性をほとんど示さずカラムクロ
マトグラフィー等を極めて短時間のうちに行うことがで
き、発熱物質の高速分離剤として工業的に使用される場
合に最適である。
本発明の発熱物質吸着体は発熱物質との親和性に優れて
おり、これに加えて、従来用いられていたアガロースや
デキストラン系の物質を素材とした粒子に比べて、吸着
体が非常に硬質性に富み安定しているため、膨潤度も極
めて小さく発熱物質の除去操作を短時間のうちに実施す
ることが可能である。
また、該発熱物質吸着体は特別な反応経路を経る事なく
きわめて簡便にvR製される。さらに、本願発明の発熱
物質吸着体は、目的物質とは親和性が小さいために、目
的物質の回心率を低下させる事なく、発熱物質のみを極
めて選択的に除去することが可能である。
上記のように発熱物質吸着体として極めて最適な機能を
有する本発明の発熱物質吸着体の特長の要因は、ポリア
ミノ酸あるいはポリアミノ酸誘導体の構造が及ぼす発熱
物質の吸着機構への効果と、ポリアミノ酸あるいはポリ
アミノ酸誘導体に導入される塩基性官能基とりわけ弱塩
基性のアミノ基と発熱物質との親和性との相乗効果と考
えることができる。また、塩基性官能基を導入する際そ
れらの種類を適宜選択することが可能であり、それらの
導入率を容易に制御できることも特筆すべき点である。
以下、実施例に沿って本発明を更に詳細に説明する。
[実°施例] の 実施例1 ポリ−L−グルタミン酸メチル10g、デカリン10m
1をジクロロエタン400m1に溶解し、これを50℃
に保った1、5w/v%部分酢化ポリビニルアルコール
の水溶液200oml中に滴下した。同温度で24時間
激しぐ攪拌するとジクロロエタンが蒸発し、デカリンを
含有したポリ−L−グルタミン酸メチルエステルの球状
粒子が得られた。
これをアセトンを用いソックスレー抽出法により洗浄し
てデカリンを除いた後、水に懸濁させてJIS規格適合
ふるいで64〜105μmの粒径を持つ球状粒子が得ら
れた。この球状粒子の最大空孔径は、水溶性多糖類の分
子量に換算して2x10−空孔率は55%であった。こ
のようにして帰られた粒子を吸着体A (PG−OMe
)と称する。
実施例2 実施例1で得られた吸着体A5gをメタノール50m1
.エチレンジアミン50m1の混合溶液中に懸濁させ、
65℃で48時間ゆるやかに攪拌した。粒子を濾過によ
って集め、メタノール及び水で洗浄してアミノ基を導入
した粒子が得られた。この場合のアミノ基の導入量は、
イオン電極法で測定した結果3.2meq/g (1g
粒子当り3.2ミリ当量)であった、こうして得られた
粒子を吸着体B (PG−Nl2)と称する。
比較例1 実施例2で得られた吸着体84gをテトラヒドロフラン
100m1中に懸濁させ、無水グルタルI20.14g
を加えて40℃で24時間ゆるやかに攪拌した。粒子を
濾過によって集め、メタノール及び水で洗浄して、カル
ボキシル基が導入された粒子が得られた。滴定法により
、粒子中のアミノ基の98%以上がカルボキシル化され
たことを―認した。こうして得られた粒子を吸着体C(
P G −C00H) と称する。
比較例2 比較例1で得られた吸着体C3,5gとヒスタミンニ塩
酸塩3gを水50 m lに懸濁し、トリエチルアミン
4.5ml、水溶性カルボジイミド(例えば、1−シク
ロへキシル−5−(2−モルホリノエチル)カルボジイ
ミド−P−)ルエンスルホネート等)0.56gを添加
し、室温下2日間ゆるやかに攪拌した。生成した粒子を
濾過によって集め、水、アルコール、エーテルの順で洗
浄した。
生成粒子中のヒスタミン含量は、アミノ酸分析法により
0.2me、q/gであった。このようにして得られた
粒子を吸着体D (PG−His)と称する。
実施例3 ポリーL−ロイシンlogにジエチルベンゼン10m1
.ベンゼン500m1を加え、室温で数時間攪拌し膨潤
させた後、70”Cに加熱すると粘調性のある透明溶液
になった。これを60℃に保′った2、5w/v%部分
醇化ポリビニルアルコールの水溶液2000 m l中
に滴下し、温度を40℃まで徐々に下げながら24時間
激しく攪拌すると、ベンゼンが蒸発しジエチルベンゼン
を含有したポリロイシンの球状粒子が得られた。これを
アセトンを用いソックスレー抽出法により洗浄してジエ
チルベンゼンを除いた後、JIS規格適合ふるいにより
10〜25μmの粒径を持つ球状粒子が得られた。この
ようにして得られた粒子を吸着体E(PLeu)と称す
る。
実施例4 ポリ(Nε−カルボベンゾキシ−L−リジン)Logを
ジエチルベンゼン10m1.  クロロホルム400 
m lに溶解し、これを40℃に保った1、5w/v%
部分醇化ポリビニルアルコールの水溶液2000 m 
l中に滴下した。同温度で24時間激しく攪拌すると、
クロロホルムが蒸発してジエチルベンゼンを含有したポ
リ(Nε−カルボベンゾキシ−L−リジン)の球状粒子
が得られた。
これを、アセトンを用いソックスレー抽出法により洗浄
してジエチルベンゼンを除去した後、JIS規格適合ふ
るいで64〜105μmの粒径を有する球状粒子が得ら
れた。
この粒子Logに25%臭化水素/#酸30 m l、
エーテル300m1を加え、室温で1時間懸濁すると部
分的にカルボベンゾキシ基が除去されたポリーL−リジ
ン粒子が得られた。このようにして得られた粒子を吸着
体F (PLys)と称する。
実施例5 L−ロインンN−カルボキシ無水物1.0gとL−イソ
ロイシンN−カルボキシ無水物0.2 gをアセトニト
リル15m1に溶解し、40℃に加熱した。トリエチル
アミン4μmを加えると、粉末状のポリマーが析出し始
めた。
6時間後室温まで冷却し、析出した粉末状ポリマーを濾
別、乾燥した。
ポリ(L−ロイシル−L−イソロイシン)0.9gを得
た。
こうして得られた粒子を吸着体G (P Leu−I 
le)と称する。
実施例6 ポリ−L−グルタミン酸メチルの10wt%ジクロロエ
タン溶液を40〜50℃に加温し、減圧下に脱泡した。
紡糸用シリンジに上記の紡糸原液を加え、灯油中に一定
速度で吐出させた。シリンジのノズル先端部で凝固した
ポリ−L−グルタミン酸メチルを凝固浴中に引出し、定
速回転のボビンで巻取ることにより繊維を得た。
こうして得られた繊維を吸着体H(繊維状PG−OME
)と称する。
実施例7 L−グルタミン酸メチルN−カルボキシ無永物1.4g
を酢酸エチル10m1に溶解し、40℃に加熱した。ト
リエチルアミン5μmを加えると、ポリ−L−グルタミ
ン酸メチルが析出し始めた。4時間後室温まで冷却し、
析出したポリ−L−グルタミン酸メチルを濾別、乾燥し
た。
ポリ−L−グルタミン酸メチル1gを得た。
こうして得られた粒子を吸着体I (粉末PG−OME
)と称する。
実施例8 ポリ−L−グルタミン酸メチル1gをジクロロエタン1
00m1に溶解し、多孔質シリカ(粒径0.5〜11μ
m)Igを加え、室温で2時間ゆるやかに攪拌した。減
圧下で5分間脱気し、多孔質シリカ内をポリマー溶液で
置換した。
上記の操作を2回繰り返した後、多孔質シリカを濾別し
、メタノールで洗浄した後乾燥した。
ポリ−L−グルタミン酸メチルで表面処理された多孔質
シリカ1gが得られた。
こうして得られた粒子を吸着体J(表面処理P G −
OMK)と称する。
発鵬11す頌」爪去 実施例9 実施例1〜4、及び比較例1.2で¥M製した各種吸着
体、および市販の吸着体(各々A社、B社)0.1〜0
.2g(乾燥重量)を発熱物質を含まない10mMリン
酸緩衝液pH7,5(1,0MNaC1含有)、10m
Mリン酸緩衝液pH7,5(0,07M   NaC1
含有)で順次洗浄した。これらの吸着体を発熱物資を含
有する種々の細菌トキソイド溶液1〜2mlに接触させ
、溶離液あるいは上清について残存する発熱物質量の測
定を行った。
はじめに含有していた発熱物質量より溶離液あるいは上
滑に残存する発熱物質量を引き、その値をはじめに含有
していた発熱物質量で除して100倍し吸着率として表
した。結果を第1表に示す。
その結果吸着体Aそれ自体にかなりの発熱物質吸着能が
あり、弱塩基性のアミノ基をスペーサーを介して側鎖に
導入した吸着体Bにおいて吸着能がさらに増幅されるこ
とが判明した。
一方、側鎖にカルボキシル基を導入した吸着体Cでは殆
ど発熱物質の吸着能を示さず、上記カルボキシル基は発
熱物質吸着能を抑制しているものと考えられる。
アミノ酸球状粒子にイミダゾール誘導体(ヒスチジン)
を固定化した吸着体りは吸着体Aと同等の発熱物質吸着
能を示したものの、吸着体Bを凌ぐに至っていない。ま
た、キトサンを吸着体本体とするA社吸着体、並びにセ
ファロースを担体としスペーサーを介してイミダゾール
を結合させたB社級着体を使用した場合、本測定系にお
いである程度の効果は得られるものの期待された良好な
吸着能は認められなかった。
さらに、疎水性のポリアミノ酸であるどす甲イシンを粒
子本体とする吸着体E、あるいはそれ自体側鎖にアミノ
基を有する吸着体Fにおいても各々発熱物質吸着活性が
認められ、本願発明の合理性を裏付ける結果が得られた
実施例10 実施例1で調製した吸着体A0.05g (乾燥重量)
と、実施例3で調製した吸着体EO005g(乾燥重量
)を混合し実施例9と同様に処理して残存する発熱物質
量の測定を行った。
実施例9と同様の方法で吸着率を求めた。
その結果、発熱物質の吸着率として81%の値が得られ
た。
この値は吸着体Aと吸着体Eを各々上記条件で評価した
結果とほぼ同じであった。
実施例11 実施例5〜8で調製した各種吸着体の0゜1g(乾燥重
量)を発熱物質を含まない10mMリン酸緩衝液pH7
,5(1,0M  NaC1含有)、10mMリン酸緩
衝液pH7,5(0,07M  N a C1)で順次
洗浄した。これらの吸着体に各種細菌由来の発熱物質2
00〜250ngを溶解したリン酸緩衝液(pH7,2
)1〜2mlを接触させ、溶離液あるいは上滑について
残存する発熱物質量の測定を行った。
実施例9と同様の方法で吸着率を求めた。
結果を第2表に示す。
種々の吸着体において、いずれも優れた発熱物質吸着活
性が認められた。
表2 各種吸着体と発熱物質の吸着率 なお、発熱物質の検出はトキシノメーター(和光純薬社
製)によって行った。
[発明の効果コ 本願発明の発熱物質吸着体は、目的物質の回収率を低下
させることなく発熱物質のみを極めて選択的に除去する
効果がある。
また、そのtl!製法も非常に容易であり、医薬品の工
業的製造にも適用可能な優れた吸着体である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 側鎖及び/または主鎖の末端に、脂肪族基 及び/またはアリール基を有する修飾基のみを含むこと
    もあるポリアミノ酸より構成される水不溶性の発熱物質
    吸着体。
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