JPH02208331A - 改質したセルロース多孔体 - Google Patents

改質したセルロース多孔体

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JPH02208331A
JPH02208331A JP1027592A JP2759289A JPH02208331A JP H02208331 A JPH02208331 A JP H02208331A JP 1027592 A JP1027592 A JP 1027592A JP 2759289 A JP2759289 A JP 2759289A JP H02208331 A JPH02208331 A JP H02208331A
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JP
Japan
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cellulose
solution
porous
particles
diameter
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JP1027592A
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English (en)
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Jiyunichi Shirokaze
淳一 城風
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な構造を有する改質セルロース多孔体に
関する。より詳細に述べると、触媒、酵素、医薬品の担
体やイオン交換体、吸着体の原料及び細胞培養用マイク
ロキャリア等に好適な構造〔従来の技術〕 セルロースの微小粒子は、ゲル濾過クロマトグラフィー
(GPC)用の充填材等として広く利用されている。加
えて、各種官能基を容易に導入できるため多種多様なイ
オン交換体やアフィニティークロマトグラフィーの基材
として広い応用範囲を持っている。特に近年、生化学や
遺伝子工学の発展に伴い生体内微量蛋白質の分離精製分
野における需要が大幅に拡大しつつある。現在市販され
ているセルロース粒子の中には多孔性粒子と称するもの
もあるが、それは主に、GPCの排除限界分子量を調節
したり粒子の密度を制御するために、極めて微細な孔径
の多孔構造を持たせているものなので、実質的にその孔
径は最大でせいぜい1咀程度のものである。
例えば、特公昭52−11237号公報に記載されてい
る方法によれば、セルロースをアンモニア性水酸化wU
溶液などに1〜12%の濃度で溶解し、乳化剤を含むベ
ンゼン中にセルロース溶液を分散させ、これを再生浴に
投入してセルロース微小球を得る。
この方法によって得られるセルロース粒子は2〜25%
(W/V)のセルロース密度及び2〜2000mμの範
囲の孔の大きさを有すると記載されているが、この方法
では孔径を大きくする為にセルロース密度を下げて物理
的強度を落とさなければならない欠点があり、実際的に
は通常の使用に耐えるだけの強度を持った孔径が2側よ
り大きい多孔粒子を得ることは出来ない。
また、特公昭57−45254号公報に記載されている
方法によれば、水不混和性分散媒中のビスコース懸濁液
を、連続的に攪拌しながら30〜100°Cの温度に加
熱して固化し、次いで生成粒子を酸分解することによっ
て球状セルロース粒子を得る。しかしながらこの方法に
よっても得られる粒子は硬質ゲル状であり孔径もせいぜ
いサブミクロンオーダーにしかならない。
一方、孔径の大きなセルロース構造体としてセルロース
スポンジが知られているが、その孔径は数百−以上で、
通常は数鵬単位の孔が開いている。
また、小径の粒子状セルローススポンジは知られていな
い。一般に、セルローススポンジを作るにはビスコース
中に微細化した芒硝10水塩の結晶をあらかじめ大量に
混入させておき型に流し込んで加熱固化させた後、水洗
により芒硝結晶を洗い去り多孔化させている。すなわち
、多孔化には芒硝のような後工程で容易に除去できる多
孔化材をあらかじめ溶液に混入させておく方法が一般的
である。しかしこの方法を上記の球状セルロース粒子を
作る方法と組み合わせて、大孔径のセルロース多孔粒子
を得る方法は、溶液中に多量の粒径をコントロールした
多孔化材を入れるため、溶液の流動性が損なわれ、微小
な均一径の液滴を形成することが著しく困難となり、そ
の実施が難しい。
また、セルロース溶液中に入れる多孔化材によっては混
合した段階でセルロースの溶解性が低下したり部分的に
析出してしまうこともある。更に、粒子内部の空隙率を
大幅にあげたり連続孔構造にするためには、セルロース
溶液に対し大過剰の多孔化材を混入する必要があるため
、多孔化材を抜いた後の多孔粒子は必然的に力学的強度
が大幅に低下してしまう。通常、セルローススポンジは
、補強材として麻等の繊維をあらかじめビスコースに混
入しておくことにより、ある程度の強度を得ているが、
この方法ではセルロース溶液中で繊維の絡み合いがある
ため、溶液を均一な微小液滴にすることが事実上不可能
である。
以上の如く、セルローススポンジ製造法をそのまま応用
して粒子を作るのは著しく困難である。
なお、水溶性高分子ゲルの高台水性成形物を提供する目
的で、それらの高分子の溶液を、型枠に注型したり、塗
膜とした後、凍結し、解凍することなく真空乾燥する、
いわゆる凍結真空乾燥法により溶液のゲル構造を固定す
る常套手段を用いて、ゲル成形体を得る提案がある。例
えば、ポリビニルアルコールを用いる方法が特開昭57
−130543号公報、特開昭57−159826号公
報に開示され、また可溶化されたコラーゲンを用いる方
法が特開昭56−23896号公報に開示されている。
このような凍結真空乾燥法による生成物も、多孔性と称
することがあるが、ゲルの分子の網目の間の極めてミク
ロな空間を表わす概念であり、本発明の多孔体の空胞ま
たは孔とは全く概念が異なる。
〔発明が解決しようとする課題〕
セルロース多孔粒子の用途の一つとして各種担体として
カラムに充填して使用する場合を例にとると、粒子の孔
径が小さいと、母液が粒子中を通過する時間が長くなる
。従って、カラム内の反応効率の向上を計るために、通
常、粒子を微小化するとともに液圧を上げるが、この場
合流動抵抗が大きくなり粒子も変形するため手段として
は限度がある。特に生体由来高分子量蛋白の分離生成な
ど、母液の粘度が高い場合には流液抵抗の小さい大孔径
多孔粒子が担体として適しており、セルロース大孔径多
孔粒子の登場が望まれていた。
本発明者は、従来の問題点を解決し、膜で隔てられた径
が約2廁より大きい多数の空胞を有し、該空胞は隣接し
た空胞間を隔てる膜の開口部によりたがいに連通した連
続孔構造を形成していることを特徴とするセルロース多
孔粒子を開発し、さきに特許出願を行った(特願昭62
−198285号)。
ところで、均一充填力ラムが求められる場合、通常は担
体に粒子が用いられるが、糸状やフィルム状の多孔体で
外部表面積のみならず、内部表面積をも使える有効表面
積の大きなものであれば、使用条件により連続体として
の特徴を生がしたハンドリング性良好な分離吸着担体に
なるが、実際に有効な多種多様なイオン交換体、触媒体
、アフィニティークロマト材等に用いるためには目的に
応じて、各種の特性が要求される。
また、付着性細胞の大量培養に用いられる細胞培養担体
は、マイクロキャリアと呼ばれ、従来、粒子の表面に細
胞を付着させることにより培養濃度を106セル/ m
lまで向上させてきたが、粒子内部に細胞が侵入付着可
能な大孔径多孔粒子があれば、粒子内部に細胞を保持す
ることによってマイクロキャリア同志の衝突による細胞
の表面からの脱落という問題を解決できると共に有効付
着表面積の飛躍的な増大により培養濃度を更に向上させ
るマイクロキャリアを得ることができる。しかしながら
、セルロース表面には細胞が付着しにくいため、効果的
なマイクロキャリアを得るためには、細胞付着と増殖に
適する改質が望まれる。
従って、本発明の目的は、従来の問題点を解決し、本発
明者が、さきに提案した上記セルロース多孔粒子と同じ
特徴をもち、且つ、セルロースと比較して改善された特
性をもつセルロース多孔体を提供するにある。
〔課題を解決するだめの手段] 本発明が提供する改質セルロース多孔体は、膜で隔てら
れた径が約2IImより大きい多数の空胞を有し、該空
胞は隣接した空胞間を隔てる膜の開口部によりたがいに
連通した連続孔構造を形成しており、該膜は、改質セル
ロース、すなわち、改質剤がコー1−、ブレンドもしく
は含浸されたセルロースまたは化学的に修飾されたセル
ロースから成ることを特徴とする。
本発明の改質セルロース多孔体は、セルロース溶液また
はセルロース誘導体溶液からセルロース多孔体を製造す
る方法において、その製造工程の前または製造工程の途
中においてセルロースを化学的に修飾するかまたは改質
剤をセルロースにブレンドもしくは含浸することによっ
て製造することができ、または、−旦セルロース多孔体
を形成した後に改質剤をコートもしくは含浸したりまた
は化学的に修飾することによって製造できる。
セルロース多孔体自体は、特願昭62−198285に
記載の方法、すなわち、セルロース溶液を望みの形状に
成形しつつ溶液の固化温度以下に冷却して凍結させ、次
いで溶媒を抽出除去するかまたは溶解能力を失わせるこ
とを特徴とする方法、またはセルロース誘導体溶液を望
みの形状に成形しつつ溶液の固化温度以下に冷却して凍
結させ、次いで、溶媒を抽出除去するかまたは溶解能力
の失活とセルロースの再生を同時または逐次的に行なう
ことを特徴とする方法によって製造される。
上記セルロース多孔体の製造方法の要点は、セルロース
溶液あるいはセルロース誘導体溶液が凍結固化する際、
溶媒またはその構成成分(以下、「溶媒等」と記す)の
微結晶が多数形成され、溶解していたセルロースあるい
はセルロース誘導体が溶媒微結晶間隙に濃縮分離する一
種の相分離現象を多孔化手段として応用した、新規な方
法によって、従来得られなかった孔径が約21!mより
大きいセルロース多孔体の提供に成功したことにある。
該セルロース多孔体の好ましい態様の一つとしては、連
通した空胞の連続孔が表面から垂直に内部に達する構造
であることを特徴とするものがある。
該セルロース多孔体の空胞の大きさは、径が約2側より
大きく、好ましくはその大部分が5庫以上、更に好まし
くは10IRn以上である。これより小さいときは、セ
ルロース多孔体中での流体や物質の自由な移動が実現さ
れず、その用途は制約される。空胞の大きさの上限は、
特に制限されるものではなく、使用目的や粒子の強度等
から選ばれて良いが、通常約500tIIr1以下、好
ましくは200IIm以下に選ばれることが多い。
空胞隔膜の厚みや構造に関しては、各空胞を互いに連結
するための連結口が開口されているべきこと以外は特に
制限されるものではないが、該開口の大きさは、空胞の
径に比べ余り小さすぎないことが好ましく、およそ空胞
径の1/30程度以上が望ましい。開口があまりに大き
すぎると粒子構造体の強度が不足して使用時の破壊につ
ながり好ましくないため、空胞径の約3/4程度以下、
特に約2/3程度以下であることが望ましい。また、空
胞隔膜の厚さはセルロースまたはその誘導体の溶液の濃
度、空胞径等によって異なるが、空胞径の1/4以下、
好ましくは1/10以下であり、場合によっては1/3
0以下のものさえ可能である。
隔膜には上記の大口径の開口部の他に、更に微細な孔構
造がみられることもあるが、特に発明の目的を害さぬか
ぎり、むしろ望ましい実施態様である。
本発明の改質セルロース多孔体の代表的用途は細胞培養
用多孔担体である。改質セルロース多孔体を細胞培養用
多孔担体として使用する場合、空胞の大きさは上述のよ
うに径が約2卿より大、好ましくは5塵以上、さらに好
ましくは10μm以上である。空胞の径が約2内より小
さいと多孔担体中での細胞や培養液の自由な移動が実現
できない。
空胞の大きさの上限は、特に制限されるものではないが
、現状のマイクロキャリアよりも有効表面積を大きくす
るため、2001M1以下に設定され、通常100卿以
下、好ましくはその大部分が50INl以下、更に好ま
しくは30n以下である。
細胞培養用多孔担体として使用する場合、空胞の開口の
大きさは、空胞の径に比べ余り小さすぎないことが好ま
しく、細胞の侵入を可能にするため1!Im以上または
、空胞径のl/30程度以上が望ましい。開口があまり
に大きすぎると粒子構造体の強度が不足して使用時の破
壊につながり好ましくないため、空胞径の約3/4程度
以下、特に約2/3程度以下であることが望ましい。
隔膜には上記の大口径の開口部の他に、更に微細な孔構
造がみられることもあるが、培養液の流通を促進するた
めむしろ望ましい。細胞培養用多孔担体の空胞を隔てる
膜の厚さは前述のように空胞径の1/4以下、または5
/R11以下、好ましくは3/!m以下、更に好ましく
は1p以下である。
本発明の改質セルロース多孔体からなる細胞培養用多孔
担体は培養担体の内部にも細胞接着に有効な表面積を持
ちかつ内部に細胞が自由に侵入できるような表面から内
部に連通した連続孔構造を持つことを特長としている。
多孔体を構成する膜は、実質的にセルロースより形成さ
れている。ここでセルロースとしては、パルプ、リンタ
ー、故紙、細菌産生セルロース、再生セルロースなどの
いずれかを原料とするものであり、特に制限されるもの
ではない。
多孔体を形成するセルロースはこれら原料を後述の方法
で溶解し、再析出または再生させたものであって、平均
重合度は特に制限されるものではない。平均重合度は通
常100〜1000程度のものが好マしいが、細菌産生
セルロースのように更に高重合度のものでも、特に発明
の目的を害さぬかぎり、むしろ望ましい実施態様である
多孔体を形成するセルロース中にヘミセルロースあるい
は、セルロース加水分解物及び酸化分解物の少量が混在
していても、灸れが本発明の目的を損なわないかぎり許
される、 多孔体の形状や大きさも特に限定されるものではない。
代表的な形状は粒子状、糸状およびフィルム状である。
さらに、チューブ状、ハニカム状その他の任意の形態に
するごともできることは容易に理解されよう。
多孔体が粒子の場合、形状は通常、球形、長球形、ない
しは偏平球形から選ばれるが、特殊なものとしては、円
柱形、円筒形、鞍形など充填効果を高める形状とするこ
とも許される。大きさも用途によって任意に選定されて
良く、通常5〜500庫径、場合によっては5mm径以
上のものさえ可能である。
多孔体が糸の場合、断面形状は通常、円形、三角形、六
角形等の多角形、偏平多角形、偏平円形、中空状、円型
状のものから選ばれるが、この範囲に限定されるもので
はない。糸径も用途によって任意に選定されて良く、通
常5〜500踊径、場合によっては5謳径以上のものさ
え可能である。糸径は糸長方向に均一である必要はなく
、糸長も任意であることは言うまでもない。
多孔体がフィルムの場合、膜厚は用途によって任意に選
定されて良く、通常5〜500 tm厚、場合によって
は5mm以上のものさえ可能である。膜厚は均一である
必要はなく、使用目的に応じてむしろ凹凸をつけること
も好ましい実施態様となり得る。
上記の多孔体の製造方法においては、製造時にセルロー
ス溶液あるいはセルロース誘導体溶液には多孔化材など
の異物を入れる必要がないため、微小な均一径の液滴を
容易に作ることができ、粒径コントロールを任意に行な
うことができる。空胞の径と形状は基本的に溶液中の溶
媒等が凍結固化する際に形成する溶媒等の結晶の大きさ
と形状により決まる。従って、セルロース溶液の種類あ
るいはセルロース誘導体溶液の種類と、温度などの凍結
固化条件を変化させることにより空胞の形状及び孔径を
調整することができる。
用いるセルロース溶液には、例えば、銅アンモニア(C
uoxam)、銅エチレンジアミン(CHD) 、カド
キセン、酒石酸鉄ナトリウム(EWNN)、ニッケルエ
チレンジアミン(Nioxen)、ニッケルアンモニア
(Ntoxam)、コバルトエチレンジアミン(Coo
xen)、亜鉛エチレンジアミン(Zincoxen)
等の金属錯体の水溶液にセルロースを溶解した溶液、ジ
メチルアセトアミド/塩化リチウム系溶媒にセルロース
を溶解した溶液、N−メチルモルフォリンオキサイド、
トリエチルアミンオキサイド、シクロへキシルジメチル
アミン等の各種アミン系溶媒にセルロースを溶解した溶
液、チオシアン酸アンモン、ヨウ化ナトリウム、硝酸す
1−リウム、チオシアン酸ナトリウム、ヨウ化アンモニ
ウム等の塩とアンモニアを組み合わせた溶媒にセルロー
スを溶解した溶液、特開昭60−42438号公報に示
されるアルカリ水溶液にセルロースを溶解した溶液など
があるが、これらに限定されるものではない。
用いるセルロース誘導体溶液には、ジメチルスルホキサ
イド中でパラホルムアルデヒドをセルロースに反応させ
セルロースの一部をメチロール化して溶解した溶液、ジ
メチルホルムアミド中で四酸化二窒素をセルロースに反
応させてセルロースナイトライドエステル化して溶解し
た溶液、ジメチルスルホキサイド(DMSO)中で各種
アミンと二酸化イオウをセルロースに反応させて熔解し
た溶液、セルロースザントゲン酸ソーダ?8液cビスコ
ース)、およびセルロースアセテートのアセトン溶液な
どがあるがこれらに限定されるものではない。
セルロース多孔体の形状は任意にコントロールできる。
また、粒子、糸、フィルム化等の成形方法も任意に選ぶ
ことができる。例えば、セルロース多孔粒子の形状と粒
径はセルロース溶液あるいはセルロース誘導体溶液の種
類、セルロース濃度、溶液の粘度などでコントロールで
きるし、また溶液を液滴にする方法によっても任意に粒
子の形状と大きさをコントロールできる。液滴にする方
法には溶液を気体中に噴霧するスプレーノズル法、流動
体中への溶液吐出法、エマルジョン分散法などがあるが
、これらに限定されるものではない。
なお、好ましい方法ではないが、通常の紡糸や成膜同様
ノズルやダイから押し出し繊維またはフィルム状に成型
した後、適当な工程で粒状に切断、細化することも可能
である。
糸、フィルム、ハニカム、中空糸、チューブ等への成形
法としては、通常のノズルやダイからの押出し法、型枠
への注入法等があるが、これらに限定されるものではな
い。また、適当な工程で延伸、展伸、切断することも可
能である。
凍結は、液滴を任意の温度に調節した媒体中に導入する
ことによっておこなう。セルロース溶液あるいはセルロ
ース誘導体溶液と非反応性かつ非混和性の液体あるいは
気体中であれば真球の形状で凍結する。また、該溶液と
混和性の液体中であれば、いびつな形状で凍結するし、
反応性の気体あるいは液体中であれば、粒子の表面部分
だけを反応・改質したうえ凍結することができる。例え
ば、セルロース溶液あるいはセルロース誘導体溶液と混
和性の液体あるいは気体中で凍結させると、凍結温度に
達する前に、接触界面にのみ該液体あるいは気体が浸透
するため、表面を覆う膜状にセルロースが析出する。結
果として、表層のみ膜で覆われたセルロース多孔体が得
られる。
この方法において凍結を実施するに際し、凍結温度は溶
媒等が凍結する温度より低ければ、特に制限されるもの
ではない。しかしながら、多孔体の空胞径を決定する溶
媒等の結晶の成長の点で重要であり、溶媒等の種類及び
目的とする空胞径から選択される。余りにも低い温度は
、凍結に際し結晶を形成することなく、セルロース溶液
が溶液構造に近い状態のまま凍結されてしまい、通常の
湿式凝固したと同様のゲル構造となり、好ましくない場
合が多い。但し、凍結温度の適切な設定により、多孔体
表面のみゲル構造とし、内部を多孔構造にすることが可
能であり、且つ表面を部分的にゲル被膜で覆い部分的に
粒子内部への連結口を残すこともできる。この様な構造
を持つ多孔粒子は、圧縮時の変形に対し特に高い抵抗力
を持つ。
一般には、凍結温度は、溶媒等の凍結温度よりも40°
C以上低くは設定されないことが好ましく、通常は凍結
温度よりも0〜20゛C低い範囲に選ばれることが多い
上記方法において、凍結されたセルロース溶液あるいは
セルロース誘導体溶液は、次いで、セルロースあるいは
セルロース誘導体を溶解している溶媒を抽出除去するか
、その溶解能を低めて、(以下、これらの処理を総称し
て「溶媒除去等」という)、固化されたセルロース多孔
体とする。
要するに、通常のセルロース溶液、セルロース誘導体溶
液の湿式成形時に用いられる稀釈析出もしくは沈澱、溶
媒抽出、または酸アルカリ中和反応などの凝固方法がそ
のまま適用できる。
溶媒除去等の条件は特に制限されるものではない。通常
は、凍結体を素早く任意の凝固浴または再生浴中に投入
すれば足りるが、凝固浴または再生浴も溶液の凍結温度
以下にすることが好ましく推奨される。
但し、セルロース誘導体の場合はセルロース再主工程が
必要であり、この再生は溶媒除去等と同時または逐次的
に(すなわち、溶媒除去等を行った後に)行なう。再生
自体は常法によって行うことができる。
溶媒除去等を済ませたセルロース多孔体、または、溶媒
除去等と再生工程を経たセルロース多孔体は、次いで水
または他の洗浄剤により洗浄され、必要があれば乾燥や
液置換等を施された後、後処理に供される。洗浄や乾燥
の条件についても特に制限されるものではなく、用途に
応じた条件が任意に選ばれて良い。
次に、セルロースの改質について説明する。本発明の改
質セルロース多孔体は、セルロース溶液またはセルロー
ス誘導体溶液からセルロース多孔体を製造する方法にお
いて、多孔体の製造工程の前または製造工程の途中で、
あるいは、後工程において、セルロースを改質すること
によって得られる。改質には、セルロース溶液あるいは
、セルロース誘導体溶液段階で、改質剤をブレンドした
り、化学的に修飾したりする方法と、後工程で一般的な
手法で、改質剤をコーティングもしくは含浸したり、ま
たは化学的に修飾、すなわち、架橋したり、官能基の導
入処理等を方法とがあるが、これらに限定されるもので
ない。また、用途に応じては、処理を組み合わせること
が好ましいこともある。
ブレンドする改質剤には、例えば、ポリマー、金属、無
機物等があり、これらの改質剤は溶解していなくともセ
ルロース多孔体に比べ微細であれば、混合状態でも良い
。均一に溶解させるためには、前述列挙したセルロース
溶液あるいはセルロース誘導体溶液から相溶性の良いも
のを選び、目的物質を溶解させる。
コーティングは湿潤あるいは乾燥セルロース多孔体に金
属、有機ポリマー、無機ポリマーを付与することによっ
て行われる。
金属は通常、化学メツキ法によるコーティングを行なう
。白金、パラジウム等の触媒を微量、セルロース多孔体
につけた後、無電解メツキ浴を用いて使用目的に適合す
る金属をコーティングするが、金属は合金でも良く、ま
た化学メツキに続いて電解メツキや熱処理等の後処理も
必要に応じて行なえば良い。その他、スパッタリング等
も目的に応じて好ましい処理と言えよう。
有機ポリマー、無機ポリマーの場合は、まずこれらのポ
リマーの溶液を調製するが、ポリマーの溶媒はポリマー
を均一に分散あるいは溶解せしめ、セルロース多孔体へ
のポリマーの含浸または塗布を容易にするものであり、
除去のしやすさまで考慮して選択する。
ポリマーのコーティングは次のように行なうことができ
る。まず、ポリマーを溶媒(以下、「コーティング溶媒
」という)に分散あるいは溶解させ、得られる高分子溶
液または分散液を膜に含浸、塗布その他の方法でセルロ
ース多孔体に付与することによって行なわれる。次いで
、均一なコーテイング膜を形成せしめるために、遠心除
去、吸引等の方法によって過剰の高分子溶液を多孔体か
ら除去する。この液切り操作が適切に行なわれないと、
性能のバラツキや使用時におけるポリマー脱落の原因と
なるコーティング層の厚み斑を生じる恐れがある。液切
りを行なった後、コーティング溶媒を除去すること等に
よってポリマーの固定を行なう。コーティング溶媒の除
去は、溶媒が揮発性の場合は凍結乾燥、真空乾燥、通風
乾燥、加熱乾燥等の通常の方法によって行なわれる。コ
ーティング溶媒が比較的高沸点の場合は、必要に応じて
ポリマーを含まない溶媒で洗浄した後、溶媒と相溶性の
良い揮発性有機溶媒で洗浄し上記と同様に乾燥する。
なお、コーティング層の均一性を高めるためには、膜面
へのポリマー溶液の付与、液切り、ポリマーの固定まで
の処理を繰り返すことが好ましい。
さらに、熱処理まで含めて繰り返すことはより強固なコ
ーティングを得るために有効である。
ブレンドまたはコーティングされる有機高分子物質の例
をあげると、天然植物系化合物、例えば、アラビアガム
、クインスシード粘液質、トラガカントガム、カラギー
ナン、アガー、グアガム、カラヤガム、ローカストビー
ンガム、ペクチン、ガラフクン、プルランまたはキサン
タンガム、天然動物系化合物、例えば、ゼラチン、カゼ
イン、カゼインカリウム塩、カゼインナトリウム塩、ま
たはコンドロイチン硫酸ナトリウム塩、コラーゲン、エ
スラチン、フィブロイン、キトサン、キチン、ヒアルロ
ン酸、澱粉系半合成高分子化合物、例えば、カルボキシ
メチル澱粉、メチルヒドロキシプロピル澱粉、デキスト
リン、デキストラン、アルギン酸系半合成高分子化合物
、例えば、アルギン酸プロピレングリコールエステルま
たはアルギン酸塩、合成高分子化合物、例えば、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエ
チルエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリ
ル酸、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル等または
それらそれぞれのモノマーと他のビニルモノマーとの共
重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリアラミド等の
縮合重合体およびエポキシ反応物、ポリウレタン等の付
加重合体等がある。
含浸はモノマー、アイオノマーでも良く、これらを含浸
後、重合開始させることにより、セルロース多孔体中に
種々のポリマーを固定したり、グラフト化することがで
きる。
他にも、改質剤を吸着、イオン結合、ファンデアワール
ス結合等の弱い結合力で多孔体に支持させるだけで目的
を達せられる場合があることは言うまでもない。
また、セルロース多孔体の膜面にのみ含浸させたい場合
は、液切り操作を工程中に導入することが有効である。
セルロース多孔体の分子間架橋は、セルロースの水酸基
と反応結合し得る官能基を2以上もつものならば架橋剤
として使用できる。例として、二官能性有機物質が挙げ
られる。その例としては、アルカリ性反応物質存在下で
比較的容易に反応するX−R−Z形〔式中、Rは炭素原
子を含有する脂肪族残基を表し、X及びZは各ハロケラ
またはエポキシ等であり、それらは脂肪族残基の炭素原
形成する。〕がある。上記反応に適する二官能性化合物
の例には、エピクロロヒドリン、ジクロロヒドリン、1
.2−.3.4−ジェポキシブタン、ビスエポキシ・プ
ロピルエーテル、エチレングリコール−ビス−エポキシ
・プロピルエーテル及び1.4−ブタンジオールービス
ーエボキシブロビルエーテル及び密接に関係ある化合物
類があるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、このような二官能性物質を用いて酵素固定を行な
ったり、イオン交換基等の官能基を導入することもでき
る。例えば、アルカリ性反応化合物の存在下−形式X−
R−Yの化合物〔χはセルロースのOHと反応結合する
官能基、Yは目的に応じた官能基で、例えば、−COO
H,−3O3Hあるいは基、R,、R2は水素またはメ
チル、エチル、ヒドロキシエチル等の脂肪族残基)を有
するアミノ基あるいはその塩)をセルロース多孔体に反
応させればカチオンあるいはアニオン交換体となる。
Yが酵素ならばセルロース多孔体を用いた酵素固定とな
る。
上記の改質処理前後で、必要に応して、酸化、還元によ
り更に改質を有益な方向に進めることもできる。また、
改質はセルロース多孔体に均一に行なうだけでな(、用
途によっては部分的な改質を行なう方がむしろ好ましい
場合もある。
〔作用および発明の効果〕
本発明の改質セルロース多孔体は、約2陣より大きい大
孔径の連続空胞を持つため、粒子内に液体や固体が出入
りしやすい構造体である。この多孔体の空胞を形成する
隔壁は、基本的に天然物であるセルロースより成るため
、水に対する親和性が良く、生物的に無害であり、耐有
機溶剤性が良く、耐熱性が良いなどの利点がある。これ
らの利点から、本発明の改質セルロース多孔体はアフィ
ニティークロマトグラフィー用充填物、固定化酵素担体
、細胞培養用マイクロキャリア等に有用である。
クロマト担体などに使用する場合、粘性のある液に対し
ても通液性がよいものとなる。また、動物細胞のような
大きな体積を有するものでも、表面に開いた孔から多孔
体内部に侵入することができるため、従来の表面付着型
のマイクロキャリアと異なり、多孔体の内部に細胞を保
持するマイクロキャリアとして応用できる。また、セル
ロースの反応性水酸基を利用した誘導体化も容易であり
、機能性反応基の導入により酵素固定、イオン交換能、
キレート能などが付与できるため、種々の用途に応用す
ることができる。
さらに、セルロース以外のポリマーとのブレンドやポリ
マーコーティングによりセルロースが有する親水性をコ
ントロールしたり、タンパク質の吸着特性その他の表面
特性を任意に調節または付与することができる。
〔実施例〕
以下、実施例について本発明を具体的に説明する。
実施例において、セルロース溶液あるいはセルロース誘
導体溶液の粘度は、市販の回転粘度計を用い、温度23
°Cにおいて、ロータを2Orpmで回転させて測定し
た値である。
セルロースの銅安相対粘度(ηrOL )はJIS P
8101によって測定し、平均重合度(DP)は銅安相
対粘度から次の式によって求めた(1.E、C。
42、502(1950)参照)。
(8丁) <300)  Ir−520(η、。−1)
(DP)≧300)  D丁−2160(log(ηr
Gt+1)−〇、267) 粒子の径および多孔対の大きさは、未乾燥状態のまま、
光学顕微鏡により適当な倍率に設定して測定した。50
/1m径以下の微小粒子については、洗浄後の未乾燥粒
子を液体窒素で急速冷却して構造を保ったまま凍結した
後、0.1 トJuの真空中で凍結乾燥(凍結乾燥処理
)後、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた観察測定も
併用した。多孔体表面の開孔径及び開孔面積率は、凍結
乾燥処理した試料を金スパツタリング処理してSEMで
適当な倍率に拡大し観察測定を行なった。多孔体内部の
開孔径および隔膜の厚さは、上述のように液体窒素で凍
結した後、同温度で割断を行ない、そのまま真空中で乾
燥以降の処理を施しSEMで多孔体断面の観察測定を行
ない求めた。
粒子径、開孔径等については、それらが真球や真円でな
い場合は、最も短い直径をもって定義した。
実施例1 アラスカパルプ社製溶解用パルプA L−Tを酸加水分
解により平均重合度450に調整したものを6°Cの8
%水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、濃度3%のセルロ
ース溶液を得た。この溶液を、16°Cのヘキサン中に
スプレーノズルを用いて霧状の微粒子状態で投入し、同
温度で10時間の緩攪拌を続けたところ、ヘキサン中で
微粒子形状の該溶液の凍結体を得た。次にこのヘキサン
容器から該溶液の凍結体を取り出し、−20°Cの50
%硫酸水溶液中に投入し、−20°Cに5時間保った後
、セルロース粒子を取り出し水洗した。
次に、この粒子3滅を0.01モルのジエチルアミノエ
チルクロライド塩酸および0.03モルの水酸化ナトリ
ウムを含有する水溶液20m1中に投入した。
続いて同溶液中に1 mlのエビクロロヒドリンを投入
し、この溶液を振とう溶液中60°Cで1時間攪拌した
。1時間後濾紙で濾別し蒸留水で十分に洗浄した後、耐
圧ビンに蒸留水100m1とともに入れ、121°Cの
オートクレーブで20分間滅菌処理を行なった。
生成物の一部を取り出し、光学顕微鏡で粒子を観察した
ところ、粒子径は50〜300μmですべての粒子に1
0〜20nの孔径の孔が表面から均一に開孔しているこ
とが認められた。
また、SEMで観察したところ、膜で隔てられた径10
〜20廂の空胞が集合した形状の球形の粒子であること
を確認した。高倍率での観察により、空胞間を隔てる膜
が部分的に開通した連続孔構造を形成している様子が明
らかになった。凍結割断面をSEMで観察したところ内
部の空胞径は10〜20I!mで、隔膜の厚さは111
m以下であった。
一方、ハムF−12(大日本製薬株式会社製)培地に牛
胎児血清(大日本製薬株式会社製)を5%添加したもの
5 mlを径60胴の滅菌済デイツシュに入れ、水洗後
の上記粒子をデイツシュ底面に一層敷き詰めるように添
加した後、チャイニーズハムスター卵巣由来の株細胞C
H(1−Kl (大日本製薬株式会社製)を加え37°
C1二酸化炭素5%の条件で14日間インキュベートし
た。培養期間中培養液を2回交換した。インキュベート
後、リン酸緩衝溶液で洗浄し2%グルタルアルデヒド中
に粒子をいれ4°Cで3時間放置した後、さらにリン酸
緩衝溶液(PBS)で2回洗浄し、2%オスミウム酸テ
1.5時間、4°Cで処理した。次に、4°Cの20%
、50%、70%のエタノール水溶液で順次各10分間
処理した後、室温の80%、90%、100%エタノー
ルで順次アルコール置換をおこなった。更に酢酸イソア
ミル中に30分間浸漬した後、二酸化炭素を用いた臨界
点乾燥処理を行ない、乾燥試料を得た。この試料を金蒸
着処理した後SEMで観察したところCHO−Klが粒
子の孔に入り込んで付着繁殖している状態を確認した。
さらに、CHO−Klが粒子表面の開孔部より粒子内部
にまで入り込んで付着繁殖していることを詳しく観察す
るために、粒子の切片を作成した。前記同様に、インキ
ュベーター内にて14日間培養後、CHO−Klの付着
している粒子をリン酸緩衝溶液(PBS)で2回洗浄し
た。さらに、その粒子を2%グルタルアルデヒドに入れ
、4°Cで3時間放置して細胞を固定した。次に、過剰
のグルタルアルデヒドをのぞくために水洗し、水溶性メ
タクリル樹脂に徐々に置換してゆき、100%樹脂置換
後、60°C112時間で樹脂を固化した。超ミクロト
ームニて1廂の切片を作成後、トルイジンプル染色を行
なうことにより細胞のみ染色した。このようにして作成
した切片を光学顕微鏡で観察したところ、CH(1−K
l細胞が粒子内部に進入して付着繁殖充填している状態
を確認した。
実施例2 実施例1と同様の方法で調製したセルロース粒子を滅菌
前に145メツシユのふるいにかけて100p径以下の
粒子のみ分取した後、12ドCl2O分間のオートクレ
ーブ滅菌を施した。次に、単に攪拌式培養に従って細胞
と粒子を併せることによってミクロキャリア培養を開始
した。この培養は、磁気駆動テフロンコーティング攪拌
翼を備えた250戚のガラス製スピナーボトル(直径6
.5 cm )中において、実施例1と同様な細胞と培
地を用いて行った。攪拌速度は約5Qrpmであった。
14日間の培養期間中、培養液を2回交換したが培養の
後、粒子を取り出し、実施例1と同様な後処理を施し、
切片作成後、細胞染色を行なった。光学顕微鏡で観察し
たところ、粒子の内部にCH(1−Kl細胞が増殖充填
されていることを確認した。
実施例3 30°Cに冷却したシリコーンオイル(信越シリコーン
■社製KF96)を用意し、精製リンターを原料として
調製した23°Cにおける粘度1万センチポイズ、セル
ロース濃度6%、銅濃度3.6%、アンモニア濃度7.
0%のセルロース銅安溶液を孔径100側のシリンジで
、シリコーンオイル中に押し出したところ、糸状に凍結
した。シリコーンオイルの温度を一20°Cに上昇させ
、3時間放置した後、−20°Cの50%硫酸水溶液中
に投入し、20°Cに1時間保った後、セルロース糸状
体を取り出した。
また、シリンジとは別にスリット幅100*、スリット
長15cmのグイから上記のセルロース銅安溶液を押し
出し、同様に処理してセルロースフィルムを得た。
水洗後、光学顕微鏡で糸とフィルムを観察したところ、
糸径は120卿、フィルム厚も120umでともに10
〜40nの孔径の孔が表面から均一に開孔していること
が認められた。
また、SEMで観察したところ、厚さ約2陣の膜で隔て
られた径10〜40IImの空胞が集合した形状の糸と
フィルムであることを確認した。高倍率での観察により
、空胞間を隔てる膜が部分的に開通した連続孔構造を形
成している様子が明らかになった。
この糸とフィルムをそれぞれ長さ1 crnあるいは1
 cIIIX 1 cmの大きさに切断して凍結乾燥し
た後、それぞれ0.5gずつ分取し、130°Cのオー
トクレーブで2時間滅菌処理し、4°Cに保冷した。別
に、滅菌処理済みのコラーゲン1溶液であるCellm
atrix I −A (新田ゼラチン■社製)を滅菌
処理したpH3の塩酸水溶液で5倍に希釈し、0.6■
/m1のコラーゲンI溶液100mNを調製し4°Cに
保冷した。このコラーゲン■溶液中に上述の糸とフィル
ムを投入し、1時間かけて攪拌しな・がら液温を25°
Cまで上昇させ、−晩放置後、滅菌水で洗浄した。
これらの試料を実施例1と同様に細胞培養試験に供した
後、後処理をして切片を細胞染色し、SEMで観察した
ところ、糸とフィルムの内部にまでCHO−Kl細胞が
増殖充填していることを確認した。
実施例4 キトサン(東京化成製)2gを1%HC4水溶液100
dに溶解し、実施例3で得た凍結乾燥後の糸およびフィ
ルム各0.5gを投入し、水溶液を吸収したら速かに取
り出しスパチェラーで圧して余分の水溶液を除いた後、
90°Cで乾燥した。この乾燥サンプルに対し、同様の
キ1〜サン水溶液処理を繰り返した後、130°Cのオ
ートクレーブで2時間滅菌処理した。
これらの試料を実施例3と同様に、細胞培養試験に供し
た後、後処理をして切片を細胞染色し、光学顕微鏡観察
したところ、糸とフィルムの内部にまでCHO−Kl細
胞が増殖充填されていることを確認した。
実施例5 アルギン酸ナトリウム(東京化成製)を−6°Cの8%
水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、アルギン酸ナトリウ
ム濃度2%の水溶液100mRを得た。
次に、アラスカパルプ社製溶解用パルプAL−Tを酸加
水分解により平均重合度450に調整したものを一6°
Cの8%水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、濃度4%の
セルロース溶液100dを得た後、同温度で2液を均一
に混合溶解せしめた。続いて、この溶液を一16゛Cの
ヘキサン中にスプレーノズルを用いて霧状の微粒子状態
で投入し、同温度で10時間の緩攪拌を続けたところ、
ヘキサン中で微粒子形状の該溶液の凍結体を得た。次に
このヘキサン容器から該溶液の凍結体を取り出し、20
°Cの50%硫酸水溶液中に投入し、−20°Cに5時
間保った後、セルロース・アルギン酸複合体粒子を取り
出し水洗した。この粒子を蒸留水で十分に洗浄した後、
耐圧ビンに蒸留水100戚とともに入れ、121°Cの
オートクレーブで20分間滅菌処理を行なった。
生成物の一部を取り出し、光学顕微鏡で粒子を観察した
ところ、粒子径は50〜30Onですべての粒子に10
〜20廂の孔径の孔が表面から均一に開孔していること
が認められた。
また、SEMで観察したところ、膜で隔てられた径10
〜20Inrlの空胞が集合した形状の球形の粒子であ
ることを確認した。高倍率での観察により、空胞間を隔
てる膜が部分的に開通した連続孔構造を形成している様
子が明らかになった。凍結割断面SEMで観察したとこ
ろ内部の空胞径は10〜20廊、隔膜の厚さは1/Ml
以下であった。
さらに、実施例1と同様の培養実験と後処理を行なった
ところ、粒子内部にCHO−Kl細胞が増殖充填してい
ることを確認した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)膜で隔てられた径が約2μmより大きい多数の空
    胞を有し、該空胞は隣接した空胞間を隔てる膜の開孔部
    によりたがいに連通した連続孔構造を形成して成る改質
    セルロース多孔体であって、該膜は、改質剤がコート、
    ブレンドもしくは含浸されたセルロースまたは化学的に
    修飾されたセルロースから成ることを特徴とする改質し
    たセルロース多孔体。
  2. (2)請求項1記載の改質したセルロース多孔体から成
    ることを特徴とする細胞培養担体。
JP1027592A 1989-02-08 1989-02-08 改質したセルロース多孔体 Pending JPH02208331A (ja)

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