JPH02208264A - 成形断熱材とその製造方法 - Google Patents

成形断熱材とその製造方法

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JPH02208264A
JPH02208264A JP2616589A JP2616589A JPH02208264A JP H02208264 A JPH02208264 A JP H02208264A JP 2616589 A JP2616589 A JP 2616589A JP 2616589 A JP2616589 A JP 2616589A JP H02208264 A JPH02208264 A JP H02208264A
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久徳 博文
Kengo Hamada
浜田 健吾
Yoshitaka Nakahigashi
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高温熱処理時の断熱材等として好適な成形断
熱材とその製造方法に関するものである。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題]近年、真
空蒸着炉、半導体単結晶成長炉、セラミックス焼結炉や
C/Cコンポジット焼成炉等による高温熱処理が重要視
されている。この高温熱処理用断熱材には、耐熱性およ
び断熱性に優れ、高温で物性劣化が生じないことが必要
とされる。従って、炭素繊維を用いた断熱材の有用性が
高まっている。
一方、炭素繊維製断熱材の製造方法として、■炭素繊維
フェルトに炭化又は黒鉛化可能な樹脂を含浸し熱処理す
る方法が知られている。また■炭素繊維フェルトに炭化
又は黒鉛化可能な樹脂を含浸させ、含浸フェルトを積層
圧縮して所望の厚さと嵩密度をもつ成形物とし、次いで
成形物を成形断熱材とする製造方法が提案されている(
特公昭50−35930号公報参照)。
しかしながら、これらの方法では、ニードルパンチによ
り繊維を接合させた炭素繊維フェルトを用いるので、繊
維が多軸配向しその配向方向が不規則である。従って、
繊維による熱移動を十分に規制することができず、熱伝
導度が大きく断熱性が十分でない。特に前者の方法■て
は、製法上の問題から断熱材の嵩密度が小さいため、繊
維の配向方向が不規則であることと相まって、断熱性に
劣る。
またこれらの方法では、フェルト特有の繊維むら、含浸
むらに基づき断熱材の均−性及び加工性が十分でない。
特に後者の方法■では、金属バンドで積層体を締め付け
るので均一性が十分でない。
また前者の方法■では、複雑な形状の断熱材を得るには
、適宜の形状に切断しかつ接合する必要があるので、フ
ェルトのロス等が生じコスト高となると共に、作業が煩
雑化し2、複雑な形状の断熱材を生産性よく製造するこ
とが困難である。
さらには後者の方法■では、成形断熱材の嵩密度が圧縮
力に支配される。従って、平板状の成形断熱材の場合は
、比較的高密度に積層圧縮するのが容易であるが、円筒
状成形断熱材等の場合は、嵩密度の大きな成形断熱材を
得るために大きな機械的エネルギーを必要とし、作業性
及び生産性が低下する。
また均一性に優れた断熱材を製造する方法として、■炭
素繊維1重量部に対してポリビニルアルコール等のバイ
ンダーを0.05〜0.2重量部添加する方法も知られ
ている。この方法■は厚み1、 mm程度の軽量のシー
ト状断熱材を製造する上では有用であるものの、厚みの
大きな断熱材を製造するには適さない。すなわち、熱圧
着等しなければバインダー効果が得られず、十分な強度
を有する断熱材を得ることが困難である。またバインダ
ーのマイグレーションにより、断熱材の表面のみが硬質
で、内部が非常に脆い構造となり不均一である。
本発明の目的は、繊維が特定の方向に配向していると共
に、所望の嵩密度を有し、断熱性、均一性、均質性及び
加工性に優れる成形断熱材を提供することにある。
また本発明の他の目的は、複雑な形状であっても、上記
特性を有する成形断熱材を作業性、生産性よく製造でき
る成形断熱材の製造方法を提供することにある。
「発明の構成」 本発明は、炭素繊維と、樹脂の炭化物又は黒鉛化物とで
構成された成形断熱材であって、前記炭素繊維が、成形
断熱材の厚み方向と直交する方向に配向している成形断
熱材により、上記課題を解決するものである。
また本発明は、炭素繊維化可能な繊維又は炭素繊維と、
有機繊維と、炭化又は黒鉛化可能な熱硬化性樹脂と、カ
チオン系樹脂とを含有するスラリーを調製し、該スラリ
ーを吸引成形した後、得られた成形体を焼成する成形断
熱材の製造方法により、上記課題を解決するものである
なお、本明細書における用語の定義は次の通りである。
炭化とは、ポリアクリロニトリル等の炭素含有物質を、
例えば450〜1500℃程度の温度で焼成処理するこ
とを言う。黒鉛化とは、炭素含有物質を、例えば150
0〜3000℃程度の温度で焼成処理することを言い、
結晶構造が黒鉛化していないときでも黒鉛化の概念に含
める。
炭素繊維とは炭化又は黒鉛化された繊維を言う。
本発明の成形断熱材を構成する炭素繊維としては、例え
ば、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、レーヨン
等の高分子繊維、石油ピッチ、石炭ピッチ、液晶ピッチ
等を素材とする種々の炭素繊維が使用できる。これらの
炭素繊維は少なくとも一種使用される。炭素繊維の長さ
は、成形断熱材の嵩密度等を損わない範囲で適宜設定で
きるが、繊維長0.1〜10mmであるのが好ましい。
繊維長が0.1mm未満であると成形断熱材の一体性を
確保できない場合があり、10mmを越えると嵩密度を
高めるのが困難であると共に、繊維の集合体である毛玉
状物が生成し易くなり、機械的強度が低下する。なお、
上記炭素繊維の繊維長を調整することにより、成形断熱
材の嵩密度を容易に制御することができる。炭素繊維は
、例えば繊維径5〜20μm等適宜のものが使用できる
また成形断熱材は、樹脂の炭化物又は黒鉛化物で一体化
している。樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、フ
ラン樹脂、キシレン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、グ
アナミン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂
、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、熱硬化性アクリ
ル樹脂、ポリイミドなどの熱硬化性樹脂が例示され、一
種または二種以上使用される。上記樹脂のうちレゾール
型又はノボラック型フェノール樹脂が好ましい。
上記樹脂の炭化物又は黒鉛化物は、通常、炭素繊維1重
量部に対して樹脂の炭化物又は黒鉛化物0.05〜5重
量部、好ましくは0.1〜3重量部程度である。樹脂の
炭化物又は黒鉛化物の量が0.1重量部未満であると機
械的強度が十分てなく、5重量部を越えると均一性が低
下する。
なお、成形断熱材の均質性を高めるには、炭素繊維を均
質に絡み合わせることが重要である。しかしながら、炭
素繊維が剛直であるため、炭素繊維同士の絡み合いの強
度が十分でない。従って、炭素繊維の絡み合いを補助す
るため、有機繊維、特にフィブリル化した有機繊維を添
加するのが好ましい。このような有機繊維としては、例
えば、木材パルプ、麻等の天然繊維、レーヨン等の半合
成繊維、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン
、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル
、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド等の合成
繊維などが例示され、少なくとも一種使用される。これ
らのうち特にフィブリル化したアクリル繊維が好ましい
有機繊維は、焼成後、通常、前記炭素繊維1重量部に対
してO〜0.5重量部程度含有される。
また成形断熱材は、他の樹脂、例えばカチオン系樹脂、
高分子凝集剤等や、歩留り向上剤等の添加剤の焼成物を
含有していてもよい。
そして、炭素繊維は成形断熱材の厚み方向と直交する方
向に配列している。上記の方向に炭素繊維が配向してい
るので、炭素繊維の配向方向が不規則で、同じ嵩密度を
有する成形断熱材よりも断熱性を大きくすることができ
る。すなわち、炭素繊維が成形断熱材の厚み方向に配向
していると、炭素繊維間に形成された空隙部が、高温側
から低温側への熱移動方向と一致するので、熱移動度が
大きくなる。これに対して、炭素繊維が成形断熱材の厚
み方向と直交する方向に配向すると、熱の移動が、熱移
動方向と直交する炭素繊維により規制され、熱移動度を
小さくすることができる。
なお、炭素繊維の大部分が上記方向に配向していればよ
く、全ての炭素繊維が成形断熱材の厚み方向と直交する
方向に配列している必要はない。
本発明の成形断熱材は、適宜の嵩密度を有していてもよ
いが、炭素繊維/樹脂の炭化物又は黒鉛化物=110.
2〜1(重量部)の範囲において、嵩密度0.05〜0
.5g/c+J、好ましくは0゜05〜0.4g/cn
i程度である。また成形断熱材の厚みは、通常3〜20
0 mm程度で十分である。
以下に、本発明の成形断熱材の製造方法について説明す
る。
本発明の成形断熱材の製造方法は、炭素繊維化可能な繊
維又は炭素繊維と、有機繊維と、炭化又は黒鉛化可能な
熱硬化性樹脂と、カチオン系樹脂とを含有するスラリー
を調製するスラリー調製上程と、スラリーを吸引成形す
る成形工程と、成形体を焼成する焼成工程とで構成され
る。
スラリー調製工程では、上記材料と共に溶媒が用いられ
る。炭素繊維化可能な繊維としては、前記炭素繊維の素
材となる繊維、不融化したピッチ繊維が挙げられ、少な
くとも一種使用される。上記繊維のうちポリアクリロニ
トリル繊維、フェノール樹脂繊維、レーヨン、ピッチ系
繊維が好ましい。炭素繊維としては前記と同様のものが
使用できる。なお、本発明では炭素繊維化可能な繊維又
は炭素繊維として、前記のように短繊維が使用できるの
で、繊維製造時や加工時に生成する屑糸を有効利用でき
る。
また有機繊維としてはフィブリル化した有機繊維が好ま
しく、フィルプリル化した有機繊維の叩解度は、カナデ
イアン・フリーネス式叩解度試験器において、100〜
400 mlが好ましい。叩解度が100 m1未満で
あると吸引成形性および生産性が低下し、400 ml
を越えると短繊維との均一混合性が低下する。
炭素繊維化可能な繊維又は炭素繊維と樹脂と有機繊維と
の割合は、炭化又は黒鉛化により重量が減少することを
考慮して設定される。すなわち、上記炭素繊維化可能な
繊維又は炭素繊維と樹脂との割合は、通常繊維1重量部
に対して樹脂0.01〜10重量部、好ましくは0.1
〜3重量部程度である。また炭素繊維化可能な繊維又は
炭素繊維と有機繊維との割合は、通常繊維1重量部に対
して有機繊維0.01〜0.5重量部程度である。
カチオン系樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリア
クリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリエチレンイミン
等の窒素原子含有の樹脂が例示され、少なくとも一種使
用される。このカチオン系樹脂により、炭素繊維化可能
な繊維又は炭素繊維に前記熱硬化性樹脂を定着させるこ
とができる。カチオン系樹脂は、適宜量使用できるが、
通常固形分に対して0.02〜22〜2重量部程る。な
お、カチオン系樹脂の使用量は、前記熱硬化性樹脂の使
用割合等に応じて調整することができる。
なお、上記カチオン系樹脂は、カチオン化澱粉、硫酸バ
ンド等と併用してもよい。
スラリー調製工程で使用される溶媒としては、例えば、
水、炭化水素類、アルコール類、エーテル類、エステル
類、ケトン類やこれらの混合溶媒が使用できる。なお、
上記溶媒は、前記炭化又は黒鉛化可能な熱硬化性樹脂を
溶解するものであってもよいが、吸引成形工程における
樹脂の歩留りを高めるため、樹脂に対する溶解性が小さ
く、樹脂が粒子状に分散した状態で存在しつる溶媒、特
に水が好ましい。溶媒中の樹脂の粒径は、吸引成形効率
等に応じて設定できるが、成形断熱材の緻密性及び均質
性を確保するため、微細なものが好ましく、通常、粒度
100メツシユ以下、好ましくは40μm以下で平均粒
径が15μm程度である。
なお、上記溶媒の使用量は、通常、スラリー中の固形分
濃度0.5〜5重量%、好ましくは1〜3重量%程度で
ある。
スラリーは前記材料を同時に撹拌混合することによって
も調製できるが、炭素繊維化可能な繊維又は炭素繊維と
有機繊維、特にフィブリル化した有機繊維とを同時に叩
解し、その後、他の材料を添加混合するのが好ましい。
この同時叩解により、炭素繊維化可能な繊維又は炭素繊
維の繊維同士の絡み合いが促進され、均質で混合性及び
分散性に優れたスラリーが得られる。なお、炭素繊維化
可能な繊維又は炭素繊維と有機繊維とを叩解せずに単に
混合撹拌すると、不均一な絡み合いが生じ、ロングテー
ル等を形成し易く分散性が十分でない。
また吸引成形による歩留りを高めるため、凝集作用を有
する界面活性剤、特に高分子凝集剤や歩留り向上剤を添
加するのが好ましい。高分子凝集剤としては、例えば、
分子量10万以上の高分子量のポリアクリルアミド等の
アクリル系樹脂を用いることができる。凝集剤の使用量
は、凝集により歩留りを向上させ得る範囲であれば特に
制限されないが、通常、固形分に対してC1,005〜
0.5重量%程度である。凝集剤の量が0゜005重量
%未満であると十分な凝集効果を得るのが困難であり、
0.5重量%を越えると過度の凝集が起り易く均一な分
散液を調製するのが困難である。
なお、必要に応じて、成形断熱材の特性に悪影響を及ぼ
さない範囲で、分散剤、安定剤、粘度調整剤、充填剤等
の添加剤を添加してもよい。
次いで、上記のようにして調製されたスラリ中で吸引成
形する。この吸引成形工程について、添付図面に基づき
説明する。
第1図は吸引成形状態を示す概略縦断面図、第2図は吸
引成形型と成形体とを示す概略断面図、第3図は成形体
を示す概略断面斜視図である。吸引成形工程は、スラリ
ー槽(2)内に収容されたスラリー(1)を吸引成形型
(3)で吸引し、スラリー(1)中の固形分を吸引成形
型(3)の外面に堆積させることにより行なわれる。上
記吸引成形型(3)は、第1図及び第2図に示されるよ
うに、パイプ(5)接続用のパイプ接続部(6)が形成
された吸引部(4)と、この吸引部(4)と連通し、か
つスラリー(1)中の固形分の通過を阻止する大きさの
多数のメツシュ状の孔(8)が形成された筒部(7)と
、筒部(7)に連設された鍔(9)とで構成されている
。従って、吸引成形型(3)のパイプ接続部(6)に接
続されたパイプ(5)を介して吸引ボンプ(図示せず)
で吸引することにより、筒部(7)の外周面にスラリー
(1)中の固形分を吸引堆積させ、第3図に示されるよ
うに、筒部(7)の外径に対応した中空部(11)を有
する中空筒状成形体(10)を得ることができる。その
際、スラリー(1)中の炭化可能な繊維や炭素繊維が筒
部(7)の外面に沿って堆積するので、成形体(10)
の炭素繊維化可能な繊維や炭素繊維が成形体(10)の
厚み方向dtと直交する方向drに配向する。なお、吸
引成形に際して、吸引力、炭素繊維化可能な繊維又は炭
素繊維の繊維長や、該繊維と樹脂との割合を調整するこ
とにより、成形体(10)の嵩密度を容易に制御できる
。また吸引成形するので、成形体は均質であり、均一性
に優れる。
第4図は他の成形体を示す斜視図である。この成形体(
20)は厚みが小さく、前記と同様の中空部(21)を
有するリング状であり、厚み方向dtと直交する方向d
rに炭素繊維化可能な繊維又は炭素繊維が配向している
。なお、第4図では吸引成形終了時の状態を示している
ため、図中、上端面の繊維が種々の方向に配向している
。このような形状の成形体(20)は、第2図に示す吸
引成形型において、筒部(7)に孔(8)を形成せず、
鍔(9)の周縁部に外筒を立設し、筒部(力と外筒との
間に位置する鍔(9)部、すなわち底板に多数の孔を形
成し、上記筒部(7)と外筒との高さを小さくした成形
型を用いて、吸引成形することにより作製できる。なお
、筒部と外筒との空間は吸引空間として利用され、底板
に形成された多数の孔はスラリー中の固形分の通過を阻
止する大きさを有し、第2図と同様の吸引部(4)と連
通している。この場合、底板上にスラリー中の固形分を
吸引堆積でき、炭素繊維化可能な繊維又は炭素繊維を吸
引面と平行、すなわち成形体(20)の厚み方向dtと
直交する方向d「に配向させることができる。
なお、スラリーの吸引方向は、横方向等、いずれであっ
てもよい。また吸引成形型は、所望する成形断熱剤の形
状に応じて適宜選択することができる。例えば、平板状
、波型状等のシート状成形体を得るには、多数の孔が成
形された板等を、吸引金に設ければよい。また前記筒部
と外筒との間に位置する底板に適宜の高さの周壁や凸部
等を設けることにより、成形体に円周状スリットや四部
等を形成することができる。
なお、スラリーとして炭素繊維化可能な繊維又は炭素繊
維と樹脂等との割合が異なる複数のスラリーを用い、順
次、吸引成形することにより、嵩密度が厚み方向に連続
的又は段階的に異なる成形体を得ることができる。
上記成形体を乾燥し、焼成工程で焼成することにより、
成形断熱材が得られる。成形体の乾燥は、例えば、10
0〜200℃程度の適宜の温度で行なうことができる。
なお、乾燥工程では、前記炭化又は黒鉛化可能な樹脂を
硬化させるのが好ましい。炭化又は黒鉛化可能な樹脂の
硬化は、例えば120〜250℃程度の温度で行なうこ
とができ、その際、樹脂の種類に応じた硬化剤、例えば
、好ましい樹脂であるノボラック型フェノール樹脂の場
合、ヘキサメチレンテトラミン等が使用でき、レゾール
型フェノール樹脂の場合、酸触媒等が使用できる。
そして、成形体を焼成工程で焼成することにより一体化
した成形断熱材が得られる。焼成工程での炭化及び黒鉛
化は、通常、真空下又は不活性雰囲気中で行なわれ、炭
化温度は、450〜1500℃程度、黒鉛化温度は、1
500〜3000℃程度である。なお、吸引成形により
得られた成形体は、上記焼成により若干収縮する。従っ
て、成形体の大きさは、最終製品である成形断熱材の大
きさを考慮して成形すればよい。
上記のようにして得らたれ成形断熱材は、前記成形体に
対応した形状を有している。また第3図を参照して説明
すると、炭素繊維が成形断熱材の厚み方向dtと直交す
る方向drに配向しているので、焼成工程を経て得られ
た成形断熱材の中空部(11)を高温側としても断熱効
率を高めることができる。すなわち、高温側の熱は、成
形断熱材の中空部(11)から外周面側、すなわち厚み
方向dtに移動するが、熱の移動方向と直交する方向d
rに繊維が配向しているため、熱の移動が炭素繊維で規
制され、断熱効率を大きくすることができる。
このように成形断熱材の断熱効率が大きいので、同じ嵩
密度を有する従来の成形断熱材よりも厚みを小さくする
ことができる。
本発明の成形断熱材は、その嵩密度や形状等に応じて高
温炉や真空炉用断熱材、瓶のブツシャのクツション材と
しての緩衝材等の種々の用途に使用できる。例えば、嵩
密度0.3g/cutまでの成形断熱材は高温用断熱材
、嵩密度0.3〜0゜5 g / cTA程度の成形体
は耐熱性、機械的強度に優れると共に適度の硬度を有す
るため、断熱材以外にクツション材等に使用できる。ま
た中空筒状等の成形断熱材は高温炉等に使用でき、ディ
スク状等の成形断熱材は真空蒸着炉における溶融ルツボ
の下敷部材等として好適に使用される。
[発明の効果] 以上のように、本発明の成形断熱材によれば、炭素繊維
が、成形断熱材の厚み方向と直交する方向に配向してい
るので、高い断熱性を示す。また炭素繊維と樹脂の炭化
物又は黒鉛化物で構成されているため、両者の割合など
を調整することにより、所望の嵩密度を有し、均一性、
均質性及び加工性に優れている。
また本発明の成形断熱材の製造方法によれば、炭素繊維
等と有機繊維と炭化又は黒鉛化可能な熱硬化性樹脂とカ
チオン系樹脂とを含有するスラリーを調製し、吸引成形
した後、成形体を焼成するので、樹脂含浸工程を経るこ
となく、炭素繊維等の長さ及び吸引力を調整することに
より嵩密度を容易に制御することができるたけでなく、
炭素繊維等が成形断熱材の厚み方向と直交する方向に配
向しているので、断熱性に優れた成形断熱材が得られる
。また吸引成形するので、均一性、均質性及び加工性に
優れ、複雑な形状の成形断熱材を作業性、生産性よく製
造できる。さらには、炭素繊維等として短繊維を使用で
きるので、屑糸を有効利用できる。
[実施例] 以下に、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明す
る。
炭素繊維の原綿チョップ(繊維直径13μm1長さ3m
m)65重量部、ポリアクリロニトリル繊維(繊維直径
7μm1長さ1.00mm)5重量部、粉末状ノボラッ
ク型フェノール樹脂30重量部とへキサメチレンテトラ
ミン、ポリアクリルアミド(荒用化学■製、商品名ポリ
ストロン705)0.1重量部とを水10000重量部
に添加して撹拌混合した後、ポリアクリルアミド系高分
子凝集剤(アライドコロイド社製、商品名パコール29
2)0.01重量部を添加しスラリーを調製した。
次いで、パイプを介して吸引ポンプに接続された吸引成
形型を用い、吸引成形することにより、外径540mm
、内径420 mm s厚み60mm、高さ630 m
mの中空筒状成形体を得た。この成形体を110℃の温
度で乾燥し、黒鉛化炉で最高温度2000℃で焼成する
ことにより、成形断熱材を得た。得られた成形断熱材の
嵩密度は0.15g/cnfであり、均質であった。ま
た成形断熱材の炭素繊維は、厚み方向と略直交する方向
に配向していた。
【図面の簡単な説明】
第1図は吸引成形状態を示す概略縦断面図、第2図は吸
引成形型と成形体とを示す概略断面図、 第3図は成形体を示す概略断面斜視図、第4図は他の成
形体を示す斜視図である。 (1)・・・スラリー、(3)・・・吸引成形型、(1
0) (20)・・・成形体

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、炭素繊維と、樹脂の炭化物又は黒鉛化物とで構成さ
    れた成形断熱材であって、前記炭素繊維が、成形断熱材
    の厚み方向と直交する方向に配向していることを特徴と
    する成形断熱材。 2、炭素繊維の長さが0.1〜10mmである請求項1
    記載の成形断熱材。 3、炭素繊維化可能な繊維又は炭素繊維と、有機繊維と
    、炭化又は黒鉛化可能な熱硬化性樹脂と、カチオン系樹
    脂とを含有するスラリーを調製し、該スラリーを吸引成
    形した後、得られた成形体を焼成することを特徴とする
    成形断熱材の製造方法。
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