JPH0543320A - 炭素質成形体の製造方法 - Google Patents

炭素質成形体の製造方法

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JPH0543320A
JPH0543320A JP3216176A JP21617691A JPH0543320A JP H0543320 A JPH0543320 A JP H0543320A JP 3216176 A JP3216176 A JP 3216176A JP 21617691 A JP21617691 A JP 21617691A JP H0543320 A JPH0543320 A JP H0543320A
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carbonaceous
binder
fibers
molded
fiber
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JP3216176A
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Katsuyuki Doi
勝之 土居
Kimio Kitano
公男 北野
Naomi Kurata
尚巳 倉田
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭素質成形体において、嵩密度をコントロー
ルする。 【構成】 炭素質繊維とバインダーとを含むスラリーを
吸引成形し、成形体を加熱する。炭素質繊維として平均
繊維長の異なる複数の繊維集合体を用い、それらの割合
を変化させることにより、成形体の嵩密度を調整する。
また、平均繊維長の短い繊維集合体と熱硬化性バインダ
ーと熱可塑性バインダーとを組合わせて、成形体の嵩密
度を高める。炭素質成形体には、成形断熱材と成形吸着
材とが含まれる。成形断熱材の場合には、炭化又は黒鉛
化可能なバインダーを使用し、前記成形体を炭化又は黒
鉛化する。成形吸着体の場合には、炭素質繊維として活
性炭素繊維を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形断熱材や成形吸着
剤として使用される炭素質成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】真空蒸着
炉、半導体単結晶成長炉、セラミックス焼結炉やC/C
コンポジッド焼結炉などには、耐熱性および断熱性に優
れた炭素繊維製断熱材が汎用されている。この断熱材に
おいて、通常、嵩密度が大きくなるにつれて、熱伝導率
は低下した後、急激に大きくなるという特性を示す。従
って、高温での断熱性を高めるためには、炭素繊維製断
熱材の嵩密度を最適な値に調整し、熱伝導率を下げるの
が有利である。
【0003】前記炭素繊維製断熱材は、通常、炭素繊維
フェルトに炭化又は黒鉛化可能なバインダーを含浸し、
焼成する方法で製造されている。しかし、この方法で
は、断熱材の嵩密度を調整することが困難である。
【0004】特公昭50−35930号公報には、炭化
又は黒鉛化可能なバインダーを含浸した炭素繊維フェル
トを積層し、圧縮して成形し、焼成する方法が開示され
ている。しかし、この方法により断熱材の嵩密度を高め
るには、大きな加圧力を要し、生産性が低下する。しか
も、圧縮成形により、表層部と内部との嵩密度が異なる
ので、均一性を高めることが困難である。
【0005】本出願人は、特開平2−208264号公
報において、炭素繊維、有機繊維、炭化又は黒鉛化可能
な熱硬化性樹脂、およびカチオン系樹脂を含むスラリー
を吸引成型し、得られた成形体を焼成する成形断熱材の
製造方法を提案した。この方法によると、吸引力により
嵩密度を調整できると共に、均質な成形断熱材を製造で
きる。
【0006】さらに、本出願人は、特開平2−1600
44号公報において、吸着能を有する光学異方性多孔質
炭素微小粒体と熱接着性樹脂とを含むスラリーを吸引成
形し、得られた成形体を加熱する成形吸着体の製造方法
を開示した。この方法で得られる成形吸着体は、抄紙構
造であるため、圧力損失が小さく、しかも高い吸着能を
示す。
【0007】本発明は、前記吸引成形法の利点をさらに
発展させたものである。すなわち、本発明の目的は、嵩
密度をさらに簡便かつ容易に調整できる炭素質成形体の
製造方法を提供することにある。
【0008】また、本発明の他の目的は、嵩密度の高い
炭素質成形体の製造方法を提供することにある。
【0009】
【発明の構成】本発明者らは、上記目的を達成すべく、
鋭意検討の結果、湿式吸引成形法において、炭素質繊維
を水中で叩解により切断して繊維長を調整するのではな
く、平均繊維長の異なる、複数の炭素質繊維集合体を組
合せて吸引成形すると、炭素質繊維の充填密度、ひいて
は成形体の嵩密度を容易かつ確実に調整できること、平
均繊維長の小さなミルド炭素質繊維集合体と、熱硬化性
バインダーと、熱可塑性バインダーとを組合せて吸引成
形すると、成形体の嵩密度が著しく大きくなることを見
いだし、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、炭素質繊維とバイン
ダーとを含むスラリーを吸引成形し、得られた成形体を
加熱する成形体の製造方法であって、前記炭素質繊維と
して平均繊維長の異なる、複数の炭素質繊維集合体を用
いる炭素質成形体の製造方法を提供する。好ましい方法
では、炭素質繊維として、平均繊維長が0.1mm以上
で1mm未満のミルド炭素質繊維集合体と、平均繊維長
が1〜30mmのチョップ炭素質繊維集合体とを用い
る。また、バインダーとして、熱硬化性バインダーと、
熱可塑性バインダーとを用いる。
【0011】また、本発明は、平均繊維長0.1〜1m
mのミルド炭素質繊維集合体と、熱硬化性バインダー
と、熱可塑性バインダーとを含むスラリーを吸引成形
し、得られた成形体を加熱する炭素質成形体の製造方法
を提供する。
【0012】なお、本明細書において、「炭素質繊維」
には、炭素繊維や炭素繊維化可能な繊維だけでなく、活
性炭素繊維も含まれる。従って、「炭素質成形体」に
は、成形断熱材および成形吸着材も含まれる。
【0013】「加熱」とは、炭素質繊維やバインダーを
炭化又は黒鉛化するための加熱も含む意味に用いる。
「炭化」とは、ポリアクリロニトリルなどの炭素含有物
質を、例えば、450〜1500℃程度の温度で焼成す
ることを言い、「黒鉛化」とは、前記炭素含有物質を、
例えば、1500〜3000℃程度の温度で焼成するこ
とを言う。「炭素繊維」とは炭化または黒鉛化された繊
維を言う。
【0014】本発明の製造方法は、炭素質繊維とバイン
ダーとを含むスラリーを吸引成型する吸引成形工程と、
得られた成形体を加熱する加熱工程とを含んでいる。以
下、必要に応じて、成形断熱材と成形吸着材とに分けて
説明する。
【0015】前記炭素質繊維としては、ポリアクリロニ
トリル、フェノール樹脂、レーヨンなどの高分子繊維、
石油ピッチ、石炭ピッチなどのピッチ系繊維を素材とす
る炭素繊維;炭素繊維化可能な繊維;活性炭素繊維が使
用できる。炭素繊維および炭素繊維化可能な繊維は、主
に成形断熱材の材料として使用され、活性炭素繊維は、
主に成形吸着材の材料として使用される。
【0016】前記炭素繊維化可能な繊維において、高分
子繊維は耐炎化処理、ピッチ系繊維は不融化処理されて
いてもよい。「耐炎化処理」および「不融化処理」と
は、前記高分子繊維やピッチ系繊維を、例えば、酸素存
在下、200〜450℃程度の温度で加熱して表面に耐
熱層を形成し、焼成時の溶融を紡糸する処理を言う。
【0017】前記活性炭素繊維は、前記炭素繊維を賦活
処理することにより得られ、その特異な細孔構造に起因
して、吸着能および吸着速度が大きいという特徴を有す
る。活性炭素繊維の比表面積は、臨界的ではないが、例
えば、500〜2500m2 /g程度である。比表面積
が500m2 /g未満の活性炭素繊維を用いると、成形
吸着体の吸着能が小さく、2500m2 /gを越える活
性炭素繊維は一般に高価である。なお、成形吸着材の場
合、前記活性炭素繊維は、粉状又は粒状活性炭と併用し
てもよい。
【0018】前記炭素質繊維の繊維径は、例えば1〜5
0μm、好ましくは5〜30μm程度である。
【0019】そして、1つの方法では、前記炭素質繊維
として、平均繊維長の異なる複数の炭素質繊維集合体を
用いる。炭素質繊維の繊維長は、吸引成形性を損わない
範囲、例えば、平均繊維長0.05〜50mm、好まし
くは0.1〜30mm程度の範囲内で、所望する成形体
の嵩密度に応じて選択できる。炭素質繊維は、平均繊維
長の異なる3以上の炭素質繊維集合体、例えば、平均繊
維長0.1〜0.5mmの炭素質繊維集合体、平均繊維
長0.5〜1.0mmの炭素質繊維集合体、平均繊維長
1.0〜1.5mmの炭素質繊維集合体、および平均繊
維長1.5〜3.0mm程度の炭素質繊維集合体などで
構成してもよい。好ましい炭素質繊維は、平均繊維長
0.1mm以上で1mm未満、好ましくは0.3〜0.
7mmのミルド炭素質繊維集合体と、平均繊維長1〜3
0mm、好ましくは3〜20mmのチョップ炭素質繊維
集合体を組合せて構成できる。
【0020】ミルド炭素質繊維集合体とチョップ炭素質
繊維集合体の割合は、所望する嵩密度に応じて適当に選
択できる。例えば、嵩密度0.1〜0.3g/cc程度
の成形断熱材や成形吸着材を得る場合には、通常、ミル
ド炭素質繊維集合体/チョップ炭素質繊維集合体=5〜
95/5〜95(重量比)、好ましくは20〜80/2
0〜80(重量比)程度である。
【0021】このような炭素質繊維において、平均繊維
長の短い炭素質繊維集合体の割合が多くなると、通常、
成形体の嵩密度および機械的強度が大きくなる。そのた
め、平均繊維長の異なる複数の炭素質繊維集合体の割合
を変化させることにより、成形体や炭素質成形体の嵩密
度および機械的強度を精度よくコントロールできる。ま
た、吸引成形時の吸引力を調整することによっても成形
体の嵩密度をコントロールできる。
【0022】本発明の他の方法においては、平均繊維長
0.1〜1mm、好ましくは0.3〜0.7mmのミル
ド炭素質繊維集合体を用い、成形体の嵩密度を高める。
前記のように、この方法においては、前記ミルド炭素質
繊維集合体は、熱硬化性バインダーと、熱可塑性バイン
ダーとを組合せて使用される。
【0023】バインダーは、液状であってもよいが、吸
引成形による歩留りを高めるため、粉粒状、特に繊維状
であるのが好ましい。
【0024】バインダーの種類は成形体の用途に応じて
選択できる。成形断熱材の場合には、少なくとも、焼成
により炭化又は黒鉛化可能なバインダーが使用される。
炭化又は黒鉛化可能なバインダーとしては、例えば、フ
ェノール樹脂、フラン樹脂などの熱硬化性バインダー;
アクリロニトリル系ポリマー、ピッチなどの熱可塑性バ
インダーが挙げられる。好ましい炭化又は黒鉛化可能な
バインダーは、フェノール樹脂及び/又はアクリロニト
リル系ポリマーを含んでいる。これらのバインダーは、
一種又は二種以上使用できる。
【0025】成形断熱材を製造する場合、好ましいバイ
ンダーは、前記熱硬化性バインダーと、熱可塑性バイン
ダーとを組合せたバインダーである。このような組合せ
からなるバインダーを用いると、例えば、100℃程度
の加熱に伴なって、低温領域で熱可塑性バインダーが炭
素質繊維と接合一体化し、炭化または黒鉛化に伴なっ
て、高温領域で炭化又は黒鉛化可能な熱硬化性および熱
可塑性バインダーが炭素繊維と接合一体化し、機械的強
度の大きな成形断熱材が得られる。特に、平均繊維長
0.1〜1mmのミルド炭素質繊維集合体を、熱硬化性
バインダーおよび熱可塑性バインダーとを組合せて使用
する場合には、繊維間の結合状態を維持しながら炭化又
は黒鉛化できるためか、嵩密度の高い成形断熱材が得ら
れる。
【0026】熱硬化性バインダーと熱可塑性バインダー
との割合は、例えば、熱硬化性バインダー:熱可塑性バ
インダー=50〜100:0〜50、好ましくは60〜
90:10〜40(重量%)程度である。
【0027】成形断熱材を製造する場合、炭素質繊維と
バインダーとの割合は、例えば、炭素質繊維:バインダ
ー=50〜90:10〜50、好ましくは60〜80:
20〜40(重量%)程度である。
【0028】前記バインダーには、例えば、尿素樹脂、
エポキシ樹脂、ポリウレタン、ジアリルフタレート樹
脂、ポリイミドなどの熱硬化性樹脂、ポリプロピレンな
どのオレフィン系ポリマー、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、スチレン系ポリマ
ー、ポリビニルアセタールなどの熱可塑性樹脂を併用し
てもよい。
【0029】成形吸着材の場合、前記活性炭素繊維を一
体化するバインダー、例えば、パルプ;熱接着性繊維;
熱接着性樹脂などが使用できる。前記熱接着性繊維に
は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレ
フィン系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、
ポリアクリロニトリル繊維や複合繊維などが含まれる。
熱接着性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどのオレフィン系ポリマー、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ナイロン、
アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、スチレン系ポリ
マーなどの慣用の熱可塑性ポリマーが使用できる。ま
た、接合一体性を高めるため、上記バインダーと共に、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性バインダ
ーを併用してもよい。これらのバインダーは、一種又は
二種以上使用できる。
【0030】成形吸着材を製造する場合、バインダー
は、液状であってもよいが、粉粒状、特に繊維状である
のが好ましい。特に好ましいバインダーは、パルプ及び
/又は熱接着性繊維、特に熱接着性繊維である。このよ
うな繊維状バインダーを用いると、活性炭素繊維のミク
ロポアの閉塞を抑制でき、吸引成形性に優れる。また、
圧力損失が小さく、吸着処理効率の高い抄紙構造の成形
吸着剤を製造できる。なお、熱溶融性繊維を用いると、
前記加熱工程において、前記活性炭素繊維と接合一体化
し、成形吸着材の一体性、機械的強度を高める。
【0031】前記活性炭素繊維とバインダーとの割合
は、成形吸着材の一体性及び吸着能を損わない範囲、例
えば、活性炭素繊維:バインダー=70〜99:1〜3
0、好ましくは75〜98:2〜25(重量%)程度で
ある。
【0032】前記成形吸着材用スラリーは、前記成分以
外に、非熱接着性の補強繊維を含んでいてもよい。補強
繊維としては、例えば、木綿、麻等の天然繊維;芳香族
ポリアミド繊維、芳香族ポリエステル繊維等の合成繊
維;レーヨンなどの半合成繊維;ガラス繊維、炭素繊
維、アルミナ繊維、ボロン繊維、金属繊維等の無機繊維
が例示される。これらの補強繊維は、一種又は二種以上
使用できる。成形体を補強するためには、機械的強度の
大きな合成繊維及び無機繊維が好ましい。
【0033】前記スラリーは、成形断熱材及び成形吸着
材の特性に悪影響を及ぼさない範囲で、分散剤、安定
剤、粘度調整剤、沈降防止剤、増粘剤、充填剤、紙力増
強剤、凝集作用を有する界面活性剤、特に高分子凝集剤
や歩留り向上剤などの種々の添加剤を含有していてもよ
い。
【0034】スラリーの溶媒としては、有機溶媒も使用
可能であるが、作業環境などの点から、水又は水を主成
分とする溶媒を使用するのが好ましい。
【0035】スラリー中の固形分濃度は、吸引成形性を
損わない範囲で選択でき、例えば、0.05〜5重量
%、好ましくは0.1〜2.5重量%程度である。
【0036】吸引成形は、前記成分を含むスラリーを吸
引成形型により吸引し、吸引成形型の内面又は外面に前
記成分を堆積させたり、吸引成形型内にスラリーを注入
し、吸引することにより行なうことができる。
【0037】前記吸引成形型としては、前記炭素質繊維
などの通過を規制できる多数の小孔が形成された中空の
成形部と、この成形部に連通して接続され、かつ吸引ポ
ンプなどの減圧手段により吸引可能なパイプが装着可能
な吸引部とを有する慣用の成形型が使用できる。前記成
形部は、平板状であってもよく、円筒状などであっても
よい。このような吸引成形型を用いると、成形部の形状
に対応して、シート状や中空筒状などの成形体を得るこ
とができる。
【0038】吸引成形型から脱型した成形体を、加熱工
程に供することにより、成形断熱材および成形吸着材が
得られる。すなわち、成形断熱材は、湿潤状態の成形体
を加熱乾燥し、不活性ガス雰囲気や真空下で炭化又は黒
鉛化処理することにより得られる。不活性ガスとして
は、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴンなどが使用でき
る。炭素繊維化可能な繊維や炭化又は黒鉛化可能なバイ
ンダーは、前記炭化又は黒鉛化処理により炭素質とな
る。このような方法では、成形断熱材の嵩密度をコント
ロールできるので、低温域や高温域での断熱性に優れた
断熱材を容易に得ることができる。特に、複数の繊維集
合体のうち平均繊維長の短い炭素質繊維集合体の割合が
多い成形断熱材や、平均繊維長の短い炭素質繊維集合体
と熱硬化性バインダーと熱可塑性バインダーとを組合せ
て得られる成形断熱材は、高温での機械的強度および耐
久性にも優れる。成形断熱材は、例えば、高温域での緩
衝材、燃料電池用電極、10μm程度の塵芥などを除去
するフィルタなどとしても使用できる。
【0039】また、成形吸着材は、湿潤状態の成形体を
加熱乾燥することにより得られる。、成形体が熱接着性
バインダーを含む場合には、例えば、100〜200℃
程度の温度で加熱乾燥することにより、バインダーが活
性炭素繊維と接合し、一体性に優れた成形吸着材が得ら
れる。このようにして得られた成形吸着材は通水性及び
通気性に優れた抄紙構造を有しているので、吸着処理時
の圧力損失が小さく、吸着能が高い。しかも、前記の方
法により、成形吸着材の嵩密度を調整できるので、吸着
処理効率の高い成形吸着材を得ることができる。成形吸
着材は、上水の浄化、有機溶剤の回収、液体の脱臭脱色
などの種々の用途に使用できる。
【0040】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、平均繊維長
の異なる複数の炭素質繊維集合体を用いるので、炭素質
成形体における嵩密度を簡便かつ容易に調整できる。
【0041】また、平均繊維長の短い炭素質繊維集合体
と熱硬化性バインダーと熱可塑性バインダーとを組合せ
て使用すると、嵩密度の高い炭素質成形体が得られる。
【0042】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明する。
【0043】実施例1〜6 平均繊維長0.7mmのミルド炭素繊維集合体と、平均
繊維長0.3mmのミルド炭素繊維集合体と、平均繊維
長3.0mmのチョップ炭素繊維集合体と、フェノール
樹脂(荒川林産(株)製、タマノール)と、アクリロニ
トリル系ポリマー繊維(旭化成工業(株)製、カシミロ
ン繊維)とを表に示す割合で水に加え、水槽中で撹拌
し、均一なスラリーを調製した。なお、表中、%は重量
%を示す。また、スラリーの前記成分と水との割合は、
前記成分/水=10Kg/2000Kg=0.5重量%
である。
【0044】そして、成形部が円筒状の吸引成形型をス
ラリー槽内に浸漬し、吸引成形した後、成形体を取出し
て、100℃の温度で12時間乾燥した。
【0045】得られた成形体を窒素ガス雰囲気下、昇温
速度0.8℃/分の条件で850℃まで昇温し、同温度
で6時間保持して炭化した後、昇温速度1.0℃/分の
条件で2000℃に昇温し、同温度で6時間保持して黒
鉛化し、円筒状の成形断熱材(外径800mmφ×内径
700mmφ×高さ700mm)を得た。得られた成形
断熱材の嵩密度を測定したところ、表及び図に示す結果
を得た。なお、図は、実施例1〜5におけるミルド炭素
繊維集合体とチョップ炭素繊維集合体との割合と、得ら
れた黒鉛化成形断熱材の嵩密度との関係を示すグラフで
ある。
【0046】
【表1】 表及び図より、平均繊維長の異なる複数の炭素繊維集合
体の割合を変化させることにより、成形断熱材の嵩密度
を調整することができた。また、平均繊維長の短い炭素
繊維集合体と熱硬化性バインダーと熱可塑性バインダー
とを組合せることにより、嵩密度の高い成形断熱材が得
られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜5における平均繊維長0.7mmの
ミルド炭素繊維集合体と平均繊維長3.0mmのチョッ
プ炭素繊維集合体との割合と、得られた黒鉛化成形断熱
材の嵩密度との関係を示すグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素質繊維とバインダーとを含むスラリ
    ーを吸引成形し、得られた成形体を加熱する成形体の製
    造方法であって、前記炭素質繊維として平均繊維長の異
    なる、複数の炭素質繊維集合体を用いる炭素質成形体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 炭素質繊維として、平均繊維長が0.1
    mm以上で1mm未満のミルド炭素質繊維集合体と、平
    均繊維長が1〜30mmのチョップ炭素質繊維集合体と
    を用いる請求項1記載の炭素質成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 バインダーとして、熱硬化性バインダー
    と、熱可塑性バインダーとを用いる請求項1記載の炭素
    質成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 平均繊維長0.1〜1mmのミルド炭素
    質繊維集合体と、熱硬化性バインダーと、熱可塑性バイ
    ンダーとを含むスラリーを吸引成形し、得られた成形体
    を加熱する炭素質成形体の製造方法。
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