JPH0220792Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、固定体と可動体との任意の電気素子
の電気的接続を、複数の導体箔を埋設した薄板状
のフラツトケーブルを使用して行うものにおける
フラツトケーブルの保持装置に関するものであ
る。

〔考案の背景〕

従来より、例えば自動車にあつて、ハンドル部
分を構成する筒状の可動体と、このハンドル部分
を支承する筒状の固定体とに装着される各種電気
素子の電気的接続を図るために、複数の導体箔を
埋設した薄板状のフラツトケーブルを使用し、可
動体の回転によつて影響を与えないように、可動
体と固定体とでなす空間にフラツトケーブルを複
数ターン巻回させて収納し、可動体の一方向回転
によつてフラツトケーブルが径方向に締まり、ま
た他方向回転によつて径方向に緩むように変動可
能にしていた。

しかしながら、フラツトケーブルの端部には電
気的導出を図るための複数の端子が固定されてい
るため、これらの端子がフラツトケーブルの前記
変動の際にフラツトケーブルの側壁に当接するこ
とがあつた。この当接の結果、端子あるいはフラ
ツトケーブルが摩耗するという欠点があつた。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、上述した従来技術の欠点を解
消し、巻回されたフラツトケーブルの変動時にお
ける、フラツトケーブルに固定された各種端子と
フラツトケーブルの側部との摺動を防止するフラ
ツトケーブルの保持装置を提供するにある。

〔考案の概要〕

上記の目的を達成するため、本考案は、可動体
あるいは固定体の少なくとも一方の側壁と間隙を
おいて隔壁を形成し、前記間隙に端子を固定した
フラツトケーブルの端部部分を配置し、隔壁外に
フラツトケーブルの残余の部分を巻回したことを
特徴とする。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づき説明す
る。

第１図に示すように、上部に各種電気素子を配
置する拡径部１ａを有する筒状の可動体１の下部
には小径部１ｂを設け、この小径部１ｂと間隙を
おいて隔壁２が前記拡径部１ａの下壁より垂下し
ている。前記拡径部１ａの周部には後述するフラ
ツトケーブル３の端部に固定した各種端子を挿通
するための異形の透孔４，５が設けられている。
前記フラツトケーブル３は公知のように、複数の
導体箔を埋設した可撓性を有する薄板状のもので
あつて、一端に各種端子６ａ，６ｂ，６ｃ，６ｄ
が固定され、他端に前記導体箔を露出させてリー
ド線７と接合する接続部８を形成している。リー
ド線７の途中には、ゴム製の係止板９を嵌着して
ある。

前記可動体１は、筒状の固定体１０の中央空間
１１内に回動可能に設けられる。この固定体１０
の側部には上下に開口を有する枠体１２を形成し
てあり、この枠体１２内部の固定体１０側壁には
上下方向に切欠部１０ａを形成する。さらに枠体
１２の右側には突起条部１２ａを形成してあり、
前記係止板９を、この係止板９に形成した溝９ａ
に前記突起条部１２ａを嵌挿しながら枠体１２の
下開口部に位置させる。そして前記突起条部１２
ａと固定体１０の側壁とで形成する略三角形状空
間１３へは、前記フラツトケーブル３に嵌挿した
横断面視を略三角形状をしたゴム製のブロツク体
１４を嵌着する。そして前記係止板９とブロツク
体１４を枠体１２内に配装した状態でエポキシ樹
脂系の接着剤を枠体１２内へ流し込み、この接着
剤を硬化させることにより、係止板９とブロツク
体１４を枠体１２へ固定する。この固定によつて
リード線７とフラツトケーブル３の一端部が固定
体１０に保持されることになる。

フラツトケーブル３の一端部は上述のように固
定体１０の枠体１２部分で保持され、他の部分は
固定体１０の切欠部１０ａよりブロツク体１４を
挿通して、固定体１０の空間１１内へ延出してい
る。一方、フラツトケーブル３の他端部は第２図
のように保持されている。

すなわち第２図は、可動体１を裏面方向から見
た図であつて、フラツトケーブル３の他端には、
可動体１の前記拡径部１ａの透孔４，５に挿通す
るコネクタ端子６ａ，６ｂと、このコネクタ端子
とフラツトケーブル１の各導体とを接続する接続
端子６ｃ，６ｄが固定されている。前記コネクタ
端子６ａ，６ｂには、拡径部１ａの凹部１５に突
設した複数の小突起１６に嵌合する小孔１７を形
成してある。そして可動体１の隔壁２と側壁１ａ
の間には間隙Ａが形成されることになるが、この
間隙Ａ内に、前記接続端子６ｃ，６ｄが固定され
ているフラツトケーブル３の一端部分を配置し、
フラツトケーブル３の残余部分は隔壁２の外側に
巻回して、前記接続端子６ｃ，６ｄとフラツトケ
ーブル３の側壁とを隔離している。そして、コネ
クタ端子６ａ，６ｂの中間部は凹部１５内に入る
ため、フラツトケーブル３の底側と接触すること
がない。

第１図中、１８はコネクタ端子６ａをカバーす
るコネクターハウジングであり、１９はコネクタ
ーハウジングを可動体１に固定するためのネジ、
２０はコネクタ端子６ｂとチユーブ２１を装着し
て電気的に接続されるリード線である。

従つて、固定体１０に対して可動体１を回動さ
せ、フラツトケーブル３が公知のように巻回され
た半径方向に締まつたり、緩んだりして変動して
も、フラツトケーブル３の側壁と接続端子６ｃ，
６ｄが接触することがなく、フラツトケーブル３
と接続端子６ｃ，６ｄの摩耗を防ぐことができ
る。

尚、前述の可動体１における隔壁２の構成は、
固定体１０においても採用しても良い。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案は、隔壁の存在に
よりフラツトケーブルと、フラツトケーブルに設
けた端子との接触が防止でき、耐久性あるフラツ
トケーブルの保持装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は全体
の分解斜視図、第２図は可動体を裏面からみた分
解斜視図である。 １……可動体、２……隔壁、３……フラツトケ
ーブル、６ａ，６ｂ，６ｃ，６ｄ……端子、１０
……固定体、１１……空間、Ａ……間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定体と、この固定体に対して回動可能に設け
   られた可動体とでなす空間部に、複数ターン巻回
   したフラツトケーブルを収納し、このフラツトケ
   ーブルの端部を可動体と固定体とに支承させて、
   フラツトケーブルを介して可動体と固定体との任
   意の電気素子の電気的接続を図る接続装置におい
   て、前記可動体あるいは固定体の少なくとも一方
   の側壁と間隙をおいて隔壁を形成し、前記間隙に
   端子を固定したフラツトケーブルの端部部分を配
   置し、隔壁外にフラツトケーブルの残余の部分を
   巻回したことを特徴とするフラツトケーブルの保
   持装置。