JPH022041B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、流動床式ごみ焼却炉の炉底部から不
燃物を含んだ流動媒体を取り出し、その不燃物と
流動媒体とを分離する流動床式ごみ焼却炉の不燃
物分離装置に関する。

［従来技術としての問題点］ 流動媒体、例えば砂を空気流により流動させ、
流動状態の砂の中に焼却物、例えば都市ごみを投
入して焼却する流動床式焼却炉は熱効率が良く広
く用いられている。

ところで、都市ごみは壜、缶などの雑多な不燃
物を含んでおり、かかる不燃物を含んだ流動媒体
を不燃物と流動媒体に分離する必要がある。

この分離のために従来技術によれば、不燃物を
含んだ流動媒体を炉底からスクリユーコンベヤ等
で抜き出された後、振動篩等の選別装置により不
燃物と流動媒体に分離され、流動媒体は再使用す
るようにしている。このため選別装置を置くスペ
ースが必要であり、また選別装置を別に設けねば
ならないので、装置がコスト高となり、さらに選
別装置は一般に騒音、粉塵とともに多く場内環境
に悪影響を及ぼすことが多かつた。

また、実開昭57−82620号公報および実開昭57
−66323号公報においては、排出通路の排出口付
近に選別装置すなわち分級機を設置する旨が開示
されている。しかし、これ等の従来技術において
は、流動炉において加熱された熱い排出物に対し
て対策がとられていないので、装置の寿命が短い
という欠点があつた。

またスクリユーコンベヤと篩とを一体に設ける
技術は、例えば実公昭55−51574号公報および実
開昭54−103678号公報等で知られている。しかし
ながら、かかる公知技術でも熱に対する対策が不
十分であり、また、大型化するにつれてスクリユ
ーコンベヤおよび篩の長さが長くなり、加熱によ
り変形が、そのための対策も充分ではなかつた。

［問題点を解決するための課題］ したがつて本発明の目的は、流動床式ごみ焼却
炉からの熱い排出物に対して充分に対処できる流
動床式ごみ焼却炉の不燃物分離装置を提供するに
ある。

［課題を解決するための手段］ 本発明によれば、流動床式ごみ焼却炉の炉底部
から不燃物を含んだ流動媒体を取り出し、その不
燃物と流動媒体とを分離する流動床式ごみ焼却炉
の不燃物分離装置において、不燃物を含んだ流動
媒体を取り出す排出通路はケーシングで構成さ
れ、そのケーシング内にはスクリユーコンベヤお
よびそれと同軸に連結されて回転する円筒形の篩
が設けられ、そのケーシングは水ジヤケツトによ
り水冷されており、そしてスクリユーコンベヤの
軸の両端はケーシング外においてそれぞれ軸受で
支持され、かつその軸は中空であつて冷却水が通
つており、そして、その篩の下方に流動媒体の排
出口を設け、篩の開口部の下方には不燃物の排出
口を設けてある。

また本発明によれば、さらに篩の内部には不燃
物を篩の開口部に送るための送り羽根が設けられ
ている。

［発明の作用効果の説明］ したがつて、流動床式ごみ焼却炉から取り出さ
れた不燃物と流動媒体とは、排出通路を構成する
ケーシング内にはいり、スクリユーコンベヤから
篩に送られて、ここで選別され、流動媒体と不燃
物とがそれぞれの排出口から排出される。そして
流動媒体は再使用し、不燃物は廃棄する。

その際に、ケーシングはジヤケツトにより、ま
たスクリユー軸は中空の内部を流れる冷却水によ
り冷却されるので、加熱された不燃物や流動媒体
の取扱いが容易となり、かつ装置の寿命を延ばす
ことができる。またジヤケツトにより騒音振動が
外部にもれにくくなり、かつ粉塵の漏洩も防止で
き、作業環境が悪化しない。さらに軸受がケーシ
ングの外部に設けてあるので、熱の影響がなく、
かつスクリユー軸が両持ちであるので、大型の場
合に撓みが少なくなる。

また、円筒形の篩の内部に送り羽根を設けれ
ば、不燃物を篩の開口部に送るようになつている
ので、流動媒体と不燃物との分離がより一層効率
的に行われ、不燃物の排出速度を増加させること
ができる。

［実施例］ 以下、図面を参照し本発明の実施例につき説明
する。

焼却炉１で焼却を終えた不燃物を含んだ流動媒
体は、炉底部から炉下シユート２を通つて排出通
路３内に落下する。ケーシングで構成される排出
通路３内にはスクリユーコンベヤ４が設けられて
いる。スクリユーコンベヤ４はケーシング外に設
けた軸受５，５により支持された中空回転軸６と
該回転軸６の回りに取り付けられたスクリユー羽
根７とからなつており、モータ８によりチエーン
９を介して回転される。炉下シユート２および排
出通路３を構成するケーシングは水ジヤケツト１
０により水冷されており、また中空回転軸６内に
は冷却水が通つている。炉下シユート２を通つて
排出通路３に落下した不燃物を含んだ流動媒体は
スクリユーコンベヤ４により排出口３ａへと搬送
される。スクリユー羽根７は排出口３ａ付近でと
ぎれ、この延長上には回転軸６と同心で多孔板ま
たは織網で構成された円筒形の篩１１が回転軸６
にそれと回転一体に取り付けられている。篩１１
の内側には送り羽根１２が取り付けられている。
篩１１の外側は端部ケーシング１３で覆われてお
り、篩１１の下には流動媒体排出口１４が、また
篩１１の開口部の下には不燃物の排出口１５が設
けられている。スクリユーコンベヤ４により搬送
されてきた不燃物を含んだ流動媒体は篩１１内に
入り、篩１１の回転により流動媒体は落下して流
動媒体排出口１４へ排出され、また不燃物は送り
羽根１２により篩１１の開口部１１ａまで送られ
て不燃物排出口１５から排出される。

［発明の効果］ 以上の如く、本発明によれば、排出通路を構成
するケーシングおよび中空のスクリユー軸を水で
冷却しているので、加熱された不燃物や流動媒体
の熱が外部に放散されず、また装置自体の加熱に
よる損傷を防ぐことができる。また、水ジヤケツ
トを設けてあるので、騒音、振動、粉塵の漏洩を
なくし、作業環境が向上する。

さらに、スクリユー軸の軸受がケーシングの外
部に設けたので、熱の影響が少なく、かつスクリ
ユー軸の両端を支持しているので大型の場合でも
スクリユー軸の撓みを少なくできる。

そして篩によつて流動媒体と不燃物とを好適に
選別でき、流動床式ごみ焼却炉の運転効率を高め
ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例に係る流動床式ごみ焼却
炉の不燃物分離装置の一部を断面で示す正面図で
ある。 １……焼却炉、２……炉下シユート、３……排
出通路、４……スクリユーコンベヤ、５……軸
受、６……回転軸、７……スクリユー羽根、８…
…モータ、９……チエーン、１０……水ジヤケツ
ト、１１……篩、１２……送り羽根、１３……ケ
ーシング、１４……流動媒体排出口、１５……不
燃物排出口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 流動床式ごみ焼却炉の炉底部から不燃物を含
   んだ流動媒体を取り出し、その不燃物と流動媒体
   とを分離する流動床式ごみ焼却炉の不燃物分離装
   置において、不燃物を含んだ流動媒体を取り出す
   排出通路はケーシングで構成され、そのケーシン
   グ内にはスクリユーコンベヤおよびそれと同軸に
   連結されて回転する円筒形の篩が設けられ、その
   ケーシングは水ジヤケツトにより水冷されてお
   り、そしてスクリユーコンベヤの軸の両端はケー
   シング外においてそれぞれ軸受で支持され、かつ
   その軸は中空であつて冷却水が通つており、そし
   て、その篩の下方に流動媒体の排出口を設け、篩
   の開口部の下方には不燃物の排出口を設けたこと
   を特徴とする流動床式ごみ焼却炉の不燃物分離装
   置。 ２ 篩の内部には不燃物を篩の開口部に送るため
   の送り羽根が設けられている特許請求の範囲第１
   項に記載の流動床式ごみ焼却炉の不燃物分離装
   置。