JPH0219374B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ボイラの燃焼装置に適用されるバー
ナノズルの改良に関する。

従来の技術 近年、省エネルギ、低NOx化の要請はますま
す厳しくなり、燃焼装置の改良による低O₂運転
及び低NOx運転への要求は、以前にも増して強
くなつている。

しかして、燃焼装置の中でガス焚用バーナノズ
ルは、その改善により、低O₂化、低NOx化のた
めに、従来第５〜７図に示すような構成とされて
いる。

これらの図において、燃焼炉内に臨んで配置さ
れ内部に燃焼用空気流路を備えている四角枠体状
のノズル１は、格子状のスクリーン２と溶接によ
り一体にされているとともに、ノズル仕切板３と
も四周を溶接されている。なお、４は整流板であ
る。

そして、空気予熱器等で加熱された燃焼用空気
は、ノズル１の入口に第６図に示す矢印方向で導
びかれ、燃焼炉（図示せず）へ投入されるわけで
あるが、ノズル１と仕切板３とは四周を溶接され
ているので、ここからのノズル外周部への空気洩
れを完全になくし、スクリーン２から整流した空
気として燃焼炉へ投入することにより、燃焼用空
気への寄与度を上げ、低O₂化を図ろうとしてい
る。また、この低O₂化が図れることから、低
NOx化を図ろうとしている。

発明が解決しようとする問題点 このような従来のバーナノズルは、しかし、ノ
ズル１の外周部への空気洩れをなくしたためにノ
ズル１の外周部が冷却されにくくなつたこともあ
り、炉内の高温ガス及び輻射熱に直接さらされて
加熱昇温されるノズル１と燃焼用空気の流通によ
り冷却されるスクリーン２との間にメタル温度差
が200〜300℃も発生するようになつた。そして、
ノズル１とスクリーン２とが溶接により一体型と
なつているため、このメタル温度差の違いにより
発生するメタルの伸び差により、ノズル１のコー
ナ部に過大な熱応力が発生し、コーナ部から割れ
るトラブルが頻発している。

また、ノズル１は高温にさらされるようになつ
たために、焼損が激しくなり、その取替えは１年
毎に必要であつたが、焼損はノズル１だけであ
り、スクリーン２は焼損が少なく、数年間は取替
える必要がないのに、ノズル１とスクリーン２と
は前述した如く溶接され、一体型となつているた
め、スクリーン２も一緒に取替える必要があり、
極めて不経済な構造となつていた。

そこで、本発明は、ノズルとスクリーンとが一
体型のため、炉内の高温ガス及び輻射熱にさらさ
れるノズルと燃焼用空気により冷却されるスクリ
ーンとの間のメタル温度差によるノズルの割れの
発生を防止し、また焼損により寿命の短いノズル
に合せて寿命の長いスクリーンも一緒に取替えな
ければならないことをなくして、ノズルとスクリ
ーンとの各寿命を長くすることを目的としてい
る。

問題点を解決するための手段 本発明は、燃焼炉内に臨んで配置され内部に燃
焼用空気流路を備えたバーナノズルを、内側に冷
却フインが設けられた四角枠体状の外側ノズル
と、この外側ノズルの中に前記冷却フインとは間
隔を置いて配置された格子状の内側ノズルとで構
成したものである。

作 用 このような手段によれば、外側ノズルと内側ノ
ズルとは完全に切離されることから、それらのメ
タル温度差によるノズルコーナ部の熱応力は緩和
され、また炉内の高温ガス及び輻射熱に直接さら
されて焼損頻度の激しい外側ノズルのみを乾燥に
交換でき、更に外側ノズルの材質のみを変更でき
ることから、焼損の少ない内側ノズルの寿命を長
くすることができる。

実施例 以下第１〜４図を参照して本発明の一実施例に
ついて詳述する。

これらの図において、燃焼炉内に臨んで配置さ
れ内部に燃焼用空気流路を備えているバーナノズ
ルはそれぞれ独立する四角枠体形状の外側ノズル
１１と格子状の内側ノズル（スクリーン）１２と
で形成され、外側ノズル１１はノズル仕切板１３
に従来と同様四周を溶接止めされており、一方内
側ノズル１２はこのノズル仕切板１３に一対の支
持板１４ａ，１４ｂを介して溶接止めされてい
る。また、外側ノズル１１の内側には多数の冷却
フイン１５が設けられており、これらの冷却フイ
ンと間隔を置いて内側ノズル１２が外側ノズル１
１の中に配置され、これにより外側ノズル１１と
内側ノズル１２とは完全に切離されている。

このような構成によれば、したがつて、低O₂
運転、低NOx運転の性能へは全く影響すること
なしに、外側ノズル１１と内側ノズル１２とを完
全に切離していることから、炉内の高温ガス及び
輻射熱で加熱された外側ノズル１１の熱が内側ノ
ズル１２に伝達されることはなく、したがつて外
側ノズル１１と内側ノズル１２とのメタル温度差
によるノズルコーナ部の熱応力は緩和され、ノズ
ルコーナ部の割れはなくなる。

また、外側ノズル１１と内側ノズル１２とを完
全に切離したことにより、焼損により取替えを必
要とする部分を炉内の高温ガス及び輻射熱に直接
さらされる外側ノズル１１だけとすることが可能
となり、取替えが最小となる。しかも、この場
合、外側ノズル１１には冷却フイン１５を設け
て、燃焼用空気で冷却し、そのメタル温度を下げ
るようにしているので、この外側ノズルの焼損を
最小にすることができる。これらの冷却フイン１
５は、同時に整流板としての働きもなす。

更に、このように外側ノズル１１が高温により
焼損した場合、この外側ノズルのみを取替えれば
良く、内側ノズル１２はそのまわりを燃焼用空気
が流れ、冷却されて焼損が少ないことから取替え
る必要がなくなつたため、寿命が数年間延長され
ることになる。

発明の効果 以上詳述したように、本発明によれば、低O₂
運転、低NOx運転の性能を減少させることなく、
ノズルコーナ部の割れを未然に防止するととも
に、スクリーンを構成する内側ノズルの寿命を長
くすることができ、経済的に安くできるなど実用
上優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１〜４図は本発明によるバーナノズルの一例
を示し、第１図は正面図、第２図は第１図の−
線断面図、第３図は第１図の−線断面図、
第４図は分解図である。第５〜７図は従来のバー
ナノズルを示し、第５図は正面図、第６図は第５
図の−線断面図、第７図は斜視図である。 １１……外側ノズル、１２……内側ノズル、１
３……ノズル仕切板、１４ａ，１４ｂ……支持
板、１５……冷却フイン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 燃焼炉内に臨んで配置され内部に燃焼用空気
   流路を備えたバーナノズルにおいて、内側に冷却
   フインが設けられた四角枠体状の外側ノズルと、
   この外側ノズルの中に前記冷却フインとは間隔を
   置いて配置された格子状の内側ノズルとから成る
   ことを特徴とするバーナノズル。