JP2810056B2 - ガスタービンエンジンの燃焼器 - Google Patents

ガスタービンエンジンの燃焼器

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Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、ガスタービンエンジンの燃焼器に関し、
主にその内張り構造に関するものである。
［従来の技術及び問題点］ ガスタービンエンジンの燃焼器においては、最少の容
積で燃料を燃焼させる必要がある。このため、燃焼器及
びその周辺の熱負荷は非常に大きなものとなる。従つ
て、燃焼器においては、燃焼器及びその周辺を熱から保
護することが必要となる。通常、燃焼器には、燃焼器の
構造壁を保護するために熱シールドが設けられる。この
熱シールドは、外気への熱放散によつて冷却されるのが
一般的となっている。しかし乍ら、従来この種の熱シー
ルドにおいては、熱放散が充分に行なわれない結果、極
部的に熱シールドが過熱状態となつて酸化、クラツク発
生、高い熱応力の集中等が起こつている。
これを解消するために、アムリカ特許4,302,941に
は、過熱状態となり易いフローデイングシールドパネル
の部分に冷却空気を吹付けるとともに、冷却空気を対流
させることによつて冷却効率を高めることが提案されて
いる。また、ドーム部近傍の熱シールドを冷却空気の吹
付け及び対流により冷却することも従来より知られてい
る。しかし乍ら、従来の技術においては対流する冷却空
気がドーム部の熱シールド端部では、シールド壁面に対
してほぼ平行に流れるようになつており、冷却するシー
ルド壁面より離れる方向に流れる傾向がある。この部分
においてシールドが過熱状態となるのを防止すること
は、困難なものとなつている。また、従来の技術におい
ては、冷却空気が高温に過熱されるため、空気の吹付け
による冷却効果が期待出来ないものとなつている。
そこで、本発明の目的は、従来の技術における課題を
解消して、燃焼器における熱シールドの冷却を効果的に
行い得るようにした燃焼器を提供することにある。
［発明の構成］ 上記及び上記以外の目的を達成するために、本発明
は、燃焼空間と、この燃焼空間を吸気室と燃焼室とに分
割するドーム壁と、前記燃焼空間の構造壁の内側に間隙
を介して配設され前記構造壁との間にこの構造壁に沿っ
た第一の空気通路を形成する構造壁熱シールドパネル
と、前記第一の空気通路に冷却空気を導入する手段と、
を有するガスタービンエンジンの燃焼器において、前記
ドーム壁から離間して前記燃焼室内に設けられたドーム
熱シールドを有し、この熱シールドによって、該熱シー
ルドと前記ドーム壁との間に第二の空気通路が形成さ
れ、前記ドーム壁に複数の孔を形成して、前記ドーム熱
シールドに向けて前記第二の空気通路に冷却空気を導入
するとともに、前記ドーム熱シールドの外側端部が前記
構造壁熱シールドのドーム側端部と近接してオーバーラ
ップして配設されており、前記第一の空気通路は、前記
ドーム壁によって遮断されるとともに前記ドーム熱シー
ルドの前記外側端部の上流側において前記第二の空気通
路の外側端部に連通しており、これにより、前記第一の
通路を流通する冷却空気の少なくとも一部が反転し、前
記第二の通路からの冷却空気と合流して前記ドーム熱シ
ールドの前記外側端部へと向かうことで前記外側端部の
冷却が促進されることを特徴とするガスタービンエンジ
ンの燃焼器を提供する。
なお、前記ドーム熱シールドは、前記構造壁より遠い
側の端部において前記ドーム壁に取付けることもでき
る。
［実施例］ 以下に、本発明の好適実施例によるガスタービンエン
ジンの燃焼器及びその内張り構造を添付図面を参照して
説明する。
図において、10は、ガスタービンエンジンの燃焼器を
示しており、この燃焼器は、燃焼空間14を規定する燃焼
空間構造壁12を有している。ドーム壁16は、燃焼空間14
を吸気室18と燃焼室20に分割している。
燃焼室20には燃料インジエクタ22が設けられており、
燃料はこのインジエクタを介して燃焼室内に噴射され
る。このインジエクタ22の周囲には、吸気通路24が形成
されており、吸気室18に導入された吸入空気は、この吸
気通路を介して燃焼室20に導入される。燃焼室20に導入
された吸入空気は、インジエクタ22より噴射される燃料
と混合されて混合気を形成する。従つて、燃焼室20内の
燃料は、吸入空気の流れに沿つて燃焼する。燃焼によつ
て構造壁12とドーム壁16には強い副射と対流が作用す
る。そこで、構造壁12及びドーム壁16を保護するため
に、各種の熱シールドパネルが用いられる。
燃焼室20内の構造壁12には、複数の熱シールド26が設
けられている。各熱シールド26は、冷却空気導入孔28を
介して流入する空気によつて冷却される。この時、冷却
空気導入孔28の軸線は、熱シールド26の面に対して略直
交する向きとなつているので、この導入口を介して導入
される冷却空気は、シールドの対向面に衝突した後、シ
ールドと構造壁12間の空間を通つて流れる。この時、部
分30に流通する空気は下流側に流れ、部分32に流通する
空気は上流側に流れる。なお、構造壁12に形成する冷却
空気導入孔28の数は、シールド26の冷却に充分な量の空
気量が導入可能な通路面積を得る数とするとともに、燃
焼室の周方向に分離して、各部が均一に冷却出来るよう
にする。同様に、ドーム壁16には、多数の冷却空気導入
孔34が形成される。このドーム壁16に離接して、熱シー
ルド36が設けられており、この熱シールドのドーム壁16
対向面は、冷却空気導入孔34の軸線に対して略直交する
面となつている。なお、この熱シールド36は、ドーム壁
16の中央開口部に沿つて形成する筒部によつて中央部が
支持され、外周部は支持されない構造となつている。
冷却空気導入口34から導入された冷却空気は、シール
ド36に衝突した後、矢印40で示すように放射方向外向き
に流れる。この冷却空気の対流によつて、シールド36が
更に冷却される。
熱シールド36の外周縁部には、熱シールド26をオーバ
ーラツプするリツプ部42が形成されている。通常、この
リツプ部42への空気の流通量が不足がちとなり、充分な
冷却効率は得られないものとなつているが、本実施例に
おいては、ドーム部16の部分44が、冷却空気の流れをこ
のリツプ部42に向けて偏向し、更に部分32に流通する空
気の作用によつて、リツプ部42に向かつて流れ、リツプ
部を冷却する。更に、部分32に流通する冷却空気も、空
気流40によつて偏向されてリツプ部42を冷却する。
上記のように、本実施例においては、単にドーム壁16
の外周縁部44の肉厚を大きくするのみで、複雑な構造を
とらずにドーム壁16及びシールド36を充分に冷却するこ
とが出来る。また、この外周縁部44の肉厚増加によっ
て、ドーム壁と構造壁の熱応力を増大することが出来
る。
従つて、上記の構成によれば、ドーム部シールドの外
周縁のリツプ部を効果的に冷却し得るものとなる。
【図面の簡単な説明】
図は、本発明の好適実施例による燃焼器の構成を示す断
面図である。 10……燃焼器 12……構造壁 14……燃焼空間 16……ドーム壁 18……吸気室 20……燃焼室 22……燃料インジエクタ 24……吸気通路 26……熱シールド 28……冷却空気導入孔 34……冷却空気導入孔 36……熱シールド 42……リツプ部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】燃焼空間と、 この燃焼空間を吸気室と燃焼室とに分割するドーム壁
    と、 前記燃焼空間の構造壁の内側に間隙を介して配設され前
    記構造壁との間にこの構造壁に沿った第一の空気通路を
    形成する構造壁熱シールドパネルと、 前記第一の空気通路に冷却空気を導入する手段と、を有
    するガスタービンエンジンの燃焼器において、 前記ドーム壁から離間して前記燃焼室内に設けられたド
    ーム熱シールドを有し、この熱シールドによって、該熱
    シールドと前記ドーム壁との間に第二の空気通路が形成
    され、 前記ドーム壁に複数の孔を形成して、前記ドーム熱シー
    ルドに向けて前記第二の空気通路に冷却空気を導入し、 前記ドーム熱シールドは、外側端部を有し、この外側端
    部は、前記構造壁熱シールドのドーム側端部と近接し、
    かつ、該構造壁熱シールドのドーム側端部の一部を、間
    隙部を介して覆うように配設されており、 前記第一の空気通路は、前記ドーム壁によって遮断され
    るとともに前記ドーム熱シールドの前記外側端部の上流
    側において前記第二の空気通路の外側端部に連通してお
    り、これにより、前記第一の通路を流通する冷却空気の
    少なくとも一部が反転し、前記第二の通路からの冷却空
    気と合流して前記ドーム熱シールドの前記外側端部へと
    向かうことで前記外側端部の冷却が促進されることを特
    徴とする、ガスタービンエンジンの燃焼器。
  2. 【請求項２】前記ドーム熱シールドは、前記構造壁より
    遠い側の端部において前記ドーム壁に取付けられている
    ことを特徴とする請求項１記載のガスタービンエンジン
    の燃焼器。
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