JPH02192465A - 窒化珪素焼結体 - Google Patents

窒化珪素焼結体

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JPH02192465A
JPH02192465A JP1338666A JP33866689A JPH02192465A JP H02192465 A JPH02192465 A JP H02192465A JP 1338666 A JP1338666 A JP 1338666A JP 33866689 A JP33866689 A JP 33866689A JP H02192465 A JPH02192465 A JP H02192465A
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nitride sintered
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は高温にあける機械的強度の優れた実質的に粒界
相が結晶化している高密度窒化珪素焼結体に関するもの
であり、さらに詳しくは焼結助剤とMnO,Can、 
Nip、 Nb2O2およびM2O3から選ばれる一種
又は二種以上とを所定量含有し大型製品あるいは大量焼
成が可能な高密度窒化珪素焼結体に関するものである。
(従来の技術) 窒化珪素焼結体は高温における機械的強度、耐熱性、熱
衝撃抵抗性および耐食性等の点で金属材料より優れてい
るため、金属材料が使用できない高温構造部材への適用
が考えられ、その用途開発が盛んに進められている。
窒化珪素は共有結合性の物質で容易には同相焼結ができ
ないためMgO,SrO,CeO2,Y2O3,2rO
,。
希土類元素酸化物、”203. AIN等を添加し、焼
成温度でガラス相を生成させ緻密化する液相焼結が行わ
れている。このため、得られる焼結体は粒界に焼成中生
成したガラス相を多く含むものである。
従って使用温度が高くなると粒界のガラス相が軟化し、
機械的強度、クリープ変形、クリープ破壊を原因とする
疲労特性や耐酸化性が劣化する。
このため粒界相を結晶化しガラス相を無くす方法が研究
されている。特開昭55−3397号公報には、Y2O
3およびSin、を添加して焼成し粒界にY2O,・2
SiO*および10Y203・9S102・Si*N<
の結晶相を含む窒化珪素焼結体が示されている。特開昭
56−59674号公報にはY2O,を添加して焼成し
、粒界にXY2O3・ySi3N4の結晶相を含む窒化
珪素焼結体が示されている。また、特開昭59−867
0号公報には(Si、 Mg、 Y)(0,N)で示さ
れるメリライト鉱物相が粒界相である窒化珪素焼結体が
示されている。さらに特公昭58−50944号公報に
はY2O3あるいはCeO,を添加した窒化珪素焼結体
を再加熱し、粒界相にY2O3・Si、N。
あるいはCe2O3・5iJ4を結晶化させる方法が示
されている。これらの粒界相を結晶化した窒化珪素焼結
体はいずれも高温強度が向上している。特願昭59−1
86287号公報はY2O3,MgOおよびCeO2を
所定量含み、常圧焼結により充分緻密化し、粒界相が結
晶化し高温強度が高(耐酸化性、静的疲労特性が優れて
いる窒化珪素焼結体に関するものである。
(発明が解決しようとする問題点) これらの粒界相を結晶化した窒化珪素焼結体は常圧焼結
あるいはホットプレスで緻密化機降温過程で粒界のガラ
ス相が結晶化する。特開昭59−207879号公報お
よび特開昭59−213676号公報には焼結助剤とし
て希土類元素とla族元素を含む窒化珪素焼結体におい
て複雑な形状又は大型の形状のものを焼結すると第二相
が粒界相に不均一に分布して偏析し窒化珪素焼結体内の
緒特性のバラつきが大きくなりまた強度低下する欠点に
対し、焼結助剤を窒化物あるいは酸窒化物として添加す
ることにより複雑な形状又は大型の形状のものを焼結す
ることを可能にしている。また特願昭59−18628
7号公報に示したY、0.、 MgOおよびceo2を
所定量含む窒化珪素焼結体は降温速度が速い場合、粒界
相が充分結晶化せず、降温速度が遅い場合粒界相の結晶
粒子が大きく成長し粗大粒子の粒界相結晶となる。粒界
相の結晶化が不充分である場合には高温強度、耐酸化性
、静的疲労特性を向上させるために再加熱処理し粒界相
を結晶化しなくてはならない。また粒界相の結晶粒子が
粗大になった場合は粒界相の結晶粒子の界面にクラック
が生じて著しく強度が低下する。焼結助剤を窒化物ある
いは酸窒化物にすると粒界相のO,Nの組成が変化し、
析出する結晶相が変化して特性が劣化する。このため実
質的に粒界相が結晶化しなおかつ結晶化した粒界結晶粒
子が細かい焼結体を得るためには降温速度を限定する必
要がある。
以上のように粒界相が実質的に結晶化する窒化珪素焼結
体においては焼成後の降温過程を制御しないと、結晶化
過程を構成する結晶核形成過程と結晶成長過程のバラン
スがとれず好ましい粒界相の結晶相が得られない。この
ため降温速度を限定する必要があるが、大量焼成や大型
製品の焼成では炉や製品自体の熱容量のために充分迷い
降温速度にはならず粒界相の結晶粒子が粗大化し、その
結晶粒子の界面にクラックが生じ著しく強度が低下する
本発明はこれらの欠点を解決するために行われたもので
ある。すなわち本発明は粒界相が実質的に結晶化してお
り高温強度が高く耐酸化性が良好であり、クリープ変形
あるいはサブクリティカルタラツクグロースが起こらず
、疲労特性が優れて、おりなふかつ焼成による緻密化の
後に遅い降温速度であっても粒界相が細かい結晶粒子に
結晶化し大量焼成あるいは大型製品の焼成が可能な高密
度窒化珪素焼結体を見出し、その製造法の確立を目的と
するものである。さらに詳しく述べるならば本発明は焼
成後の緻密化過程で肉厚製品であっても降温速度の遅い
製品内部まで粒界相が細かい結晶粒子に結晶化し均一な
製品が得られる粒界相が実質的に結晶化した窒化珪素焼
結体を見出すことを目的とするものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明の窒化珪素焼結体は、YおよびMgの化合物ある
いはY、 MgおよびCeの化合物である焼結助剤と、
粒界相の結晶化制御剤としてMn、 Co、 Ni。
NbおよびMoの化合物の中の一種または二種以上をそ
れぞれMnO,Con、 Nip、 Nb、05および
M2O3に換算して0.005−3重量%とを含み、粒
界相が実質的に結晶化していることを特徴とするもので
ある。
(作 用) 本願の窒化珪素焼結体の製造法をさらに詳しく説明する
。窒化珪素焼結体は加圧焼結、無加圧焼結に限らず、焼
成中に焼結助剤および窒化珪素原料に含まれる313N
4 とSiO□とが反応して粒界ガラス相を形成し、再
配列過程、溶解析出過程より構成される液相焼結の過程
を経て緻密化される。粒界相が結晶化する窒化珪素焼結
体においては緻密化後の降温過程で粒界ガラス相は結晶
核形成過程と結晶成長過程より構成される結晶化過程を
経て結晶化する。この場合Mn、 Co、 Ni、 N
bおよびMoの化合物は粒界ガラス相に溶解するかある
いは近傍に存在し結晶核形成過程と結晶成長過程とを制
御あるいは促進して粒界ガラス相が結晶化する過程を制
御するもので、特に降温速度が遅い場合であっても窒化
珪素焼結体の粒界相全体を細かい結晶粒子に結晶化させ
るものである。好ましくは結晶化制御剤のMn、 Co
、 Ni、 NbおよびMoの化合物の中の一種または
二種以上はそれぞれMnO,Coo、 Nip。
Nb、0.およびMo03に換算して合計が0.05−
3重量%であると良い。Mn、 Co、 Ni、 Nb
およびMoの化合物はそれぞれMnO,Con、 Ni
p、 Nb、0.およびMob、に換算して0.05重
量%未満であっても結晶化制御剤として作用しないとは
言えないが、実験上あるいは製造上において均一な混合
分散が困難であり、−方3重量%を超えると粒界ガラス
相が実質的に結晶化しに(くなりガラス相が残留して窒
化珪素焼結体の高温特性が劣化する。
本発明の窒化珪素焼結体の焼結助剤とは焼成中に窒化珪
素原料中のSi、N、およびSlO□と反応し粒界相に
酸窒化物ガラスを生成し、降温過程で生成した酸窒化物
ガラスが結晶化するもので、好ましくはMg、 Sr、
 Sc、 Y、 Zr 、  ランタニド元素、AI 
の化合物の中の一種または二種以上が用いられる。
Mn、 Co、 Ni、 NbおよびMOの化合物は酸
窒化物ガラスの結晶化過程を制御するものである。さら
に好ましくは焼結助剤としてYおよびMgの化合物、あ
るいはY、 MgおよびCeの化合物を用いると良い。
YおよびMgの化合物を用いる場合は常圧焼結では緻密
化しにくいので加圧焼結が用いられる。YおよびMgの
化合物は焼成中窒化珪素原料中のSi3N4およびSi
O□と反応して酸化物、酸窒化物あるいは窒化物となり
粒界相にY 、 Mg、 Si、 OおよびNを主成分
とするガラス相を生成するが、この粒界ガラス相は降温
過程で結晶化する。この時Mn、 Co、〜1゜Nbお
よびMoの化合物は結晶化を制御する。一方、Y、 M
gおよびCeの化合物を焼結助剤として用いるならば、
窒化珪素原料中のSi、N、およびSi口。と反応して
酸化物、酸窒化物あるいは窒化物となり、粒界相にY、
 Mg、 Ce、 Si、 0およびNを主成分とする
ガラス相を生成し、常圧窒素雰囲気下において再配列過
程と溶解析出過程とから構成される液相焼結の過程を経
て緻密化が容易に行われる。この粒界ガラス相は降温過
程で実質的に結晶化する。この時Mn、 Co、 Ni
、 NbおよびMOの化合物は結晶化を制御する。さら
にこの場合Si、N、の含有量が75−95%、Yの含
有量がY2O,に換算して2−15重量%、Mgの含有
量がMgQに換算して1−10重量%、Ceの含有量が
CeO2に換算して1−10重量%、Mn。
Co、 Ni、NbおよびMoの含有量がそれぞれMn
O,Coal。
Nip; Nb、05およびMob、に換算して合計が
0.05−3重量%であることが好ましい。Si、N、
の含有量が95重量%を超える場合焼結助剤の量が不足
となり充分緻密化せず、また75重量%未満であるとS
i、N。
の持つ優れた機械的性質、耐熱性が充分発揮されない。
また焼結助剤のY、 MgおよびCeの含有量がY2O
3に換算して2−15重量%、 MgOに換算して1−
10重量%、 CeO□に換算して1−10重量%の範
囲からいずれか一種でも不足あるいは過剰である組成に
なると焼成過程で焼結助剤として充分な効果が得られず
緻密化しないか、降温過程で充分結晶化せず、粒界相に
ガラス相が多く残留する。また結晶化制御剤であるMn
、 Co、 Ni、 NbおよびMoの化合物の一種ま
たは二種以上がそれぞれMnO,Coo、 Nip。
NbJsおよびMob)3として合計で0.05重量%
未満であっても結晶化制御剤として働かないとは言えな
いが実験上あるいは製造上において均一な混合分散が困
難であり、一方、3重量%を超えると降温過程で粒界相
にガラス相が多く残留する。このため機械的強度、高温
特性が悪くなる。
Y、 MgおよびCeの化合物と結晶化制御剤とを含む
窒化珪素焼結体のCuKa線によるX線回折分析結果の
回折線の例を第1図に示した。
本発明の窒化珪素焼結体は主として第1図aのβ−3i
、N、相の回折線を示すが、その他に粒界結晶相の回折
線である第1図すおよびCまたはbあるいはCは回折線
を示す。この中東1図Cで示される回折線はJCPDS
カード30−1462に示される513N4・10Ya
Os・9S+Oaの回折線と一致するもので ある。さ
らに別にα−8l、N4相の回折線が見出される場合も
ある。同じ<YlMgおよびCeの化合物と結晶化制御
剤とを含む窒化珪素焼結体の電子顕微鏡により観察した
微構造の例を第2図に示した。第2図においてSi、N
、で示した粒子はSi、N。
結晶粒子であるが、粒界相であるその他の部分は第2図
においてXで示したように電子線回折を起こす結晶粒子
で占められており、ガラス相は殆んど含まれない。また
、電子顕微鏡下にふけるエネルギー分散型X線元素分析
計により元素分析を行うと、粒界の結晶相は陽イオンと
してY 、 Mg、 CeおよびSiを主成分として含
むことが見出され、Nb。
NiおよびCoの中の一種または二種以上を多(含む場
合、粒界相の結晶相とは別にNb、 NiあるいはCO
を多く含む粒子が微構造中に見出される。さらに電子線
エネルギー損失分光法により粒界の結晶相には陰イオン
としてOとNを含むことが見出された。
以上のY、 MgおよびCeを焼結助剤として含む窒化
珪素焼結体のように本発明の窒化珪素焼結体の粒界相は
電子顕微鏡で観察した微構造において実質的にガラス相
を含まない結晶相より成るものでありX線回折分析にお
いて明確な回折線を示す。
これらの粒界相の結晶相は一種の結晶相から成る場合も
、二種以上の結晶から成る場合も可能である。このよう
に実質的に粒界相が結晶化する本発明の窒化珪素焼結体
においてMn、 Co、 Ni、 NbおよびMoの化
合物の中の一種または二種以上の結晶化制御剤を用いる
ことにより、この結晶化制御剤が焼成過程で緻密化のた
めに粒界相に生成する酸窒化物ガラス相に溶解するかあ
るいは粒界ガラス相の近傍に存在して粒界ガラス相が、
降温過程で結晶化する時に遅い降温速度においても細か
い結晶粒子に結晶化させるものである。このため大量焼
成や大型製品の焼成にふいても降温速度の遅い炉の部分
や製品の中心部まで細かい結晶粒子に粒界ガラス相が均
一に結晶化して、強度の高い製品が得られるものである
本発明の窒化珪素焼結体の製造法は前述した窒化珪素焼
結体の組成においてその微構造および特性を持つ焼結体
を製造する方法である。以下に本発明の窒化珪素焼結体
の製造法について詳しく述べる。
窒化珪素原料粉末と焼結助剤とMn、 Co、 Ni、
 NbおよびMoの化合物の中から選ばれる結晶化制御
剤とを調合する焼結助剤としてはMg、 Sr、 Sc
、Y、 Zr。
ランタニド元素、^lの化合物の一種または二種以上が
好ましく特にYおよびMgの化合物が良い。あるいは焼
結助剤としてYの化合物をY2O3に換算して2−15
重量%、Mgの化合物をMgOに換算して1−10重量
%およびCeの化合物をCeO□に換算して1−10重
量%が好ましい。窒化珪素原料粉末、焼結助剤および結
晶化制御剤であるMn、 Co、 Ni、 Nbおよび
Moの化合物は製造法等により不純物の種類や量が異な
るが不純物は一般に窒化珪素焼結体の粒界相にガラス相
として残留し高温における機械的強度、耐酸化性および
疲労特性を低下させる原因となる。
このため各原料粉末は純度96重量%以上で特に陽イオ
ン不純物は1重量%以下であることが好ましい。また焼
結助剤あるいは結晶化制御剤であるMn。
Co、 Ni、 NbおよびMoの化合物は焼結体中で
酸化物、酸窒化物あるいは窒化物となるが原料としては
焼結助剤の成分およびMn、 Co、 Ni、 Moの
塩あるいはアルコキシド等の化合物あるいはそれらの溶
液状態で配合し、後に酸化物等に添加することもできる
。しかしこの場合酸化雰囲気で熱処理を行うので窒化珪
素原料粉末のSi3N4が酸化されたり緻密化を阻害す
る分離ガスが発生するのでむしろY2O3。
MgO,CeO2,MnO,CoO,Nip、 Nb2
O,あるいはMnO3等の酸化物粉末を用いた方が好ま
しい。
原料粉末の粉砕混合は振動ミル、回転ミル、アトライタ
ーミル等を用い、水または有機溶媒を使用する湿式法あ
るいは乾式法で行う。この場合粉砕混合に用いる玉石の
摩耗による不純物の混入を防ぐため、ナイロン樹脂被覆
鉄製玉石、窒化珪素質磁器製玉石あるいは焼結助剤とし
て用いる化合物自体の玉石を用いるのが好ましい。粉砕
時間は粉砕方式および処理量により異なるが、粉砕後の
粉末の平均粒径およびBET比表面積が一定の飽和値に
なるまで粉砕することが好ましい。粉砕混合して得られ
た調合粉末は湿式粉砕法を用いる場合には乾燥し、通常
の乾式プレス成形法、押し出し成形法、スリップキャス
ト成形法あるいは射出成形法に、静水圧プレスを組み合
わせる等して所望の形状に成形する。この成形体を加圧
焼結あるいは無加圧焼結にて緻密化し、降温冷却して窒
化珪素焼結体が得られる。また加圧雲囲気でSi3N、
の蒸発を抑制しながら緻密化のために2000℃までの
高温で焼成することもできる。焼結助剤がY、 Mgお
よびCeの化合物である場合には窒素雰囲気あるいは不
活性ガス雰囲気中において1650−1800℃で充分
な時間無加圧焼結するのが好ましい。この場合不活性ガ
ス雰囲気中ではSi、N、が分解蒸発し易く緻密な焼結
体が得られない場合があるので窒素雰囲気である方が好
ましい。
またこの場合は常圧窒素雰囲気下1650−1800℃
の焼成で充分に緻密化するので加圧焼結や加圧窒素雰囲
気下の焼結を行うまでもない。焼結助剤がY、 Mgお
よびCeの化合物である場合、常圧焼結雰囲気下の焼結
では焼成温度が1650℃未満であると焼成が不充分で
緻密化せず、1800℃を超えるとSi3N4の分解・
蒸発が激しく緻密な焼結体が得られない。さらに本発明
の窒化珪素焼結体の製造法では降温過程で粒界相が実質
的に結晶相に変化するものである。Mn、 Co、 N
i、 Nbおよび助の化合物の中から選ばれる結晶化制
御剤は主として遅い降温速度において粒界相の結晶化を
制御するので、粒界相が結晶化する温度において降温速
度が速いと結晶化が充分起こらない場合がある。焼成機
急速に冷却する等して粒界相の結晶化が不十分である場
合には、結晶化温度での再加熱により粒界相を実質的に
結晶相に変化させることもできる。焼結助剤がYおよび
Mgの化合物あるいはY、 MgおよびCeの化合物で
ある場合結晶化の起こる1500℃から1000℃の降
温過程では降温速度が10℃/分よりも遅い方が粒界相
が充分に結晶化するので好ましい。
以上のように本発明の窒化珪素焼結体の製造法は窒化珪
素原料粉末と焼結助剤とMn、 Co、 Ni、 Nb
およびMoの化合物の一種または二種以上とを所定量調
合し、これを成形し焼成して窒化珪素焼結体を製造する
方法であり得られる窒化珪素焼結体は降温速度が遅い場
合でも細かい結晶粒子に粒界相が実質的に結晶相に変化
し機械的強度が高く耐酸化性や疲労特性が優れているも
のである。
(実施例) 以下に本発明の実施例について説明する。
実施例1 純度97.1%、平均粒径0.7 /Jm 、 BBT
比表面積20m2/gの窒化珪素原料粉末と純度98−
99%、平均粒径0.6−1 μm 、 BET比表面
積8−8−2O/gのY2O3およびMgOの各原料粉
末と純度98−99.9%、平均粒径0.5−3μm 
5BET比表面積5−10m”/gのMnO。
COD、 Nip、 Nb2O3あるいはMob、とを
第1表記載の割合で調合し、窒化珪素質磁器製玉石と内
容積1,21のナイロン樹脂製容器を用いて原料調合物
200gに対して玉石1.2kg、水500m1を加え
、振動数1200回/分の振動ミルで10時間粉砕した
。その換水を蒸発させ粒径100μmに造粒し加圧焼結
用粉末とした。次にカーボン型を用い直径50mmx厚
さ5mmの円板状製品と直径50mmx高さ50mmの
円柱状製品とを温度1700℃、圧力300 kg/c
m”で1時間加圧焼結し、炉温を1500から1000
℃まで降温速度lO℃/分で降温して本発明の窒化珪素
焼結体Nα1〜5を得た。また結晶化制御剤としてMn
、 Co、 Ni。
NbおよびMOの化合物を添加しない本発明の組成限定
範囲外の窒化珪素焼結体を同一条件で作製し比較例の窒
化珪素焼結体Nα6,7を得た。窒化珪素焼結体Nα1
〜7の化学分析の結果、窒化珪素焼結体No、 1〜7
はY、 Mg、 Co、 Ni、 NbおよびMoの組
成は調合組成にほぼ一致した。これらの円板状製品、円
柱状製品の焼結体の嵩密度、粒界相の状態および室温と
1000℃における四点曲げ強度を第1表に示した。
焼結体の嵩密度はアルキメデス法により測定した。四点
曲げ強度はJIS R−1601rファインセラミック
スの曲げ強さ試験法」に従って測定した。四点曲げ強度
試料および静的疲労特性の測定試料は円板状製品および
円柱状製品から所定形状に切り出されたものである。ま
た粒界相状態の結晶相はCuにα線によるX線回折分析
および電子顕微鏡観察の結果から求めたものであり、X
線回折分析においてSi3N4以外の回折線を示し、な
おかつ微構造中にSi、N、以外の結晶を含むことを確
認できたものである。
ガラス相の有無は微構造中において電子回折を起こさな
い部分をガラス相としてその有無を観察した結果である
。粒子粗大化とは焼結体を光学顕微鏡観察し後述する第
3図のように粒界相の結晶が部分的にでも100μm程
度まで成長しているものである。このように粗大化して
いる場合は必ず焼結体にクラックが発生し強度が低下し
た。
このようにY2O3およびMgOを焼結助剤として加圧
焼結した窒化珪素焼結体において直径50×厚さ5 m
mの円板状製品では熱容量が小さく充分に速い降温速度
で降温できるので本発明Nα1〜5、比較例Nα6,7
ともに細かい結晶粒子に粒界相が結晶化して高い強度を
示したが、直径50X高さ50鵬の円柱状製品では熱容
量が大きく製品内部では降温速度が遅く、結晶化制御剤
を含まない比較例Nα6゜7は粒界相の結晶粒子が粗大
化して焼結体にクラックを生じ強度が420MPa以下
に低下した。これに対して本発明品Nα1〜5は結晶化
制御剤であるMn口、 Con、 Nip、 Nb2O
,あるいはMoO,の効果により円柱状製品においても
内部まで細かい結晶粒子に結晶化し、円板状製品と同等
の670MPa以上の強度を示した。
実施例2 純度97.1%、平均粒径Q、7 pm 5BET比表
面積20m2/gの窒化珪素原料粉末と純度98−99
%、平均粒径0.6−2 μm 5BET比表面積8−
8−3O/gのY2O3゜MgOおよびCeO,の各原
料粉末と純度98−99.9%、平均粒径0.5−3 
、um 、 BET比表面積5−10n+2/gのMn
O,CoO,Nip、 Nb2O,あるいはM o O
3とを第2表記載の割合で調合し、実施例1と同じ方法
で粉砕混合し成形用粉末とした。次に3tOn/Cl1
12の圧力で静水圧プレスし60X60X6 ma+の
角板状製品および直径80mmx高さ8hmの円柱状製
品の成形体を作製し、第1表記載の焼成温度で各30分
間窒素雰囲気下で無加圧焼結し炉を1500℃から10
00℃までの降温速度10℃/分で降温し本発明の窒化
珪素焼結体Nα8〜20を得た。またこれらとは別に本
発明の組成限定範囲外のものを同一条件で作成し比較例
の窒化珪素焼結体Nα21〜35を得た。これらの焼結
体の化学分析の結果、窒化珪素焼結体Nα8〜35のY
、 Mg、 Ce、 Nb、 NiおよびCOの組成は
調合組成にほぼ一致した。これらの角板状製品の焼結体
の嵩密度、粒界相の状態および室温と1000℃にあけ
る四点曲げ強度を第2表、第3表に示した。さらに角板
状製品の焼結体で1000℃の四点曲げ強度の高かった
本発明の窒化珪素焼結体No、8〜20と比較例の窒化
珪素焼結体Nα21〜30の円柱状製品の焼結体の嵩密
度、粒界相状態および室温と1000℃の四点曲げ強度
を第2表、第3表に示した。さらに円柱状製品で粒界相
の結晶が粗大化せずクラックの無い本発明の窒化珪素焼
結体Nα8〜20の同じ円柱状製品の疲労特性として1
000℃、100時間の静的荷重においても破壊しない
応力、その時の変形量を第2表に示した。
焼結体の嵩密度、四点曲げ強度は実施例1と同じ方法で
測定した。疲労特性は四点曲げ強度の測定と同一の寸法
の試料に同一の方法により1000℃で一定応力を10
0時間荷重し、破壊するかどうか調べた。その時の四点
曲げ試料のたわみ量を測定し、引張面の変形量を求めた
。粒界相状態についても実施例1と同じ方法で調べたが
bおよびCで示される結晶は後述する第1図にそれぞれ
す、  cで示される位置に回折線を示し、なおかつ微
構造中にSi、N、以外の結晶相を含むことを確認でき
たものである。Mn、 Co、 Ni、 Nbあるいは
Moを多く含んだ粒子とは電子顕微鏡観察においてエネ
ルギー分散型X線元素分析計により元素分析を行った結
果、微構造中に特にMn、 Co、 Ni、 Nbある
いはM。
が多く含まれる粒子が見出されたものである。ガラス相
の有無および粒子の粗大化とは実施例1と同じ方法で判
定した。
本発明の窒化珪素焼結体Nα10のCuKα線によるX
線回折分析結果の回折線を第1図に示した。このうちa
で示される回折線はβ−3i、N4であり、b。
Cで示される回折線は粒界結晶相の回折線であり、Cl
’!JCPSロカード30−1462 で示されるSi
3N4  ・10Y20.・9Si口2の面間隔に一致
するものである。また本発明の窒化珪素焼結体Nα12
の電子顕微鏡で観察した微構造写真を第2図に示した。
このうち513N4で示される部分はSi、N、結晶粒
子であり、Xで示される部分が電子回折をする結晶質の
粒界相でありガラス相は無い。また比較例の窒化珪素焼
結体Nα25の円柱状製品の内部断面の光学顕微鏡で観
察した微構造写真を第3図に示した。粒界相の結晶粒子
が100μm以上に粗大化した部分と細かい部分とがあ
った。
以上のようにY2O3,MgOおよびCeO□を焼結助
剤として無加圧焼結した窒化珪素焼結体において60X
60X6mm角板状製品では熱容量が小さく充分速い降
温速度で降温できるので結晶化制御剤であるY2O。、
 MgO,Coo 、 N+O,Nb2O3およびMo
O2の添加量が過多で降温過程で充分結晶化せず粒界相
にガラス相が残留した比較例No、31〜35を除く本
発明品Nα8〜20、比較例No、21〜30は、細か
い結晶粒子に粒界相が結晶化し高い強度を示したが、直
径80X高さ80m+nの円柱状製品では熱容量が大き
く製品内部では降温速度が遅く、結晶化制御剤を含まな
い比較例Nα21−30は粒界相の結晶粒子が粗大化し
て焼結体にクラックを生じ強度が520MPa以下に低
下した。これに対して本発明品Nα8〜20は結晶化制
御剤であるMnO,Coo、 Nip、 Nb、O,あ
るいはY0O3の効果により円柱状製品にふいても内部
まで細かい結晶粒子に結晶化し、角板状製品と同等の6
50MPa以上の強度を示した。
実施例3 実施例2と同じ方法で第2表の本発明の窒化珪素焼結体
No、14と同じ調合組成の角板状製品の成形体と第3
表の比較例の窒化珪素焼結体No、25の角板状製品の
成形体を作製し、第4表に示した焼成温度および150
0℃から1000℃までの降温速度で焼成し、本発明の
窒化珪素焼結体Nα43−45および比較例の焼結体N
α42.Nα46−49を得た。これらの本発明および
比較例の窒化珪素焼結体No、42−49について実施
例2と同じ方法により測定した嵩密度、粒界相状態、四
点曲げ強度を第4表に示した。さらに1000℃の四点
曲げ強度の高い本発明の窒化珪素焼結体Nα43−45
および比較例の窒化珪素焼結体Nα47について実施例
2と同じ方法により測定した疲労特性として1000℃
、100時間の静的荷重においても破壊しない応力その
時の変形量を第3表に示した。
このようにY、O,、MgおよびCe1l□を焼結助剤
として無加圧焼結した60X60X6 mm角板状製品
の無加圧焼結体において比較例に47に示すように降温
速度が適当であれば細かい結晶粒子に粒界相が結晶化し
たが比較例Nα48.49に示すように降温速度が遅い
と粒界相の結晶粒子が粗大化し焼結体にクラックが生じ
て強度が440MPa以下に低下した。また比較例Nα
42.46に示すように降温速度が速いと充分粒界相が
結晶化せずガラス相が残留して特に1000℃の強度が
低下した。これに対して本発明品Nα44.45に示す
ように結晶化制御剤を含む場合には降温速度が遅くても
細かい結晶粒子に粒界相が結晶化し690 MPa以上
の高い強度を示した。
実施例1,2および3からも明らかなとおり、Si、N
、と、焼結助剤とを主成分としてMn、 Co。
Ni、 NbおよびMOの化合物の一種または二種以上
の結晶化制御剤を含む本発明の窒化珪素焼結体は、大型
製品であってもあるいは降温速度が遅い場合であっても
、粒界相の結晶粒子が成長して粗大化することなく細か
い結晶粒子に粒界相が結晶化し強度が低下しない。焼結
助剤としてYおよびMgの化合物あるいはY、 Mgお
よびCeの化合物が好ましく、その場合嵩密度が3.2
g/cm3と高密度であり、粒界相が実質的に結晶化し
ており、室温および1000℃の四点曲げ強度がともに
650 MPa以上と高く、焼結助剤がY、 Mgおよ
びCeの化合物の場合1000℃における静疲労特性が
優れており625 MPaの応力下でも100時間以上
破壊せず、また変形しないことがわかる。
(発明の効果) 以上述べたとおり本発明の窒化珪素焼結体は、Si3N
、と焼結助剤とを含有し粒界相が実質的に結晶化してい
るもので、結晶化制御剤として、Mn。
Co、 Ni、 NbおよびMoの中の一種または二種
以上を含有することにより大量焼成、大型製品の焼成が
可能であり、密度、機械的強度、耐酸化性および疲労特
性がきわめて優れた窒化珪素焼結体である。
本発明により得た窒化珪素焼結体は大量焼成、大型製品
の焼成ができるので安価で複雑形状品も製造が可能であ
ることからエンジン部品、ガスタ−ビン部品等の機械構
造材料として種々の用途への利用が可能である。その場
合本発明の窒化珪素焼結体は大量焼成、大型製品であっ
ても均一な焼結体が得られるので材料に対する信頼性が
大幅に改善されるものであり工業的価値が極めて大きい
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の窒化珪素焼結体NCL12のCuKα
線によるX線回折分析結果の回折線を示す線図、第2図
は本発明の窒化珪素焼結体Nα14の電子顕微鏡で観察
した粒子構造を示す代用写真、第3図は本発明の組成限
定範囲外の窒化珪素焼結体Nα29の光学顕微鏡で観察
した粒子構造を示す代用写真である。 第1 回jfr角 (2θン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.YおよびMgの化合物あるいはY,MgおよびCe
    の化合物である焼結助剤と、粒界相の結晶化制御剤とし
    てMn,Co,Ni,NbおよびMoの化合物の中の一
    種または二種以上をそれぞれMnO,CoO,NiO,
    Nb_2O_5およびMoO_3に換算して0.005
    −3重量%とを含み、粒界相が実質的に結晶化している
    ことを特徴とする窒化珪素焼結体。
  2. 2.焼結助剤としてYの化合物をY_2O_3に換算し
    て2−15重量%、Mgの化合物をMgOに換算して1
    −10重量%およびCeの化合物をCeO_2に換算し
    て1−10重量%含むことを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の窒化珪素焼結体。
JP1338666A 1989-12-28 1989-12-28 窒化珪素焼結体 Granted JPH02192465A (ja)

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