JPH0218774Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、クレーン、掘削機あるいはリフト装
置などの作業機を搭載した車輌に用いられるアウ
トリガ装置に関するものである。

作業機を搭載した車輌には、作業機の駆動時に
車輌をジヤツキアツプして車輌を安定させるため
の安定装置が設けられている。従来のこの種の安
定装置は、第１図および第２図に示す如く、車輌
１の前方位置および後方位置の左右両側に夫々設
けた都合四基のジヤツキ装置２，３，４，５によ
り構成されている。ジヤツキ装置３は、中空矩形
断面のジヤツキ外筒６、ジヤツキ外筒６に伸縮自
在に嵌挿され下端に揺動支点７を介して脚板８を
取り付けた中空矩形断面のジヤツキ内筒９、およ
びジヤツキ内筒９とジヤツキ外筒６間に内装配設
されジヤツキ外筒６に対してジヤツキ内筒９を伸
縮駆動する油圧シリンダ１０とから構成されてい
る。そして、ジヤツキ装置３の車輌１への取付
は、脚板８を下方にし且つジヤツキ装置３の伸縮
軸線Ｐが鉛直となるようにしてジヤツキ外筒６を
車輌１に取り付けている。ジヤツキ装置２，４，
５の構成および車輌１への取付けは、ジヤツキ装
置３のそれと同一であるので説明を省略するが、
以下においてジヤツキ装置３の構成部分と対応す
る構成部分は、ジヤツキ装置３のそれと同一符号
を用いて説明する。

このように構成した従来の安定装置は、各ジヤ
ツキ装置２，３，４，５を伸長することで各脚板
７で地面を押圧し、車輌１をジヤツキアツプし
て、車輌１の安定を確保するのであるが、車輌１
のジヤツキアツプ状態において、車輌１を打上担
持する各ジヤツキ装置２，３，４，５の各ジヤツ
キ外筒６および各ジヤツキ内筒９間に存在するガ
タのために、車輌１が水平方向に揺動するという
欠点があつた。このように従来の安定装置におい
ては、車輌１をジヤツキアツプしても、車輌１の
水平方向の揺動を完全に阻止し得ないために、作
業機による円滑な作業に支障をきたすことがあつ
た。

本考案は、叙上の点に鑑みてなしたもので、極
めて簡単な構成でありながら、ジヤツキアツプ時
における各ジヤツキ装置のジヤツキ外筒とジヤツ
キ内筒間に存在するガタに起因する車輌の水平方
向の揺動を完全に防止することのできる新規な安
定装置を提供しようとするものである。

以下本考案の安定装置の実施例を第３図以下に
基づいて詳細に説明する。本考案に係る安定装置
は、第１図および第２図で説明した従来の安定装
置と比較して、車輌１に対する各ジヤツキ装置
２，３，４，５の取付構成が異る他は、同一構造
であるので、以下の説明においては、第１図およ
び第２図で説明した構造説明および符号を援用
し、ジヤツキ装置２，３，４，５の車輌１に対す
る取付け構造についてのみ説明する。

第３図および第４図において、車輌１の前方位
置の左側に取り付けられたジヤツキ装置２は、そ
の伸縮軸線Ｐが、下方にゆくに従つて車輌１の外
側（左外側）で且つ前方に遠ざかるように傾斜し
た状態で車輌１に取り付けられている。車輌１の
前方位置の右側に取り付けられたジヤツキ装置３
は、その伸縮軸線Ｐが、下方にゆくに従つて車輌
１の外側（右外側）で且つ前方に遠ざかるように
傾斜した状態で車輌１に取り付けられている。車
輌１の後方位置の左側に取り付けられたジヤツキ
装置４は、その伸縮軸線Ｐが下方にゆくに従つて
車輌１の外側（左外側）で且つ後方へ遠ざかるよ
うに傾斜した状態で車輌１に取り付けられてい
る。また、車輌１の後方位置の右側に取り付けら
れたジヤツキ装置５は、その伸縮軸線Ｐが下方に
ゆくに従つて車輌１の外側（右外側）で且つ後方
へ遠ざかるように傾斜した状態で車輌１に取り付
けられている。すなわち、車輌１の前方位置の左
右両側の油圧ジヤツキ装置２，３は、その伸縮軸
線Ｐが下方にゆくに従つて車輌１の外側前方へ遠
ざかるよう傾斜して配置されており、車輌１の後
方位置の左右両側の油圧ジヤツキ装置４，５は、
その伸縮軸線Ｐが下方にゆくに従つて車輌１の外
側後方に遠ざかるように傾斜して配置されてい
る。本実施例においては、ジヤツキ装置２，３，
４，５は、中空矩形断面のジヤツキ外筒６とこの
ジヤツキ外筒６に伸縮自在に嵌挿された中空矩形
断面のジヤツキ内筒９を備えており、そのジヤツ
キ外筒６の対向する二本の稜線ａ，ｂが伸縮軸線
Ｐを通る仮想鉛直面内に位置するよう車輌１に取
り付けられている。また本実施例においては、車
輌１の後方位置の左右両側の油圧ジヤツキは、車
輌１に横設した断面多角形の案内筒１１，１２に
夫々伸縮のみ自在に嵌挿したスライドビーム１
３，１４を介して車輌１に取り付けられている。

次に、本実施例の作業車輌の安定装置の作用を
上記実施例に即して説明する。安定装置により車
輌１の安定をはかる場合には、各ジヤツキ装置
２，３，４，５を伸長して各脚板８で地面を押圧
し、車輌１をジヤツキアツプするものである。車
輌１のジヤツキアツプ状態においては、車輌１の
重量は、各ジヤツキ装置２，３，４，５の脚板８
に鉛直荷重として作用する。換言すれば、車輌１
のジヤツキアツプ状態においては、各ジヤツキ装
置２，３，４，５の脚板８に鉛直上向の支持反力
が作用する。そして、各脚板８に作用する鉛直上
向の支持反力は、伸縮軸線Ｐが下方にゆくに従つ
て車輌１の外側前方に遠ざかるよう傾斜して傾斜
して配置されたジヤツキ装置２，３および、伸縮
軸線Ｐが下方にゆくに従つて車輌１の外側後方に
遠ざかるよう傾斜して配置されたジヤツキ装置
４，５の揺動支点７に作用し、各ジヤツキ装置
２，３，４，５にその伸縮軸線Ｐを含む鉛直仮想
面に沿う曲げ力を発生させる。このため、各ジヤ
ツキ装置２，３，４，５は、車輌１のジヤツキア
ツプ時に曲げ力を受けた状態で車輌１の重量を担
持することになりジヤツキ外筒６とジヤツキ内筒
９間に存在するガタによつて車輌１が水平方向に
揺動するようなことはなくなる。

尚、上記実施例においては、ジヤツキ装置２，
３，４，５は、その対向する二本の稜線ａ，ｂが
伸縮軸線Ｐを通る仮相鉛直面内に位置するよう車
輌１に取り付けてあるので、車輌１のジヤツキア
ツプ時において生ずる上記曲げ力が稜線ａ，ｂ方
向に作用することになり、上記仮想鉛直面に直交
する方向の揺動を一層効果的に無くすることがで
きるものである。

また、上記実施例においては、車輌１の後方位
置の左右両側のジヤツキ装置４，５は、車輌１に
横設した案内筒１１，１２に夫々伸縮のみ自在に
嵌挿したスライドビーム１３，１４を介して車輌
１に取り付けており、ジヤツキ装置４，５を車輌
の両側に張り出して接地できるように構成してい
るが、このように構成した場合において案内筒１
１，１２に対するスライドビーム１３，１４の撚
転方向のガタのためジヤツキアツプ時に車輌１が
前後方向に揺動することが考えられるが、上記実
施例で説明し如く傾斜して配置したジヤツキ装置
４，５が車輌１重量を担持するとき、スライドビ
ーム１３，１４に撚転力が作用するので、そのよ
うな惧は全くない。

いずれにしても、本考案の作業車輌の安定装置
は、車輌に連結された中空矩形断面のジヤツキ外
筒、ジヤツキ外筒に伸縮自在に嵌挿され下端に脚
板を備えた中空矩形断面のジヤツキ内筒、および
ジヤツキ外筒とジヤツキ内筒間に内装配設されジ
ヤツキ外筒に対してジヤツキ内筒を伸縮駆動する
油圧シリンダとからなる油圧ジヤツキ装置を、車
輌の前方位置および後方位置の左右両側に夫々配
してなる。クレーン、掘削機あるいはリフト装置
などの作業機を車輌に搭載した作業車輌の安定装
置であつて、前記各油圧ジヤツキ装置のうち、車
輌の前方位置の左右両側の油圧ジヤツキ装置は、
その伸縮軸線が下方にゆくに従つて車輌の外側前
方へ遠ざかるように傾斜して配置しており、車輌
の後方位置の左右両側の油圧ジヤツキ装置は、そ
の伸縮軸線が下方にゆくに従つて車輌の外側後方
に遠ざかるように傾斜して配置したものであり、
極めて簡単な構成でありながら、ジヤツキ外筒と
ジヤツキ内筒間に存在するガタに帰因する車輌の
水平方向の揺動を完全に押えることができるとい
う秀れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の安定装置を備えた作業車輌の
側面図（但し車輌上に搭載される作業機は省略し
ている。）第２図は第１図の平面図、第３図は本
考案の作業車輌の安定装置を備えた作業車輌の側
面図（但し車輌上に搭載される作業機は省略して
いる。）、第４図は第３図の平面図である。 車輌；１、ジヤツキ装置：２，３，４，５、ジ
ヤツキ外筒；６、ジヤツキ内筒；９、油圧シリン
ダ；１０、伸縮軸線；Ｐ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輌に連結された中空矩形断面のジヤツキ外
   筒、ジヤツキ外筒に伸縮自在に嵌挿され下端に脚
   板を備えた中空矩形断面のジヤツキ内筒、および
   ジヤツキ外筒とジヤツキ内筒間に内装配設されジ
   ヤツキ外筒に対してジヤツキ内筒を伸縮駆動する
   油圧シリンダとからなる油圧ジヤツキ装置を、車
   輌の前方位置および後方位置の左右両側に夫々配
   してなる、クレーン、堀削機あるいはリフト装置
   などの作業機を車輌に搭載した作業車輌の安定装
   置であつて、前記各油圧ジヤツキ装置のうち、車
   輌の前方位置の左右両側の油圧ジヤツキ装置は、
   その伸縮軸線が下方にゆくに従つて車輌の外側前
   方へ遠ざかるように傾斜して配置しており、車輌
   の後方位置の左右両側の油圧ジヤツキ装置は、そ
   の伸縮軸線が下方にゆくに従つて車輌の外側後方
   に遠ざかるように傾斜して配置していることを特
   徴とする作業車輌の安定装置。