JPH021871Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカセツトテープレコーダに関する。

カセツトテープレコーダにおいては、テープレ
コーダのフロントパネル部に揺動自在に且つ突出
収納自在に設けられ演奏さるべきカセツトテープ
を収納するカセツトホルダ、いわゆるカンガルー
ポケツトが用いられることが多い。

近時、かかるカンガルーポケツトを備えたカセ
ツトテープレコーダであつて、操作釦及び表示部
等が配置されているフロントパネル部の面積を有
効に利用してテープレコーダ全体を小型化する為
に、カンガルーポケツトの前面部に操作釦を配置
したものが開発されている。

第１図には既に開発され且つ利用されているカ
セツトテープレコーダの要部が示されている。

図示される如く、カンガルーポケツト１はフロ
ントパネル部２に対して、軸１ａを介して揺動自
在に、且つ該フロントパネル部に対して突出収納
自在に設けられている。カンガルーポケツト１に
は演奏さるべきカセツトテープ３が収納されてい
る。カンガルーポケツト１の前面部には操作釦４
が、所定範囲内において摺動自在に設けられてい
る。また、カンガルーポケツト１の内部には、操
作釦４に形成された突起部４ａが当接し得るよう
に操作スイツチ５が配置されており、且つプリン
ト基板６を介してカンガルーポケツト１に対して
固定されている。

上記した構成のカセツトテープレコーダにおい
ては、操作釦４を押すとカンガルーポケツト１に
も力が加えられることとなる。従つて、フロント
パネル内方に設けられた磁気ヘツド等の録音再生
装置に対してカセツトテープ３が操作釦４の操作
毎に僅かに移動し、テープ走行などに悪影響をお
よぼすという問題を抱えていた。また、上記録音
再生装置とプリント基板６との間に施された配線
が抵抗力を及ぼすので、カンガルーポケツト１の
突出収納時のフイーリングを最適なものにするこ
とが困難であつた。

本考案は上記した点に鑑みてなされたものであ
つて、その目的とするところは操作釦を押圧する
力がカセツトホルダに及ぶことのないカセツトテ
ープレコーダを提供することである。

本考案によるカセツトテープレコーダは、ハウ
ジングに摺動自在に且つ突出収納自在に設けられ
演奏さるべきカセツトテープを収納するカセツト
ホルダと、カセツトホルダの前面部に配置され且
つ該カセツトホルダに対して移動自在な操作釦
と、操作釦が当接すべく設けられた操作スイツチ
とを含み、該操作スイツチはハウジング側に固定
されていることを特徴としている。

以下、本考案に係るカセツトテープレコーダを
第２図ないし第４図を参照しつつ説明する。

第２図に示されるように、ハウジング１１の前
面部を構成するフロントパネル部１２には電源ス
イツチ１３、メイン出力調整用つまみ１４並びに
左右の出力を調節する為のスライドつまみ１５ａ
及び１５ｂが設けられている。また、例えば左右
の出力レベルを表示する表示部１６が配置されて
いる。

第３図及び第４図にも示されるように、フロン
トパネル部１２には、演奏さるべきカセツトテー
プ１８を収納するカセツトホルダたるカンガルー
ポケツト１９が、軸１９ａを介して揺動自在に、
且つ該フロントパネル部に対して突出収納自在に
支持されている。なお、ハウジング１１には磁気
ヘツド、テープ駆動機及び出力アンプ等から成る
録音再生装置（図示せず）が内装されている。カ
ンガルーポケツト１９の前面部下方には、複数の
操作釦２０を軸２０ａを介して揺動自在に保持し
た操作パネル２１が、該カンガルーポケツトの前
面に略垂直な方向において且つ所定範囲内で摺動
自在に設けられている。ここで、各操作釦２０は
プレイ、早送り及び停止などをなすためのもので
ある。

第３図において明らかな様に、操作パネル２１
の左右両側面には軸部２１ａ，２１ｂ及び２１ｃ
が突設されている。（但し、第３図には右側部の
みが示されている）。軸部２１ａ〜２１ｃは、こ
れら軸部に各々対応してカンガルーポケツト１９
に形成された長孔１９ｂ，１９ｃ及び１９ｄに
夫々摺動自在に係合している。長孔１９ｂ及び１
９ｄは略同じ長さであり、長孔１９ｃは長孔１９
ｂ及び１９ｄより所定分だけ長く形成されてい
る。すなわち、操作パネル２１、従つて操作釦２
０は、長孔１９ｂ及び１９ｄ内を軸部２１ａ及び
２１ｃが各々摺動し得る範囲内においてカンガル
ーポケツト１９に対して移動自在なのである。ま
た、長孔１９ｃ内にはカンガルーポケツト１９に
対して固定されたピン１９ｅが配置されている。
このピン１９ｅと軸２１ｂとの間にはコイルスプ
リング２３が張設されており、操作パネル２１は
該コイルスプリングによつてカンガルーポケツト
１９に近づく方向に付勢されている。また、第２
図において明らかなように軸部２１ａ及び２１ｃ
は長孔１９ｂ及び１９ｄより更に外部に突出して
おり、その先端部がフロントパネル部１２の表面
に係合すべくなされている。

第４図に示される如く、フロントパネル部１２
と各操作釦２０との間には、操作釦２０に形成さ
れた突起部２０ｂが当接し得るように操作スイツ
チ２４が配置されており、且つプリント基板２５
を介してフロントパネル部１２に固定されてい
る。プリント基板２５は前述の録音再生装置に接
続されている。

次に、カンガルーポケツト１９及び操作釦２０
を接作する場合について第５図をも参照して説明
する。

まず、イジエクト釦を押すことによりカンガル
ーポケツト１９が揺動して外部に突出する。操作
パネル２１はコイルスプリング２３によつてカン
ガルーポケツト１９に近づく方向に付勢されてい
るため、カンガルーポケツト１９の突出動作に伴
つて軸部２１ａ及び２１ｃが長孔１９ｂ及び１９
ｄの各後縁部に係合する位置まで移動せしめられ
る。この状態にて演奏さるべきカセツトテープ１
８をカンガルーポケツト１９内に挿入する。

カセツトテープ１８が挿入されたら、カンガル
ーポケツト１９の揺動端部を指にて押して該カン
ガルーポケツトを収納せしめる。第３図に示され
るように、カンガルーポケツト１９の収納と同時
に、軸部２１ａ及び２１ｃがフロントパネル部１
２の表面に係合するので、操作パネル２１、従つ
て、操作釦２０はコイルスプリング２３の付勢力
に抗して僅かに前方に押し出される。また、カン
ガルーポケツト１９の収納によつてカセツトテー
プ１８の上記録音再生装置に対するセツテイング
が完了する。

かくして録音再生が開始されるのであるが、上
記したように操作スイツチ２４はハウジングに対
して固定されているので、操作釦２０を押圧する
力がカンガルーポケツト１９に及ぶことはない。

尚、当該実施例においては操作パネル２１、従
つて、操作釦２０をカンガルーポケツト１９に近
づく方向に付勢する手段としてコイルスプリング
２３が用いられているが、樹脂などからなる板バ
ネ、若しくはスポンジなど反発力を有する部材を
応用することも可能である。

また、カンガルーポケツト１９を支持する軸１
９ａと操作釦２０を支持する軸２０ａとが個別に
設けられているが、同軸とすることも可能であ
る。

さらに、操作スイツチ２４及びプリント基板２
５がフロントパネル部１２に固定された場合が示
されているが、これに限らず、ハウジング１１に
対して固設された所定の部材にこれらを固定して
もよい。

また、操作釦２０を軸２０ａによつて揺動自在
に支持し且つ揺動によつて移動するようになされ
ているが、操作釦２０を操作パネル２１に対して
摺動する方式とすることも出来る。

以上詳述した如く本考案によるカセツトテープ
レコーダにおいては操作スイツチがハウジング側
に固定されているので、操作釦を押圧する力がカ
セツトホルダに及ぶことがない。従つて、テープ
走行などに悪影響が及ぶことがなく、良好なる録
音再生状態が得られるのである。

また、本考案によるカセツトテープレコーダに
おいては操作スイツチがハウジング側に固定され
ている為、操作スイツチと録音再生装置とを接続
する配線がカセツトホルダの突出収納時に抵抗力
を及ぼすということが全くない。よつて、カセツ
トホルダの突出収納時のフイーリングを最適なも
のにすることが可能なのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は既に開発されたカセツトテープレコー
ダの要部を示す図、第２図は本考案に係るカセツ
トテープレコーダの斜視図、第３図及び第４図は
該カセツトテープレコーダの一部断面図、第５図
は該カセツトテープレコーダの要部の動作を説明
するための図である。 主要部分の符号の説明、１１……ハウジング、
１２……フロントパネル部、１８……カセツトテ
ープ、１９……カンガルーポケツト、２０……操
作釦、２１……操作パネル、２３……コイルスプ
リング、２４……操作スイツチ、２５……プリン
ト基板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハウジングと、前記ハウジングに揺動自在に且
   つ突出収納自在に設けられ演奏さるべきカセツト
   テープを収納するカセツトホルダと、前記カセツ
   トホルダの前面部に配置され且つ該カセツトホル
   ダに対して移動自在な操作釦と、前記操作釦が当
   接すべく設けられた操作スイツチとを含み、前記
   操作スイツチは前記ハウジング側に固定されてい
   ることを特徴とするカセツトテープレコーダ。