JPH0218587Y2

JPH0218587Y2 -

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Publication number: JPH0218587Y2
Application number: JP1982192345U
Authority: JP
Priority date: 1982-12-20
Filing date: 1982-12-20
Publication date: 1990-05-24
Also published as: JPS5996921U

Description

【考案の詳細な説明】技術分野本考案は４端子コンデンサを使用したノイズフ
イルタに関する。

従来技術従来より、各種制御機器や電子機器等におい
て、電源ライン等を通してこれら機器に侵入して
くる外来雑音を除去するため、例えば、上記電源
ライン間にコンデンサを挿入し、このコンデンサ
により上記電源ラインを通して入力する外来雑音
をバイパスさせるようにしていた。

ところで、上記のように、電源ライン間にコン
デンサを入れると、ローパスフイルタ効果は得ら
れるが、第１図に示すように、コンデンサC₁か
ら電源ライン１および２にそれぞれ接続されるリ
ード線３および４はインダクタンスL₁およびL₂
を有しており、これら直列インダクタンスL₁お
よびL₂により、フイルタ効果が低下する問題が
あつた。

このため、第２図に示すように、コンデンサ
C₂の対向電極５および６にそれぞれ２本の導線
７，８および９，１０を取り付け、これら導線
７，８および９，１０を入力側と出力側とに分離
することにより、上記コンデンサC₂に直列に挿
入されるインダクタンス成分をなくすようにした
４端子コンデンサをノイズフイルタとして使用す
ることが一般に行なわれている。

ところで、近年、スイツチングレギユレータの
ように電流のスイツチング作用を伴う各種機器が
多用されており、これら各種機器から電流のスイ
ツチング作用時に発生する電磁干渉雑音が他の機
器に侵入して障害を与えることが問題となつてい
る。

上記電磁干渉雑音は数100KHzから数100MHzの
広い帯域を有しているため、第２図のような４端
子コンデンサを使用しても、上記のような電磁干
渉雑音のフイルタ効果は小さいものであつた。

考案の目的本考案の目的は、広い周波数帯域にわたつて大
きなフイルタ効果を有するとともに、高い周波数
成分を有するノイズに対してもノイズ除去効果を
有するコンパクトで取り扱い易く、プリント基板
にも正確に、しかも安定して実装することのでき
るノイズフイルタを提供することである。

このため、本考案は、ホツト側およびアース側
の一対の入力端とホツト側およびアース側の一対
の出力端とを有する４端子コンデンサを備えたノ
イズフイルタにおいて、上記一対の入力端および出力端は絶縁性樹脂体
をその一つの面からそれに対向するいま一つの面
に向かつて貫通し、このいま一つの面から引き出
されるとともに、上記入力端もしくは出力端のホ
ツト側もしくはアース側の少なくとも一つは絶縁
性樹脂体に埋設された高透磁率材料からなる筒形
のビーズを貫通しており、上記入力端のホツト側
もしくは上記出力端のホツト側は上記絶縁性樹脂
体に埋設されるとともに一部が上記絶縁性樹脂体
の上記いま一つの面から突出している貫通コンデ
ンサに挿通されて該貫通コンデンサの内部の電極
に導電的に接着される一方、上記絶縁性樹脂体の
上記いま一つの面には導電性材料よりなるグラン
ドプレートが装着されており、上記貫通コンデン
サの外部電極、一対の入力端のアース側もしくは
一対の出力端のアース側は上記グランドプレート
に設けられた穴から突出して、その突出部分にお
いて上記グランドプレートに電気的に接続されて
おり、上記グランドプレートにはそれから突出す
る上記一対の入力端と出力端との間にほぼ一定幅
を有するシールド板がその幅方向が上記グランド
プレートに対してほぼ垂直となるように導電的に
取り付けられ、上記シールド板は２本のアース端
子を備えており、一方のアース端子は上記シール
ド板の中央部から引き出され、他方のアース端子
は上記貫通コンデンサが取り付けられる側の端部
にそれぞれ位置し、上記絶縁性樹脂体はその上記
いま一つの面の４つのコーナ部に上記シールド板
の幅とほぼ等しい突出高さを有する突起を備えて
いることを特徴としている。

実施例以下に、添付の図面を参照して本考案の実施例
を説明する。

第３図において、１１はたとえば積層型のチツ
プコンデンサ、１２，１３は導線、１４，１５お
よび１６，１７はいずれも高透磁率材料からなる
筒状のフエライトビーズ、１８はグランドプレー
ト、１９は貫通コンデンサ、２０はシールド板で
ある。

上記導線１２，１３には、その中央部に積層コ
ンデンサ１１の電極１１ａおよび１１ｂをそれぞ
れ半田付けしている。そして、上記導線１２，１
３を大略Ｕ字形状に湾曲させて、上記積層コンデ
ンサ１１に関して同一の側に突出する上記導線１
２，１３の一側の脚１２ａ，１３ａおよび他側の
脚１２ｂ，１３ｂを形成している。上記脚１２
ａ，１３ａはそれぞれ本考案にいうホツト側およ
びアース側の一対の入力端であり、また、上記脚
１２ｂ，１３ｂはそれぞれ本考案にいうホツト側
およびアース側の一対の出力端である。

上記導線１２の脚１２ａ，１２ｂにはフエライ
トビーズ１４，１５を外嵌するとともに、いま一
つの上記導線１３の脚１３ａ，１３ｂにもフエラ
イトビーズ１６，１７を外嵌している。

導線１２，１３のうち、ホツト側の導線１２の
他方の脚１２ｂには、フエライトビーズ１５とと
もに貫通コンデンサ１９を外嵌させている。

上記導線１２の一方の脚１２ａのフエライトビ
ーズ１４からの突出部分、導線１２の他方の脚１
２ｂの貫通コンデンサ１９からの突出部分、導線
１３の一方の脚１３ａのフエライトビーズ１６か
らの突出部分、および導線１３の他方の脚１３ｂ
のフエライトビーズ１７からの突出部分は、第４
図に示すように、銅もしくはしんちゆう等の導電
性の良好な金属からなるグランドプレート１８に
設けた孔２１，２２，２３および２４に挿通して
いる。

上記フエライトビーズ１４，１５，１６，１７
および貫通コンデンサ１９の一部は、上記グラン
ドプレート１８上で、直方体状に成形された絶縁
性樹脂体２５によりモールドしている。

上記絶縁性樹脂体２５には、プリント基板（図
示せず。）への実装時の安定性を確保するため、
上記グランドプレート１８の４つのコーナ部に次
に述べるシールド板２０の幅にほぼ等しい突出量
を有する突起３０を設けている。

上記グランドプレート１８は、第５図に示すよ
うに、その上記孔２１と２２との間および上記孔
２３と２４との間を通る位置に、ほぼ一定幅を有
するシールド板２０を、その幅方向が上記グラン
ドプレート１８に対してほぼ垂直となるように、
スポツト熔接等により取り付けたものである。

上記シールド板２０は、グランドプレート１８
と同様の銅もしくはしんちゆう等の導電性の良好
な金属板からなり、上記シールド板２０の貫通コ
ンデンサ１９に近接する位置から、リード片状の
アース端子２６を、また中央部からいま一つのア
ース端子２７を突出させている。

上記状態で、ホツト側の導線１２の一方の脚１
２ａはグランドプレート１８に対して絶縁され、
他方の脚１２ｂは貫通コンデンサ１９の内側の電
極１９ａに半田付けされ、また、上記貫通コンデ
ンサ１９の外側の電極１９ｂは上記グランドプレ
ート１８に半田付けされる（第３図参照）。

一方、アース側の導線１３は、その一方の脚１
３ａが上記グランドプレート１８に対して絶縁さ
れ、他方の脚は上記グランドプレート１８に半田
付けされる（第４図参照）。

上記のようにすれば、第６図に示すように、積
層コンデンサ１１の電極１１ａに接続されたホツ
ト側の導線１２の一方の脚１２ａおよび他方の脚
１２ｂにそれぞれビーズ１４および１５によるイ
ンダクタンスL₁₄およびL₁₅が挿入され、また、上
記積層コンデンサ１１のいま一つの電極１１ｂに
接続されたアース側の導線１３の一方の脚１３ａ
および他方の脚１３ｂにそれぞれビーズ１６およ
び１７によるインダクタンスL₁₆およびL₁₇が挿入
されたノイズフイルタを得る。

上記ノイズフイルタでは、ホツト側の導線１２
の上記脚１２ｂとグランドプレート１８との間に
は貫通コンデンサ１９が有している容量が接続さ
れ、上記グランドプレート１８はシールド板２０
に設けたアース端子２６および２７により、貫通
コンデンサ１９の近傍でアースに接続される。

従つて、第６図からも明らかなように、ホツト
側の導線１２の脚１２ａと１２ｂとの間、および
アース側の導線１３の脚１３ａと１３ｂとの間が
いずれもシールド板２０により静電的にシールド
され、上記脚１３ａと１３ｂとの間等に存在する
浮遊容量による静電結合が小さくなり、この静電
結合によるノイズの通過が阻止される。

また、貫通コンデンサ１９の外側の電極１９ｂ
はその近傍にてシールド板２０のアース端子２６
および２７でアースに接続されるため、貫通コン
デンサ１９の上記電極１９ｂとアース間の距離も
短くなつてアース側のインダクタンスが小さくな
り、200MHz以上の高周波においても、上記イン
ダクタンスと貫通コンデンサ１９との共振がな
く、上記貫通コンデンサ１９は高い周波数成分を
有するノイズに対しても有効に作用する。

ちなみに、第３図において、シールド板２０を
省略したノイズフイルタ（図示せず。）を使用し
た場合、および第３図のノイズフイルタを使用し
た場合についてそれぞれ挿入損失特性を測定した
ところ、第７図に曲線l₁およびl₂で示すような結
果を得た。

上記第７図からも分かるように、第３図のノイ
ズフイルタでは、シールド板２０を有しないノイ
ズフイルタと比較して、100MHz以上の周波数で
挿入損失特性が20bB程度改善されていることが
分かる。

なお、以上の実施例において、ビーズ１４，１
５および１６，１７は、少なくともホツト側の導
線１２に１個もしくはそれ以上取り付けるように
すればよい。

また、積層コンデンサ１１に代えて、他の高周
波コンデンサを使用することも可能である。

さらに、上記実施例では、シールド板２０とグ
ランドプレート１８とを熔接により固着したもの
を示したが、両者を一体的に予め形成したもので
あつてもよい。

考案の効果以上、詳述したように、本考案によれば、４端
子コンデンサの入力端と出力端とがグランドプレ
ートの間に設けられたシールド板で静電的にシー
ルドされるので、４端子コンデンサの入力端と出
力端との間に存在する浮遊容量が小さくなり、こ
の浮遊容量によるノイズの通過が阻止される。

また、本考案によれば、アース端子が貫通コン
デンサの近くに位置しており、入力端のホツト側
もしくは出力端のホツト側に外嵌した貫通コンデ
ンサの外側の電極が短い距離でアースに接続され
るので、高い周波数領域においても貫通コンデン
サの容量とその外側の電極からアースまでの距離
によるインダクタンスとの共振がなく、高い周波
数成分を有するノイズに対しても有効なノイズフ
イルタを得ることができる。

さらに、シールド板の２つのアース端子は、そ
の中央と貫通コンデンサ側の端部から引き出され
ているので、シールド板が方向性を有しており、
この方向性を利用して、ノイズフイルタをプリン
ト基板に挿入する際の誤挿入を防止することがで
きる。

さらにまた、本考案によれば、高透磁率材料か
らなるビーズおよび貫通コンデンサが絶縁性樹脂
体に埋設されているので、ノイズフイルタを取り
扱い易いコンパクトな形態とすることができ、絶
縁性樹脂体の突起によりプリント基板へ実装した
ときの安定性も高まる。

【図面の簡単な説明】

第１図は高周波におけるコンデンサの等価回路
図、第２図は４端子コンデンサの回路図、第３図
は本考案に係るノイズフイルタの一部断面斜視
図、第４図は第３図のノイズフイルタのグランド
プレート部分の詳細を示す斜視図、第５図はグラ
ンドプレートの斜視図、第６図は第３図のノイズ
フイルタの等価回路図、第７図は挿入損失特性の
説明図である。１１……チツプコンデンサ、１１ａ，１１ｂ…
…電極、１２，１３……導線、１４，１５，１
６，１７……フエライトビーズ、１８……グラン
ドプレート、１９……貫通コンデンサ、２０……
シールド板、２１，２２，２３，２４……孔、２
５……絶縁性樹脂体、２６，２７……アース端
子、３０……突起。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】ホツト側およびアース側の一対の入力端とホツ
ト側およびアース側の一対の出力端とを有する４
端子コンデンサを備えたノイズフイルタにおい
て、上記一対の入力端および出力端は絶縁性樹脂体
をその一つの面からそれに対向するいま一つの面
に向かつて貫通し、このいま一つの面から引き出
されるとともに、上記入力端もしくは出力端のホ
ツト側もしくはアース側の少なくとも一つは絶縁
性樹脂体に埋設された高透磁率材料からなる筒形
のビーズを貫通しており、上記入力端のホツト側
もしくは上記出力端のホツト側は上記絶縁性樹脂
体に埋設されるとともに一部が上記絶縁性樹脂体
の上記いま一つの面から突出している貫通コンデ
ンサに挿通されて該貫通コンデンサの内部の電極
に導電的に接着される一方、上記絶縁性樹脂体の
上記いま一つの面には導電性材料よりなるグラン
ドプレートが装着されており、上記貫通コンデン
サの外部電極、一対の入力端のアース側もしくは
一対の出力端のアース側は上記グランドプレート
に設けられた穴から突出して、その突出部分にお
いて上記グランドプレートに電気的に接続されて
おり、上記グランドプレートにはそれから突出す
る上記一対の入力端と出力端との間にほぼ一定幅
を有するシールド板がその幅方向が上記グランド
プレートに対してほぼ垂直となるように導電的に
取り付けられ、上記シールド板は２本のアース端
子を備えており、一方のアース端子は上記シール
ド板の中央部から引き出され、他方のアース端子
は上記貫通コンデンサが取り付けられる側の端部
にそれぞれ位置し、上記絶縁性樹脂体はその上記
いま一つの面の４つのコーナ部に上記シールド板
の幅とほぼ等しい突出高さを有する突起を備えて
いることを特徴とするノイズフイルタ。