JPH0218567Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、アンテナ本体を保持具に屈折可能に
枢支したロツドアンテナに関するものである。

〔従来の技術〕

従来の前記のようなロツドアンテナを第６図を
参照して説明する。

第６図において、符号１はアンテナ本体であ
り、このアンテナ本体１は、多段伸縮ロツドアン
テナ素子２の基パイプ２ａに基底金具３の先端部
が嵌合固定され、この基底金具３の基パイプ２ａ
から突出した偏平な基端部３ａには孔３ｂが形成
されているものである。また、符号４はアンテナ
本体１の保持具として一般に用いられている台金
具であり、この台金具４の先端部には凹溝４ａが
形成されている。そして台金具４の凹溝４ａには
前記基底金具３の基端部３ａが嵌合され、前記台
金具４の凹溝４ａの両側壁と前記基端部３ａの両
側面との間に金属の薄板からなるワツシヤ５が介
在され、台金具４の凹溝４ａ一側部から基底金具
３の孔３ｂおよびワツシヤ５に挿通したねじ軸６
が台金具４の凹溝４ａ他側部に締付けられている
ことにより基底金具３がねじ軸６の軸回りに所要
トルクでの屈折可能に支持されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

前述のような従来のロツドアンテナでは、台金
具４が黄銅，鉄などの金属の切削加工品にメツキ
を施したものであるため、加工が面倒なものであ
ると共に、２枚のワツシヤ５およびねじ軸６を用
いているので、部品数が多く、組立作業性も悪
く、高価であつた。また、従来のロツドアンテナ
では、屈折部で金属同士が接触するので、接触部
にグリースを用いないと焼付を生じ、屈折部の耐
久性も良くなかつた。さらに、近年、ラジオセツ
トなどのアンテナ使用機器の小形、薄形化に伴
い、アンテナ素子も小形で小径のものが開発され
ているが、前述のような従来のロツドアンテナで
は、屈折部の構造が複雑で小形、小径化がむずか
しく、アンテナ全体としては小形、小径化がむず
かしいという問題点があつた。

本考案は、前述した問題点を屈折部の改良によ
つて解決し、部品数が少なく、加工および組立が
容易で安価であり、またグリースなどを用いる必
要がなく、耐久性を向上させることができ、さら
に小形、小径化がし易いロツドアンテナを提供す
ることを目的としてる。

〔課題を解決するための手段〕

本考案のロツドアンテナは、基端部に基底金具
を有するアンテナ本体と、このアンテナ本体を屈
折可能に枢支した導電性合成樹脂の一体成形品か
らなる保持具とを備え、前記基底金具の基端部
を、前記保持具内に、両側部分が弾性を有するよ
うにして形成された凹溝に嵌合させると共に、保
持具の凹溝両側部分によつて弾性支持させ、さら
に基底金具の基端部に設けた円形状の孔部を、保
持具の凹溝両側壁に突出形成させた半球状の突起
部によつて回動可能に嵌合軸支させたこと、 を特徴とするものである。

〔作用〕

本考案のロツドアンテナは、アンテナ本体とし
て従来品と同様なものを用いることができ、保持
具としては導電性合成樹脂の一体成形品を用い、
保持具の凹溝にアンテナ本体の基底金具の基端部
を圧挿させることで、基底金具の基端部に設けた
孔部を保持具の凹溝両側壁に突出させた突起部に
嵌合支持させると共に、前記基端部を保持具の凹
溝両側部分で弾性支持させるようにしたので、従
来のワツシヤ、ねじ軸を不要にすることができて
部品数が少なく、保持具が一体成形品であつて金
属の切削加工やメツキのような表面処理が不要と
なり、保持具の製造も容易であり、部品数が少な
いことなどで組立作業性も向上する。さらに、本
考案のロツドアンテナでは、基底金具の孔部を保
持具の突起部に嵌合支持させたので、屈折部は自
己潤活性と導電性とを有していることと相俟つて
小形、軽量化を図ることができ、しかも屈折部に
グリースのような潤滑油を用いることなく部品の
焼付を防止でき、屈折部の耐久性を向上させるこ
とができる。そして部品数が少なく保持具が単純
な形状であるので、小形で軽量な屈折部が得ら
れ、アンテナ全体を小形、小径にすることができ
る。

〔実施例〕

以下、本考案につき第１図ないし第５図を参照
して説明する。

本実施例のロツドアンテナは、第１図、第５図
に示すように従来のものと同様なアンテナ本体１
と、導電性合成樹脂の一体成形品からなる保持具
７とを備えている。そして保持具７は、金属粉ま
たはカーボンを合成樹脂に均等に分散させて混入
した導電性合成樹脂で構成され、ある程度の弾性
を有している。また保持具７は、第２図、第３図
に示すように先端側部に凹溝７ａが形成され、こ
の凹溝７ａの底部が狭幅に形成され、凹溝７ａの
両側壁にはほぼ半球状の突起部７ｂが相対向して
突設されていると共に、段７ｃを介して基端側に
テーパ付きの軸部７ｄが突設され、この軸部７ｄ
の小径となる基端部には係止部７ｅが外周側に膨
出するように形成され、基端面に開口する切離溝
７ｆが軸方向に沿つて軸部７ｄの中間部まで形成
されている。

そしてアンテナ本体１のアンテナ素子２の基パ
イプ２ａに固定された基底金具３の偏平な基端部
３ａを、保持具７の凹溝７ａに圧挿させることに
より、保持具７の凹溝７ａ両側部分７ｇによつて
前記基端部３ａを弾性支持させ、基底金具３の孔
部３ｂに保持具７の突起部７ｂを嵌合させ、これ
らによつて所要のトルクでの回動可能に孔部３ｂ
を軸支させてある。

以上のように構成した実施例のロツドアンテナ
は、ラジオなどのアンテナ使用機器のセツト（図
示せず）に固定した回転取付具８に着脱可能に取
付けらる。すなわち取付具８は、第１図、第４
図、第５図に示すように保持具７と同様な導電性
合成樹脂の一体成形品で構成され、板状のベース
８ａに支持筒８ｂが連着され、支持筒８ｂの内径
には保持具７の軸部７ｄと対応する形状のテーパ
孔が形成され、支持筒８ｂの円周方向の１箇所に
軸方向の全体にわたる切離部８ｃが形成されてい
る。

そしてベース８ａをビス９によつてセツト内の
適所に固定し、保持具７の軸部７ｄを支持筒８ｂ
にこれを拡径して圧挿し、保持具７の段７ｃと係
止部７ｅとで支持筒８ｂを上、下から挟持し、支
持筒８ｂの縮径しようとする弾性力で所要のトル
クでの軸部７ｄ回りに保持具７が回動するように
弾性支持する。また、保持具７を強く上方に引張
ることで係止部７ｅの支持筒８ｂへの係合を外
し、保持具７をセツト側から取外す。

本実施例のロツドアンテナは、アンテナ本体１
を保持具７の突起部７ｂを軸として回動させるこ
とにより屈折させると共に、保持具７の軸部７ｄ
を軸として回転させることにより電波方向に合せ
て使用でき、かつアンテナ使用機器に対し着脱で
きる。

なお、本実施例では、取付具８を適宜の手段で
アンテナ使用機器に接続することで、アンテナ本
体１を保持具７、取付具８を介してアンテナ使用
機器に電気的に接続するが、取付具８を非導電性
の合成樹脂の一体成形品で構成し、第５図に鎖線
で示すように保持具７の係止部７ｅを、アンテナ
使用機器のセツト内に一端が固定された端子片１
０に圧接させ、この端子片１０をリード線１１を
介してアンテナ使用機器に接続してもよい。

本考案は、必ずしも前述した実施例のような着
脱式でアンテナ本体１の屈折部と、その軸回りの
回転部とを設けたものに限られることなく、回転
部のない着脱式、さらに固定式のロツドアンテナ
にも適用できるが、実施例のものでは、回転部の
構造を簡単にできると共に、導電性合成樹脂など
の成形品からなる取付具８をアンテナ使用機器の
セツトとは別に設けたことにより、安定したアン
テナ本体１の回動ができ、さらにアンテナ使用機
器への接続が容易にしかも確実にできる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、アンテ
ナ本体として従来品と同様なものを用いることが
でき、アンテナ本体の基底金具の基端部を導電性
合成樹脂一体成形品からなる保持具の凹溝に圧挿
させることで、基底金具の基端部に設けた孔部を
保持具の凹溝両側壁に突出させた突起部に軸支さ
せると共に、前記基端部を保持具の凹溝両側部分
で弾性支持させるようにしたので、部品数が少な
く、保持具の加工が容易であり、組立作業性も向
上するので、ロツドアンテナを安価に提供でき
る。また、本考案によれば、屈折部は金属同士の
接触がなく、自己潤滑性と導電性とを有している
ので、部品の焼付もなく、耐久性を向上させるこ
とができ、しかも部品数が少なく、保持具が単純
な形状であるので、小型、軽量の屈折部が得ら
れ、アンテナ全体を小型、小径にし易いという効
果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例によるロツドアンテ
ナの要部を示す一部を断面した分解正面図、第２
図および第３図は保持具の平面図および底面図、
第４図は取付具の平面図、第５図は第１図のロツ
ドアンテナの要部を示す一部を断面した正面図、
第６図は従来例のロツドアンテナを示す正面図で
ある。 １……アンテナ本体、２……アンテナ素子、２
ａ……基パイプ、３……基底金具、３ａ……基端
部、３ｂ……孔、４……台金具、４ａ……凹溝、
５……ワツシヤ、６……ねじ軸、７……保持具、
７ａ……凹溝、７ｂ……突起部、７ｃ……段、７
ｄ……軸部、７ｅ……係止部、７ｆ……切離溝、
７ｇ……凹溝両側部分、８……取付具、８ａ……
ベース、８ｂ……支持筒、８ｃ……切離部、９…
…ビス、１０……端子片、１１……リード線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 基端部に基底金具を有するアンテナ本体と、こ
   のアンテナ本体を屈折可能に枢支した導電性合成
   樹脂の一体成形品からなる保持具とを備え、 前記基底金具の基端部を、前記保持具内に、両
   側部分が弾性を有するようにして形成された凹溝
   に嵌合させると共に、保持具の凹溝両側部分によ
   つて弾性支持させ、 さらに基底金具の基端部に設けた円形状の孔部
   を、保持具の凹溝両側壁に突出形成させた半球状
   の突起部によつて回動可能に嵌合軸支させたこと
   を特徴とするロツドアンテナ。