JPH0218380B2 - - Google Patents
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- JPH0218380B2 JPH0218380B2 JP59043909A JP4390984A JPH0218380B2 JP H0218380 B2 JPH0218380 B2 JP H0218380B2 JP 59043909 A JP59043909 A JP 59043909A JP 4390984 A JP4390984 A JP 4390984A JP H0218380 B2 JPH0218380 B2 JP H0218380B2
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16L—PIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16L9/00—Rigid pipes
- F16L9/02—Rigid pipes of metal
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
Description
〔発明の利用分野〕
本発明は593℃において高いクリープ破断強度
を有し、使用中の脆化が少なく熱間加工性のすぐ
れた火力プラント用主蒸気管に使用する耐熱鋼に
関する。 〔発明の背景〕 現在の発電火力発電プラントは主蒸気圧力最大
246Kg/cm2(温度538℃)であり、主蒸気管として
は2 1/4Cr―1Mo鋼が用いられている。 最近、省エネルギーの観点から、火力発電プラ
ントの効率向上が望まれている。発電効率を向上
するには蒸気温度又は圧力を上げるが最も有効な
手段である。これらの高温・高圧(高効率)火力
プラント用主蒸気管として現在のタービンに用い
られている2 1/4Cr―1Mo鋼ではクリープ破断
強度が不足で、これよりも高強度の材料が必要で
ある。第1図aは高温高圧火力プラントの構成図
及び第1図bは主蒸気管の断面図である。 一方、クリープ破断強度の点では、2 1/4Cr
―1Mo鋼よりもNi基合金及びCo基合金が優れて
いるが、これらの合金はコストが著しく高い上
に、加工性及び溶接性が悪い欠点がある。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、高温強度が高く、かつ使用中
脆化の少ない火力プラント用主蒸気管用耐熱鋼を
提供することにある。 〔発明の概要〕 現在の火力プラントに用いられている2 1/4
Cr―1Mo鋼に発電用火力技術基準で定められて
いる許容応力は、538℃で5.7Kgf/mm2である。こ
の主蒸気条件は圧力246Kgf/cm2、温度538℃であ
る。 一方、本発明材料の用途である高温・高圧火力
プラントの主蒸気条件は圧力316Kgf/cm2、温度
593℃である。このプラントの主蒸気管に作用す
る応力は、現在のタービンより1.28倍高くなる。
したがつて高温・高圧火力プラント用主蒸気管材
の許容応力は、593℃で7.3Kgf/mm2となる。 また、発電用火力技術における許容応力決定法
として、105hクリープ破断強度の0.6倍の値をと
るように定められている。したがつて、高温・高
圧火力プラント用主蒸気管材のクリープ破断強度
は12.2Kgf/mm2以上必要となる。さらに、主蒸気
管材としては、破壊に対する安全性の点から、使
用中脆化の少ないことも重要な性質である。 本発明は12Cr系合金鋼を、主蒸気管材として
改良したものである。主蒸気管材としては、前述
の高温強度及び脆化特性のすぐれていると共に、
熱間加工性及び溶接性のすぐれていることも重要
である。 主蒸気管材としては、次に示す組成範囲に調整
することにより、すぐれた特性が得られることが
実験的に究明された。 C 0.05〜0.15% Si 0.3%以下 Mn 1.5%以下 Ni 1.0%以下 Cr 8.11% Mo 0.75〜1.5% W 0.1〜0.5%未満 V 0.1〜0.3% Nb 0.02〜0.20% N 0.02〜0.1% 残部がFeおよび不可避的不純物。 また金属組織をδフエライトが含まない全マル
テンサイトに組織にする。全マルテンサイト組織
にするには後述に示す式で計算されるCr当量が
12以下になるように成分調整することにより得ら
れ、更にこれにより使用中脆化が著しく少なくな
ることも究明された。 さらに、CとNの和が0.10〜0.20%範囲に、ま
たMoとWの和が1.25〜1.75%範囲に成分調整す
ることにより、より優れたクリープ破断強度が得
られることも究明された。 Crは耐食性と高温強度を高めるが、11%以上
になると脆化を促進させるδフエライトが析出す
るようになる。8%より少ないと高温高圧蒸気に
対する耐食性が不十分なので、Crは8〜11%に
決定される。特に8.5〜10.5%が好ましい。 Moは固溶及び析出強度作用によつてクリープ
破断強度を高めるが0.75%未満ではその結果が少
なく、1.75%以上になるとδフエライトが生成し
使用中脆化を起こしやすくなる。また、0.75%未
満では高温で長時間使用中に材料が脆化する。最
も1〜1.5%が好ましい。 Wは高温長時間使用中の炭化物を安定化させ高
温強度を改善する。0.1%未満ではその効果が少
なく、0.5%以上になるとδフエライトが生成し
使用中脆化を起しやすくするので、0.5%未満と
する。W含有量を低めにした場合には、Mo含有
量を高めにする必要があり、MoとWの和が1.25
〜1.75%で高い高温強度が得られる。特に1.4〜
1.6%が好ましい。 V及びNbは炭化物及び窒化物を析出させ高温
強度を高める。V0.1%未満及びNb0.02%未満で
はその効果が不十分であり、V0.3%及びNb0.2%
をそれぞれ越えるとδフエライトが生成し使用中
脆化を起こしやすくする。特に、V0.15〜0.25%、
Nb0.03〜0.08%が好ましい。 Niは靭性を高め、かつδフエライト生成を防
止する効果があるが、1%を越える添加はクリー
プ破断強度を低下させてしまうので好ましくな
い。Niは0.2〜0.6%含有させるのが好ましい。 Mnは脱酸剤として添加するものであり、少量
の添加でその効果は達成され、1.5%を越える多
量添加はクリープ破断強度を低下させる。特に
0.4〜0.9%が好ましい。 Siも脱酸剤として添加するものであるが、C真
空脱酸法などの製鋼技術によればSi脱酸は不要で
ある。またSiを低くすることにより、δフエライ
ト析出防止及び脆化防止効果があるので、0.30%
以下にすべきで、特に0.10%以下に抑えるのが好
ましい。 本発明の用途である火力発電プラント用主蒸気
管(外径600mm、肉厚130mm)のような大径管は焼
入性の良好なことも重要である。 C及びNは焼入性を高めるのに最も有効な元素
であり、C+Nの量が0.1%以上が好ましい。し
かしあまり多く添加すると溶接割れの問題が生ず
るのでC+Nを0.20%以下が好ましい。また、C
とNはNbやVと結合し、炭化物および窒化物と
なる。この炭・窒化物が、高温長時間強度の担い
手となる。 なお本発明ロータの化学組成は次式で求められ
るクロム当量が12以下が好ましい。 クロム当量=−40℃−30×N%−2×Mo% −4×Ni%+Cr%+6×Si%+4×Mo% +1.5×W%+11×V%+5×Nb% クロム当量が12以上では、使用中脆化を起こし
やすくするδフエライトが生成する。 Cは高温強度を高める元素であり、そのため
0.05%以上が必要であるが、0.15%を越えると溶
接性を損うので、0.05〜0.15%としなければなら
ない。特に、0.08〜0.13%が好ましい。 NはCと同様の元素であり、0.02%以上必要で
あるが、靭性及び溶接性の点から0.1%以下にし
なければならない。Nは無添加で大気溶解で最大
0.025%位含有されるが、0.03〜0.07%に調整する
のが好ましい。本発明鋼の組織は前記の理由から
均一な焼もどしマルテンサイト組織にする必要が
ある。 焼戻温度は溶接後の応力除去焼純温度より高い
温度とすることが高強度のものとする点から好ま
しい。 〔実施例〕 表に示す組成の試料をそれぞれ20Kg溶製後、
1150℃に加熱し鍛造し実験素材とした。この素材
に火力プラント用主蒸気管をシユミレートした下
記に示すような熱処理を施した。 試番1及び8:930℃×3h500℃/h冷却、700
℃×12h炉冷 試番2〜7:1100℃×3h500℃/h冷却、700
℃×12h炉冷 この熱処理後の素材から鍛造直角方向に試験片
を採取し実験した。表にはこれら試験片を用いク
リープ破断試験を行ない求めた105hクリープ破断
強度を示す。 表において、試番2は本発明材であり、試番1
及び試番3〜8は比較材である。試番7はドイツ
でボイラ鋼管として実用化されている。 ×20CrMoWV121鋼相当材であり、試番8は
JIS STBA―26相当9Cr1Mo鋼である。 現在の火力プラント主蒸気管に用いられている
2 1/4Cr―1Mo鋼試番1の593℃、105hクリープ
破断強度は、4.2Kgf/mm2で、高温・高圧火力プ
ラント用主蒸気管として必要な強度(12.2Kgf/
mm2)より著しく低く、本発明の目的が達成されな
い。 発明材試番2の593℃、105hクリープ破断強度
は13.2Kgf/mm2で、高温・高圧火力プラント用主
蒸気管として必要な強度を満足することが確認さ
れた。 顕微鏡観察の結果、試番2及び試番3〜6は全
マルテンサイト組織であつたが、試番3には5%
のδフエライトが認められた。この試番3の600
℃、103h加熱後のVノツチシヤルピー衝撃値は
1.5Kgf―mで、試番2の加熱後の衝撃値(4.6Kg
f―m)より著しく低い。これらの実験で、Cr
当量が高い材料あるいはδフエライトを含む材料
は、使用中に著しく脆化することがわかつた。 試番2及び試番4については、第2図に示す斜
めY形溶接われ試験片を用い、溶接われ試験を行
なつた。溶接棒は試験2及び4をφ4mmに線引き
してクラツクスを被覆した共全被覆アーク溶接棒
を用いた。150℃〜250℃に予熱し1パス溶接し、
430℃まで加熱し2時間保持後50℃まで冷却し、
690℃に再加熱し2時間保持後室温まで冷却した。
この試験片を5等分に切断し、研摩しビーム断面
の顕微鏡観察を行なつた。その結果、試番4には
溶接割れが認められたが、試番2には認められな
かつた。これらの結果、発明材(試番2)は溶接
性がすぐれていること及びC量又はC+N量が高
くなると溶接性が悪くなることが判明した。 試番2,4,7及び8について熱間加工性(製
管性)を調べるために、第3図に示す寸法の試験
片を採取し、熱間ねじり試験を行なつた。熱間ね
じり試験の条件は、軸方向の伸びを拘束し、ねじ
り回転速度500rpmで実施し、破断までのねじり
回数を測定した。第4図は破断までのねじり回数
と試験温度の関係を示す。発明鋼は、いずれの比
較鋼にくらべても破断ねじり回数が多く、製管性
の良好なことを示している。C量0.16%以上又は
C+Nが0.21%以上の比較鋼試番4及び試番7の
破断までのねじり回数は、発明鋼より少なく、製
管性の点からC量を0.15%以下にすべきであり、
好ましくはC+Nが0.20%以下であることが判明
した。試番8のねじり回数は試験温度1000℃及び
1100℃で発明鋼より著しく低い。比較鋼試番8の
ようにC+N量が低くCr当量が12以上のものに
は、δフエライト組織が含み製管性が悪いことが
判明した。本発明の主蒸気管のような大径管で
も、破断までのねじり回数が1100℃で10回以上の
ものは、問題なく製管であることを確認してい
る。 試番5及び試番6のクリープ破断強度はそれぞ
れ11.5及び12Kgf/mm2で発明材より低い。これら
の結果から、W量が0.1%より少なすぎても、ま
た0.5%より多すぎても、高温・高圧火力プラン
ト用主蒸気管として必要な強度を満足できず、発
明の目的が達成されないことが判明した。
を有し、使用中の脆化が少なく熱間加工性のすぐ
れた火力プラント用主蒸気管に使用する耐熱鋼に
関する。 〔発明の背景〕 現在の発電火力発電プラントは主蒸気圧力最大
246Kg/cm2(温度538℃)であり、主蒸気管として
は2 1/4Cr―1Mo鋼が用いられている。 最近、省エネルギーの観点から、火力発電プラ
ントの効率向上が望まれている。発電効率を向上
するには蒸気温度又は圧力を上げるが最も有効な
手段である。これらの高温・高圧(高効率)火力
プラント用主蒸気管として現在のタービンに用い
られている2 1/4Cr―1Mo鋼ではクリープ破断
強度が不足で、これよりも高強度の材料が必要で
ある。第1図aは高温高圧火力プラントの構成図
及び第1図bは主蒸気管の断面図である。 一方、クリープ破断強度の点では、2 1/4Cr
―1Mo鋼よりもNi基合金及びCo基合金が優れて
いるが、これらの合金はコストが著しく高い上
に、加工性及び溶接性が悪い欠点がある。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、高温強度が高く、かつ使用中
脆化の少ない火力プラント用主蒸気管用耐熱鋼を
提供することにある。 〔発明の概要〕 現在の火力プラントに用いられている2 1/4
Cr―1Mo鋼に発電用火力技術基準で定められて
いる許容応力は、538℃で5.7Kgf/mm2である。こ
の主蒸気条件は圧力246Kgf/cm2、温度538℃であ
る。 一方、本発明材料の用途である高温・高圧火力
プラントの主蒸気条件は圧力316Kgf/cm2、温度
593℃である。このプラントの主蒸気管に作用す
る応力は、現在のタービンより1.28倍高くなる。
したがつて高温・高圧火力プラント用主蒸気管材
の許容応力は、593℃で7.3Kgf/mm2となる。 また、発電用火力技術における許容応力決定法
として、105hクリープ破断強度の0.6倍の値をと
るように定められている。したがつて、高温・高
圧火力プラント用主蒸気管材のクリープ破断強度
は12.2Kgf/mm2以上必要となる。さらに、主蒸気
管材としては、破壊に対する安全性の点から、使
用中脆化の少ないことも重要な性質である。 本発明は12Cr系合金鋼を、主蒸気管材として
改良したものである。主蒸気管材としては、前述
の高温強度及び脆化特性のすぐれていると共に、
熱間加工性及び溶接性のすぐれていることも重要
である。 主蒸気管材としては、次に示す組成範囲に調整
することにより、すぐれた特性が得られることが
実験的に究明された。 C 0.05〜0.15% Si 0.3%以下 Mn 1.5%以下 Ni 1.0%以下 Cr 8.11% Mo 0.75〜1.5% W 0.1〜0.5%未満 V 0.1〜0.3% Nb 0.02〜0.20% N 0.02〜0.1% 残部がFeおよび不可避的不純物。 また金属組織をδフエライトが含まない全マル
テンサイトに組織にする。全マルテンサイト組織
にするには後述に示す式で計算されるCr当量が
12以下になるように成分調整することにより得ら
れ、更にこれにより使用中脆化が著しく少なくな
ることも究明された。 さらに、CとNの和が0.10〜0.20%範囲に、ま
たMoとWの和が1.25〜1.75%範囲に成分調整す
ることにより、より優れたクリープ破断強度が得
られることも究明された。 Crは耐食性と高温強度を高めるが、11%以上
になると脆化を促進させるδフエライトが析出す
るようになる。8%より少ないと高温高圧蒸気に
対する耐食性が不十分なので、Crは8〜11%に
決定される。特に8.5〜10.5%が好ましい。 Moは固溶及び析出強度作用によつてクリープ
破断強度を高めるが0.75%未満ではその結果が少
なく、1.75%以上になるとδフエライトが生成し
使用中脆化を起こしやすくなる。また、0.75%未
満では高温で長時間使用中に材料が脆化する。最
も1〜1.5%が好ましい。 Wは高温長時間使用中の炭化物を安定化させ高
温強度を改善する。0.1%未満ではその効果が少
なく、0.5%以上になるとδフエライトが生成し
使用中脆化を起しやすくするので、0.5%未満と
する。W含有量を低めにした場合には、Mo含有
量を高めにする必要があり、MoとWの和が1.25
〜1.75%で高い高温強度が得られる。特に1.4〜
1.6%が好ましい。 V及びNbは炭化物及び窒化物を析出させ高温
強度を高める。V0.1%未満及びNb0.02%未満で
はその効果が不十分であり、V0.3%及びNb0.2%
をそれぞれ越えるとδフエライトが生成し使用中
脆化を起こしやすくする。特に、V0.15〜0.25%、
Nb0.03〜0.08%が好ましい。 Niは靭性を高め、かつδフエライト生成を防
止する効果があるが、1%を越える添加はクリー
プ破断強度を低下させてしまうので好ましくな
い。Niは0.2〜0.6%含有させるのが好ましい。 Mnは脱酸剤として添加するものであり、少量
の添加でその効果は達成され、1.5%を越える多
量添加はクリープ破断強度を低下させる。特に
0.4〜0.9%が好ましい。 Siも脱酸剤として添加するものであるが、C真
空脱酸法などの製鋼技術によればSi脱酸は不要で
ある。またSiを低くすることにより、δフエライ
ト析出防止及び脆化防止効果があるので、0.30%
以下にすべきで、特に0.10%以下に抑えるのが好
ましい。 本発明の用途である火力発電プラント用主蒸気
管(外径600mm、肉厚130mm)のような大径管は焼
入性の良好なことも重要である。 C及びNは焼入性を高めるのに最も有効な元素
であり、C+Nの量が0.1%以上が好ましい。し
かしあまり多く添加すると溶接割れの問題が生ず
るのでC+Nを0.20%以下が好ましい。また、C
とNはNbやVと結合し、炭化物および窒化物と
なる。この炭・窒化物が、高温長時間強度の担い
手となる。 なお本発明ロータの化学組成は次式で求められ
るクロム当量が12以下が好ましい。 クロム当量=−40℃−30×N%−2×Mo% −4×Ni%+Cr%+6×Si%+4×Mo% +1.5×W%+11×V%+5×Nb% クロム当量が12以上では、使用中脆化を起こし
やすくするδフエライトが生成する。 Cは高温強度を高める元素であり、そのため
0.05%以上が必要であるが、0.15%を越えると溶
接性を損うので、0.05〜0.15%としなければなら
ない。特に、0.08〜0.13%が好ましい。 NはCと同様の元素であり、0.02%以上必要で
あるが、靭性及び溶接性の点から0.1%以下にし
なければならない。Nは無添加で大気溶解で最大
0.025%位含有されるが、0.03〜0.07%に調整する
のが好ましい。本発明鋼の組織は前記の理由から
均一な焼もどしマルテンサイト組織にする必要が
ある。 焼戻温度は溶接後の応力除去焼純温度より高い
温度とすることが高強度のものとする点から好ま
しい。 〔実施例〕 表に示す組成の試料をそれぞれ20Kg溶製後、
1150℃に加熱し鍛造し実験素材とした。この素材
に火力プラント用主蒸気管をシユミレートした下
記に示すような熱処理を施した。 試番1及び8:930℃×3h500℃/h冷却、700
℃×12h炉冷 試番2〜7:1100℃×3h500℃/h冷却、700
℃×12h炉冷 この熱処理後の素材から鍛造直角方向に試験片
を採取し実験した。表にはこれら試験片を用いク
リープ破断試験を行ない求めた105hクリープ破断
強度を示す。 表において、試番2は本発明材であり、試番1
及び試番3〜8は比較材である。試番7はドイツ
でボイラ鋼管として実用化されている。 ×20CrMoWV121鋼相当材であり、試番8は
JIS STBA―26相当9Cr1Mo鋼である。 現在の火力プラント主蒸気管に用いられている
2 1/4Cr―1Mo鋼試番1の593℃、105hクリープ
破断強度は、4.2Kgf/mm2で、高温・高圧火力プ
ラント用主蒸気管として必要な強度(12.2Kgf/
mm2)より著しく低く、本発明の目的が達成されな
い。 発明材試番2の593℃、105hクリープ破断強度
は13.2Kgf/mm2で、高温・高圧火力プラント用主
蒸気管として必要な強度を満足することが確認さ
れた。 顕微鏡観察の結果、試番2及び試番3〜6は全
マルテンサイト組織であつたが、試番3には5%
のδフエライトが認められた。この試番3の600
℃、103h加熱後のVノツチシヤルピー衝撃値は
1.5Kgf―mで、試番2の加熱後の衝撃値(4.6Kg
f―m)より著しく低い。これらの実験で、Cr
当量が高い材料あるいはδフエライトを含む材料
は、使用中に著しく脆化することがわかつた。 試番2及び試番4については、第2図に示す斜
めY形溶接われ試験片を用い、溶接われ試験を行
なつた。溶接棒は試験2及び4をφ4mmに線引き
してクラツクスを被覆した共全被覆アーク溶接棒
を用いた。150℃〜250℃に予熱し1パス溶接し、
430℃まで加熱し2時間保持後50℃まで冷却し、
690℃に再加熱し2時間保持後室温まで冷却した。
この試験片を5等分に切断し、研摩しビーム断面
の顕微鏡観察を行なつた。その結果、試番4には
溶接割れが認められたが、試番2には認められな
かつた。これらの結果、発明材(試番2)は溶接
性がすぐれていること及びC量又はC+N量が高
くなると溶接性が悪くなることが判明した。 試番2,4,7及び8について熱間加工性(製
管性)を調べるために、第3図に示す寸法の試験
片を採取し、熱間ねじり試験を行なつた。熱間ね
じり試験の条件は、軸方向の伸びを拘束し、ねじ
り回転速度500rpmで実施し、破断までのねじり
回数を測定した。第4図は破断までのねじり回数
と試験温度の関係を示す。発明鋼は、いずれの比
較鋼にくらべても破断ねじり回数が多く、製管性
の良好なことを示している。C量0.16%以上又は
C+Nが0.21%以上の比較鋼試番4及び試番7の
破断までのねじり回数は、発明鋼より少なく、製
管性の点からC量を0.15%以下にすべきであり、
好ましくはC+Nが0.20%以下であることが判明
した。試番8のねじり回数は試験温度1000℃及び
1100℃で発明鋼より著しく低い。比較鋼試番8の
ようにC+N量が低くCr当量が12以上のものに
は、δフエライト組織が含み製管性が悪いことが
判明した。本発明の主蒸気管のような大径管で
も、破断までのねじり回数が1100℃で10回以上の
ものは、問題なく製管であることを確認してい
る。 試番5及び試番6のクリープ破断強度はそれぞ
れ11.5及び12Kgf/mm2で発明材より低い。これら
の結果から、W量が0.1%より少なすぎても、ま
た0.5%より多すぎても、高温・高圧火力プラン
ト用主蒸気管として必要な強度を満足できず、発
明の目的が達成されないことが判明した。
本発明鋼の593℃クリープ破断強度は著しく高
く、溶接性も良好であり、高温・高圧火力プラン
ト主蒸気管として要求される性質を十分満足し、
主蒸気管材として好適である。
く、溶接性も良好であり、高温・高圧火力プラン
ト主蒸気管として要求される性質を十分満足し、
主蒸気管材として好適である。
第1図aは高温高圧火力プラントの構成図及び
bは主蒸気管の断面図、第2図は斜めY形溶接わ
れ試験片の寸法を示す図、第3図はねじり試験片
の寸法を示す図、第4図は熱間ねじり試験結果を
示す線図である。
bは主蒸気管の断面図、第2図は斜めY形溶接わ
れ試験片の寸法を示す図、第3図はねじり試験片
の寸法を示す図、第4図は熱間ねじり試験結果を
示す線図である。
Claims (1)
- 1 重量比で、C0.05〜0.15%,Si0.3%以下,
Mn1.5%以下,Ni1.0%以下,Cr8〜11%,
Mo0.75〜1.5%,W0.1〜0.5%未満,V0.1〜0.3%,
Nb0.02〜0.20%,N0.02〜0.10%を含有し、残部
が実質的にFeからなり、全マルテンサイト組織
を有することを特徴とする主蒸気管用耐熱鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4390984A JPS60190551A (ja) | 1984-03-09 | 1984-03-09 | 主蒸気管用耐熱鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4390984A JPS60190551A (ja) | 1984-03-09 | 1984-03-09 | 主蒸気管用耐熱鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60190551A JPS60190551A (ja) | 1985-09-28 |
JPH0218380B2 true JPH0218380B2 (ja) | 1990-04-25 |
Family
ID=12676839
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4390984A Granted JPS60190551A (ja) | 1984-03-09 | 1984-03-09 | 主蒸気管用耐熱鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60190551A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61231139A (ja) * | 1985-04-06 | 1986-10-15 | Nippon Steel Corp | 高強度フエライト系耐熱鋼 |
JPH0959747A (ja) * | 1995-08-25 | 1997-03-04 | Hitachi Ltd | 高強度耐熱鋳鋼,蒸気タービンケーシング,蒸気タービン発電プラント及び蒸気タービン |
JP4386364B2 (ja) * | 2005-07-07 | 2009-12-16 | 株式会社日立製作所 | 蒸気タービン用配管とその製造法及びそれを用いた蒸気タービン用主蒸気配管と再熱配管並びに蒸気タービン発電プラント |
DE112020007246T5 (de) * | 2020-05-28 | 2023-03-09 | Takasago Industry Co., Ltd. | Wärmebehandlungsvorrichtung und wärmebehandlungsverfahren |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS55110758A (en) * | 1979-02-20 | 1980-08-26 | Sumitomo Metal Ind Ltd | High temperature use chromium steel |
JPS56116858A (en) * | 1980-02-20 | 1981-09-12 | Toshiba Corp | Steam turbine rotor |
JPS5837159A (ja) * | 1981-08-26 | 1983-03-04 | Hitachi Ltd | マルテンサイト系耐熱鋼 |
JPS58110661A (ja) * | 1981-12-25 | 1983-07-01 | Hitachi Ltd | 耐熱鋼 |
JPS59133354A (ja) * | 1983-01-21 | 1984-07-31 | Hitachi Ltd | 靭性及び高温強度に優れた12Cr系合金鋼 |
JPS60155648A (ja) * | 1984-01-25 | 1985-08-15 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 高靭性フエライト系耐熱鋼 |
-
1984
- 1984-03-09 JP JP4390984A patent/JPS60190551A/ja active Granted
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60190551A (ja) | 1985-09-28 |
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