JPH0218361Y2 - - Google Patents

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JPH0218361Y2
JPH0218361Y2 JP1983181146U JP18114683U JPH0218361Y2 JP H0218361 Y2 JPH0218361 Y2 JP H0218361Y2 JP 1983181146 U JP1983181146 U JP 1983181146U JP 18114683 U JP18114683 U JP 18114683U JP H0218361 Y2 JPH0218361 Y2 JP H0218361Y2
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vehicle body
vibrator
vibration
gain
phase
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Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車両の車体振動を防止する装置に関
する。
一般に、車両のアイドリング時には、エンジン
回転による車体振動が、車体の共振点付近にな
り、車体が大きく振動するため、乗心地が悪くな
るとともに、車体振動による室内こもり音が大き
くなるという不具合がある。
これは、FF車において、特に顕著な現象とな
り、解決すべき重要な問題点となつている。
本考案は、このような問題点の解消をはかろう
とするもので、車両に加振機を装備させることに
より、車体振動を低減できるようにした、車体振
動低減装置を提供することを目的とする。
このため、本考案の車体振動低減装置は、車体
の振動を相殺するための加振機と、同加振機へ加
振信号を供給する信号源と、上記加振機に上記車
体の振動に対して逆位相の振動を発生せしめるべ
く上記加振信号の位相を制御する位相制御手段と
をそなえてなるものにおいて、上記加振機をラジ
エータに装着するとともに、同ラジエータを可撓
性部材を介して車体に装着したことを特徴として
いる。
以下、図面により本考案の実施例について説明
すると、第1〜20図は本考案の第1実施例とし
ての車体振動低減装置を示すもので、第1図はそ
の取付状態を模式的に示す車両の縦断面図、第2
図はその全体構成を示すブロツク図、第3図はそ
の制御プロセスを示すフローチヤート、第4図は
そのホールド機構付き加振機を示す縦断面図、第
5〜11図はいずれもその加振機の形状を変形し
た例を示す模式図、第12〜14図はいずれもそ
の加振機の防水構造を示す模式図、第15〜22
図はいずれもその加振機の取付状態を示す模式
図、第23〜27図はいずれもその加振機の取付
位置を示す模式図、第28図はその特性を示すグ
ラフであり、第29,30図は本考案の第2実施
例としての車体振動低減装置を示すもので、第2
9図はそのブロツク図、第30図はその制御プロ
セスを示すフローチヤートである。
まず、本考案の第1実施例としての車体振動低
減装置について説明すると、第1図に示すよう
に、車両前部にエンジンEが横置きに取り付けら
れており、その前後端部がボデイフレーム1に支
持されている。
ボデイフレーム1の前端には、加振機2が取り
付けられており、加振機2の作動により、ボデイ
フレーム1を介して車体Bに所要の振動を行なわ
せるようになつている。
ところで、加振機2は、第2図に示す構成によ
り駆動されるようになつている。
すなわち、信号源としてのエンジンEにおいて
発生し、加振機2の加振信号となるイグニツシヨ
ンパルスaが波形整形部3に入力され、イグニツ
シヨンパルスaのノイズ成分が除かれて、整形さ
れた矩形波bが得られる。
この矩形波bは、SIN波発生部4に入力され、
矩形波bのタイミングに応じた正弦(SIN)波c
が発生する。
SIN波cは、加振信号の位相を制御する位相制
御手段としての位相制御部5に入力され、所要量
位相を遅らせたり進ませたりして、加振機2にお
ける所要の加振に最適な位相に調整される。
位相を調整されたSIN波dは、ゲインコントロ
ール部6に入力され、加振機2における所要の加
振に最適なゲインに調整される。
このようにして、位相およびゲインを調整され
たSIN波eは、アンプ7に入力され、加振機2の
作動に十分なように電力増幅される。
加振機2は、アンプ7の出力により作動し、車
体Bを加振するようになつている。
ところで、上述のように加振機2への入力信号
は、マイコンMで構成されたコントローラ8、位
相制御部5およびゲインコントロール部6におい
てその位相およびゲインを調整される。
すなわち、コントローラ8には、車速センサ9
およびエンジン回転数センサ10が接続されてお
り、これらにより検出される車速Vおよびエンジ
ン回転数Nによりコントローラ8を介して位相制
御およびゲインコントロールが行なわれる。
また、コントローラ8には、ホールド機構11
が接続されており、コントローラ8からの信号に
より加振機2の作動を停止させてロツクできるよ
うになつている。
さらに、車体Bには車速コントロール部12が
接続されており、車速コントロール部12は、車
速センサ9によつて検出される車速Vにより、車
両の速度を一定にコントロールするように構成さ
れている。
ところで、加振機2への入力信号としてのSIN
波eの位相制御およびゲインコントロールは、第
3図のフローチヤートに示すようにして行なわれ
る。
第2,3図に示すように、車速センサ9により
検出された速度Vがコントローラ8に入力され、
ステツプB1が実行されて、車速Vが所定の車速
V0より大きいかどうかが判断される。
この車速V0は、通常車速測定限界の最小速度
に設定される。
車速Vが車速V0より大きい場合には、ステツ
プB6においてアンプ7がOFFになり、ついでス
テツプB7においてホールド機構11により加振
機2がロツクされているかどうかが判断される。
ステツプB7において、ロツクされていると判
断された場合には、ステツプB9においてひきつ
づきロツク状態が保たれ、ロツクされていないと
判断された場合には、ステツプB8において、ホ
ールド機構11にロツク指示信号がコントローラ
8から伝達され、加振機2がロツクされる。
ステツプB8,B9において、ロツク状態が完了
した後には、新たに制御プロセスが実行される。
ステツプB1において、車速Vが設定車速V0
下であると判断された場合には、ステツプB2に
おいて、エンジン回転数Nが判断される。
すなわち、エンジン回転数センサ10の検出信
号により、エンジン回転数Nが設定回転数N1と
設定回転数N2(N2>N1)との間にあるかどうか
が判断され、N2≧N≧N1を満たす場合には、ス
テツプB3,B4,B5が実行される。
ステツプB3においては、位相φとゲインFと
をあらかじめ記憶させた各種マツプから車速Vお
よびエンジン回転数Nに応じたマツプを選び、ス
テツプB4において、車速Vおよびエンジン回転
数Nに応じた位相φおよびゲインFを決定し、こ
の位相φおよびゲインFをステツプB5において、
加振機2に出力するようになつている。
ところで、上述のマツプは、加振機2により車
体Bへ作用する加振力が、車体BのエンジンEに
よる振動と逆位相になるように設定した値により
形成されている。
すなわち、加振機2が位相φ、ゲインFに応じ
た作動をして車体Bに加振力を作用させ、車体B
にエンジンEの振動により伝達される加振力と上
記加振力とを相互に相殺させることによりエンジ
ンEによる車体振動をキヤンセルさせるようにな
つている。
そして、ステツプB5における加振機2への出
力が終わつた後には、新たにステツプB1に始ま
る制御プロセスが実行される。
なお、上述のステツプB2における設定回転数
N1,N2は加振機を作動させる条件設定により設
定され、通常は車両のアイドル運転時におけるエ
ンジン回転数付近、例えばN1=400rpm、N2=
1000rpmに設定される。
また、ステツプB2において、エンジン回転数
NがN2≧N≧N1を満たさない場合には、ステツ
プB6,B7,B8,B9が実行されて、ホールド機
構11により加振機2がロツクされるようになつ
ている。
ところで、上述のコントローラ8、位相制御部
5およびゲインコントロール部6は、同一の機能
を有するハード機構で構成してもよい。
そして、加振機2は、第4図に示すように構成
されており、ベース21の中央部に摺動軸22が
立設され、摺動軸22にはマス23が嵌挿されて
おり、マス23は摺動軸22に姿勢を拘束されな
がら上下に移動できるようになつている。
また、有底筒状に形成されたハウジング24
が、マス23を上方から収容するように配設さ
れ、ハウジング24はマス23上方に位置するハ
ウジング24の底部24aの中央部を摺動軸22
の上端に固着されている。一方、ハウジング24
の下端24bは、ベース21に固着されている。
ハウジング24の底部24aとマス23の上端
面との間およびベース21の上端面とマス23の
下端面との間には、スプリング25a,25bが
介装されており、マス23をベース21から浮か
した状態で一定の位置に支持して、マス23が支
障なく上下動できるようになつている。
また、マス23には、円筒状空間部23aが半
径方向における中間部にマス23と同軸的に形成
されている。
円筒状空間部23aは、マス23の下端面に開
口しており、ベース21に立設された円筒状駆動
コイル26が円筒状空間部23a内に配設されて
いる。
さらに、円筒状空間部23aには、駆動コイル
26に対向する外方部に、円筒状永久磁石27が
配設されており、永久磁石27はマス23に固着
されてマス23の一部を構成している。
駆動コイル26は、アンプ7の出力端に接続コ
ード28を介して接続されており、アンプ7の出
力に応じて駆動コイル26に電流が流れ、永久磁
石27により発生する磁場との相互作用により駆
動コイル26とマス23とが相対的に変位するよ
うになつている。
そして、ハウジング24の外側下部には、加振
機2のホールド機構11が取り付けられている。
ホールド機構11は、ロツクピン29と、ロツ
クピン29の駆動機構29aと、マス23に形成
されれたロツクピン係合孔23bとにより構成さ
れている。
ロツクピン29は、先端を先細り形状に形成さ
れており、マス23が移動してロツクピン29の
軸心線とロツクピン係合孔23bの軸心線とが一
致しない場合に、ロツクピン29の水平駆動によ
りマス23を上下動させ、ロツクピン29の軸心
線とロツクピン係合孔23bの軸心線とを自動的
に一致させるようになつている。
また、ロツクピン29の駆動機構29aは、ソ
レノイドバルブ等で構成され、ソレノイドがコン
トローラ8に接続されており、コントローラ8か
らの信号により駆動機構29aが駆動されてロツ
クピン29を水平駆動し、マス23の上下動を適
宜停止させるようになつている。
そして、加振機2は、取付位置その他の条件に
応じて第5〜11図に示す形状に形成される。
すなわち、第5図に示すハツト型、第6図に示
す角型、第7図に示すヒヨータン型、第8図に示
す円筒型、第9図に示すプツシユフル円筒型、第
10図に示す串刺し型、第11図に示す棒型のそ
れぞれの形状を有するように形成され、それぞれ
が第4図に示す加振機2の構造を有するようにな
つている。
上述の加振機2は、それぞれ第12図に示すよ
うな防水構造を装備している。
すなわち、第12図に示すように、加振機2が
ゴムや樹脂等で形成された防水性ブーツ47で覆
われており、防水性ブーツ47の下端はベース2
1に焼き付けるかまたは装着され、その上にシー
ル剤を塗布されて、加振機2の防水性が保たれる
ようになつている。
また、防水構造は、第13図に示すように構成
してもよく、この構造では、ゴムや樹脂等で形成
され加振機2を覆う防水性ブーツ47が、ゴムパ
ツキン48を介してボルト等によりベース21に
取り付けられて、防水されるようになつている。
さらに、防水構造は第14図に示すように構成
してもよく、この構造では、ゴムや樹脂等で形成
された加振機2を覆う防水性ブーツ47が、ベー
ス21にジヤバラ49を介して液密に取り付けら
れている。
そして、防水性ブーツ47の内部にはオイル5
0が満たされて、防水を効果的に行なえるように
なつている。
また、上述の第12〜14図に示す防水構造に
より、加振機2へのゴミの侵入防止や加振機2の
防音も行なえるようになつている。
前述のように構成された加振機2は、第1,1
5図および第16図(第15図の−矢視
断面図)にそれぞれ示すようにして車体Bに取り
付けられている。
すなわち、車体Bのボデイフレーム1先端に取
り付けられたクロスメンバー1a(第1図参照)
の上面にゴムやバネ等で形成された可撓部材63
を介してラジエータ64が取り付けられており、
ラジエータ64の下端部にラジエータ支持メンバ
ー65を介して加振機2が宙吊り状態で取り付け
られている。
すなわち、加振機2が駆動される場合におい
て、マス23(第4図参照)およびハウジング2
4に相互に上下駆動力が作用し、ハウジング2
4、ベース21およびラジエータ64が、車体B
に対する可動部材となつて、これらの重量と可撓
部材63のバネ定数とにより定まる共振周波数で
振動し、これにより車体Bが可撓部材63を介し
て加振されるようになつている。
また、加振機2は、第17図および第18図
(第17図の−矢視断面図)にそれぞれ
示すように、クロスメンバー1aの上面にゴム等
で形成された可撓部材63を介してラジエータ6
4を取り付け、ラジエータ64に切り欠き部64
aを設けて、この切り欠き部64a内に加振機2
を配設し、加振機2をラジエータ64の下端部に
宙吊り状態で取り付けるようにしてもよい。
このようにして取り付けた場合にも、上述の第
15,16図の取り付け方法と同様にして車体B
が加振される。
さらに加振機2は、第19図および第20図
(第19図の−矢視断面図)にそれぞれ
示すようにして取り付けてもよい。
すなわち、この場合には、クロスメンバー1a
の上面にゴム等で形成された可撓部材63を介し
ラジエータ64が取り付けられる。
そして、ラジエータ64の下部に切り欠き部6
4aを形成され、この切り欠き部64a内に加振
機2を配設され、この加振機2の固定部材として
のハウジング24(第4図参照)がクロスメンバ
ー1aに固着される。
一方、可動部材としてのマス23は、マス23
に連結された駆動軸23dを介して、ラジエータ
64の下端部に連結される。
これにより、加振機2が作動すると、加振機2
の作動に伴い、マス23とラジエータ64とが一
体に駆動され、ラジエータ64とマス23とが、
車体Bに対する可動部材となつて、これらの重量
と可撓部材63のバネ定数とにより定まる共振周
波数で振動する。これに対し、加振機の固定部材
としてのハウジング24は、ラジエータ64等の
振動に対し、相対的に駆動されて、車体Bが加振
されるようになつている。
なお、ラジエータ64は、第21,23図に示
すように、その上端を車体Bに取り付けられてい
る。
すなわち、車体Bのアツパーフレーム68に固
着されたサスペンダー66に、ゴム等で形成され
た連結部材67を介して、ラジエータ64の上端
部が取り付けられており、連結部材67の可撓性
により、ラジエータ64の上下動が許容されるよ
うになつている。
そして、加振機2は第23図に示すように、車
体Bの車幅方向における中央部に装着される。
また、加振機2は、第24図に示すように車幅
方向における両側部に装着するようにしてもよ
い。
そして、加振機2は車長方向においては、第2
5図に示すように車体Bの前部に取り付けられ
る。
なお、加振機2は、第26図に示すように車体
Bの前部および後部または第27図に示すように
車体Bの前部および車長方向中央部に取り付ける
ようにしてもよい。
この場合において、車体B後部または車長方向
中央部に配設される加振機2は、前部に配設され
る加振機2に対し、逆位相で駆動されるように構
成される。
本考案の車体振動低減装置は上述のごとく構成
されているので、車両のアイドル運転時には、車
体BにエンジンEのトルク変動による起振力が作
用する。
この場合において、第2,3図に示すように構
成された車体振動低減装置が作動する。
すなわち、コントローラ8に入力された車速セ
ンサ9およびエンジン回転数センサ10の検出信
号にもとづき、第3図に示すステツプB1,B2が
実行されて、車速Vが設定車速V0以下でありエ
ンジン回転数Nが一定の範囲(N2≧N≧N1)に
ある場合であるかどうかが判断され、条件に適合
する場合には、ステツプB3が実行されて車速V
およびエンジン回転数Nに応じたマツプが選択さ
れる。
ついで、ステツプB4において、そのマツプに
より調整すべき位相φおよびゲインFが決定され
て、位相制御部5およびゲインコントロール部6
に伝達される。
一方、エンジンEにおいて発生するイグニツシ
ヨンパルスaは、波形整形部3に入力され、ノイ
ズが消去され、イグニツシヨンパルスaと同一タ
イミングの矩形波bに整形される。
矩形波bは、SIN波発生部4において、矩形波
bと同一周期のSIN波cに変換される。
このSIN波cが上述のコントローラ8で決定さ
れた位相φおよびゲインFにより調整される。
すなわち、位相制御部5において、SIN波cが
位相φずらされて、第2図に鎖線で示すSIN波d
になる。
さらに、SIN波dの振幅がゲインコントロール
部6においてゲインFに適合するように調整さ
れ、SIN波eが得られる。
このSIN波eがアンプ7に入力され、加振機2
を作動させるのに適合するように増幅されて、加
振機2に出力される。
加振機2は、この入力信号により駆動され、車
体Bに加振力を作用させる。
ところで、車体Bには、エンジンEのトルク変
動による起振力が作用し、車体Bが振動しようと
する。
特に、車体Bは、エンジンEの振動のC2成分
に近い共振点を有しており、この共振点付近で大
きい振動を発生しようとする。
しかしながら、車体Bには、エンジンEによる
加振力と、位相制御部5において位相をφずらさ
れてエンジンEによる加振力に対し常に逆向きに
なるように調整された加振力とが作用して、加振
力が相殺されるため車体Bの振動が低減される。
すなわち、加振機2とエンジンEとは取付位置
が異なるため加振力の伝達経路が異なり、加振力
の車体Bへの到達タイミングが異なるため、加振
機2からエンジンEにおいて発生するイグニツシ
ヨンパルスaと逆位相の加振力が発せられると、
車体Bへ到達する加振力は互いに逆位相とはなら
ない。
このため、加振機2において発生させや加振力
は、エンジンEおよび加振機2から車体Bに到達
する加振力が相互に逆位相になるように調整され
て、車体Bの振動を低減させるのである。
そして、ゲインコントロール部6において、エ
ンジンEによる加振力の振幅と加振機2による加
振力の振幅とが同一になるように調整され、車体
Bの振動が防止される。
このように加振機2を作動させることにより、
第35図に示すように、車体Bの振動が低減され
る。
第28図は、横軸にエンジン回転数Nを示し、
縦軸に加振力のゲインGを加速度センサにより測
定したものを示しており、加振機2を作動させな
い場合には、車体Bは、同図中の実線xで示すよ
うなエンジン回転数の約750Hz付近に共振点をも
つ振動特性を有する。
この振動が、加振機2を作動させることによ
り、車体Bは破線yで示すような振動特性を有す
るようになり、車体Bの振動が低減される。
一方、コントローラ8において、第3図に示す
ように、車速Vまたはエンジン回転数Nが加振機
2を作動させる条件に適合しないと判断された場
合、すなわちエンジンEの運転状態がアイドル運
転状態を脱した場合には、ステツプB6において
アンプ7がOFFにされ、ついでステツプB7にお
いてホールド機構11により加振機2の作動がロ
ツクされているかどうかが判断される。
ロツクされていない場合は、ホールド機構11
が起動されて、加振機2の作動がロツクされ、ロ
ツクされている場合には、ロツク状態が保持され
る。
ところが、加振機2の作動は、以下のように行
なわれる。すなわち、アンプ7の出力が駆動コイ
ル26に入力され、駆動コイル26に、入力に応
じた電流が流れる。
この電流と、マス23の一部を構成する永久磁
石27の磁界とにより、マス23とハウジング2
4とに上下方向の駆動力が相互に作用する。
この駆動力に対し、第15,16図に示すよう
に、加振機2のハウジング24、ベース21およ
びラジエータ64が、車体Bに対する可動部材と
なつて、これらの重量と可撓部材63のバネ定数
とにより定まる共振周波数で振動し、これにより
車体Bが可撓部材63を介して加振される。
また、第17,18図に示すように取り付けた
場合にも、上述と同様にして車体Bに加振され
る。
さらに、第19,20図に示すように取り付け
た場合には、加振機2が作動すると、加振機2の
作動に伴い、マス23に駆動軸23dを介して連
結されたラジエータ64がマス23と一体に駆動
され、ラジエータ64とマス23とが車体Bに対
する可動部材となつて、これらの重量と可撓部材
のバネ定数により定まる共振周波数で振動する。
これに対し、加振機の固定部材としてのハウジ
ング24には駆動コイル26を介して上記のマス
23の駆動力に対する反力が作用し、ハウジング
24および車体Bが相対的に駆動されて、車体B
が加振される。
そして、コントローラ8から、加振機2の作動
をロツクさせる信号が出力された場合には、ホー
ルド機構11内のソレノイドバルブが作動して、
ロツクピン29がマス23側へ向け駆動され、ロ
ツクピン29がピン係合孔23bに嵌合して、マ
ス23の上下動が拘束され、加振機2の作動がロ
ツクされる。
そして、加振機2は第12〜14図に示される
防水構造を有しており、加振機2が防水されて、
安定した作動が長期間にわたり行なわれる。
また、防水構造により、ゴミの侵入が防止され
るとともに、防音効果も有するようになり、加振
機2の安定した作動が保持されるとともに、騒音
を発しないようになる。
そして、加振機2は第23〜27図に示すよう
に取り付けられて、車体Bの加振が行なわれる。
なお、第24図に示すように2個以上の加振機
2を車両両側に装備すれば、加振作用を左右のバ
ランスをとりながら確実に行なえるようになる。
また、第26,27図に示すように、2個以上
の加振機2を車長方向に離隔して装備するように
すれば、加振作用が確実に行なわれるようにな
り、車体BのエンジンEによる起振力に対する逆
位相が確実に保たれるようになつて、車体振動の
低減効果が高まる。
次に、本考案の車体振動低減装置の第2実施例
について説明すると、第29,30図に示すよう
に構成されており、第1実施例の構成に加えて、
車体Bの振動を検出する加速度センサ13が装備
されている。
この加速度センサ13の検出する車体Bの振動
としての加速度GがマイコンMで構成されるコン
トローラ8に入力され、マイコンMで構成される
位相制御部5およびゲインコントロール部6に加
速度Gに応じた制御信号が出力される。
すなわち、コントローラ8による制御は、第3
0図に示すようにして行なわれるようになつてお
り、ステツプC1,C2において、車速Vとエンジ
ン回転数Nとが判断されて、加振機2を作動させ
るかどうかが判断される。
加振機2を作動させる条件を満たしている場合
(V0≧VかつN1≦N≦N2)には、ステツプC3に
おいて、車速Vおよびエンジン回転数Nに応じた
マツプが選択され、ステツプC4において位相制
御部5およびゲインコントロール部6における制
御の初期値として位相φ1、ゲインF1およびn=
1が決定される。
そして、位相制御部5およびゲインコントロー
ル部6に位相φ1およびゲインF1が出力される。
一方、位相制御部5には、エンジンEのイグニ
ツシヨンパルスaが、波形整形部3およびSIN波
発生部4によりSIN波cに変換されて入力され
る。
SIN波cは、位相制御部5においてステツプ
C6に示すようにφ〔=φ1+Δφ(Δφはあらかじめ
設定される位相の増分)〕位相をずらすように調
整され、調整されたSIN波d′がゲインコントロー
ル部6においてゲインF1に調整され、アンプ7
を介して加振機2を作動させる。
この結果、車体Bの振動が減少すると、加速度
センサ13の検出する加速度Gが減少し、この減
少がコントローラ8へフイードバツクされ、ステ
ツプC7において加速度Gが減少したと判断され
て、ステツプC8,C9が実行される。
ステツプC8においては、nが2(=1+1)に
なりφ(=φ1+Δφ)がφ2に置きかえられる。
ステツプφC9においては調整位相φがφ2+Δφ
になり、位相制御部5においては、SIN波d′がさ
らにΔφ調整されて、ゲインF1でアンプ7を介し
て加振機2に入力されるようになつている。
このように、調整位相φをΔφずつ増加させて
加振機2を作動させる過程を、加速度センサ13
の検出加速度Gが最小値を通過して増加するよう
になるまで繰り返される。
最小値を通過した後は、ステツプC10におい
て、NOルートをとるようになりステツプC11が
実行されて、調整位相φがΔφ減少され、最小値
の直前の位相φ=φo+1−Δφに調整位相φが決定
されるようになつている。
一方、ステツプC7において、検出加速度Gが
増加したと判断された場合には、ステツプC12に
おいて、調整位相φが減少され、加振機2を作動
させる。
そして、ステツプC13において、検出加速度G
が減少したと判断された場合には、調整位相φを
Δφずつ減少させて加振機2を作動させる過程が
繰り返され、ステツプC14〜C17により検出加速
度Gが最小になるように位相φが調整されて、そ
の最小値の直前の位相φ=φo+1+Δφに調整位相
φが決定される。
また、ステツプC7,C13において検出加速度G
が変化しないと判断された場合には、ステツプ
C18が実行されて、調整位相φ=φ1+Δφに決定
されるようになつている。
このようにして決定された調整位相φを保持し
ながら、ゲインコントロール部6において、加振
機2の加振力の振幅が調整される。
まず、ステツプC19において、ゲインFをF1
ΔFに調整して、nを初期値1にセツトして、加
振機2を作動させ、検出加速度Gが減つたかどう
かがステツプC20において判断される。
ステツプ20Cにおいて、減つたと判断された場
合には、ステツプC21,C22,C23が繰り返し実
行され、検出加速度Gが最小になるゲインFを通
過するまでゲインFをΔFずつ増加させて加振機
2を作動させることが行なわれる。
検出加速度Gが最小になるゲインFを通過した
場合には、加振機2のゲインが最小になるゲイン
の直前のゲインF(=Fo+1−ΔF)に決定される。
また、ステツプC20において、検出加速度Gが
増えたと判断された場合には、ステツプC25にお
いて、ゲインFをΔF減少させて加振機2を作動
させる。
そして、ステツプC26において、検出加速度G
が減少したと判断された場合には、ステツプ
C27,C28,C29が繰り返し実行され、検出加速
度Gが最小になるゲインFを通過するまで、ゲイ
ンFをΔFずつ増加させて、加振機2を作動させ
ることが行なわれる。
検出加速度Gが最小になるゲインFを通過した
場合には、加振機2のゲインが、最小になるゲイ
ンの直前のゲインF(=Fo+1+ΔF)に決定され
る。
そして、ステツプC20,C26において検出加速
度Gが増減しないと判断された場合には、ステツ
プC31が実行され、ゲインF=F1に決定される。
調整位相φおよびゲインFが決定された後に
は、再びステツプC1からの過程が実行され、調
整位相φおよびゲインFが、加速度センサ13の
検出加速度Gを最小に保つように調整されなが
ら、加振機2が作動するようになつている。
なお、上述のコントローラ8、位相制御部5お
よびゲインコントロール部6は、同一の機能を有
するハード機構で構成してもよい。
加振機2およびホールド機構11は、第1実施
例と同様に構成されている。
本考案の第2実施例としての車体振動低減装置
は上述のごとく構成されているので、車両のアイ
ドル運転時には、車体BにエンジンEのトルク変
動による起振力が作用する。
この場合において、第29,30図に示すよう
に構成された車体振動低減装置が作動する。
すなわち、コントローラ8に入力される車速セ
ンサ9およびエンジン回転数センサ10の検出信
号にもとづき、第30図に示すステツプC1,C2
が実行されて、車速Vが設定車速V0以下であり、
エンジン回転数Nが一定の範囲にある場合(V0
N1,N2は車速がなくエンジンEのみが回転して
いるアイドル運転状態に適合するように設定され
ている。)であるかどうかが判断され、条件に適
合する場合には、ステツプC3が実行され、車速
Vおよびエンジン回転数Nに応じたマツプが選択
される。
ついで、ステツプC4において、マツプにより
調整位相φおよびゲインFの初期値φ1,F1が決
定され、位相制御部5およびゲインコントロール
部6に伝達される。
そして、調整位相φ1およびゲインF1に応じた
加振信号としてのSIN波eが第1実施例と同様に
して加振機2に入力され、加振機2が作動され
る。
これにより、第1実施例と同様にして調整位相
φ1およびゲインF1に応じ車体Bの振動が低減さ
れる。
ついで、ステツプC6以下が実行され、車体B
の振動を示す加速度センサ13の検出加速度Gを
フイードバツクさせながら調整位相φ1およびゲ
インF1を増減させて、調整位相φおよびゲイン
Fが車体Bの振動を最小にするように決定され
る。
そして、ゲインFが決定されて加振機2が作動
された後には、ステツプC1からの過程が繰り返
し実行され、時間とともに変化する加速度センサ
13の検出加速度Gを最小にするように、加振機
2が駆動されて、車体Bの振動が常時低減され
る。
以上詳述したように、本考案の車体振動低減装
置によれば、次のような効果ないし利点が得られ
る。
(1) ラジエータに加振機が装着され、同ラジエー
タが可撓性部材を介して車体に装着されている
ので、加振機はラジエータに宙吊り状態で装着
されることになり、加振機がラジエータの重量
を受け持つ必要がなくなり、加振機を小型化す
ることができ、また、加振機の設計上の自由度
も極めて高い。
(2) ラジエータが加振機によつて振動する質量の
一部となるので、車体重量を増加させることな
く、大きな加振力を得ることができる。
(3) 簡素な構成で車体の振動を効率よく低減する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1〜20図は本考案の第1実施例としての車
体振動低減装置を示すもので、第1図はその取付
状態を模式的に示す車両の縦断面図、第2図はそ
の全体構成を示すブロツク図、第3図はその制御
プロセスを示すフローチヤート、第4図はそのホ
ールド機構付き加振機を示す縦断面図、第5〜1
1図はいずれもその加振機の形状を変形した例を
示す模式図、第12〜14図はいずれもその加振
機の防水構造を示す模式図、第15〜22図はい
ずれもその加振機の取付状態を示す模式図、第2
3〜27図はいずれもその加振機の取付位置を示
す模式図、第28図はその特性を示すグラフであ
り、第29,30図は本考案の第2実施例として
の車体振動低減装置を示すもので、第29図はそ
のブロツク図、第30図はその制御プロセスを示
すフローチヤートである。 1……ボデイフレーム、1a……クロスメンバ
ー、2……加振機、3……波形整形部、4……
SIN波発生部、5……位相制御部、6……ゲイン
コントロール部、7……アンプ、8……コントロ
ーラ、9……車速センサ、10……エンジン回転
数センサ、11……ホールド機構、12……車速
コントロール部、13……加速度センサ、21…
…ベース、22……摺動軸、23……マス、23
a……円筒状空間部、23b……ロツクピン係合
孔、23d……駆動軸、24……ハウジング、2
4a……ハウジングの底部、24b……ハウジン
グの下端、25a,25b……スプリング、26
……駆動コイル、27……永久磁石、28……接
続コード、29……ロツクピン、29a……ロツ
クピンの駆動機構、47……防水性ブーツ、48
……ゴムパツキン、49……ジヤバラ、50……
オイル、51……ネジ、63……可撓部材、64
……ラジエータ、64a……切り欠き部、65…
…ラジエータ支持メンバー、66……サスペンダ
ー、67……連結部材、68……アツパーフレー
ム、B……車体、E……エンジン、M……マイコ
ン、a……イグニツシヨンパルス、b……矩形
波、c,d,d′,e……SIN波。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 車体の振動を相殺するための加振機と、同加振
    機へ加振信号を供給する信号源と、上記加振機に
    上記車体の振動に対して逆位相の振動を発生せし
    めるべく上記加振信号の位相を制御する位相制御
    手段とをそなえてなるものにおいて、上記加振機
    をラジエータに装着するとともに、同ラジエータ
    を可撓性部材を介して車体に装着したことを特徴
    とする、車体振動低減装置。
JP18114683U 1983-11-24 1983-11-24 車体振動低減装置 Granted JPS6088141U (ja)

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