JPH02180940A - 多孔質熱可塑性樹脂架橋体 - Google Patents

多孔質熱可塑性樹脂架橋体

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JPH02180940A
JPH02180940A JP33549288A JP33549288A JPH02180940A JP H02180940 A JPH02180940 A JP H02180940A JP 33549288 A JP33549288 A JP 33549288A JP 33549288 A JP33549288 A JP 33549288A JP H02180940 A JPH02180940 A JP H02180940A
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thermoplastic resin
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crosslinked
porous
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JP33549288A
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Atsushi Kato
淳 加藤
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は多孔質熱可塑性樹脂架橋体に関し、さらに詳し
くは電池用セパレータ、電解コンデンサ用隔膜、衣料用
膜、医療用膜をはじめ、各種フィルタ等に利用される有
用な多孔質熱可塑性樹脂架橋体に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕近年、
合成高分子を用いた多孔質架橋体からなる分離膜等が、
電気化学分野、衣料分野、廃水処理分野等で広(利用さ
れるようになり、孔径の制御が容易で、より実用的な多
孔質(膜)体の開発が強く望まれている。
従来、・多孔質熱可塑性樹脂架橋体の製造方法としては
、多孔質熱可塑性樹脂に放射線、を子線。
可視領域あるいは遠紫外領域の光線を照射する方法(特
開昭61−125409号、同第61−120602号
、同第56−135525号公報等)があるが、多孔質
体の後処理として架橋を行うため、前段階で調製された
孔がつぶれたり、不均一な反応により孔径制御も制約さ
れるという問題がある。
また、スチレン系単量体の混合物を乳化剤等の存在下で
前架橋した後、本架橋してスチレン系重合体を製造する
方法(特開昭62−227901号公報)等も知られて
いるが、粒子間の接着が悪いため、脆く、広い範囲にわ
たって孔径を制御することができないという欠点があっ
た。
さらに、結晶性の熱可塑性樹脂と充分な量の核剤(通常
のポリオレフィン用核剤)及び樹脂の結晶化温度以下で
相分離を起こす配合剤とを溶融ブレンドして成形した後
、−軸以上の延伸及び熱処理を施すことによって多孔質
材料を製造することが知られている(特開昭63−16
1035号公報)。しかし、この方法で得られる多孔質
材料については、膜強度が充分に高くならないこと及び
孔径制御が困難であるという欠点がある。
そこで、本発明者は、前記の従来技術の欠点を解消し、
孔径の制御を容易に行うことができ、孔径分布が狭く、
空隙率が高く、かつ適当な強度を有する多孔質熱可塑性
樹脂架橋体を開発すべく、鋭意研究を重ねた。
〔課題を解決するための手段〕
その結果、熱可塑性樹脂の有機溶剤溶液中で、微結晶あ
るいは球晶を析出させ、これらの粒子間の架橋・融着を
行うことにより、架橋及び付加反応と同時に多孔質化が
進行すると共に、有機溶剤の種類、原料ポリマーの分子
量、溶液中のポリマー濃度、架橋剤と架橋助剤の種類並
びにそれらの添加量、そして反応及び熱処理温度により
広い範囲で孔径サイズを選択できる結果、孔径分布が狭
く強度や熱特゛性の優れた架橋熱可塑性樹脂多孔質体が
得られることを見出した9本発明は、かかる知見に基い
て完成したものである。
すなわち本発明は、粒子の平均長径(熱可塑性樹脂の微
結晶あるいは球晶の最長径の平均値)が0.05〜20
0μで、Cパラメーター(粒子群の数平均長径と粒子群
の数平均短径の比)が1〜4で、bパラメーター(粒子
群の線平均長径と粒子群の数平均長径の比)が1〜4で
、Cパラメーター(空孔率)が30〜95容量%で、C
パラメーター(多孔質体の平均孔直径と粒子群の数平均
長径の比)が0.05〜5で、付加率(多孔質体に架橋
・付加した不飽和化合物の量)が0.01ppm〜40
%であることを特徴とする多孔質熱可塑性樹脂架橋体を
提供するものである。
本発明の原料となる熱可塑性樹脂としては、様々なもの
を挙げることができる。例えば、ポリエチレン(高密度
、中密度、低密度あるいは線状低密度)、ポリプロピレ
ン(アイソタクチック、シンジオタクチックあるいはブ
ロック共重合体、ランダム共重合体)、ポリブテン、ポ
リ4−メチル−ペンテン−1,エチレン−プロピレンゴ
ム2ポリスチレン(アイソタクチック、シンジオタクチ
ック)、これらのカルボンM変性物、さらに前記重合体
のブレンド物、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステ
ル、不飽和ポリエステル、脂肪族ナイロン、芳香族ナイ
ロン、塩化ビニルなどのビニル系ポリマー、脂肪族ポリ
カーボネート、芳香族ポリカーボネート、ポリフェニレ
ンサルファイドなどがある。熱可塑性樹脂の分子量は、
状況に応じて適宜選定すればよく、特に限定されないが
、好ましくは分子量が1万以上であれば、自己支持性の
良好な多孔質膜、フィルム等の多孔質熱可塑性樹脂架橋
体が得られる。
ここで、微結晶あるいは球晶のサイズ及びサイズ分布を
規定するパラメーターとして、次の二つの粒子パラメー
ターを定義する。
Cパラメーター =(粒子群の数平均長径)/(粒子群の数平均短径)な
お、粒子長径り、の粒子群の粒子個数をN。
とすると、 粒子平均長径=(ΣN1Di)/(ΣN、)同様に粒子
短径di、粒子個数をnlとすると粒子平均短径=(Σ
n i dt)/(Σrhi)となる。
bパラメーター −(粒子群の線平均長径)/(粒子群の数平均長径)な
お、粒子群の線平均長径−(Σ犯Di”)/(ΣN1D
i)上記の定義から明らかなとおり、Cパラメーターは
粒子の二次元形状パラメーターである。すなわち、aが
1に近い程、粒子断面積は円に近(、したがって三次元
的には、粒子が球に近くなる。
また、bパラメーターは、粒子の分布パラメーターであ
る。すなわち、bが1に近い程、粒子径サイズの分布が
狭(なる。
a、bは、多孔質熱可塑性樹脂架橋体の光学又は電子顕
微鏡写真の画像解析(統計処理)によって得られる。
次に、粒子の充填状態を規定する二つのパラメーターを
定義する。
Cパラメーター:空孔率 =100 (V−(M/ρ)〕/V なお、Mは架橋体の重量、ρは架橋体の真密度、■は架
橋体の見掛けの体積を示す。
Cパラメーター −(多孔質体の平均孔直径)/(粒子群の数平均長径)
Cパラメーターは、文字通り、多孔質体中に含まれる全
空孔体積の割合を表わすもの(すなわち、空孔率)で気
体吸着量、水銀圧大量、溶剤含浸量あるいは嵩密度測定
により求められる。
また、Cパラメーターは、二次元的な粒子の充填構造を
規定するものである。第1図に典型的な二次元粒子充填
構造を示す。第1図Aは粒子の緩い充填構造、第1図B
は粒子の緻密な充填構造を示すもので、Cパラメーター
の値は、それぞれ0.41.0.15となる。なお、C
パラメーターは、光学あるいは電子顕微鏡写真の解析デ
ータ及び水銀圧入あるいは気体吸着あるいは溶剤含浸量
の測定データから算出される。
付加率=(多孔質体に付加・架橋した架橋助剤の重量)
/(未反応原料熱可塑性樹脂の重量)多孔質体に付加・
架橋した架橋助剤量を求めるには、直接、反応後の樹脂
を秤量するのが望ましいが、この量が微量である場合に
は、架橋助剤の有する官能基を赤外線(IR)吸収スペ
クトル。
同位体炭素による核磁気共鳴(”C−NMR)スペクト
ルによって同定・定量した。例えば、ジアリルフタレー
トのIR,I3C−NMRにおける使用ピークには、次
のものがあげられる。
IR吸収スペクトル −C−0−ピーク位置 1720CI11−’”C−N
MRスペクトル 0CH2ピーク位置 66.2 ppm=CHt   
ピーク位置118.3ppm本発明の多孔質熱可塑性樹
脂架橋体においては、粒子の平均長径が0.05〜20
0μであることを必要とする。これが0.05μ未満で
あると、粒子同士の架橋・融着が起こりやすい。そのた
め、Cパラメーター及びbパラメーターが比較的大きく
なる。すなわち、孔径の非常に不均一な多孔質体となる
。また粒子同士の架橋・融着は、粒子充填構造を損なう
ため、Cパラメーター、Cパラメーターを減少させてし
まう。したがって、初期透過水量が非常に小さくなり、
好ましくない。また、粒子の平均長径が200μを超え
ると、これらの粒子を成長させるのに長時間を要し、架
橋・付加反応により粒子内に多くの欠陥を含むことにな
り、膜特性を損なう結果を招き、100μ以下の薄膜の
製造が不可能となるという不都合がある。
Cパラメーターは、1〜4であることを必要とする。C
パラメーターの定義により、aが1より小さくなること
はあり得ない。Cパラメーターが4より大きくなると、
均一な形状の粒子が得られないため、均一な孔径及び孔
径分布を持つ多孔質体が得られず、複雑な粒子凝集構造
を形成するので、膜特性が部分的に異なるようになり、
好ましくない。
本発明の多孔質熱可塑性樹脂架橋体は、さらに1〜4の
bパラメーターを有するものである。bパラメーターの
定義により、bが1より小さくなることはあり得ない。
bパラメーターが4より太き(なると、均一なサイズの
粒子が得られないため、孔径分布の狭い多孔質体が得ら
れず、粒子凝集構造が緻密になり、孔径サイズ、空孔率
が減少し、したがって初期透過水量が減少し、好ましく
ない。また、部分的に不均一な粒子′Q集槽構造なり、
好ましくない。
本発明の多孔質熱可塑性樹脂架橋体のCパラメーターは
、30〜95容量%であることを必要とする。Cパラメ
ーターが30容量%未満であると、初期透過水量が少な
くなり、実用的に不都合であリ、95容量%を超えると
、粒子の凝集構造が部分的に極度に不均一になり、多孔
質体の力学的特性が低下するという不都合を生じる。
さらに、dパラメーターは0.05〜5であることを必
要とする。dパラメーターが0.05より小さいと、粒
子間の架橋・融着により孔が閉鎖されてしまい、また、
空孔率の低下を招き、初期透過水量が減少するので、好
ましくない。dパラメーターが5より大きいと、孔径サ
イズ及び孔径分布が不均一となり、濾過材などの用途に
は不適当となり、さらに、粒子間の接触が少なくなるの
で、力学強度が低下するという不都合もある。
多孔質体を二軸延伸すると、c、dパラメーターが大き
くなると共に初期透過水量が増大する。
したがって、予め粒子径の小さい多孔質熱可塑性樹脂架
橋体を作っておき、これを延伸処理することによりC値
を増大させることができる。逆に、多孔質体を圧延する
ことによりC値を低下させ、力学特性を向上させること
もできる。しかしながら、過度の延伸処理を行うと、多
孔質体が不均一な構造となり、力学特性が低下してしま
い、また、過度の圧延処理を行うと、粒子間の圧着が生
じ、多孔質体としての特性を失ってしまう。
また、本発明の多孔質熱可塑性樹脂架橋体において、付
加率はQ、01ppn+〜40%であることを必要とす
る。付加率が0.01ppIIi未満であると、粒子間
の架橋・融着が少ないため、力学強度が低く、実用に適
さない。付加率が40%より高い場合には、粒子間間隙
で反応が進行するため、孔が閉鎖されてしまい、不飽和
化合物の極度の架橋・付加のため、ポリマーが変質した
り、結晶化度が低下するので、力学特性に悪い影響を与
え、好ましくない。
本発明の多孔質熱可塑性樹脂架橋体を製造するには、有
機溶剤を用いて熱可塑性樹脂の溶液を調製する。ここで
使用しうる有機溶剤は、熱可塑性樹脂の融点(あるいは
軟化点)またはそれ以上の沸点を有し、かつ熱可塑性樹
脂を室温以上の温度で溶解しうる溶剤であれば、様々な
ものがあげられる。有機溶剤の具体例としては、例えば
テトラリン、デカリン等の脂環式炭化水素、ベンゼン。
トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼ
ン、ナフタリン、ビフェニル、ジフェニルメタン等の芳
香族炭化水素あるいはクロロベンゼン、ジクロロベンゼ
ン、クロロナフタリン等のハロゲン化芳香族炭化水素が
あげられる。
熱可塑性樹脂を有機溶剤に溶解するには、一般に室温以
上の温度に設定するが、この温度は使用する熱可塑性樹
脂の種類により適宜定めればよい。
例えばアイソタクチックポリプロピレンや線状低密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレンの場合には、100″
C以上に加熱して溶解させ、シンジオタクチックポリス
チレンの場合には、120 ’C以上の温度で溶解させ
ることができる。
熱可塑性樹脂の濃度については、特に制限はないが通常
は1〜95重量%、好ましくは4〜80重量%である。
熱可塑性樹脂の含有量が1重量%未満では、架橋反応に
要する架橋剤の量が重合体の2倍以上になるので、経済
的でないばかりでなく、重合体濃度が薄すぎて、適当な
厚さの膜や所望する形状の成形体を製造することができ
なくなる。また、熱可塑性樹脂の含有量が95重量%を
超えると、微結晶あるいは球晶の析出及び粒子間の架橋
が充分に進行せず、満足な特性を持つ多孔質熱可塑性樹
脂架橋体が得られないという不都合が生ずる。
このような熱可塑性樹脂の有機溶剤溶液に架橋剤を添加
して架橋反応を行う。ここで使用しうる架橋剤は、熱分
解や光分解によりラジカル開始種を放出するよ・うな化
合物であればよく、各種のものがあげられ、熱可塑性樹
脂の種類により適宜選定すればよい0例えば、ヒドロペ
ルオキシド系化合物、ジアルキルペルオキシド系化合物
、ジアシルヘルオキシド系化合物、ペルオキシエステル
系化合物、ケトンペルオキシド系化合物、アゾ系化合物
等の一般的な架橋剤を用いることができる。
特に、高密度、中密度、低密度および線状低密度ポリエ
チレン、アイソタクチックポリプロピレン等の半結晶性
熱可塑性樹脂に対しては、10時間半減期温度が100
°C以上のものが好ましい。この10時間半減期温度が
100°C以上の架橋剤としては、ヒドロペルオキシド
系化合物、ジアルキルペルオキシド系化合物、ペルオキ
シエステル系化合物、ケトンペルオキシド系化合物等が
あげられる。
上記のような架橋剤のうち、例えば、t−ブチルヒドロ
ペルオキシド;クメンヒドロペルオキシド;ジ−イソプ
ロピルベンゼンヒドロベルオキシF;p−1ンタンヒド
ロベルオキシド;2,5−ジメチル2.5−ジヒドロペ
ルオキシヘキサン−3;ピネンヒドロペルオキシド等の
ヒドロペルオキシド系化合物、ジーし一ブチルペルオキ
シド;ジーも一アミルペルオキシド;L−ブチルクミル
ペルオキシド;ジクミルペルオキシド;2,5ジメチル
2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン;2,5
−ジメチル2,5−ジ(L−ブチルペルオキシ)ヘキサ
ン−(3);α、α −ビス(4−ブチルペルオキシ)
ジイソプロピルベンゼン;1.1−ビス(1−ブチルペ
ルオキシ)3゜35−トリメチルシクロヘキサン;n−
ブチル4.4−ビス(1−ブチルペルオキシ)バレレー
ト;2,2−ビス(4,4−ジーし一ブチルペルオキシ
シクロヘキシル)プロパン;2,2−ビス(t−ブチル
ペルオキシ)ブタン;1,1−ジー(L−ブチルペルオ
キシ)シクロヘキサン等のジアルキルペルオキシド系化
合物、過酸化カプリリド;過酸化ラウロイル;過酸化ス
テアロイル;コハク酸ペルオキシド;過酸化ベンヅイル
;過酸化p−クロロベンゾイル;過酸化2,4−ジクロ
ロベンゾイル等のジアシルペルオキシド系化合物t−ブ
チルペルオキシアセテート;L−ブチルペルオキシ2−
エチルヘキサノエート;t−ブチルペルオキシラウレー
ト;L−ブチルペルオキシベンゾエート;ジ−t−ブチ
ルジベルオキシフタレ−);2+5−ジメチル2.5−
ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン;2.5−ジメチ
ル2.5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン−3:
L−ブチルペルオキシマレイン酸;t−ブチルペルオキ
シイソプロビルカーボネート等のペルオキシエステル系
化合物、メチルエチルケトンペルオキシド;メチルイソ
ブチルケトンペルオキシド;シクロヘキサノンペルオキ
シド等のケトンペルオキシド系化合物、アゾ−ビス(イ
ソブチロニトリル)等のアゾ系化合物が好ましい。
架橋剤は、通常は熱可塑性樹脂溶液中に0.1〜60重
量%、好ましくは0.2〜40重量%の濃度で使用する
。架橋剤の量は、あまり少ないと、架橋効果が不充分と
なり、逆にあまり多すぎると、得られる架橋6体の物性
が低下すると共に細孔が閉鎖されるおそれがある。
架橋を行う際に、架橋剤の他にさらに架橋助剤を添加し
てもよい。ここで架橋助剤としては、具体的には例えば
P−キノンジオキシム;p、p−ジベンゾイルキノンジ
オキシム等のキノンジオキシム系化合物、ラウリルメタ
クリレート;エチレングリコールメタクリレート;トリ
エチレングリコールジメタクリレート;テトラエチレン
グリコールジメタクリレート;ポリエチレングリコール
ジメタクリレート等のメタクリレート系化合物、ジアリ
ルフマレート;ジアリルフタレート;テトラアリルオキ
シエタン;トリアリルシアヌレート等のアリル系化合物
、マレイミド;フェニルマレイミド;N、N  −m−
フェニレンビスマレイミド等のマレイミド系化合物、ア
クリル酸:メタクリル酸;コハク酸:マレイン酸;イタ
コン酸等の不飽和カルボン酸および酸無水物、ジビニル
ベンゼン;ビニルトルエン;スチレン;メタクリル酸メ
チル;酢酸ビニル等のビニル系化合物、ジシクロペンタ
ジェン;l、2−ポリブタジェン等のジエン系化合物等
が好ましい。
また、架橋助剤は0.05〜60重量%、好ましくは0
.2〜50重量%添加される。この架橋助剤は必ずしも
必要としないが、使用することにより、前記架橋剤の使
用量を低減することができると同時に、架橋反応を効率
よく進行させることができ、官能基の導入も可能となる
さらに、架橋反応をより低温条件でまたは短時間で行い
たい場合には、架橋促進剤を熱可塑性樹脂溶液中に30
重量%以下の割合で添加することができる。架橋促進剤
としては、ピリジン、アニリン等の芳香族アミン系化合
物、トリブチルアミン、ヒドラジン、ヘキサメチレンジ
アミン等の脂肪族アミン化合物、ジメチルホルムアミド
等のアミド化合物が挙げられる。架橋促進剤の量があま
り多いと、架橋が必要以上に早期に行われ、望ましくな
い。
さらに、得られる架橋成形体である膜やフィルムに機能
性を付与するために、酸化チタン、炭酸カルシウム、塩
化カルシウム、珪酸等の無機微粉末充填剤を熱可塑性樹
脂100重量部に対して200重量部以下の割合で混合
してもよい。
上記のような架橋剤および各種の添加剤を添加した熱可
塑性樹脂溶液を架橋反応させて所望の架橋体を得る。こ
の場合、上記の熱可塑性樹脂溶液を適当な型で成形し、
引き続いて加熱下に、場合によっては送風(不活性ガス
あるいは空気)するか又は減圧にして有機溶剤を蒸発さ
せながら球晶あるいは微結晶を析出させると共に、これ
ら粒子間の架橋・融着により多孔質熱可塑性樹脂架橋体
を得る。
例えば、アイソタクチックポリプロピレンや線状低密度
ポリエチレン、高密度ポリエチレンの場合には、ポリマ
ー、有機溶剤、架橋剤、架橋助剤等の混合及び前架橋反
応を60〜300°Cの温度、好ましくは100〜20
0″Cの温度で1分〜1時間行う。この段階でポリマー
溶液は均一であり、適度な流動性を呈する。この際、任
意の温度で架橋剤等を再添加してポリマー溶液を再調製
してもよい。
平膜あるいはフィルムを製造する場合に行う製膜は、前
架橋後のまだ熱い溶液を支持体上に均一に塗布すること
によって行われる。塗布は、ブレードを用いたスリップ
キャスティング法等によって行うのが好ましい。
支持体としては、例えばマイラーフィルム、テフロンフ
ィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、セルロ
ースフィルム等のプラスチックフィルムあるいはシート
、またはアルミニウム、ステンレススチール等の金属板
、ガラス板、織布。
不繊布等があげられるが、熱可塑性樹脂を溶解する溶剤
に不溶で、表面が平滑であり、製膜後、多孔質熱可塑性
樹脂架橋体を容易に剥離できるものが好ましい。
この熱可塑性樹脂前架橋溶液を塗布した支持体を、次に
、60〜300°C以上の温度で1〜60分加熱して、
有機溶剤の蒸発1球晶あるいは微結晶の析出及びこれら
の粒子の架橋・融着を行う。
特に、大きな球晶を析出させる場合には、−旦、室温付
近までポリマー溶液を冷却した後、昇温させて球晶間を
架橋・融着させることもできる。
最終的には、条件により架橋剤のポリマーへの反応量を
示す付加率が0.01ppm〜40%、好ましくは0.
1 ppm−20%である多孔質熱可塑性樹脂架橋体が
得られる。
微結晶あるいは球晶などの粒子間を架橋させる方法とし
て、電子線照射を使用することができる。
この場合、電子線照射を適当な雰囲気、温度下で電子線
加速電圧100kV〜5 kV、電子線照射量0、01
〜50Mrad以上、好ましくは5 Mrad以上で行
うのが望ましい。この電子線照射により、短時間(約1
0分以内)で架橋・付加反応を終了でき、粒子間に架橋
・融着を起こすことができ、高い空孔率を有すると共に
孔径分布が狭い多孔質体が得られ、その膜特性も優れて
いる。
本架橋後、支持体から多孔質体を剥離させることによっ
て目的物が得られるが、さらに、得られた多孔質体を二
本ロールによって加熱圧延処理したり、−軸以上の延伸
処理を施すことができる。
この場合、加熱圧延あるいは延伸処理は、空孔率の増減
、孔径及び孔径分布の制御のために行う。
特に、延伸処理によって微小粒子径をほぼ維持したまま
で空孔率を非常に増大させることが可能となる。
また、膜を特に医療用材料として用いる場合には、膜中
に残留する微量の有機溶剤を低沸点有機溶剤、例えばエ
ーテル、メタノール、アセトン。
シクロヘキサンなどによって抽出するのが好ましい。
以上のようにして得られる多孔質熱可塑性樹脂架橋体は
、微結晶あるいは球晶の架橋凝集体であリ、これらの粒
子の間隙が多孔質体の孔として作用するものである。
〔実施例〕
次に、実施例及び比較例により本発明をさらに詳しく説
明する。
なお、以下において使用する記号は、それぞれ下記のも
のを意味する。
重合体 PP−1:プロピレン単独重合体(アイソタクチックホ
モポリマー、数平均分子量=iiooo。
メルトインデックス(M I)=0.6 g/ 10分
密度ρ=0.90g/cイ) PP−2:プロピレン単独重合体(アイソタクチックホ
モポリマー、数平均分子量=260000MI=0.5
g/10分、密度ρ−0.90g/cffl)HD P
 E i高密度ポリエチレン(ホモポリマー数平均分子
量=140000.MI=1g/10分、密度ρ=0.
965 g/c4) LLDPE :中密度ポリエチレン〔エチレン−ブテン
−1共重合体(分岐度5/100OC)。
数平均分子量=30000.MI=20g/10分、密
度ρ=0.92dl 架橋剤 DCP ニジクミルペルオキシド CI(P :クメンヒドロベルオキシドBPo:過酸化
ベンゾイル 架橋助剤 DAPニジアリルフタレート DVB ニジビニルベンゼン MA :無°水マレイン酸 実施例1 プロピレン単独重合体pp−iを7重量%及びジアリル
フタレート3重量%をキシレン87重量%に120°C
で均一に溶解し、次にDCP3重世%を加え、窒素雰囲
気下に120〜130°Cで5分攪拌し、この溶液を熱
いうちにマイラーフィルム上にスリップキャスティング
法により均一に塗布した。
次いで、この重合体溶液を塗布したマイラーフィルムを
窒素気流中で125℃で30分間熱処理して白色の多孔
質熱可塑性樹脂架橋体を得た。この架橋体の走査型電子
顕微鏡写真を第2図に、細孔分布を第3図にそれぞれ示
す。
この多孔質体の平均孔径及び空孔率を水銀圧入法により
求めたところ、平均孔径は0.23μ、空孔率は58%
であった。
使用した原料9条件、得られた多孔質体の各種のパラメ
ーター及び膜特性を第1表に示す。
なお、初期透過水量は、厚さlOOμの多孔質熱可塑性
樹脂架橋体膜の片側から圧力1 kg/cJで純水を加
圧し、1分間当たり膜を通過する水量(容積)である。
また、破断強度は、短冊型に切り出した多孔質熱可塑性
樹脂架橋体試験片(縦40皿、横5nm+。
厚さ100μ)を23°C110mm/分で一軸定速延
伸した時に、試験片が破断する応力値である。
実施例2〜10及び比較例1〜5 原料及び条件を第1表に示したように変えた以外は、実
施例1と同様にして多孔質熱可塑性樹脂架橋体を得た。
その各種のパラメーター及び膜特性を第1表に示す。
なお、実施例3で得られた多孔質熱可塑性樹脂架橋体の
走査型電子顕微鏡写真を第4図に示す。
実施例11 プロピレン単独重合体PP−1を7重量%及びジアリル
フタレート6重量%をトルエン87重量%に120°C
で均一に溶解し、攪拌・放冷して室温状態でポリマー溶
液(ゾル状態)を得た。この溶液をマイラーフィルム上
でスリップキャスティングし、次いで窒素気流中で23
°Cで電子線照射(照射量30 Mrad)を施し、白
色の多孔質熱可塑性樹脂架橋体を得た。その平均孔径は
45μで、空孔率は49%であった。
使用した原料2条件、得られた多孔質体の各種のパラメ
ーター及び膜特性を第2表に示す。
実施例12 原料及び条件を第2表に示したように変えた以外は、実
施例11と同様にして多孔質熱可塑性樹脂架橋体を得た
。その各種のパラメーター及び膜特性を第2表に示す。
実施例13 実施例1で作製した多孔質ポリプロピレン架橋体を窒素
雰囲気下、140°Cで二軸延伸(縦5%、横5%)し
た後、140°Cで5分間アニールし、室温まで冷却し
た。得られた多孔質ポリオレフィン架橋体の平均孔径は
1.7μで、空孔率は83%であった。
使用した原料2条件、得られた多孔質体の各種のパラメ
ーター及び膜特性を第3表に示す。
実施例14 原料及び条件を第3表に示したように変えた以外は、実
施例13と同様にして多孔質熱可塑性樹脂架橋体を得た
。その各種のパラメーター及び膜特性を第3表に示す。
実施例15 実施例1で作製した多孔質ポリプロピレン架橋体を窒素
雰囲気下、130°C110kg/cn!の圧力で5分
間加熱プレスした。得られた多孔質ポリオレフィン架橋
体の平均孔径は0.1μで、空孔率は42%であった。
比較例6及び7 原料及び条件を第3表に示したように変えた以外は、実
施例13と同様にして多孔質熱可塑性樹脂架橋体を得た
。その各種のパラメーター及び膜特性を第3表に示す。
(以下余白) 〔発明の効果〕 本発明の多孔質熱可塑性樹脂架橋体は、微結晶あるいは
球晶の粒子間間隙が孔として作用するので、孔径分布の
極めて狭い、したがって粒子構造が極めて均一な多孔質
体であり、粒子間を架橋・融着させているため、適当な
強度を存し、また、粒子が結晶性であるため、熱特性の
優れた多孔質体となっている。
本発明の多孔質体を製造する際に、微結晶あるいは球晶
の粒子径サイズを調整することにより広範囲にわたって
孔径を選択でき、微結晶あるいは球晶の充填状態を変化
させることにより、広範囲にわたって空孔率を変化させ
ることができる。さらに、架橋助剤を適切に選択すると
、粒子表面に官能基を導入することができる。
したがって、本発明は電池用セパレータ、電解コンデン
サ用隔膜、衣料用膜、医療用膜、各種フィルター等に有
効な利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
第1図Aは粒子の緩い充填構造を示す説明図、第1図B
は粒子の緻密な充填構造を示す説明図、第2図は実施例
1で得られた多孔質熱可塑性樹脂架橋体の走査型電子顕
微鏡写真(倍率10000倍)、第3図は実施例1で得
られた多孔質熱可塑性樹脂架橋体の細孔分布曲線図(■
は容積、Dは細孔径)、第4図は実施例3で得られた多
孔質熱可塑性樹脂架橋体の走査型電子顕微鏡写真(倍率
1000倍)である。 代理人 弁理士  大 谷   保 第 図A 第 図8 第 図 2にンび 弔 図

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)粒子の平均長径(熱可塑性樹脂の微結晶あるいは
    球晶の最長径の平均値)が0.05〜200μで、aパ
    ラメーター(粒子群の数平均長径と粒子群の数平均短径
    の比)が1〜4で、bパラメーター(粒子群の線平均長
    径と粒子群の数平均長径の比)が1〜4で、cパラメー
    ター(空孔率)が30〜95容量%で、dパラメーター
    (多孔質体の平均孔直径と粒子群の数平均長径の比)が
    0.05〜5で、付加率(多孔質体に架橋・付加した不
    飽和化合物の量)が0.01ppm〜40%であること
    を特徴とする多孔質熱可塑性樹脂架橋体。
  2. (2)微結晶あるいは球晶の粒子間間隙を孔として利用
    する請求項1記載の多孔質熱可塑性樹脂架橋体。
JP33549288A 1988-12-29 1988-12-29 多孔質熱可塑性樹脂架橋体 Pending JPH02180940A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998054244A1 (fr) * 1997-05-26 1998-12-03 Jsp Corporation Particules expansees de resines de polyester aliphatique reticulees, procede de fabrication associe et moulages expanses obtenus avec lesdites particules

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998054244A1 (fr) * 1997-05-26 1998-12-03 Jsp Corporation Particules expansees de resines de polyester aliphatique reticulees, procede de fabrication associe et moulages expanses obtenus avec lesdites particules

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