JPH0218033Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、リールに巻かれた線条材料の繰出
しを案内する案内装置に関するものである。

［従来の技術］ 第４図は、従来の案内装置を用いた繰出し状態
を示す側面図である。案内装置１は、案内ホイー
ル２および支持部材３から構成されており、該案
内ホイール２は該支持部材３によつて回転可能に
支持されている。該案内ホイール２の円周上に
は、Ｖ字形の溝２ａが設けられており、サプライ
リール４に巻かれた線条材料５は、該溝２ａに沿
いながら繰出される。繰出しとともに案内ホイー
ル２が回転し、該線条材料５は所定の方向へ案内
される。

第３図は、同じく従来の案内装置を用いた繰出
し状態を示す正面図である。線条材料５は、サプ
ライリール４の幅全体に巻かれている。したがつ
て、第３図に示すように、該線条材料５の繰出し
角度は、サプライリール４の両端で最大となつ
て、繰出し中、角度θ分変化することになる。こ
のように繰出し中に、繰出し角度が変化しても、
線条材料５を溝２ａにとらえることができるよ
う、従来、溝２ａをＶ字形の形状にしている。

［考案が解決しようとする問題点］ 第５図は、案内ホイールの溝に対する線条材料
のかかり状態を示す正面図であり、第６図は、同
じく案内ホイールの溝に対する線条材料のかかり
状態を示す平面図である。従来の案内装置での案
内ホイール２の溝２ａは、Ｖ字形の形状を有して
いるため、線条材料５の繰出し角度が変化して
も、該線条材料５を一応溝２ａ上にとらえること
ができる。しかしながら、第５図および第６図に
示されるように、線条材料５は、該線条材料５の
繰出し角度が大きくなるにつれて、溝２ａの側面
２ｂ，２ｃに接触するようになる。したがつて、
従来の案内装置では、線条材料の繰出し角度が大
きくなると、該線条材料が溝の側面と接触して、
線振れや張力変動を生じるという問題点があつ
た。

それゆえに、この考案の目的は、かかる問題点
を解消し、繰出しの際に繰出し角度が大きくなつ
ても、線振れや張力変動を生じない繰出し案内装
置を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ この考案による線条材料の繰出し案内装置は、
該線条材料の繰出しを案内するための溝を有する
案内ホイールと、該案内ホイールを該線条材料の
繰出し方向に回転可能に支持する第１支持部材
と、該線条材料が該案内ホイールから送り出され
る方向の該案内ホイールの溝上の接線を回転中心
として該第１支持部材を回転可能に支持する第２
支持部材とを備えている。

［作用］ この考案では、案内ホイールを支持する第１支
持部材が、該案内ホイールから線条材料が送り出
される方向の該案内ホイールの溝上の接線を回転
中心として回転可能に支持されている。したがつ
て、該案内ホイールは、その溝上の接線を回転中
心として回転することができる。

［実施例］ 第１図は、この考案の一実施例を示す断面図で
ある。案内ホイール２は、線条材料５の繰出し方
向に回転可能なように第１支持部材６によつて支
持されてる。該第１支持部材６は、線条材料５が
該案内ホイール２から送り出される方向の該案内
ホイール２の溝２ａ上の接線８を回転中心として
回転可能なように第２支持部材７によつて支持さ
れている。

該第１支持部材６は、軸棒６ａ、アーム部６
ｂ、回転軸部６ｃ、連結棒６ｅおよびバランスウ
エイト６ｆから構成されている。該軸棒６ａは、
案内ホイール２を繰出し方向に回転可能にするよ
うに、該案内ホイール２の中心部に貫通して設け
られている。該軸棒６ａは、アーム部６ｂに取付
けられており、該アーム部６ｂは回転軸部６ｃに
取付けられている。該回転軸部６ｃの軸中心部に
は、案内ホイール２から送り出された線条材料５
が通るための貫通孔６ｄが設けられている。さら
に、該回転軸部６ｃには、案内ホイール２を取付
けた第１支持部材６の重心が該第１支持部材６の
回転中心軸である接線８上に位置するように、バ
ランスウエイト６ｆが連結棒６ｅを介して取付け
られている。

第２支持部材７は、軸受部７ａおよび固定部７
ｂから構成されている。該軸受部７ａは、ベアリ
ングを内蔵しており、第１支持部材６の回転軸部
６ｃの外周部に位置し、接線８を回転中心として
該第１支持部材６を回転可能に支持している。該
軸受部７ａは、固定部７ｂにより固定されてい
る。

線条材料５の繰出しの際、該線条材料５は、案
内ホイール２の溝２ａに沿い、該案内ホイール２
の回転を伴ないながら繰出され、第１支持部材６
の貫通孔６ｄの中を通つて、所定の方向へ送り出
される。第２図は、繰出し角度の変化による案内
ホイールとバランスウエイトの回転状態を示す正
面図である。この考案では、第１支持部材６が、
接線８を回転中心として回転可能であるため、線
条材料の繰出し角度の変化に伴ない、案内ホイー
ル２が第２図に想像線で示すように回転する。し
たがつて、この考案では、線条材料の繰出し角度
と案内ホイールの傾きとが一致するため、従来の
案内装置のように、線条材料が案内ホイールの溝
の側面と接触することはない。

さらに、この実施例では、案内ホイールを取付
けた第１支持部材の重心が該第１支持部材の回転
中心軸上に位置するようにバランスウエイトが取
付けられている。したがつて、該第１支持部材の
回転に対する抵抗が少なくなり、線条材料の繰出
し角度の変化に従つて、案内ホイールを取付けた
第１支持部材がスムーズに回転して、案内ホイー
ルの傾きと繰出し角度が一致するようになる。し
かしながら、案内ホイールの重量がさほど重くな
い場合などには、このようなバランスウエイトを
取付けなくとも、この考案の効果は十分に発揮さ
れ得る。

［考案の効果］ この考案では、案内ホイールを支持する第１支
持部材が、該案内ホイールから線条材料が送り出
される方向の該案内ホイールの溝上の接線を回転
中心として回転可能に支持されている。したがつ
て、この考案による案内装置では、案内ホイール
の傾きと線条材料の繰出し角度とが、常に一致す
るように回転するので、従来の繰出し装置のよう
に、案内ホイールの溝の側面と線条材料とは接触
せず、線振れや張力変動を発生することはない。

この考案による繰出し案内装置は、たとえば、
撚線機や集合機などの案内装置として有効に利用
され得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示す断面図で
ある。第２図は、繰出し角度の変化による案内ホ
イールとバランスウエイトの回転状態を示す正面
図である。第３図は、従来の案内装置を用いた繰
出し状態を示す正面図である。第４図は、同じく
従来の案内装置を用いた繰出し状態を示す側面図
である。第５図は、案内ホイールの溝に対する線
条材料のかかり状態を示す正面図である。第６図
は、同じく案内ホイールの溝に対する線条材料の
かかり状態を示す平面図である。 図において、２は案内ホイール、２ａは案内ホ
イールの溝、５は線条材料、６は第１支持部材、
７は第２支持部材、８は線条材料が案内ホイール
から送り出される方向の案内ホイール溝上の接線
を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 線条材料の繰出しを案内するための溝を有す
   る案内ホイールと、 前記案内ホイールを前記線条材料の繰出し方
   向に回転可能に支持する第１支持部材と、 前記線条材料が前記案内ホイールから送り出
   される方向の該案内ホイールの溝上の接線を回
   転中心として、前記第１支持部材を回転可能に
   支持する第２支持部材とを備える、線条材料の
   繰出し案内装置。 (2) 前記案内ホイールを取付けた前記第１支持部
   材の重心が、該第１支持部材の回転中心の軸上
   に位置するように、該第１支持部材にバランス
   ウエイトが取付けられていることを特徴とす
   る、実用新案登録請求の範囲第１項記載の線条
   材料の繰出し案内装置。