JPH0217606B2 - - Google Patents

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JPH0217606B2
JPH0217606B2 JP61302734A JP30273486A JPH0217606B2 JP H0217606 B2 JPH0217606 B2 JP H0217606B2 JP 61302734 A JP61302734 A JP 61302734A JP 30273486 A JP30273486 A JP 30273486A JP H0217606 B2 JPH0217606 B2 JP H0217606B2
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JP
Japan
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cast iron
temperature
ductile
austenite
iron
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JP61302734A
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JPS62156246A (ja
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Bikutaa Kobakusu Bera
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Ford Motor Co
Original Assignee
Ford Motor Co
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Publication date
Application filed by Ford Motor Co filed Critical Ford Motor Co
Publication of JPS62156246A publication Critical patent/JPS62156246A/ja
Publication of JPH0217606B2 publication Critical patent/JPH0217606B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D5/00Heat treatments of cast-iron

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)
  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、ダクタイルまたはセミダクタイル鋳
鉄を製造する技術に関し、より詳細には、他の物
理的諸特性を保持または向上させながら上記鋳鉄
の機械加工性を高める方法に関する。 (従来の技術および発明が解決しようとする問題
点) 溶融した形態のダクタイル鋳鉄は、凝固した鋳
鉄内での球状黒鉛の生成を刺激するため黒鉛改良
剤による処理を受けているものであり、セミダク
タイル鋳鉄は一般に凝集(compacted)黒鉛鋳鉄
と称され、ダクタイル鋳鉄と基本的に同じ化学成
分を用いるものであるが、球状黒鉛への全転換を
完全には行わないように、より少量の黒鉛改良剤
が添加されるかまたは異なる時間に亘つて黒鉛改
良処理を受けたものである。上記のダクタイルま
たはセミダクタイル鋳鉄は、マグネシウムまたは
セリウムの形態の市販されている黒鉛改良剤の使
用により生成され、該改良剤は凝固前に規制され
た非常に少量にて溶湯の添加されるものである。
凝固組織内のマグネシウムまたはセリウムの含有
量が約0.025%である場合には、通常、ノジユラ
ー即ち球状の黒鉛が析出する。約0.015%未満の
マグネシウム濃度では片状黒鉛が生成される。従
つて、0.015〜0.025%の範囲のマグネシウムまた
はセリウム濃度では、凝集黒鉛(時にはバーミキ
ユライト状黒鉛とも称される)がセミダクタイル
鋳鉄を生成する。鋳鉄の総合的な物理的特性を高
める熱処理の後、在来のダクタイルまたはセミダ
クタイル鋳鉄は、少量ではあるが有害な量のマル
テンサイト、またはマルテンサイドでなければ、
その場合は機械加工中にマルテンサイトへと変態
する未反応の残留オーステナイトを含んでいるこ
とがある。機械加工中のマルテンサイトへの変態
は、工具寿命と、機械加工される部品の寸法管理
とに対して有害である。上記マルテンサイトの存
在従つて上記熱処理された従来の鋳鉄を機械加工
することの困難性のため、上記鋳鉄は必然的に機
械加工後に熱処理を受けるが、これは厄介であ
る。そのような機械加工は鋳放し状態の金属物品
に対して行われるが、これはとくに、上記物品即
ち鋳造物を取り外して機械加工ステーシヨンに運
び次いで機械加工されてから熱処理の自動化ライ
ンに再び運んで取り付けそして仕上げ機械加工の
ため機械加工ラインに戻さなければならない工業
用の自動化された鋳造および熱処理ラインの場合
には不経済である。 そのようなオーステンパされた在来のダクタイ
ル鋳鉄またはセミダクタイル鋳鉄は、一般に重量
で3.5〜3.8%の炭素と(以降に示す全ての百分率
は別に表示しない限り重量に対するものとする)、
2.0〜3.0%のけい素と、0.2〜0.9%のマンガンと、
0.015%未満の硫黄と、0.06%未満のりんと、0
〜0.5%の範囲のモリブデンと、0〜3.0%の範囲
のニツケルと、通常使用されるニツケルの直接代
替物としての0〜3.0%の範囲の銅とを含んでい
る。在来のダクタイル鉄は、25.3〜51.3Kgf/mm2
(36〜73ksi)一般には45.7Kgf/mm2(65ksi)の
降伏強さと、40.6〜81.5Kgf/mm2(58〜116ksi)
一般には56.2Kgf/mm2(80ksi)の引張強さと、
2〜15%の伸びと、概ね140〜270BHNの範囲の
硬さを有する。 オーステンパ処理は、周知のごとく、凝固した
鋳鉄を通常約871℃(1600〓)以上のオーステナ
イト化温度に加熱し、マトリツクス内にオーステ
ナイトを得るためにこの温度を保持する処理であ
る。これは通常約2時間を必要とするが、0.5〜
4時間の範囲である。オーステナイト化された鋳
鉄は、次いで温度−時間変態曲線
(TTTdiagram)のパーライト・ノーズを通過す
るのを避けるのに十分な冷却速度で約232〜427℃
(450〜800〓)の温度範囲に焼入れされ、そして
オーステナイトがベーナイトの如き一層硬いミク
ロ組織に変態するまで上記中間温度に保持され
る。上記変態後、その物品は空冷により周囲の状
態にまで温度を下げられる。 ニツケルおよびその他の合金強化剤が溶湯に添
加された場合には、物理的諸特性が降伏強さにつ
いては59.8〜70.3Kgf/mm2(85〜100ksi)、引張強
さについては70.3〜91.4Kgf/mm2(100〜130ksi)、
伸びについては5〜7%、硬さについては240〜
320BHNのレベルにまで高められる(同じく本
発明の譲受人に譲渡されている1984年9月4日出
願の米国特許出願第647333号を参照)。理論的に
は、0.25〜0.4%のモリブデンと0.5〜0.3%のニツ
ケルとの存在を用いるオーステンパ熱処理によ
り、鋳鉄を約65%のフエライトと35%のオーステ
ナイトとに変態させることができる。若干のオー
ステナイトはマルテンサイトに変態して機械加工
中にそれをもろくする。 若し、70.3Kgf/mm2(100000psi)を超える降
伏強さと、105.5Kgf/mm2(150000psi)を超える
引張強さと、約5%伸びと、260〜300BHNの硬
さレベルとを有するダクタイルまたはセミダクタ
イル鋳鉄が得られるような方法が案出されれば、
それは望ましいことであり、そうすれば上記鋳鉄
を熱処理後に機械加工でき、それにより、機械加
工が行われる前に自動化された鋳造および熱処理
ラインから上記鋳造物を取り外す必要性が除かれ
る。 (問題点を解決するための手段) 本発明の主目的は、鋳鉄の機械加工中にマルテ
ンサイトに変態する未反応の残留オーステナイト
を除去または最小限にさせるダクタイルまたはセ
ミダクタイル鋳鉄の熱処理を提供することにあ
る。本発明の目的は、次に諸特性、即ち(a)熱処理
前の物理的諸特性に実質上影響を及ぼすことなく
熱処理後に容易に機械加工できることと、(b)70.3
Kgf/mm2(100000psi)を超える降伏強さと、(c)
105.5Kgf/mm2(150000psi)を超える引張強さ
と、(d)約5%の伸びとを有するようにダクタイル
またはセミダクタイル鋳鉄を製造する方法を提供
することにある。 本発明の方法は、(a)本質的に、重量で、3〜4
%の炭素と、2.0〜3.0%のけい素と、0.1〜0.9%
のマンガンと、0.02%までのりんと、0.002%ま
での硫黄と、1%までの汚染物または不純物と、
0.4%以下のモリブデンと、3%以下のニツケル
または銅と、本質的に残部の鉄とから成る鉄合金
溶湯を生成する段階であつて、前記溶湯が、凝固
に際してダクタイルまたはセミダクタイル鋳鉄の
いずれかを生成するのに有効な量の黒鉛改良剤に
よつて且つそうするのに有効な時間に亘つて黒鉛
改良処理をうける段階と、(b)恒温熱処理により前
記溶湯の凝固体を熱処理して、高炭素オーステナ
イトとフエライトと未反応の低炭素オーステナイ
トを有する結晶粒界とから実質的に成るマトリツ
クスを生成する段階と、(c)前記の恒温熱処理され
た鋳鉄を冷却せずに直ちにパーライト生成温度ま
で加熱し、この温度に保持して未反応の低炭素オ
ーステナイトがパーライトを生成するようにさせ
る段階と、(d)前記の熱処理された鋳鉄を室温まで
冷却する段階とを含む。 有益には、恒温熱処理は、843〜885℃(1550〜
1625〓)の温度レベルまで加熱してこの温度を
1.5〜4時間に亘つて保持し、次いで238〜427℃
(460〜800〓)の温度範囲までダウン・クエンチ
ング(down−quenching)して0.5〜4時間に亘
つて保持する段階を含む。パーライト生成温度ま
での加熱は、有益には、2〜4分に亘つて649〜
704℃(1200〜1300〓)までアツプ・クエンチン
グ(up−quenching)し、次いで室温まで空冷す
る段階を含む。本方法を実施することによつて得
られる鋳鉄は、有益にも、高炭素オーステナイト
とフエライトと2〜10%のパーライトとのマトリ
ツクスを有する鋳鉄から成つている。このような
機械加工可能な鋳鉄の物理的特性は、少なくとも
63.3Kgf/mm2(90ksi)の降伏強さと、少なくと
も94.9Kgf/mm2(135ksi)の引張強さと、少なく
とも5%の伸びと、290BHN以下の硬さとを含
んでいる。このような鋳鉄の機械加工性は、
152.5m(500ft)/分の表面速度と、1.524mm
(0.060in)の切込みと、1回転につき0.0254mm
(0.01in)の送り速度とで0.5時間に亘つて切削す
る場合0.0254mm(0.001in)以下の切削工具の摩耗
で機械加工できることを特徴としている。 (実施例および発明の効果) 容易に機械加工し得る高強度ダクタイルまたは
セミダクタイル鋳鉄を製造する本発明の方法は本
質的に、特定成分の鉄合金の溶湯を生成する段階
と、前記溶湯の凝固体をアツプ・クエンチング熱
処理を伴う恒温熱処理によつて熱処理する段階と
を含む。凝固して熱処理された鋳鉄は、次いで室
温まで冷却される。 溶 湯 上記の方法に対する溶湯は独特の化学成分を特
徴としており、本質的に、重量パーセントで、炭
素が3.0〜4.0%の範囲であり且つけい素が2.0〜
3.0%の範囲である条件下で4.3〜5.0に等しい炭素
当量(%C+1/3・%Si)と、0.1〜0.9%の範
囲のマンガンと、0.02%までのりんと、0.002%
までの硫黄と、1%までの汚染物または不純物
と、0.4%以下のモリブデンと、3.0%以下のニツ
ケルまたは銅と、本質的に残部の鉄とから成つて
いる。 この溶湯は、凝固に際してダクタイルまたはセ
ミダクタイル鋳鉄を生成するのに有効な量の黒鉛
改良剤によつて且つそうするのに有効な時間に亘
つて黒鉛改良処理をうける。凝固した溶湯は通
常、ダクタイル鋳鉄が望まれる場合には0.03〜
0.06重量パーセントの範囲のマグネシウムを、ま
たセミダクタイル鋳鉄(凝集黒鉛)が望まれる場
合には0.015〜0.025重量パーセントの範囲のマグ
ネシウムを含有している。 マンガンを0.3%以下に保持することによつて、
マンガンは溶湯の凝固中に結晶粒界内にほとんど
偏析せず、従つてマンガンはオーステナイトを残
留させる前駆物質として作用することはない。し
かしMnを0.3%未満に保つことは費用がかかり、
通常の溶湯の場合、マンガンは約0.7〜0.8%であ
る。ニツケルは、マトリツクスの焼入性を向上さ
せる添加剤即ちダウン・クエンチング中のパーラ
イト生成を防止する添加剤として作用するために
存在し、結晶粒界内には偏析しない。 けい素が3.0%を超えると、それによつて不完
全なオーステナイト化が生じ且つ衝撃強さが低下
されるので不利であるが、一方けい素が2.0%未
満であると炭化物を生成するため不利である。マ
ンガンは、0.9%を超えると塊状炭化物の量を増
大させる結果となる。モリブデンはここでは、焼
入性を向上させるべく作用するが、0.4%を超え
るとそれは偏析して炭化物の生成を促進する。 本発明の目的は未反応の残留オーステナイトを
最少量にまたは除去することにあるので、オース
テナイト化に際しての凝固した溶湯の炭素が多い
程、恒温熱処理反応は鈍くなり、従つて末反応の
残留オーステナイトの量が多くなるということを
指摘することは重要である。従つて、炭素をより
固溶しずらくなるように条件付けることが重要で
あり、このことはオーステンパされたダクタイル
またはセミダクタイル鋳鉄に対して通常用いられ
るマンガン含有量(0.55〜1.0%の範囲)を低減
させることによりもたらされる。 マンガンは炭素の固溶度を増大させ、高炭素は
オーステナイトを安定化し、恒温熱処理反応を鈍
くする。マンガンは未反応の残留オーステナイト
の量を増大させるが、本発明の方法の目的は多量
の未反応の残留オーステナイトを相殺することで
ある。これに反し、けい素は逆に作用する。けい
素の量を増すことにより、オーステナイト中への
炭素の固溶度が低減され、それにより恒温熱処理
中におけるオーステナイトの高炭素オーステナイ
トおよびフエライトへの変換が促進される。上記
けい素は、2%程度の一般的な範囲ではなく、
2.5〜3.0%の範囲にまで増加されるべきである。 恒温熱処理 凝固した鋳鉄は、凝固した鋳鉄溶湯を843〜885
℃(1550〜1625〓)の範囲のオーステナイト化温
度条件に加熱する段階とこの温度を1.5〜4時間
に亘つて保持する段階とを含む恒温熱処理を受け
る。上記のオーステナイト化温度における最小時
間は、完全なオーステナイト化を保証するために
約1.5時間であるべきことが示されている。オー
ステナイト化温度における最大時間は、時間とエ
ネルギの浪費の故に約4時間であるべきことが示
されている。 オーステナイト化された鋳鉄は、次いで238〜
427℃(460〜800〓)の温度範囲まで、少なくと
も306℃(550〓)/分の速度で焼入され、約0.5
〜4時間に亘つてこの温度に保持される。0.5時
間よりも短く保持されると次の事柄、即ち、不完
全な反応、室温までの冷却に際しマルテンサイト
に変態する未反応の残留オーステナイトの存在、
あるいは機械加工中における応力の発生が生ず
る。マルテンサイトは機械加工を困難にさせ、耐
衝撃性および耐疲労性を低下させる。4時間より
も長く保持されると、フエライトと炭化物とから
成るベイナイトのマトリツクスとなるが、これは
もろくて延性や耐衝撃性および耐疲労性が低い。
この段階における鋳鉄は、マトリツクス内の針状
高炭素オーステナイトおよびフエライトならびに
若干の結晶粒界内準安定残留オーステナイトを含
んでいる。この段階における熱処理された鋳鉄は
通常、27〜300Rcの硬さを有する。マルテンサイ
トは、オーステナイトのマルテンサイトへの変態
の故にマトリツクス内に存在する。 オーステナイト化温度が857〜885℃(1575〜
1625〓)という低い範囲にある理由は、温度が低
い程オーステナイト中への炭素の固溶度が低いか
らであり、これは炭素の固溶度が低い場合に恒温
熱処理反応を加速する。 アツプ・クエンチング(up−quenching)熱処理 恒温熱処理された鋳鉄は、次いで直ちに且つ連
続的にパーライト生成温度まで加熱されるが、こ
れは残留オーステナイトの変態によつてパーライ
トが生成するように少なくとも649〜704℃(1200
〜1300〓)の温度範囲に2〜5分(一般には約3
分)に亘つてアツプ・クエンチングすることを含
んでいる。これによつて得られる鋳鉄のミクロ組
織は、本質的に高炭素オーステナイト、フエライ
ト、および約2〜10%の量の若干のパーライトと
を含むマトリツクスから成つており、マルテンサ
イトも残留オーステナイトもほとんどまたは全く
存在しない。アツプ・クエンチングと冷却処理と
により、オーステンパ熱処理の結果として通常享
有できる強さ及び延性についてそれぞれ約5%及
び約3%の損失が生ずるが、このような損失はこ
の鋳鉄の機械加工性の非常な増大によつて相殺さ
れる。 この方法は含有量が高められたマンガンに適し
ており、マンガンは鋳鉄溶湯に固有のものであつ
て多くの種類のパーライト鋳鉄について高含有量
であることが必要とされる。0.7〜0.9%の典型的
マンガン含有量に対しては、凝固した溶湯中に存
在する残留オーステナイトの量は約10%からほぼ
零に低減される。 オーステナイト化された鋳鉄中に固溶している
炭素が多い程、残留オーステナイトが多く存在す
る。従つて鋳鉄がオーステナイト化される温度
は、マトリツクス中に固溶している炭素の量(こ
れは約1.2%である)を減少させるために下げら
れ、他方、残存する炭素は黒鉛の形態となる。オ
ーステナイト化された鋳鉄が238〜427℃(460〜
800〓)の温度範囲まで急冷されると、この金属
は温度−時間変態曲線のベイナイト・ノーズを通
過し、結果として生じた鋳鉄は高炭素オーステナ
イトおよびフエライト、ならび若干(10%未満)
の未反応の不安定オーステナイトを含有する。 649〜704℃(1200〜1300〓)の温度レベルへの
アツプ・クエンチングに際し、未反応の不安定な
オーステナイトはパーライトに変換され、既存の
高炭素オーステナイトおよびフエライトもそれに
随伴する。室温への冷却に際しては、結果として
生じた鋳鉄は約76.6Kgf/mm2(109000psi)の降
伏強さレベルと、約98.4Kgf/mm2(140000psi)
の引張強さと、約4〜5%の伸びとを有する。 パーライトは、結果として生じた鋳鉄の約2〜
10%を占める。これは、未反応の残留オーステナ
イトまたはマルテンサイトの何れかを含むオース
テンパされたダクタイルまたはセミダクタイル鋳
鉄と比べて有利である。マルテンサイトが2%よ
り少しでも多いと切削工具に重大な摩耗問題を発
生させるに充分なので、マルテンサイトは機械加
工作業にとつて有害である。 本発明の化学成分および処理の臨界性を更に明
確に示すために、化学成分並びに処理を変えて幾
つかの試料を作つて処理し、それによつてここに
本発明を立証してある(第表参照)。試料の各
各は、約3.6%の炭素の下で約4.5の炭素当量を有
していた。硫黄とりんの含有量は所定範囲内にあ
つた。鋳鉄は、ダクタイル鋳鉄を得るためにマグ
ネシウムによつて処理された。次いでマンガン、
ニツケルおよびけい素の含有量が第表の第2欄
に示されているように調整された。ある例ではオ
ーステナイト化温度を変化させ、他の場合にはダ
ウン・クエンチング温度を変化させ、またある場
合にはアツプ・クエンチング温度を変化させた。
結果として生じた鋳鉄は、残留オーステナイト、
機械加工性、強さ、硬さおよび延性について評価
された。 マンガンの含有量が低過ぎた場合には、次の結
果、即ちマトリツクスが均一で未反応のオーステ
ナイトが全く存在しないという結果が生じたこと
に気付かれよう。マンガンの含有量が過剰であつ
た場合には、鋳鉄は多量の望ましくない未反応の
残留オーステナイトを有していた。低レベルのマ
ンガンと共にニツケルが添加された場合には、鋳
鉄は望ましいマトリツクスを示した。けい素が所
定量を超過した場合には、オーステナイト化が不
完全となり、マトリツクス内にシリコ・フエライ
トが出現した。オーステナイト化温度が所定温度
を超えた場合には、過剰のパーライトが出現し
た。過剰な未反応の残留オーステナイトも、より
高い炭素含有量によつて出現するが、この方法は
過剰な残留オーステナイトの問題を除く。ダウ
ン・クエンチング温度が低過ぎた場合には、望ま
しい高炭素オーステナイトおよびフエライトの代
りにマルテンサイトが出現した。ダウン・クエン
チング温度が高過ぎた場合には、恒温熱処理反応
が不完全であつた。アツプ・クエンチング温度が
高過ぎた場合には、恒温熱処理された組織内にセ
メンタイトが出現し、耐衝撃性および耐疲労性が
甚だしく低下した。アツプ・クエンチング温度が
低過ぎた場合には、パーライト変態が生じなかつ
た。 機械加工性を評価した方法は、試料に孔をあ
け、その前後に工具の直径を測定することにより
工具の摩耗を観察する、という手順によるもので
あつた。 ダクタイル鋳鉄がこれまでに作られていないこ
とはないとしても、それはパーライト系ブルズア
イ・フエライト鋳鉄(それぞれ80〜20%)から成
つていた。しかし、そのような鋳鉄は、わずかに
約45.7Kg/mm2(65ksi)の降伏強さと、約56.2Kg
f/mm2(80ksi)の引張強さと、わずかに2〜3
%の伸びとを備えていたにすぎない。そのような
鋳鉄は、オーステンパ熱処理の前に予め機械加工
されていたのであつて、このことはそれらを製造
ラインから取り出すことを必要とし、従つて非常
に高価な処理手順を生じていた。本発明の方法を
以てすれば、増大された伸びと共に極めて高めら
れた降伏ならびに引張強さを有し且つ熱処理後に
機械加工でき従つてそれをラインから取り出す必
要をなくした、部分的にパーライトの恒温熱処理
された鋳鉄をつくり出すことができる。 本発明の好適な実施例を例示し、説明したが、
本発明から逸脱することなく各種の変更および修
正をなし得ることは当業者にとつて明白であり、
且つ全ての上記の修正ならびに同等物を本発明の
真の精神と範囲とに属するものとして前掲特許請
求の範囲に包含しようとするものである。
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 容易に機械加工し得る高強度ダクタイルまた
    はセミダクタイル鋳鉄を製造する方法にして、 (a) 本質的に、重量で、3〜4%の炭素と、2.0
    〜3.0%のけい素と、0.1〜0.9%のマンガンと、
    0.02%までのりんと、0.002%までの硫黄と、
    1%までの汚染物または不純物と、0.4%以下
    のモリブデンと、3.0%以下のニツケルまたは
    銅と、本質的に残部の鉄とから成る鉄合金溶湯
    を生成する段階であつて、前記溶湯が、凝固に
    際してダクタイルまたはセミダクタイル鋳鉄の
    いずれかを生成するのに有効な量の黒鉛改良剤
    によつて且つそうするのに有効な時間に亘つて
    黒鉛改良処理をうける段階と、 (b) 恒温熱処理により前記溶湯の凝固体を熱処理
    して、高炭素オーステナイトとフエライトと未
    反応の低炭素オーステナイトを有する結晶粒界
    とから実質的に成るマトリツクスを生成する段
    階と、 (c) 前記の恒温熱処理された鋳鉄を冷却せずに直
    ちにパーライト生成温度まで加熱し、この温度
    に保持して未反応の低炭素オーステナイトがパ
    ーライトを生成するようにさせる段階と、 (d) 前記の熱処理された鋳鉄を室温まで冷却する
    段階とを含む方法。 2 特許請求の範囲第1項に記載の方法におい
    て、段階(b)が、843〜885℃(1550〜1625〓)の温
    度レベルまで加熱してこの温度を1.5〜4時間に
    亘つて保持し、238〜427℃(460〜800〓)の温度
    範囲までダウン・クエンチングしてこの温度を
    0.5〜4時間に亘つて保持することを含んでいる
    ことを特徴とする方法。 3 特許請求の範囲第2項に記載の方法におい
    て、前記ダウン・クエンチングが少なくとも306
    ℃(550〓)/分の速度であることを特徴とする
    方法。 4 特許請求の範囲第1項に記載の方法におい
    て、段階(c)が、649〜704℃(1200〜1300〓)の温
    度レベルで3〜5分に亘つて加熱することを含む
    ことを特徴とする方法。
JP61302734A 1985-12-23 1986-12-18 容易に機械加工し得る高強度ダクタイルまたはセミダクタイル鋳鉄の製造法 Granted JPS62156246A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US06/812,035 US4737199A (en) 1985-12-23 1985-12-23 Machinable ductile or semiductile cast iron and method
US812035 1985-12-23

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