JPH0217291B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 （産業上の利用分野） この発明は、ブラインドのスラツトを製造する
ためのスラツト切断装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、ブラインドのスラツトはアルミ薄板を長
く連続形成したスラツト材をスラツト切断装置で
所定の長さに切断していた。そして、その切断装
置はスラツト材をモータで駆動される送りローラ
で送り、あらかじめ所定位置に設置されたリミツ
トスイツチ等の位置検出手段でスラツト材の送り
量を検出し、スラツト材を所定の長さ送つた後に
切断機を作動させて同スラツト材を所定長さに切
断するようになつていた。

ところが、上記のようなスラツト切断装置では
長さの異なるスラツトを製造する場合にはスラツ
ト材の移動経路上に位置するリミツトスイツチ等
の位置検出手段の設置位置をその都度変更する必
要があるとともに、近年の幅の狭いスラツトは従
来の幅の広いスラツトに比べて強度が低いため、
スラツト自身で前記位置検出手段を押圧して作動
させると、スラツトに折れ、曲がり等の変形が生
じることがあつた。

（発明が解決しようとする問題点） そこで上記のような不具合を解決するために、
第５図に示すように上下一対の送りローラ５１
ａ，５１ｂの間にスラツト材５２を挾み、同図に
矢印で示すように下方の送りローラ５１ｂをステ
ツプモータ等のパルス制御可能なモータで駆動
し、同モータに出力するパルス数を制御すること
により送りローラ５１ｂの回転数を制御してスラ
ツト材５２を所定長さ送るようにしたスラツト切
断装置が提案されている。

ところが、第６図に示すように送りローラ５１
ａ，５１ｂの周面形状は湾曲成型されたスラツト
材５２に合わせて凸面及び凹面に形成されて、例
えばＡ点とＢ点では外周の長さが異なるため、ス
ラツト材５２を移送する際、Ａ点及びＢ点のすく
なくとも一方はスラツト材５２に対し滑りが生じ
ている。従つて、例えばＡ点の外周長に基いて送
りローラ５１ｂの回転数を設定した場合に、両ロ
ーラ５１ａ，５１ｂによるスラツト材５２の挾圧
力の具合あるいは両ローラ５１ａ，５１ｂの外周
面の汚れ等によりスラツト材５２が例えばＢ点で
挾圧駆動されると、スラツト材の送り長さに無視
できない誤差が生じるという問題点があつた。

発明の構成 （問題点を解決するための手段） この発明は上記問題点を解決するために、スラ
ツト材を一対の送りローラで挾圧し、その送りロ
ーラを電動機で回転させるとともにその電動機の
回転量を制御してスラツト材を所望の長さ移送し
て切断するスラツト切断装置において、スラツト
材６の凸面側に当接する送りローラ９ａの外周面
を平坦面とし、スラツト材６の凹面側に当接する
送りローラ９ｂの外周面を同スラツト材６の凹面
に合う凸面とした構成としている。

（作用） 上記手段により、両送りローラ９ａ，９ｂはス
ラツト材６を常に所定の接点で挾圧して移送す
る。

（実施例） 以下、この発明を具体化した一実施例を図面に
従つて説明すると、スラツト製造装置１は板状の
スラツト材を湾曲成型するための成型装置２と、
その成型装置２で成型されるスラツト材を所定の
長さに切断するとともに昇降コードを挿通するた
めの挿通孔を穿孔するスラツト切断装置３と、そ
のスラツト切断装置３の作動を制御するための制
御装置４とから構成されている。

成型装置２のコイル受け５にはアルミ薄板を長
く連続形成したスラツト材６が装着されている。
成型装置２の上部にはスラツト材６を湾曲成型す
るための一対のフオーミングローラ７ａ，７ｂが
設けられ、同成型装置２内の後記駆動モータによ
り回転駆動される。そして、コイル受け５から引
き出されるスラツト材６は複数の案内ローラ８に
よりフオーミングローラ７ａ，７ｂに導かれ、同
フオーミングローラ７ａ，７ｂにより挾圧されて
湾曲成型されるようになつている。

スラツト切断装置３の一側にはフオーミングロ
ーラ７ａ，７ｂで成型されたスラツト材６を後記
切断機１１に送り出すための一対の送りローラ９
ａ，９ｂが設けられている。その送りローラ９
ａ，９ｂはその後方に配置される後記ステツプモ
ータ３５により駆動され、フオーミングローラ７
ａ，７ｂにより成型されたスラツト材６が一対の
案内ローラ１０により同送りローラ９ａ，９ｂに
導かれている。そして、フオーミングローラ７
ａ，７ｂにより成型されたスラツト材６は送りロ
ーラ９ａ，９ｂにより後記切断機１１に向かつて
送り出され、その送り量は送りローラ９ａ，９ｂ
の回転量すなわちステツプモータ３５の回転角に
基いて設定されるようになつている。

その送りローラ９ａ，９ｂは、第２図に示すよ
うに上方の送りローラ９ａの外周面が平坦面に形
成されるとともに下方の送りローラ９ｂの外周面
がスラツト材６に合わせた凸面に形成され、上方
の送りローラ９ａがステツプモータ３５で駆動さ
れるようになつている。そして、スラツト材６は
下方の送りローラ９ｂの頂部であるＣ点と上方の
送りローラ９ａの平坦面との間に挾まれて移送さ
れ、その送り量は送りローラ９ｂのＣ点における
外周長に基いて設定されるようになつている。

スラツト切断装置３には前記送りローラ９ａ，
９ｂから送られるスラツト材６を所定長さに切断
するための切断機１１がスラツト材６の移動経路
上において同送りローラ９ａ，９ｂの後方（第１
図において右方）に配置されている。この切断機
１１においてフレーム１２の中央にはスラツト材
６を切断するための切断用金型１３が配置され、
その切断用金型１３の前後には所定の間隔を隔て
て穿孔用金型１４，１５がそれぞれ配置されてい
る。フレーム１２の上部には後記するポンプ３３
から送られる圧搾空気により動作するエアシリン
ダ１６が支持され、そのエアシリンダ１６が動作
すると、前記各金型１３，１４，１５が同期して
作動するようになつている。そして、各金型１
３，１４，１５にスラツト材６が挿通された状態
で各金型１３，１４，１５が作動されると、切断
用金型１３でスラツト材６が切断されて所定の長
さのスラツト１７が形成されると同時に、その切
断部分の前後で穿孔用金型１４，１５により昇降
コード用挿通孔が穿孔されるようになつている。

切断機１１からスラツト材６の移動方向には支
持台１８が延設され、その支持台１８上には前記
送りローラ９ａ，９ｂで送られるスラツト材６を
支持する支持部材１９が複数配設されている。支
持台１８上の適宜位置には切断されたスラツト１
７を支持部材１９上から前方へ押し出すための押
し出し棒２０が複数設けられ、それぞれエアシリ
ンダ（図示しない）により同期して作動するよう
になつている。また、支持台１８の前部にはスラ
ツト受け２１が複数設けられ、押し出し棒２０で
支持部材１９上から押し出されたスラツト１７を
一時貯留可能となつている。

支持台１８上においてスラツト材６の移動経路
上には前記切断機１１と同様にエアシリンダ２３
で駆動される穿孔機２２が設置されている。この
穿孔機２２には前記切断機１１の穿孔用金型１
４，１５と同様の金型が装着され、スラツト１７
の両端部に加えて中央部にも昇降コード挿通孔が
必要な場合に切断機１１と同期して作動して同挿
通孔を穿孔するようになつている。そして、この
穿孔機２２は上方へ突出される操作ハンドル２２
ａを操作することにより、支持台１８上を第１図
左右方向に位置調節可能に設けられ、切断される
スラツト１７の長さに応じて穿孔位置を調節でき
るようになつている。

制御装置４の前面には多数の操作スイツチが設
けられている。その操作スイツチは、第３図に示
すようにスラツト１７の長さを入力するための入
力キー２４とその入力キー２４による入力値を表
示する表示部２５と、ブラインドの高さを入力す
るための入力キー２６とその入力キー２６による
入力値を表示する表示部２７と、このスラツト製
造装置１に電源を供給するための電源スイツチ２
８と、同じくこのスラツト製造装置１の作動を開
始させるためのスタートスイツチ２９と、その作
動を停止させるためのストツプスイツチ３０と、
前記穿孔機２２を作動させるか否かを選択するた
めの穿孔機操作スイツチ３１とからなつている。

次に、上記のように構成された制御装置４の電
気的構成を第４図に基いて説明すると、前記各ス
イツチ２８，２９，３０，３１及び各入力キー２
４，２６の操作に基く出力信号は制御装置４内の
中央処理装置（以下CPUという）３２に入力さ
れる。また、電源スイツチ２８は前記切断機１
１、押し出し棒２０、穿孔機２２を作動させる各
エアシリンダに圧搾空気を送るポンプ３３と前記
フオーミングローラ７ａ，７ｂを駆動する駆動モ
ータ３４にも接続され、その操作により各装置に
電源が投入されるようになつている。

CPU３２には前記送りローラ９ａ，９ｂを駆
動するステツプモータ３５が駆動回路３６を介し
て接続されるとともに、バルブ装置３７が接続さ
れている。そのバルブ装置３７は前記ポンプ３３
と切断機１１及び穿孔機２２等のエアシリンダ１
６，２３との間に介在され、CPU３２からの出
力信号に基いてポンプ３３と各エアシリンダ１
６，２３との間の空気圧回路を開閉制御するよう
になつている。

CPU３２に接続されるプログラム用メモリ３
８は読み出し専用メモリ（ROM）で構成され、
CPU３２を動作させるためのプログラムがあら
かじめ記憶され、CPU３２はそのプログラムに
基いて動作するようになつている。

そして、入力キー２４，２６によりスラツト１
７の長さ、ブラインドの高さが設定されると、
CPU３２はあらかじめ設定されたプログラムに
基いて所定数のパルス信号を駆動回路に出力する
ことによりステツプモータ３５を所定角度回転さ
せて送りローラ９ａ，９ｂによりスラツト材６を
所定長さ移動させ、その後にバルブ装置３７に信
号を出力して切断機１１あるいは同切断機１１と
穿孔機２２とを作動させる。このような動作を繰
り返して、入力されたブラインドの高さに対応す
る所定枚数のスラツト１７が切断されるようにな
つている。

次に、上記のように構成されたスラツト製造装
置１の作用を説明する。

さて、このスラツト製造装置１はその始動に先
立ち、組立てようとするブラインドの高さ、スラ
ツト１７の長さを入力する必要がある。そこで、
電源スイツチ２８の操作の後に制御装置４の入力
キー２４，２６で上記条件を入力すると、CPU
３２はあらかじめプログラム用メモリ３８に記憶
されたプログラムにより、このスラツト製造装置
１でに適合するスラツト幅である15mmと入力され
たブラインドの高さの数値とに基いて、組み立て
ようとするブラインドのスラツトの段数を算出す
る。

そして、例えば組み立てようとするブラインド
のスラツトが中央部にも昇降コード挿通孔を必要
とするような長さの場合には、穿孔機操作スイツ
チ３１を操作して穿孔機２２を切断機１１と同期
して作動させる状態とするとともに、穿孔機２２
を挿通孔の穿孔位置に移動させる。

この状態で、作業者がスタートスイツチ２９を
押すと、CPU３２は入力されたスラツト長さに
対応する数のパルス信号をステツプモータ３５の
駆動回路３６に出力して同ステツプモータ３５を
所定角度作動させ、送りローラ９ａ，９ｂを回転
させてスラツト材６を第１図右方へ送り出す。そ
して、スラツトの長さに基づくパルス数でステツ
プモータ３５を所定角度作動させると、次に
CPU３２はバルブ装置３７に信号を出力して切
断装置１１及び穿孔機２２を同時に作動させるこ
とにより、切断用金型１３でスラツト材６から所
定長さのスラツト１７を切断すると同時に、穿孔
機２２でスラツト１７中央部に挿通孔を穿孔さ
せ、切断用金型１３両側の穿孔用金型１４，１５
で同スラツト１７の後端部（第１図において左
端）及び次に切断すべきスラツトの先端部に挿通
孔を穿孔させる。

切断機１１及び穿孔機２２を作動させて挿通孔
を穿孔した所定長さのスラツト１７が形成される
と、次にCPU３２はバルブ装置３７に信号を出
力してエアシリンダにより押し出し棒２０を前方
へ突出させ、支持部材１９上のスラツト１７をス
ラツト受け２１上へ押し落とす。

以上の動作で１本のスラツト１７が製造され、
この動作につづいて次にCPU３２は再び駆動回
路３６にパルス信号を出力してスラツト材６を移
動させ、以上のような動作を繰り返させる。この
ようにして、あらかじめ算出された枚数のスラツ
トが製造されると、CPU３２は各装置の作動を
停止させる。

以上のようにこのスラツト製造装置１は、入力
キー２４により切断しようとするスラツト１７の
長さをあらかじめ入力すれば、入力されたスラツ
トの長さに対応するパルス信号に基いてステツプ
モータ３５が回転されてスラツト材６が所定の長
さ移動され、その状態で切断機１１により所望の
長さのスラツト１７に切断される。そして、スラ
ツト材６は常に下方の送りローラ９ｂのＣ点と上
方の送りローラ９ａとの間で挟圧されて移送され
る。従つて、両ローラ９ａ，９ｂの挟圧力や外周
面の汚れ等に影響されることなく設定値に基く正
確な長さのスラツト材６を移送することができる
ので、所望長さの多数枚のスラツト１７を確実に
形成することができる。

発明の効果 以上詳述したように、この発明はスラツト材６
の凸面に当接する送りローラ９ａの回転量を制御
することにより所定長さのスラツト材６を正確に
移送することができる優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を具体化したスラツト製造装
置の正面図、第２図はその送りローラを示す断面
図、第３図は制御装置の正面図、第４図はこのス
ラツト製造装置の電気的構成及び空気圧回路の構
成を示すブロツク図、第５図は従来の送りローラ
を示す正面図、第６図は同じくその断面図であ
る。 スラツト材６、送りローラ９ａ，９ｂ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ スラツト材を一対の送りローラで挾圧し、そ
   の送りローラを電動機で回転させるとともにその
   電動機の回転量を制御してスラツト材を所望の長
   さ移送して切断するスラツト切断装置において、
   スラツト材６の凸面側に当接する送りローラ９ａ
   の外周面を平坦面とし、スラツト材６の凹面側に
   当接する送りローラ９ｂの外周面を同スラツト材
   ６の凹面に合う凸面としたことを特徴とするブラ
   インドのスラツト切断装置。