JPH02172469A - 加熱蒸散消臭法、加熱蒸散消臭用固体成型物及び加熱蒸散消臭器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、消臭成分を加熱蒸散して消臭する方法、及び
該消臭方法を実施するための加熱蒸散消臭用固体成型物
ならびに加熱蒸散消臭器に関する。

［従来の技術］ ツバキ科植物及びクスノキ科植物には、フラボン系化合
物、不飽和アルデヒド化合物、有機酸（タンニン酸等）
等が多数台まれており、硫化水素、メルカプタン類、ア
ミン化合物等はとんどあらゆる種類の有臭成分に対して
消臭効果を有することは既に公知である。（例えば、特
公昭５８−１８０９８号等） また、註消臭成分の利用態様としては、紙・繊維・高分
子・無機担体等に消臭組成物や消臭剤を添加もしくは混
入して様々な形状に成型したものや、こわら消臭組成物
等を線香原料に混じた燻蒸タイプの線香状消臭成型物な
どが知られている。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、室内に漂う悪臭を除去しようとする場合
、室内の要所に放置して使用するタイプの消臭組成物は
その近傍の悪臭を除去できるだけで必ずしも効率的でな
い。また散布するタイプの消臭組成物は、その使用に手
間がかかるという問題がある。また燻蒸タイプの線香状
消臭成型物は可燃成分が不可欠な要素であり、そのため
、使用時に該可燃成分が燻って煙及び異臭（こげ臭）を
発生し、かえって不快感を与える等の問題があり、また
、直火使用に対する安全管理上の煩わしさが避けられな
い。

［課題を解決するための手段］ 本願の第１の発明は、消臭成分を含有する固体成型物を
加熱し、該成分を蒸散させて消臭する方法であって、ツ
バキ科植物及びクスノキ科植物が含有する消臭成分を多
孔性無機物の担体に含有させてなる固体成型物を１５０
〜３５０℃に加熱し、該消臭成分を蒸散することを特徴
としている。

また、本願の第２の発明は、前記加熱蒸散消臭法に用い
る固体成型物であって、ツバキ科植物及びクスノキ科植
物が含有する消臭成分を多孔性無機物の担体に含有させ
てなることを特徴としている。

また、本願の第３の発明に係る加熱蒸散消臭器は、前記
固体成型物を内部に収納する多孔性セラミック製の収納
体と、前記収納体の内部に設けられて前記固体成型物を
１５０〜３５０℃の温度範囲に加熱する加熱手段とを具
備することを特徴としている。

［作　用］ 本願に係る加熱蒸散消臭用固体成型物は、多孔性無機物
を担体としているので、ツバキ科植物及びクスノキ科植
物から得られる消臭有効成分を保持しやすい。この固体
成型物を加熱蒸散消臭器の収納体内に収納し、加熱手段
によって１５０〜３５０℃の温度範囲に加熱する。多孔
性無機物の担体は、この温度範囲において、変形したり
煙や有臭成分を発生することがなく、前記消臭成分のみ
を効率的に蒸散する。蒸散した消臭成分は通気性を有す
る多孔性セラミックを通り抜けて収納体の外部に放散さ
れるが、これと同時に外部の空気が収納体内に導入され
、収納体内における空気の対流が促されるので、消臭成
分の蒸発はさらに促進される。そして、外部に放散され
た消臭成分によって悪臭が除去される。

［実施例］ 本発明の一実施例を以下に説明する。まず、加熱蒸散消
臭用固体成型物（以下、固体成型物と呼ぶ。）及び該固
体成型物を用いて加熱蒸散消臭を行なうための加熱蒸散
消臭器について説明する。

まず、本実施例の固体成型物が含有する消臭成分として
は、例えば、茶樹、山茶花、椿、サカキ、ヒサカキ等の
ツバキ科植物、月桂樹、肉桂、クスノキ等のクスノキ科
植物等の生葉、その乾燥葉もしくはそれらの抽出物（そ
の精製物を含む）あるいは乾溜物（その精製物を含む）
等があげられる。消臭有効成分を多量に含み、燻って異
臭を発生ずる成分が極力少ないものが好ましく、なかで
も、茶樹の抽出物が好ましい。また、該抽出物は、アル
コール系有機溶剤等で抽出し、その抽出物を活性炭素等
で脱色処理する特開昭６０−１２２５６６号に示される
方法などによって製造することができる。

また、前記消臭成分を含有する固体成型物の担体として
は、前記消臭成分を保持し易く、更に１５０〜３５０℃
の温度範囲に加熱したときに変形したり、紙製の担体の
ように煙や有臭成分を発生することがなく、前記消臭成
分のみを効率的に蒸散しつるものが好ましい。このよう
な条件に合致するものとしては、本願発明者らの知見に
よれば多孔性無機物の珪藻土、カオリン、ゼオライト、
ベントナイト、ガレオナイト等の粘土鉱物が好適であり
、これらの外に、炭酸カルシウム、タルク、酸化珪素、
酸化アルミニウム、珪酸カルシウムなどがあげられる。

本実施例において、加熱温度範囲を上記のように１５０
〜３５０℃に限定したのは、次のような理由による。即
ち、これよりも温度が低いと、消臭成分が蒸散しにくく
なって消臭効果が低くなり、またこれよりも温度が高い
と、固体成型物中の消臭成分やその他の有機物がくすぶ
って煙や異臭を発生するという不都合が生じるためであ
る。そして、固体成型物に含有させる消臭成分の形態や
添加量によっても異なるが、後述する試験結果かられか
るように、本発明におけるより好ましい加熱温度範囲は
２００〜３００℃である。この温度範囲内における加熱
によって、煙や異臭を発生させることなく、特に優れた
消臭効果を得ることができるものである。

固体成型物の製造に関して、消臭成分は固体であるため
担体を練り混ぜて成型・乾燥する方法が簡単であるが、
多孔性無機物の成型後、抽出物や乾溜物のアルコールま
たはケトン溶解液を含浸したり、該溶解液を吹き付けて
添加することもできることはいうまでもない。

固体成型物の消臭成分を乾燥葉によって含有させる場合
には、抽出物と異なり乾燥葉には消臭成分以外の有機物
が多く含まれているので、含有させる乾燥葉の量が少な
いと効果がなく、多いとこげ臭を発する。このため、乾
燥葉の含有量は１０〜３０％、好ましくは２０％前後が
よい。これに対し、抽出物と乾溜物の場合は、少ないと
やはり効果がなく、多いと茶の匂いがきつくなるため、
５〜３０％、好ましくは１０〜２０％で混入することが
望ましい。

また、混練の際、酢酸セルロース、カルボキシメチルセ
ルロース（ＣＭＣ）などの有機結合剤（粘結剤）を２重
量％程度添加すると、成型が容易になり、乾燥強度も向
上する。さらに、所望の防腐剤２着色剤、香料などの添
加剤を適宜加えることができる。しかし、これらの添加
剤は有機化合物であることが多く、高温にさらされると
煙や異臭を発生することがあるため極力少ない添加が望
ましい。

固体成型物の形状は、加熱蒸散消臭器の加熱形態と対応
した形状であって、消臭有効成分が効率よく蒸散され、
かつ固体成型物及び加熱蒸散消臭器の製造やそれらの取
扱いが簡単となる形状が望ましい。このような観点から
固体成型物の形状は、その内側から加熱棒で均一な効率
のよい加熱ができ、該成型物自身の取扱性等にも優れる
円筒形が好ましい。当然、加熱プレート等の上に固体成
型物を載せて加熱するとすれば、ベレット状、球状、柱
状、シート状等のような他の形状でもよい。

次に、本実施例の加熱蒸散消臭器は、前記固体成型物の
温度を１５０〜３５０℃の温度範囲で均に加熱し、消臭
成分を効率よく蒸散することができる。第１図は１本発
明を実施する際に必要な前記条件を具備した加熱蒸散消
臭器（以下、消臭器と呼ぶ。）の一実施例を示す模式的
な断面図である。同図において、ケースｉ内にある台ｌ
ａ上には、前記固体成型物を収納するための収納体２が
断熱板３を介して設けられている。収納体２は、消臭成
分の蒸気を通過させる多孔性セラミック製の円筒体であ
る。断熱板３の上面中央にはボス部３ａが設けられ、収
納体２内にある該ボス部３ａには、加熱手段としての電
気式の加熱棒４が設けられている。そして、加熱棒４に
は、電源及び温度調整部６が接続されている。また、収
納体２の開口上端には蓋２ａが設けられている。蓋２ａ
は必ず必要とされる訳ではないが、収納体２内の蒸発室
５を所定の高温に保つため、又は取扱い上の安全のため
には有効である。なお、同図中、７はパイロットランプ
、８は配線である。

以上の構成になる消臭器において、前述したような円筒
形の固体成型物９は、加熱棒４に挿通されて収納体２内
に収納され、断熱板３のボス部３ａ上に載置される。固
体成型物９は、電源及び温度調整部６によって温度制御
される加熱棒４により、１５０〜３５０℃の温度範囲で
内側から加熱され、含有されている消臭成分を蒸発させ
られる。消臭成分の蒸気は、収納体２を通り抜けて外部
に放散され、悪臭を除去する。蒸発室５の内部には、収
納体２の内壁と固体成型物９との間に気体が対流できる
程度の空間５ａがあり、さらに、固体成型物９と断熱板
３の間にも空間５ｂがある。これによって、蒸発した消
臭成分が加熱された空気と共に通気型の収納体２を通り
抜けて外部に放散され、これと同時に収納体２の下部よ
り新鮮な空気が内部に導入され、対流を促して消臭成分
の蒸発が促進される。また、収納体２内の蒸発室５は前
述した通り高温となるが、高温を嫌う電源及び温度調整
部６との間には断熱板３が設けられているので、これら
の装置が熱によって故障することはない。

次に、本発明の効果等を一例として示す試験■、■、■
の結果について説明する。

先ず、消臭成分を含有する茶菓乾燥粉末及び茶菓抽出物
を用いた固体成型物の製造例について以下に述べる。

後述の試験■に用いた固体成型物を製造するには、第１
表の材料を同表に示す重量割合で均一に混合し、該混合
物にその約半重量部の水または温水を加えて練り込み、
所定の型枠を使って円柱形に仕上げる。そして該成型品
を２日間自然乾燥した後、３５℃の乾燥室にて８時間乾
燥して固体成型物（試料記号ａ”−ｇ　）を得る。木製
造例によれば、これら固体成型物Ｂ　−ｙ　ｇは外径２
０ｍｍ、高さ２０ｍｍ、　ｆｆｌさ６ｇの円柱形となっ
ている。

なお、第１表中で多孔性無機質としては珪藻土と酸化ア
ルミニウムを２：１のｆｆｌｆｆｉ割合で混合して用い
ており、粘結剤としてはＣＭＣを用いた。

第　　１　　表 また、後述する試験■、■に用いた固体成型物（試料記
号Ａ、Ｂ、Ｃ及びＤ）は、第２表に示す材料を用い、前
述の試験■用に製造した固体成型物と全く同じ方法で製
造したものである。

第　　２　　表 試験■ 無風の室内に設けた加熱蒸散消臭器に、前記固体成型物
ａ〜ｇを設定する。そして、２００℃。

２５０℃及び３００℃の各蒸散温度で各固体成型物Ｂ　
−、−ｇの各々を加熱し、それぞれ加熱開始から１時間
経過後における煙と異臭の発生状況を試験した。

なお、ここで用いた加熱蒸散消臭器は、前記一実施例で
説明した加熱棒４を有するタイプの消臭器とは異なり、
円柱形の固体成型物を上部を開放した加熱ボックス内で
加熱するタイプのものである。

煙及び異臭の発生状況は次の判定基準で評価した。

煙　　無二　煙が見えない。

少：　かすかに煙がでている。

多：　煙が立ちのぼるのが見える。

異臭　無二　臭気を感知できない。

弱：　かすかに臭う。

強二　刺激臭がある。

本試験の結果を第３表に示す。この試験結果によれば、
加熱温度が高いほど、また消臭原料の混合割合が多いほ
ど消臭成分やその他の有機物がくすぶって煙や異臭を発
生しやすくなっている。そして、茶菓乾燥粉末を消臭材
料とする試料及び茶菓抽出物を消臭材料とする試料のど
ちらについても、その消臭材料の混合割合が２０％以下
の固体成型物（ｃ、ｄ、ａ、ｆ及びｇ）は、３００℃の
加熱温度において煙の発生が少なく、異臭も弱くなって
いる。即ち、本試験の結果によれば、消臭材料の混合割
合にもよるが、煙や異臭の発生を避けるためには、３０
０℃以下の蒸散温度が好ましいことになる。

試験■ 前記固体成型物Ａ、Ｂ、Ｃ及びＤそれぞれの消臭効果を
２０２の密閉容器内に加熱蒸散消臭器を置き消臭成分を
蒸散し、該容器内の臭気の除去率を求める方法で試験し
た。

消臭対象臭気はアンモニアと硫化水素の２種類、また蒸
散温度は２５０℃及び３００℃の２通りについて行った
。消臭効果は、固体成型物（Ａ、Ｂ、ＣあるいはＤ）と
消臭成分を含有しない固体成型物の場合について、２０
１容器内の対象臭気濃度（アンモニア濃度あるいは硫化
水素濃度）の経時変化を検知管（北村式）を用いて測定
し、消臭成分含有固体成型物と無含有固体成型物の場合
を比較した除去率（＝１−消臭成分含有固体成型物時の
濃度÷無含有固体成型物時の濃度）にて求めた。その結
果を第２図〜第５図に示す。

これらの結果から本発明が素晴らしい消臭効果を有する
ことが認められる。詳しくは、原料としては、茶菓乾燥
粉末よりも有効成分が多く含まれる茶菓抽出物の方が効
果があり、消臭有効成分の濃度が高いほど、また蒸散温
度が高いほど効果は大きい。対象臭気についてはアンモ
ニアに対する除去効果が大きい。

試験■ タバコ臭に対する消臭効果をパネラ−１Ｏ人による官能
試験で評価した。試験■と同様に４種類の固体成形物（
Ａ、Ｂ、Ｃ及びＤ）及び蒸散試験装置を用い、３０分間
加熱蒸散後、別途用意した５００ｍｆｔ三角フラスコに
消臭成分が蒸散している２０４２容器内の気体をアスピ
レータで吸引して満たした。該三角フラスコ及び蒸散ガ
スで置換しない比較用５００ｍＡ三角フラスコ（ブラン
ク試験用）を１日密栓放置後、先端から２ｃｍのところ
まで喫煙したタバコ（マイルドキャビン）をこれらの三
角フラスコに入れて直ちに再び密栓した。３時間放置後
、該三角フラスコ内気体の官能試験を、次の６段階評価
で行った。

Ｏ，タバコ臭が感知できない １、タバコ臭がやっと感知できる ２、タバコ臭が弱く感知される ３、タバコ臭が楽に感知できる ４、タバコ臭が強い ５、タバコ臭が強烈 官能テスト結果を第４表に示す。

第４表から消臭成分を含有する固体成型物の加熱蒸散に
よる消臭効果は歴然としており、種々の悪臭が混ざった
タバコ臭に対しても有効な消臭方法であることが認めら
れる。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明は、ツバキ科植物あるいは
クスノキ科植物から得た消臭成分を含有する固体成型物
を加熱蒸散消臭器を用いて所定の温度範囲で加熱するこ
とにより、煙や異臭を発することなく効率的に該消臭成
分を外部に蒸散し、外部の臭気を積極的に消臭するもの
であり極めて実用価値の高いものである。したがって、
消臭を望む病院、老人ホームはもとよりホテル、家庭等
様々な分野に用いることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は加熱蒸散消臭器の一実施例を示す模式的断面図
であり、第２図〜第５図は試験■の結果を例示するグラ
フである。第２図〜第５図で、横軸は蒸散時間、縦軸は
臭気の除去率を示し、記号・、Ｏ、ム及び△はそれぞれ
固体成型物Ａ、Ｂ、Ｃ及びＤを示す。また、試験条件に
ついては、第２図はアンモニア初期濃度２６０ｐｐｍ、
蒸散温度２５０℃、第３図はアンモニア初期濃度２５０
ｐｐｍ、蒸散温度３００℃、第４図は硫化水素初期濃度
５０ｐｐｍ、蒸散温度２５０℃、第５図は硫化水素初期
濃度５０ｐｐｍ、蒸散温度３００℃で実施したものであ
る。 なお、第１図において主要部を表わす参照数字は次のと
おりである。 １・・・ケース、　　　２・・・収納体、２ａ・・・上
蓋、　　　３・・・断熱板、４・・・加熱手段としての
加熱棒、 ５・・・蒸発室、　　６・−電源及び温度調整部、７・
・・パイロットランプ、 ８・・・配線、 ９・・・加熱蒸散消臭用固体成型物 （固体成型物）。 第２図 第３図 第１図 １０４Ｐ嘴間ｒ町 ｍＦ’晴藺【引 第４図 娃５図 つＦ腎叫ＰＦ（ｍｌ ｓｏ　！Ｉｌｅ％　ｒＰ　Ｃ＠）

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、ツバキ科植物及びクスノキ科植物が含有する消臭成
   分を多孔性無機物の担体に含有させてなる加熱蒸散消臭
   用固体成型物を１５０〜３５０℃の温度範囲に加熱して
   前記消臭成分を蒸散することを特徴とする加熱蒸散消臭
   法。 ２、１５０〜３５０℃の温度範囲に加熱されて消臭成分
   を蒸散する加熱蒸散消臭用固体成型物において、ツバキ
   科植物及びクスノキ科植物が含有する消臭成分を多孔性
   無機質の担体に含有させてなる加熱蒸散消臭用固体成型
   物。 ３、請求項２記載の加熱蒸散消臭用固体成型物を内部に
   収納する多孔性セラミックよりなる収納体と、前記収納
   体の内部に設けられて前記加熱蒸散消臭用固体成型物を
   １５０〜３５０℃の温度範囲に加熱する加熱手段とを具
   備する加熱蒸散消臭器。