JPH02166246A - 銅合金製変速機用シンクロナイザーリング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、特に耐摩耗性にすぐれかつ従来と同程度に
すぐれた同期性を有する銅合金製変速機用シンクロナイ
ザ−リングに関するものである。

〔従来の技術〕

従来、一般に、変速機用シンクロナイザ−リングは、第
１図に斜視図で示されるように、内径テーパー面１が回
転するテーパーコーンとの接触摺動面となり、この接触
摺動面に相手部材たるテーパーコーンが高面圧下で断続
的に面接触し、−力作周面にはキーが嵌合するキー溝３
が形成され。

さらに、その外縁に沿って所定間隔おきに設けたチャン
ファ２が同じく相手部材たるノ・ブスリープのチャンフ
ァとかみ合う機能をもつことから、強度、耐摩耗性およ
び相手部材とのなじみ性を具備することが要求され１　
したがって、その製造には、これらの特性をもった高力
黄銅が多用されている。

なお、シンクロナイザ−リングには、この他にネジが外
周側につき、この外周側で相手部材であるテーパーコー
ンと摩擦する、通称ピンタイプのものがある。

上記シンクロナイザ−リング用材料として用いる高力黄
銅は、黄銅系の材料に金属間化合物を分散させた材料が
使用され、その代表的な材料として特開昭６２−８０２
４３号公報に記載の。

Ｃｕ：　５５Ｔ−７０％。

Ａｔ　：　０．５〜６．　ｏチ、 Ｍｎ　：　１．　Ｏ〜６．０　％、 Ｓｉ：０．０５〜２．０　％　。

Ｍｏ　：　Ｏ，Ｏｌ〜１．　Ｏ％　。

Ｚｎ：残部。

からなる組成（以上重量％）を有する耐摩耗性銅合金が
知られており、上記耐摩耗性銅合金は１Ｍ○Ｓ１系金属
間化合物が分散した組織を有するために耐摩耗性が優れ
たものとなっている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、近年の変速機の高出力化および高速化に伴イ、
シンクロナイザ−リングに対しても全体的により一段と
すぐれた耐摩耗性を具備するとともに、相手部材たるテ
ーパーコーンへの接触摺動時の同期性の向上が強く要求
されている。

〔課題を解決するための手段〕

そこで１本発明者等は、従来の耐摩耗性銅合金で作製し
たシンクロナイザ−リングよりも一層すぐれた耐摩耗性
および同期性を有する変速機用シンクロナイザ−リング
を作製すべく研究を行っていたところ。

従来の耐摩耗性銅合金に、　Ｃｒを添加し、さらにＦｅ
、　Ｎｉ、　Ｃｏのうち１種または２種以上を含有せし
めた銅合金は、耐摩耗性が大幅に向上し、この銅合金で
作製した変速機用シンクロナイザ−リングは耐摩耗性に
きわめて優れ、同期性についても従来と同等のすぐれた
特性を有するという知見を得たのである。

この発明は、かかる知見にもとづいてなされたものであ
って。

重量％で。

Ｚｎ：１５〜３５％１ ７Ｖ！：○ユ〜６，０％。

Ｍｎ：　　１．ｏ　〜１　０．０　％。

Ｓｉ：０．５〜５５　チ。

Ｍｏ：　　０．０　３〜１．０　％、 Ｃｒ：　　０．１〜３．０　％。

Ｆｅ、　Ｎｉ、　Ｃｏのうち１種、または２種以上を合
計でＱ、　５〜５０チ含有し。

残部：Ｃｕおよび不可避不純物からなる組成を有する銅
合金で作製した銅合金製変速機用シンクロナイザ−リン
グに特徴を有するものである。

この発明は、従来の耐摩耗性銅合金に、　Ｃｒを添加し
、さらにＦｅ、　Ｎｉ　、　Ｃｏのうち１種または２種
以上を含有せしめることにより、Ｍｏ−８ｉ系金属間化
合物だけでな（、Ｃｒ−Ｍｏ−８ｉ系金属間化合物を作
り、さらにＦｅ、Ｎｉ　、　Ｃｏも８ｉと金属間化合物
を作り。

これら金属間化合物が銅合金マトリックスに分散し、耐
摩耗性が大幅に向上すると共に従来と同等の同期性を付
与するものと思われる。

つぎに、この発明の変速機用シンクロナイザ−リング作
製のための銅合金の成分組成を上記の如く限定した理由
について説明する。

（ａ）　　　ＡＩ Ｍは、β相形成促進元素であり、Ｚｎと共存して機械的
強度を向上させる元素であるが、その添加量が６．０％
を越えると鋳造組織が粗大化して靭性が低下する。一方
、その含有量が０５−未満では強靭効果が認められない
。

ｔｂ）　　ム（ｎ Ｍｎは、　Ｓｉと複合してＭｎ５　Ｓ　ｌ　！ｌ金属間
化合物を析出させ耐摩耗性を向上させる元素であるが、
その添加量が１０％を越えてもその効果が認められず。

一方その添加量が１．０チ未満では金属間化合物の量が
極端に減少し所望の効果が得られない。

（ｃ）　　５ｉ Ｓｉは＋　Ｍｎ　ｓ　Ｃｒ　＋　Ｆｅ　＊　Ｃｏ　ｂ　
Ｍｏと金属間化合物を形成し、耐摩耗性を向上させる元
素であるが、その含有量が５．５％を越えると脆化し、
一方０．５４未満では金属間化合物の量が極端に減少す
るために耐摩耗性が低下する。

［ｄ）　　Ｃｒ Ｃｒは、　８ｉとともにＣｒ５Ｓｉ５金属間化合物を析
出し、−６＝ さらにＣｒ−Ｍｏ−６ｉ系の金属間化合物を作り１耐摩
耗性を向上する元素であるが、その含有量が３．０チを
越えると脆化して好ましくなく、一方０．１％未満では
これら金属間化合物の析出が極端に減少し耐摩耗性が低
下する。

（ｅ）　　Ｍ。

Ｍｏは、Ｍｏ−８ｉ系の金属間化合物を作るだけでなり
、Ｃｒの働きによりＣｒ−Ｍｏ−８ｉ系の金属間化合物
も作り、同期性を向上させるとともに耐摩耗性も向上さ
せる元素であるが、その含有量が０．０３％未満ではそ
の効果が認められず１一方１．０％を越えると偏析が発
生し好捷しくない。

［ｆ）　　Ｆｅ　、　Ｎｉ、　Ｃ。

これらの元素は、主としてＳｌと金属間化合物を作って
、耐摩耗性を向上せしめる元素でらるが、それらの元素
が合計で５．０係を越えると被剛性が劣化し、一方１０
．５％未満では金属間化合物の析出量が極端に減少し、
所望の効果が得られない。

（ｇ）　　Ｚｎ Ｚｎは、黄銅系銅合金を構成する基本的元素であるが、
その含有量が３５％を越えると靭性が低下するので好し
くなく、一方１５％未満では、素地組織がα相となって
所望の特性を得ることができないので好ましくない。

〔実施例〕

つぎに、この発明を実施例にもとづいて具体的に説明す
る。

通常の高周波溶解炉を用いて第１表の実施例および比較
例に示される成分組成の黄銅系合金を溶解し、金型に鋳
造し円柱状インゴットを作製し。

このインゴットを温度：　’ｉ’３０℃に加熱し、　１
６５０トンの押出プレスにより外径：６９鎮Ｘ肉厚：５
Ｕのパイプを作製し、このパイプを切断して長さ：２０
鵡の素材リングを作製し、この素材リングを温度ニア０
０℃に加熱し、熱間鍛造して第１図に示される如き変速
機用のシンクロナイザ−リングを作製した。

このシンクロナイザ−リングの内径テーバ面ｌとＪ’ｆ
Ｓ記号ＳＣＭ　２１のｍ（浸炭焼き入れ鋼）にて作製し
たテーパーコーンとの摺動による摩耗試験を行ない、摩
耗量を測定してその結果を第１表に示した。

上記摩耗試験の試験条件は、次の通りである。

リング押付荷重ニア０ゆ。

テーパーコーン回転数：　ｌ　２０　Ｏｒ、ｐ、ｍ、　
。

押付回数：　５０００回。

オイル：’ｉ’５Ｗ−８５Ｗ サイクル：１秒（接触）−２秒（分離）。

〔発明の効果〕

第１表の結果から、この発明の銅合金製変速機用シンク
ロナイザ−リングは従来例である比較例１と比べて耐摩
耗性が極めて優れており、−層の苛酷な条件に耐えるこ
とができ、一方、この発明の条件を満足しない成分組成
が１つでもあると。

たとえ耐摩耗性が十分得られたとしても被剛性および靭
性が劣化し、変速機用シンクロナイザ−リングとして好
ましい性能を発揮しなｈことがわかる。この発明の条件
を満足するシンクロナイザ−リングは苛酷な使用条件に
耐えることができ、産業の一層の発達に貢献しうるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、変速機用シンク 斜視図である。 ｌ・・・内径チーノミ面、 ２・・・チャンファ、 ３・・・キー溝。 ロナイザーリングの

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）重量％で、 Ｚｎ：１５〜３５％、 Ａｌ：０．１〜６．０％、 Ｍｎ：１．０〜１０．０％、 Ｓｉ：０．５〜５．５％、 Ｍｏ：０．０３〜１．０％、 Ｃｒ：０．１〜３．０％、 Ｆｅ、Ｎｉ、Ｃｏのうち１種、または２種以上を合計で
   ０．５〜５．０％含有し、 残部：Ｃｕおよび不可避不純物からなる組成を有する銅
   合金で作製したことを特徴とする銅合金製変速機用シン
   クロナイザーリング。