JPH0216552B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は波状外部導体を有する弾性ケーブルの
端末固定装置に関する。

ケーブル端末を接続用の固定装置に固定接続す
る場合、外部導体が螺旋形状であれば、内側に同
様の螺旋を有する凹型金属部品を使用して弾性ケ
ーブルの接続が行えることは従来より知られてい
る。しかしながら、外部導体が環状の波形状を有
する場合、即ち、波状外部導体である場合、この
ような接続方法を用いることができない。

この種の波状外部導体を有するケーブルの端末
を接続固定する方法は種々提案されているが、い
ずれも高価な金具を使用する、接続固定処理が煩
雑で時間がかかる等の問題を有している。

接続固定を簡単化するために実開昭55−92289
号公報に記載された接続固定技術は、ケーブル端
末の外被はぎ取り部外周に固定金具を装着し、該
ケーブルの波状外部導体の先端を係止するように
この固定金具の外周に接続導体を嵌着し、さらに
金属リングを波状外部導体の谷部に嵌めて固定金
具の先端部をこの金属リングで係止するように構
成したものである。この技術によれば、接続金具
の構成は簡単になるが、ケーブル端末と接続導体
との接続部の密封性が不充分であり、良好な電気
的接続を長期にわたつて維持できないという問題
が生じる。

従つて本発明は従来技術の上述の問題を解決す
るものであり、その目的は、構造が簡単であると
共に良好な電気的接続を長期にわたつて維持可能
な弾性ケーブルの端末固定装置を提供することに
ある。

本発明によれば、前記目的は、波状外部導体を
有する弾性ケーブルの端末固定装置であつて、先
端部において波状外部導体が露出せしめられた弾
性ケーブルの該先端部近傍の外周に装着固定され
るスリーブ部材と、該スリーブ部材が内側に嵌合
固定されるコネクタ本体と、前記波状外部導体の
先端近傍の谷部に嵌合せしめられる弾性環体とを
備えており、前記弾性環体は、前記スリーブ部材
が前記コネクタ本体に嵌合固定された際に該コネ
クタ本体の内周壁に当接するような外径を有して
おり、前記スリーブ部材は、前記コネクタ本体に
嵌合固定された際にその先端が前記弾性環体に当
接して変形し密封体を形成するように少なくとも
その先端側の一部が可撓性部材で構成されている
ことを特徴とする弾性ケーブルの端末固定装置に
より達成される。

以下、本発明による固定装置の非限定的な二つ
の実施例を示す図面を参照しながら本発明を更に
詳細に説明する。

第１図は同軸ケーブルの端末固定装置を示して
おり、１は被覆２を有する中心導体を、３はコネ
クタ本体４中に固定された波状もしくはベロー形
の外部導体を示している。

固定装置はスリーブ５を含み、該スリーブは、
少なくとも１個（図では２個）の末端波形がスリ
ーブ５の外方に伸長するように、外部導体３の近
傍の弾性ケーブルの端末に嵌着される。該スリー
ブ５はコネクタ本体４の螺刻端部に螺合され、他
方該スリーブ５はケーブル保護外被９の端部に固
定、例えば接着される。

更に該固定装置は、第１の端末波形の谷部に嵌
合された弾性環体６と、この弾性環体６とスリー
ブ５との間で外部導体３の周囲に配置された環状
すきま調整部品７とを含み、該環状すきま調整部
品は弾性環体６及びスリーブ５の螺合部と共にコ
ネクタ本体４中に位置する。

弾性ケーブルの保護外被９が剥離され、波状外
部導体３が露出せしめられた弾性ケーブルの部分
は弾性ケーブルの先端部を構成する。

第１図に示す実施例において、スリーブ部材
は、弾性ケーブルの先端部近傍の外周に装着固定
されるスリーブ５と、該スリーブ５の先端側に設
けられた可撓性の環状すきま調整部品７とを有し
ている。

環状すきま調整部品７は、スリーブ５と共にコ
ネクタ本体４に嵌合固定された際に、すきま調整
部品７の先端が弾性環体６に当接して変形し密封
体を形成するように構成されている。

末端波形の第１谷部に嵌合される弾性環体６の
厚さは、外部導体３の端部がコネクタ本体４中に
挿入される時に該弾性環体６がコネクタ本体４の
内周壁と接触するように選択され、他方該弾性環
体６はすきま調整部品７を介してスリーブ５に当
接し外部導体３の先端をコネクタ奥部に確実に固
着せしめる。

前記配置により点８に於いてコネクタ本体４と
同軸ケーブルの波状外部導体３との間のすぐれた
電気接続が可能となる。すきま調整部品７は、好
ましくはゴム製もしくは他の材料（例、ポリテト
ラフルオロエチレン）による可撓性部材で形成さ
れている。

第２図は、本発明の弾性ケーブルの端末固定装
置の他の実施例を示す。

同図中、前出の符号１から４はケーブルとコネ
クタ本体との前記記載の各要素を示し、符号９は
ケーブルの保護用外被を示す。この保護外被９が
剥離され、波状外部導体３が露出せしめられた弾
性ケーブルの部分は弾性ケーブルの先端部を構成
する。この場合、固定装置は常にスリーブ部材１
５を含み、該スリーブ部材１５は、図中１個の波
形がスリーブ部材１５の外部に伸長するように
に、弾性ケーブルの先端部近傍の外周に装着固定
される。スリーブ部材１５の外部に伸長した波形
は波形の底部に嵌合された弾性環体１６と直接に
協働する。スリーブ部材１５は好ましくは、外側
に大きなねじピツチを有する成形ゴム製厚形ジヨ
イントであり、該ジヨイントにはコネクタ本体４
が直接に螺合される。他方スリーブ部材１５は、
例えば装着により保護外被９の端部に固定され
る。

スリーブ部材１５は、コネクタ本体４に嵌合固
定された際にその先端が弾性環体１６に当接して
変形し密封体を形成するように全体が可撓性部材
で構成されている。

第２図の実施例の変形例に於いては、スリーブ
部材１５はラチエツト機構によりコネクタ本体４
中に固定される。

第２図中、コネクタ奥部の外部導体３の先端の
固着点１８に於いて、コネクタ本体４の底部は直
線で示されている。当然ながら該底部は、最良の
接触を与えるコネクタにおいて周知であるよう
に、他のすべての都合のよい形状であつて、円錐
形等の形状であり得る。また該底部は鋳造された
フランジ又は打出し加工を施したフランジから形
成され得る。

第１図及び第２図に示した各実施例に於いて、
弾性環体６もしくは１６はスリツトを有していて
もよく、丸形ワイヤから形成され得、或いは止め
輪から構成され得、或いは任意の外形を伴つて形
成され得、この弾性環体の弾性は、環体が波形の
第１の山部を通過するに十分であると共に第１の
谷部の底迄下降するに十分であり、更にこの時波
形の底に於いて該弾性環体は谷部か離脱すること
なくコネクタ本体の内周壁に接触する。

変形例（図示せず）として、固定装置は参照番
号６もしくは１６で示すような数個の弾性環体を
含み得ることが容易に理解されよう。

ここで弾性環体６はスリーブ５から外方に突出
している波状外部導体３の連続波形の谷部に嵌合
され、該環体は、直接もしくは１または数個の波
形に及び環状すきま調整部品を介して、コネクタ
本体中に固定されたスリーブ５と協働する。

使用される１または数個の環体は金属製もしく
はエラストマー製であり得る。

スリーブは金属製であり得る。また弾性環体は
薄板ばねによつても構成され得る。

以上説明したように本発明によれば、スリーブ
部材は、コネクタ本体に嵌合固定された際にその
先端が弾性環体に当接して変形し密封体を形成す
るように少なくともその先端側の一部が可撓性部
材で構成されているため、構造が簡単であるにも
かかわらず、コネクタ本体と波状外部導体との接
続部の密封性が非常に優れており、従つて良好な
電気的接続を長期にわたつて維持することができ
るから信頼性の高い接続を提供できるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明の端末固定装置の実
施例をそれぞれ示す説明図である。 １……中心導体、２……被覆、３……外部導
体、４……コネクタ本体、５……スリーブ、６，
１６……弾性環体、７……環状すきま調整部品、
９……保護用外被、１５……スリーブ部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 波状外部導体を有する弾性ケーブルの端末固
   定装置であつて、先端部において波状外部導体が
   露出せしめられた弾性ケーブルの該先端部近傍の
   外周に装着固定されるスリーブ部材と、該スリー
   ブ部材が内側に嵌合固定されるコネクタ本体と、
   前記波状外部導体の先端近傍の谷部に嵌合せしめ
   られる弾性環体とを備えており、前記弾性環体
   は、前記スリーブ部材が前記コネクタ本体に嵌合
   固定された際に該コネクタ本体の内周壁に当接す
   るような外径を有しており、前記スリーブ部材
   は、前記コネクタ本体に嵌合固定された際にその
   先端が前記弾性環体に当接して変形し密封体を形
   成するように少なくともその先端側の一部が可撓
   性部材で構成されていることを特徴とする弾性ケ
   ーブルの端末固定装置。 ２ 前記スリーブ部材は、弾性ケーブルの先端部
   近傍の外周に装着固定されるスリーブと、該スリ
   ーブの先端側に設けられる可撓性の環状すきま調
   整部品とを備えている特許請求の範囲第１項に記
   載の装置。 ３ 前記スリーブが、前記コネクタ本体に螺合固
   定される特許請求の範囲第２項に記載の装置。 ４ 前記スリーブが、金属で形成されている特許
   請求の範囲第２項又は第３項に記載の装置。 ５ 前記環状すきま調整部品が、エラストマーで
   形成されている特許請求の範囲第２項から第４項
   のいずれか一項に記載の装置。 ６ 前記スリーブ部材は、全体が可撓性部材で構
   成されている特許請求の範囲第１項に記載の装
   置。 ７ 前記スリーブ部材は、ゴム材で形成されてお
   り、前記コネクタ本体に螺合固定される特許請求
   の範囲第６項に記載の装置。 ８ 前記弾性環体が、止め輪である特許請求の範
   囲第１項から第７項のいずれか一項に記載の装
   置。 ９ 前記弾性環体が、金属で形成されている特許
   請求の範囲第１項から第８項のいずれか一項に記
   載の装置。 １０ 前記弾性環体が、エラストマーで形成され
   ている特許請求の範囲第１項から第８項のいずれ
   か一項に記載の装置。