JPH0216156B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は滑り路の滑り面を流れる水流上を滑降
する水上滑降装置に関する。

従来、水上滑降装置として、その滑り路の断面
が樋形や管状のもので、この滑り路の滑り面を流
れる水面上を滑降するものが知られている。管状
の滑り路では、滑降者に樋形の滑り路にくらべて
興趣に富んだスリル感を与えることができる。と
ころで、この管状の滑り路において、その天井部
分に照明手段がなければ、滑り路内は真暗で、滑
降者に過度の恐怖感を与えたり、また他の滑降者
に気付かないで衝突する等の安全性に欠け、さら
にまた天井部分に照明手段が設けられても滑り路
の底部分が透視性を有するとその部分から下方が
見えて高所の恐怖感に落ち入る。また樋形の滑り
路は、直線部分が曲線部分を含む回路を、予め製
作された滑り路の分割部片を順次連結して組立て
る場合に、結合端面が樋形なので、その結合の相
対的回転位置を変えることができず、そのために
分割部片の傾斜角度と方向を適宜変化させること
ができなく、予め設定された回路しか得られず、
多様な回路が得られない。従つて滑り路の製作費
が高くなり、組立も容易でない。

本発明によれば、相対的に高い位置から低い位
置に延びる滑り路の断面が管状に形成され、この
滑り路内に水を流して滑降者を滑降させ、滑降者
はあたかも傾斜したトンネル内を滑降する従来に
ない興趣に富んだスリルを味うことができる。滑
り路内の水流の量は薄い水の膜の滑り面を形成す
る水容量のものから川のように流れる大容量のも
のまで適宜定めることができ、大容量の場合には
スリルが一層増大する。また管状の滑り路は、そ
の天井部分が光を通す性質を有する材料で形成さ
れ、これにより滑り路内が明るくなり、滑降者は
過度の恐怖感を受けることなく、かつ他の滑降者
との衝突を避け得ることができ、さらに底の部分
が透視できない性質有する材料で形成され、これ
により底から下方が見えず高所の恐怖感に落ち入
らず、従つてこれらの性質があいまつて、安全に
してしかも管状滑り路の特有の趣に富んだスリル
を味わうことができる。しかも照明手段は自然光
であつて、他の電光等の特別な人工の照明手段を
要せず、照明手段の構成が簡単で、その使い方が
便利である。分割された直線状と曲線状または曲
線状と曲線状の管状の滑り路部片の結合端面を相
対的に適宜回転した位置にて互いに突き合わせて
結合することにより滑り路の傾きと方向を選択的
に定めることができる。また製作が容易でかつ経
済的に設計される。

以下本発明の実施例を図面を参照しながら具体
的に説明する。

滑り路１は長く延びた回路で、下方に傾き、高
い入口プール２から低い出口プール３まで延びて
いる。上方に傾いた歩道４は入口プール２近くの
待合場所５に通じている。

比較的大容量の水が、常時入口プール２から滑
り路１の上端に送り込まれ、滑り路を流れたのち
その下端から出口プール３へ流出される。水はそ
の後水槽７に達し、該水槽からポンプ８で戻しパ
イプ９を介して入口プール２へ送られ再び滑り路
１の上端に送り込まれる。

滑り路１は、独立気泡を主体とする発泡体で形
成された長方形のマツト又はパツト（図示略）上
に滑降者が頭を先に向けて腹ばいになり手でパツ
トをつかんだ姿勢で、大容易量の水流中を入口プ
ール２から出口プール３に滑降できるように形成
され、その結果興奮するスリルの滑降が、得られ
る。しかし滑り路内の水流の深さは、滑降者が水
中に沈まない程度になつている。

滑り路１は管状に形成され、出入口のプール
２，３と共に固定的に支持されていて、その支持
平段として、人工の盛土１０かフレーム１１、ま
たは一部が盛土で一部がフレーム等が使用され
る。

滑り路１は、分割された複数の滑り路部片で構
成され、これらの滑り路部片は工場で予め管状に
作成されたもので、それらの端末が互いに結合さ
れる。滑り路部片は直線状の部片１２と、45度の
曲線状の部片１３′，１３″を含み、部片１３，１
３′，１３″の曲率半径は順次大きくなつている。
曲線状の部片の角度は45度の他に22.5度等適宜に
定められる。直線と曲線の部片は、端末が互いに
結合されて、所望のまわりくねつたコースを有す
る滑り路を形成する。このコースは直線部分と共
に適宜の角度に設定できる曲線部分を含み、一例
として45度、90度、135度、180度、495度が１４，
１５，１６，１７，１８で各々示されている。こ
の外に例えば22 1/2度、112 1/2度、157 1/2度、
360度や２回転、３回転等所望の角度に定められ
る。

滑り路の各部片は、剛性を有するが比較的軽量
のもので形成され、好ましくはスプレー成形法で
フアイバーグラス強化プラスチツクまたは同効物
質から形成される。各部片の内面は、円滑に仕上
げられ、それにより滑り路はその全長にわたつて
内面がなめらかである。

製造を容易にするために、滑り路部片は、２個
の部分からなり、上方の半割部分と下方の半割部
分で構成されている。より具体的には、各直線部
片１２は屋根の半割部分１９と底の半割部分２０
を具備し（第４図、第５図）、または45度の曲線
部片１３，１３′，１３″は屋根の半割部分２１と
底の半割部分２２を具備している（第６図、第７
図）。滑り路部片は三つ割、四つ割にすることも
考へられる。

各滑り路部片の屋根と底の分割片は、外側に突
出するフランジ２３を突き合わせて、該フランジ
をボルト２４で結合することにより、分割線にて
互いに固着される。このようにして官状に形成さ
れた滑り路部片は、次のように端末が互いに結合
される。

各滑り路部片は、その端末に、半径方向で外方
向に突き出るフランジ２５が設けられ、相対する
フランジを突き合わせて環状に配置された一列の
ボルト２６で互いに結合する。ボルトの他にリベ
ツト等その結合手段も利用できる。

隣りの滑り路部片の端末フランジ２５に突き合
わせられる曲線状の滑り路部片の端末フランジ２
５の選択された回転位置は、滑り路の傾きと方向
を決定する。例えば、滑り路の495度の曲線分１
８（この曲線部分は螺線状に巻いて、その一端が
他端の下方に位置する）を形成するためには、入
口から出口方向へ曲率半径が相対的に大きい２個
の45度の曲線状の部片１３′と、該部片より曲率
半径が小さい８個の45度の曲線状の部片１３と、
該部片より曲率半径が相対的に大い１個の45度の
曲線状の部片１３′が順次前の部片より少しづつ
傾きを大きくして互いに結合されている。これ
は、フランジ２５が互いに結合される回転位置に
て達成される。

滑り路の曲線部片の個々にまたは連結された順
序に従つて相対的回転位置に予め選択することに
より、滑り路のピツチまたは下方への傾きは部片
の連結点でその長さだけ変えられ、滑り路を水で
推進される人の興奮を高める。また滑り路の回転
部分のそのような相対的回転の位置取りは、滑り
路のピツチ（傾き）を減少することにより、滑り
路のいかなる点における過度の又は望まないスピ
ードを押えて安全にする要素でもある。

また曲線部片の相対的回転位置は、隣りの曲線
部片または直線部片の部片とあいまつて、ピツチ
（傾き）に加えて、滑り路のコースを決定る要素
でもある。

予め選択された相対的な回転位置にて結合され
る分割した滑り路部片の提供は、効率的な製造と
手早い組立にとつて、安全でスリルに富んだ滑り
路と共に、重要である。

各滑り路部片１２，１３，１３′，１３″におい
て、上片１９，２１は光を通す性質を有する材料
で形成され、その結果自然光で滑り路内が明るく
なり、特別な照明手段を必要としなくて便利であ
る。光を通す材料として透明体又は半透明体が使
用される。また下片２０，２２は透視できない性
質を有する材料で形成され、その結果滑り路の下
方が見えず高所の恐怖感に落ち入らない。

また管状の滑り路内にはいつて掃除したり、修
理することを望むならば、１個またはそれ以上の
滑り路部片に孔２９を設け、その上面に取り外し
可能なハツチカバー２７を設けるとよい。

滑り路はその高い入口と低い出口の中間におい
ては、下方の傾きの外に上方への傾きを設けて全
体として上昇下降できるようにしてもよく、また
スリルを高めるためには上下に少なくとも１回転
できるように形成される。

また、滑り路の上方部片と下方部片が前述の通
りフアイバーグラス強化プラスチツク（FRP）
で形成する場合には、合成樹脂層間に挿入される
フアイバーグラス２８を第１０図に示すようにそ
の一端が上記部片の中央部分にて重なるように合
成樹脂層（図示略）を介して順次績層すると、滑
り路はそれに作用する下方への荷重に充分耐える
ことができる。

本発明は上記のように、管状の滑り路の天井部
分が光を通す性質を有し、底部分が透視できない
性質を有する材料で形成されているので、管状の
水上滑降によるスリルに富んだ滑降を楽しむこと
ができる上に、滑降路が明るくて安全に滑降をす
ることができ、底から下方が見えず高所の恐怖感
に落ち入らない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は水上滑
降装置の概略平面図、第２図は第１図の―線
に沿う側面図、第３図は第２図の―線断面
図、第４図は直線状の滑り路部片の分解斜視図、
第５図は直線状の滑り路部片の下方の分割片の平
面図、第６図は45度の曲線状滑り路部片の分解斜
視図、第７図は45度の曲線状滑り路部片の平面
図、第８図は滑り路の360度部分の平面図、第９
図は第８図の―線断面図、第１０図はフアイ
バーグラス強化プラスチツク製の滑り路部片のフ
アイバーグラスのみの積層状態を示す横断面の概
略図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 相対的に高い入口から低い出口へ延びる滑り
   路を具備し、該滑り路は管状に形成され、その天
   井部分が光を通す性質を有し、底の部分が透視で
   きない性質を有し、該滑り路の底部分の滑り面を
   流れる水流上にて人を滑動させる水上滑降装置。 ２ 上記滑り路は所定の間隔にて分割されて互い
   に結合される直線状の滑り路部片と曲線状の滑り
   路部片を具備し、曲線状の滑り路部片と曲線状又
   は直線状の滑り路部片はそれらの結合端面を相対
   的に適宜回転した位置にて互いに突き合わせて結
   合して、滑り路の傾き角度と進路を定めるように
   した特許請求の範囲１に記載の水上滑降装置。 ３ 上記各滑り路部片はその結合端面に半径方向
   のフランジを有し、これらのフランジを互いに相
   対的に回転した位置にて突き合せ、フランジに穿
   設された孔にボルトを通して結合する特許請求の
   範囲２に記載の水上滑降装置。 ４ 上記各滑り路部片は天井部分の上片と底部分
   の下片に分割されて互いに結合されている特許請
   求の範囲２または３に記載の水上滑降装置。 ５ 上記滑り路部片の上片と下片は、それらの結
   合端面に横方向に延びるフランジを有し、各フラ
   ンジを互いに突き合わせ、フランジに穿設された
   孔にボルトを通して互いに結合する特許請求の範
   囲４に記載の水上滑降装置。 ６ 上記滑り路部片の上片は光を通す性質を有
   し、下片は透視できる性質を有する特許請求の範
   囲４または５に記載の水上滑降装置。 ７ 上記滑り路の入口は入口プールに接続され、
   滑り路の出口は出口プールに接続されてなる特許
   請求の範囲１乃至６のいずれかに記載の水上滑降
   装置。 ８ 上記滑り路の天井部分は少なくとも１箇所出
   入用の孔が穿設され、該孔に取り外し可能な蓋が
   設けられてなる特許請求の範囲１乃至７のいずれ
   かに記載の水上滑降装置。