JPH02160924A - 多孔質炭素繊維及びその製造法 - Google Patents

多孔質炭素繊維及びその製造法

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JPH02160924A
JPH02160924A JP63310729A JP31072988A JPH02160924A JP H02160924 A JPH02160924 A JP H02160924A JP 63310729 A JP63310729 A JP 63310729A JP 31072988 A JP31072988 A JP 31072988A JP H02160924 A JPH02160924 A JP H02160924A
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acrylonitrile
porous carbon
copolymer
carbon fiber
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Hiroaki Yoneyama
米山 弘明
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、表層面の細孔の径を改良した多孔質炭素繊維
に関するものである。
「従来の技術」 近年、多孔質炭素繊維はガス及び蒸気の高吸着性能と優
れた加圧適性を有する吸着材料として微量有機ガスの吸
着回収、悪臭成分の吸着除去、触媒分解能、有機電解質
電極用にと新規機能材料として広く利用されている。
多孔質炭素繊維は、セルローズ系繊維、ポリアクリロニ
トリル系繊維、ポリビニールアルコール系繊維、フェノ
ール系繊維等有機系繊維を原料とするものの他ピッヂ系
等を原料とするもの等があるが、いずれも不融化処理(
耐炎化処理)を経て、炭素化処理工程で、水蒸気、炭酸
ガス、空気等の酸化性ガス中で賦活処理(多孔化処理)
されて製造されている。原料によりB E ’l’表面
積の値に差が生じるが、大体500〜3000m’/g
の範囲にある。これらの多孔質炭素繊維の細孔半径は、
いずれも50Å以下の範囲にシャープな細孔分布のピー
クを有する多孔質構造の繊維である。
「発明が解決しようとする課題」 ところが、従来の多孔質炭素繊維は、細孔半径が50Å
以下と小さいため、分子量の比較的小さいもののガス相
からの吸着特性には優れているか液相に溶存する分子量
の比較的大きな有機物、高分子物等の吸着には適してい
ないという問題かある。
本発明は、」−記事情に鑑みなされたちので、気相もし
くは液相中に存在する分子量の比較的大きい物質の吸着
分離に適する多孔質炭素繊維を提供することを目的とす
る。
[課題を解決するための手段」 本発明は、炭素含有量75重量%以」―からなる多孔質
炭素繊維であって、この多孔質炭素繊維の表層面に開孔
した細孔の半径の分布が50Å〜l000人の範囲内に
ピークを有することを特徴とする多孔質炭素繊維とする
ことを、解決するための手段とした。
「作用」 細孔の半径が50Å以上に分布のピークを有することに
より、分子量の比較的大きい物質も吸着分離できる。
以下、本発明の多孔質炭素繊維について、詳しく説明す
る。
前述したように、本発明の多孔質炭素繊維は、炭素含有
量が75重量%以」二であり、表面層に開孔した細孔の
半径の分布が50Å〜1000への範囲内にピークを有
することを特徴とするものである。
ここで、本発明の多孔質炭素繊維の炭素含有量が75重
量%に満たない場合は、炭素繊維と定義されず、多孔質
炭素繊維としての効果を奏しない。
また、細孔の半径の分布が50人未満にピークを有する
場合は、従来の多孔質繊維と同じ効果しか得られず、1
000人を越えてピークを有する場合は、繊維強度が低
下しやすくなる。
次に、本発明の多孔質炭素繊維の製造方法について詳し
く説明する。
本発明の多孔質炭素繊維は、まずアクリロニトリルを9
0モル%以上含有するアクリロニトリル系共重合体と、
600℃以下の温度で熱分解して低分子量化する熱分解
性共重合体と、必要に応じて添加する上記両型合体のブ
ロック又はグラフト共重合体からなる相溶剤とを溶剤に
溶かし混合溶液とし、これを紡糸、延伸して、アクリル
系ブレンド繊維を製造する。次に、上記繊維を200〜
300℃の酸化性ガス雰囲気中で耐炎化処理を行い、さ
らに600℃以」二の不活性ガス雰囲気下にて炭素化処
理を行う。このとき同時に熱分解性重合体を熱分解させ
、その分解された低分子物質の逃散により細孔を開孔さ
せ、本発明の多孔質炭素繊維とする。
本発明に用いるアクリロニトリル系共重合体はアクリロ
ニトリル90モル%以」−とアクリロニトリルと共重合
可能な公知の単量体を10モル%以下とを含む共重合体
が好ましい。
ここで、この共重合体中にアクリロニトリルが90モル
%未満のものは、耐炎化処理中に融着を生じ易く炭素化
され難いという不具合を生ずる。
アクリロニトリルと共重合可能な単量体としてはアクリ
ル酸、メタクリル酸、イタコン酸及びメチルメタクリレ
ート、エチルメタクリレート等の上記酸の誘導体、アク
リルアミド、メタクリルアミド等のアミド誘導体、酢酸
ビニル、更には塩化ビニリデン等のハロゲン単量体、メ
タクリルスルホン酸ソーダやスヂレンスルホン酸ソーダ
等のスルホン酸誘導体等が挙げられる。また、このアク
リロニトリル系共重合体の重合度は比粘度を尺度とする
と比粘度が、0.2〜0.3の範囲のものが好ましい。
本発明に用いられる熱分解性共重合体は分解温度600
℃以下で熱分解し低分子量化するものが好ましく、アク
リロニトリル系共重合体と共通の溶剤に溶解可能なもの
が好適に用いられる。
ここで、分解温度が600℃を越えるものは、炭素化処
理工程において低分子量物に熱分解しないため、細孔が
形成され難いという不具合を生じる。
上記熱分解性共重合体としては、ビニルクロライド、ビ
ニルアルコール、ビニルアセテート等のビニル系単量体
、メタクリレート、メヂルメタクリレート、エヂルメタ
クリレート、ローブデルメタクリレート等のアクリレー
ト系単量体を51モル%以」二と、アクリロニトリル以
外の単量体を49モル%以下とを含む共重合体等が好適
に用いられる。ごの熱分解性共重合体の比粘度は0.2
〜0.3程度が好適である。このように、比粘度の値を
アクリロニトリル系共重合体と近い値とすることは、両
型合体の溶液濃度及び粘度を調整する場合に都合が良い
一般に異種の重合体を混合溶解する場合、溶解パラメー
ター(δ)の値が異なるものは層分離を生じやすい。本
発明においても、アクリロニトリル系共重合体の(δ)
は約154であり、熱分解性共重合体の(δ)は9.0
〜12.2の範囲であるため相分離を生じ易い。このよ
うな場合、相溶剤として異種重合体同志のブロック又は
グラフト共重合体を用いるごとは一般に良く知られてい
る。このような相溶剤としては、ブロック及びグラフト
共重合体として、アクリロニトリル30モル%以上、熱
分解性共重合体40モル%以上及びその他の共重合可能
な単量体lOモル%以下含むものなどが好適に用いられ
る。
上記アクリロニトリル系共重合体、熱分解性共重合体お
よび相溶剤の混合割合は、アクリロニトリル系共重合体
が40〜80重量%、熱分解性共重合体が20〜60重
量%、相溶剤が0〜5重量%の範囲が好ましい。
アクリロニトリル系共重合体の混合割合が40重量%未
満の場合には、炭素化収率が低くなりすぎ経済的でなく
、80重量%を越える場合には閉孔の割合が多く吸着に
寄与しないという不具合を生じる。
熱分解性共重合体の混合割合が20重量%よりも少ない
場合、細孔は繊維表層面に開孔せず、閉孔の状態にあり
吸着性能は発現しない。60重量%を越えて混合させる
と炭素化収率が減少し、経済上好ましくなくなる。
」1記、閉孔の状態は密度勾配管法による密度の測定で
明らかになる。すなわち、繊維表層面に細孔が開孔して
いない場合は、細孔中への密度勾配清液が流入せず炭素
繊維密度が低下することにより判明する。また、熱分解
性共重合体の混合量が20重量%以上、好ましくは25
重量%以上混合することにより細孔が表層面で開孔した
場合は、細孔内に密度液が流入し繊維密度が上昇し、細
孔が繊維表層面に開孔したことが示される。熱分解性共
重合体の混合割合が多くなると、細孔半径は一定で細孔
の容積が増加する、すなわち吸着容量が増加することと
なる。
本発明において相溶剤は、アクリロニトリル系共重合体
と熱分解性共重合体との混合を溶解時に行う場合は必須
であるが、これらをそれぞれ単独で溶解し、紡糸直前に
公知の駆動部分不要の静的混練素子を用いて混合する場
合は、相溶剤は必ずしも必要ではない。
上記相溶剤を添加する効果としては、相溶効果を上昇さ
せることは勿論であるが、さらに相溶剤の混合量を加減
することにより熱分解性共重合体の分散相の大きさを制
御し、細孔の大きさを決定することにある。混合量が一
定で相溶剤の量を加減すると、相溶剤の量が多くなるに
従って分散相の大きさが小さくなり、炭素化処理中に生
成する細孔の半径を小さくする。ただし、5重量%を越
えて混合しても効果は飽和するため、混合量は5重量%
以内が好適である。また、相溶剤を添加せずに、公知の
駆動部分不要の静的混線素子を用いて混合する場合は、
該混練素子のエレメントの数によってこの分散相の大き
さを制御する。
これらの重合体を溶解するための溶剤としては、ジメチ
ルホルムアミド、ジメヂルアセトアミド及びジメヂルス
ルホキシド等の有機系溶剤が好適に用いられる。
この溶剤に上記重合体を溶解した混合溶液の粘度は、5
0℃で測定される落球粘度が、200〜800ボイズの
範囲が好適である。この粘度は、混合溶液の濃度を15
〜30重量%の範囲内で変化させることにより、上記範
囲に調整される。この混合溶液の濃度が低く落球粘度が
200ボイズより低いと、紡糸の安定性が低下する。ま
た、この混合溶液の濃度が高く、落球粘度が800ボイ
ズより高くなると、濾過圧力等が上昇し紡糸操作性が悪
くなる傾向となり好ましくない。
上記混合溶液は通常の円形ノズルから吐出される。混合
溶液は導管中の流動およびノズルから吐出される際の剪
断応力等により更に分散する。吐出された混合溶液は、
いったん空気中を走行させた後、凝固液中に導かれる方
法、もしくは直接凝固液中に吐出される方法により凝固
される。
凝固液は通常は水と溶剤の混合溶液が用いられる。溶剤
の濃度が60〜85重量%の水溶液で温度が30℃以下
のものが好適に用いられる。上記範囲を外れると脆弱な
繊維と成り易い。比較的凝固速度を遅くする方が相分離
も穏やかに進み、欠陥構造の生成も妨げられるので好ま
しい。
次に、この凝固した繊維を温水及び熱水中で順次洗浄す
る。延伸は多段階で行い、延伸倍率3倍以上好ましくは
5倍以上に延伸する。その後加熱ロール上で乾燥するこ
とににり緻密構造のアクリロニトリル系ブレンド繊維が
製造される。この繊維の繊度は3デニール以下、好まし
くは15デニール以下が好ましい。上記紡糸工程中にお
いて各重合体は相分離を生じそれぞれ独立にからみ合っ
たフィブリルを形成する。
このアクリロニトリル系ブレンド繊維は、温度200〜
300℃の酸化性ガス(03,03,81N02等)を
含む雰囲気中(通常は空気中)において耐炎化処理する
。ここで、処理温度が200℃に満たない場合は、耐炎
化構造の生成に長時間を必要としてしまい、300℃を
越えると、暴走反応を生じ易く、また融着し易いという
不都合を生じる。
上記耐炎化処理(酸化工程)中は、繊維は実質上収縮が
生じないように制御する。酸化工程での過度の収縮は得
られる繊維の強度特性を低下させるので好ましくない。
また過度の伸張も毛羽の発生や繊維の切断が生じ易くな
る。酸化工程での伸張は0〜15%の範囲で制御するこ
とが肝要である。
この酸化工程でアクリロニトリル系ブレンド繊維のニト
リル基の部分が縮合環化し不燃構造となり、熱に対して
安定化する。
上記酸化工程の後、600℃〜1200℃の不活性がス
(N7、Ar、He等)の雰囲気中で、耐炎化処理後の
繊維を0〜20%の伸張下で炭素化処理を行う。ここで
、処理温度が600℃未満の場合は、多孔質化が不充分
となり、処理温度が1200℃を越えると、細孔容積が
減少の傾向を示すという不具合を生じる。
この工程で熱分解性共重合体のフィブリル構造は低分子
体、単量体等に熱分解し除去されることにより、繊維内
部において繊維軸に平行に細長い細孔が形成され、本発
明の多孔質炭素繊維が製造される。
本発明の多孔質炭素繊維は細孔内部表面に多数の含窒素
官能基(ナフチリジン環)を有するが、更に目的に応じ
、気相あるいは液相にて酸化処理を施し細孔内表面にカ
ルボキシル基、フェノール性水酸基、カルボニル基、エ
ーテル基等を生成させることも可能である。
「実施例」 以下、本発明を実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1) アクリロニトリル(以下ANと略記する)98モル%、
メタアクリル酸(以下MAAと略記する)2モル%から
なる比粘度0424のAN共重合体60重量%と、メチ
ルメタクリレート(以下MMAと略記する)99モル%
、アクリル酸メチル(以下MAと略記する月モル%、比
粘度0.21の熱分解性共重合体40重量%とからなる
両共重合体の混合物100重量部に対し、AN40モル
%、MMA60モル%からなる比粘度0,19のブロッ
ク共重合体からなる相溶剤3重量部を混合し、溶剤とし
てジメチルホルムアミド(以下DMFと略記する)に三
者の混合物の溶液濃度が26重量%になるように溶解し
混合溶液とした。
この混合溶液を、ノズル孔径0.15mmφを用いて乾
−湿式紡糸法で紡糸した。ノズル表面よりM固液面迄の
距離は約5mmとし1こ。
温度5℃のDMF70重量%の水溶液を凝固液として用
いた。ごの凝固液により凝固された繊維は、60℃の温
水中で洗浄と2倍の延伸を施した。
次いで98℃の熱水中で2倍の延伸を行った。弓き続き
160℃の熱ロールで乾燥し、更に180℃の熱ロール
を通過させる際に15倍の延伸を行い全延伸倍率6倍と
した。その結果、繊度1゜2 dpf、フィラメント数
3000本のAN系ブレンド繊維が製造された。
この繊維は210℃から255℃の範囲の5段階の温度
勾配を有する空気雰囲気の耐炎化炉中で連続処理し、耐
炎性繊維とした。
次いで、窒素ガス雰囲気中で炭素化処理の温度を600
℃から12008Cまで5段階に変更させた5種類の条
件にて、滞在時間2分で連続処理し熱分解性共重合体を
熱分解により低分子量化させることにより多孔質化させ
た試料を作製した。さらにこれらの試料を2009Cオ
ゾン濃度、2%の雰囲気中で表面酸化処理を施し本発明
の大きな細孔を有する多孔質炭素繊維の試料を得た。第
1表にこれらの多孔質炭素繊維の特性を示す。
(以下、余白) 第 表 第1表より明らかなように、多孔質化の温度(炭素化処
理温度)が600℃〜1200℃L: 変化すせても、
炭素含有量は75%〜96%、細孔半径は130Å〜9
0人、細孔容積0.45〜0.25cm2/gの範囲と
なり、本発明の特徴を備えた多孔質炭素繊維を製造する
ことが可能である。
(実施例2) 実施例1で用いたアクリロニトリル系共重合体60重量
%と熱分解性共重合体40重量%からなる混合重合体1
00重量部に対し、相溶剤の混合量を0.1重量部、0
.5重量部、1重量部、5重量部と変更して、実施例1
と同じ方法で紡糸延伸しアクリロニトリル系ブレンド繊
維を製造した。
炭素化処理の温度を900℃と一定とした以外は実施例
1に準じて多孔質化し、本発明の繊維を得た。第2表に
これらの多孔質炭素繊維の特性を示す。
(以下余白) 第2表より明らかなように、相溶剤であるブロックポリ
マーの混合量を変更することによって本発明の細孔の平
均半径を100Å〜1000への範囲において、必要に
応じて細孔を得ることができる。
(実施例3) AN95モル%、MA4モル%、イタコン酸(以下IA
と略記する)1モル%の組成からなる比粘度0.21の
AN共重合体と、MMA 97モル%、MA3モル%の
組成と比粘度0.20の熱分解性共重合体及びAN30
モル%、MMA45モル%、酢酸ビニル(以下VACと
略記する)25モル%、比粘度0.19のブロック共重
合体とを第3表に示した混合比でジメチルアセトアミド
(以下DMACと略記する)に濃度24重量%となるよ
うに溶解した。0.07mmφの多数孔ノズルを用いて
凝固溶中に湿式紡糸した。凝固液にはDMA074重量
%の水溶液温度25℃を用いた。次いで洗浄と延伸を多
段に分けて実施し全延伸倍率7.2倍としだ後145℃
の熱ロールで乾燥し、I 、Od、12000フイラメ
ントのアクリロニトリル系ブレンド繊維を製造した。
実施例1とほぼ同様の条件で耐炎化処理し、窒素雰囲気
中、温度900℃で連続的に炭素化処理した。この繊維
の性状を第3表に示す。
(以下余白) 第 表 第3表より明らかなように、比較例は熱分解性共重合体
のブレンド量が17部と低いため、繊維密度が低いこと
がら細孔は存在するが、繊維表層面への連絡がない(閉
孔)ため水銀圧入法で認められる細孔(開孔)は存在し
ない。従って本発明の多孔質繊維とはならない。他の実
施例においては、熱分解性共重合体のブレンド量が多く
なると、細孔半径は大きくなり、また細孔容積も大きく
なり本発明の特徴を満足させる多孔質炭素繊維が製造で
きた。
以下、解析に用いた分析装置および分析方法について記
す。
元素分析は、示差熱電導セルにより柳本CHNコーダー
、MT−II型を用いて測定した。
細孔構造は、水銀圧入法(CARLO・ERBA社製ポ
ロシメーター200)により測定し円筒換算半径を計算
で求めた。
BET表面積は、メタノール等温吸着曲線からBETの
式に基づいて計算した。
単繊維強度は、試長25mm、テンシロンVTM■型を
用いて測定した。
繊維の密度は、JIS−7601記載の密度勾配管法に
よって測定した。
重合体の比粘度は、重合体1gを0.INのロダンソー
ダを含むジメヂルホルムアミド100mρに溶解し25
℃で測定した。
「 発明の効果 」 本発明は、炭素含有量75重量%以上からなる多孔質炭
素繊維であって、この多孔質炭素繊維の表層面に開孔し
た細孔の半径の分布が50Å〜1000への範囲内にピ
ークを有することを特徴とする多孔質炭素繊維であるの
で、気相もしくは液相に存在する分子量の比較的大きい
物質の吸着分離に適する。またこの繊維の製造時の条件
を変化させることにより、この細孔の半径を選択するこ
とができ、吸着分離する目的物に合わせた多孔質炭素繊
維を製造できる。従って、本発明の多孔質炭素繊維は、
分子量の比較的大きい物質を吸着分離する効果を有する
ものであり、かつその物質に合わゼた多孔質炭素繊維を
選択的に製造できる効果を有するものである。
「   イ寸δ己   」 本発明の実施態様としては、以下のものがある。
(1)アクリロニトリル系共重合体と熱分解性共重合体
とを混合溶解する際に相溶剤として両者のブロック又は
グラフト共重合体を0〜5重量%混合して熱分解製重合
体の分散相の大きさを制御することを特徴とする請求項
2記載の多孔質炭素繊維の製造方法。
(2)熱分解性共重合体がメタアクリレート、メチルメ
タクリレート、エチルメタクリレート又はn−ブチルメ
タクリレート1モル%以上とアクリロニトリル以外の単
量体を49モル%以下を含む共重合体であることを特徴
とする請求項2記載の多孔質炭素繊維の製造方法。
(3)相溶剤がメチルメタクリレート50重量%以上と
アクリロニトリル40モル%以下及び共重合可能なその
他の単量体10モル%以下のブロック共重合体であるこ
とを特徴とする請求項2記載の多孔質炭素繊維の製造方
法。
(4)細孔内壁を気相又は液相で酸化処理して活性基を
導入することを特徴とする請求項2記載の多孔質炭素繊
維の製造方法。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)炭素含有量75重量%以上からなる多孔質炭素繊
    維であって、この多孔質炭素繊維の表層面に開孔した細
    孔の半径の分布が50Å〜1000Åの範囲内にピーク
    を有することを特徴とする多孔質炭素繊維。
  2. (2)アクリロニトリルを90モル%以上含有するアク
    リロニトリル系共重合体と、600℃以下の温度で熱分
    解して低分子量化する熱分解性共重合体とを混合して紡
    糸、延伸してなるアクリロニトリル系ブレンド繊維を、
    200〜300℃の酸化性ガス雰囲気中で耐炎化処理し
    、更に600℃以上の不活性ガス雰囲気中で行なわれる
    炭素化処理において、上記熱分解重合体の熱分解により
    細孔を形成することを特徴とする請求項1記載の多孔質
    炭素繊維の製造法。
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