JPH0215946Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ≪産業上の利用分野≫ この考案は資材貯留場組立・解体用作業台に関
し、特に曲面板をボルトナツトで緊結した筒状の
仮設資材貯留場の解体用作業台に関する。

≪従来技術と問題点≫ 周知のように、土木・建築現場では、土砂、礫
などの資材を大量に使うため、工事現場に隣接し
て仮設の資材貯留場が設置される。

資材貯留場としては、専ら表面が波状であつ
て、円弧状に屈曲した曲面板を、上下方向および
周方向にボルトナツトで緊結した筒状のコルゲー
トビンと称されるものが用いられている。

ところで、この種の資材貯留場は、工事の開始
前に組立て、終了近くになると用済みとなり解体
しなければならないが、この際に次のような問題
があつた。

すなわち、従来の組立・解体作業は、コルゲー
トビンの周囲に仮設足場を組立てて行なつてお
り、足場の組立と撤去に時間と手間がかかり極め
て不経済であつた。

また、特に円形のコルゲートビンでは、これに
沿うように円形の仮設足場を組立てて、しかもビ
ンの内外に設けなければならないため、組立が難
しく、さらに経済性を悪化させていた。

≪考案の目的≫ この考案は上述した従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであつて、その目的とするところは、資
材貯留場を組立・解体する際に、組立・解体作業
用の仮設足場を用いることなく組立・解体できる
資材貯留場組立・解体用作業台を提供するところ
にある。

≪考案の構成≫ 上記目的を達成するため、この考案は、円弧状
に屈曲した曲面板を上下および周方向に緊結した
筒状の資材貯留場の組立・解体用作業台におい
て、前記曲面板の上端に沿つて転動する一対のロ
ーラーを備え、これらのローラーの水平間隔は該
曲面板の横幅よりも大きく、且つその垂直間隔は
前記曲面板の高さと実質的に同じになるように段
違状となすとともに、少くとも下方のローラーは
脱着可能とし、これらのローラーは前記曲面板を
挟むようにして配置される吊り足場に取付けられ
てなることを特徴とする。

≪実施例≫ 以下、この考案の好適な実施例について添付図
面を参照にして詳細に説明する。

第１図から第５図は、この考案に係る資材貯留
場組立・解体用作業台の一実施例を示している。

同図に示す作業台は、第１図から第３図に示す
ように、門型に形成された一対の支柱１０，１０
と、この支柱１０，１０の両側に外方に突出して
固着した枠状の手摺部材１２，１２と、手摺部材
の下端に取付けられたエキスパンデツドメタルか
らなる床板１４とで一対の吊り足場１６，１６を
構成し、前記支柱１０の一方の上端部分には回転
可能に枢着された固定ローラー１８が取付けられ
るとともに、他方の支柱１０の中間部分には、例
えば落し込み方式などで脱着自在としてローラー
２０が取付けられている。

上記固定ローラー１８とローラー２０との水平
間隔は、後述する曲面板の横方向の長さよりも大
きく設定され、垂直間隔は曲面板の高さと実質的
に同じに設定されている。

また、上記固定ローラー１８とローラー２０の
枢着軸は、第３図に示す如く曲面板の接線に対し
て直交するように支柱１０，１０に取付けられて
いる。

そして、上記吊り足場１６の全体の平面形状
は、ローラー１８，２０の枢着軸に沿うようにし
て略台形状となつている。

上述した構成の作業台は、第４図に示すように
資材貯留場に設置される。

同図に示す使用例は、貯留場を円弧状に屈曲し
た多数の曲面板２２，２２…を、上下および周方
向に補強材２４を介在させてボルトナツト２６で
もつて緊結し、円筒状のいわゆるコルゲートビン
２８としたものに適用した場合である。

作業台の設置は、まず、ローラー２０を脱着し
た状態で、例えばクレーンで作業台を吊り上げ、
吊り足場１６，１６がコルゲートビン２８の両側
面を挟むようにして設置し、コルゲートビン２８
の最上段の１枚の曲面板２２ａを撤去する。そし
て、撤去した曲面板２２ａの周方向に隣接する他
の曲面板２２ｂの上端面に上記固定ローラー１８
が当接するようにし、また、曲面板２２ａの下方
に隣接する他の曲面板２２ｚの上端面にローラー
２０が当接するように、これを装着する。

しかる後、クレーンによる吊り上げを解除す
る。

次いで、作業台をコルゲートビン２８の周方向
に移動し、固定ローラー１８が第３番目の曲面板
２２ｃ上にあつて、且つローラー２０が曲面板２
２ｚ上に位置するようにし、曲面板２２ｂのボル
トナツト２６を外し、これを取り外す。

ここで、各ローラー１８，２０には、その回転
を任意の位置で停止できるストツパーを設けるこ
とが望ましい。

曲面板２２ｂの取り外しが終わると、作業台を
再び移動して同じ作業を繰返し解体を続行する。
最上段の曲面板２２の解体が終わると、上記と同
じように作業台を設置してその下段の分解を行な
う。

この場合、同じ段に位置する最後の一枚の曲面
板２２ｘは、着脱可能なローラー２０を再び取り
外し、第５図に示すように作業台を設置し、吊り
足場１６に適当な台を載置すれば取り外すことが
できる。

一方、コルゲートビン２８の組立時には、ま
ず、一段分の曲面板２２を組立て、２段目の曲面
板２２を一枚だけ組付けた状態で、作業台を設置
し、解体時とは逆の周方向に移動させながら行な
う。

つまり、組立時には上述した解体作業とほぼ逆
の作業を繰り返すことになる。

≪考案の効果≫ 以上、実施例で詳細に説明したように、この考
案に係る資材貯留場組立・解体用作業台は、吊り
足場とローラーという比較的簡単な構成によつ
て、従来のように仮設足場を組立ることなく資材
貯留場の組立あるいは解体できるため、作業能率
が大幅に向上して経済的効果を高めることができ
る。

また、ローラーの枢着を曲面板の接線方向に対
して直交するようにすれば、作業台上の作業員が
手動でもつてコルゲートビンからローラーが脱落
することなく簡単に移動させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す正面図、第
２図は同側面図、第３図は設置状態の平面図、第
４図は初期設置状態の斜視図、第５図は２段目の
解体時の設置状態を示す斜視図である。 １０……支柱、１２……手摺部材、１４……床
板、１６……吊り足場、１８……固定ローラー、
２０……曲面板、２４……補強材、２６……ボル
トナツト、２８……コルゲートビン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 円弧状に屈曲した曲面板を上下および周方向
   に緊結した筒状の資材貯留場の組立・解体用作
   業台において、該曲面板の上端に沿つて転動す
   る一対のローラーを備え、該ローラーの水平間
   隔は該曲面板の横幅よりも大きく、且つその垂
   直間隔は該曲面板の高さと実質的に同じになる
   ように段違状となすとともに、少くとも下方の
   ローラーは脱着可能とし、該ローラーは該曲面
   板を挟むようにして配置される吊り足場に取付
   けられてなることを特徴とする資材貯留場組
   立・解体用作業台。 (2) 上記ローラーは、上記曲面板の接線に対して
   直交するように枢着されていることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の資材貯
   留場組立・解体用作業台。