JPH02157492A - 縦型ロータリ圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野コ 本発明は、縦形ロータリ圧縮機に係り、特に、高速回転
時の回転軸系の共振を防止し、さらに圧縮機外部への冷
凍機油の吐出防止に好適な縦形ロータリ圧縮機に関する
ものである。

［従来の技術］ 従来の縦形ロータリ圧縮機を第１０図を参照して説明す
る。

第１０図は、従来の縦形ロータリ圧縮機の縦断面図であ
る。

第１０図に示す縦形ロータリ圧縮機は、密閉容器１の下
部に圧縮機構部２を配し、上部に固定子３と回転子４と
からなる電動機部を配し、回転子４は回転軸５に嵌着さ
れている。回転軸５は偏心部５ａを有し、この偏心部５
ａには回転自在にローラ６が嵌合されており、ローラ６
は回転軸５の回転にともないシリンダ７の中で偏心回転
する構成となっている。

また、シリンダ７の上面に上軸受８．下面に下軸受９を
備え、回転軸５を支持するとともにシリンダ７内に圧縮
室を形成している。

回転子４は、鉄心１０、エンドリング１２等により構成
されており、この鉄心１０の外側には永久磁石１１を装
備したものもある。また、前記鉄心１０には鉄心１０の
上下を貫通する貫通孔１３を形成している例もある。

この貫通孔１３を形成した例としては、実開昭４８−３
０４０７号公報、実開昭４８−７５２０５号公報、実開
昭６０−４５８８８号公報記載の技術が知られている。

ここで前記３例のうち、実開昭４８−３０４０７号公報
および実開昭４８−７５２０５号公報記載の貫通穴は冷
媒ガスを通過させる穴として使用しており、実ｖｒＪ昭
６０−４５８８８号公報記載の貫通孔は圧縮機組立時の
上軸受への注油を目的として配設されている。いずれの
例においても１貫通穴は回転子の重量低減の目的で設け
られたものではない。

第１０図に示す縦形ロータリ圧縮機では、冷媒ガスは前
記圧縮機構部２にて圧縮されたのち吐出バルブ（図示せ
ず）やサイレンサ室１４を通し電動機部の下方に吐出さ
れる。さらに冷媒ガスは固定子３と密閉容器１のすきま
や固定子３と回転子４とのすきま、あるいは前記貫通穴
１３を通って電動機部の上部に達し、吐出バイブ１５か
ら圧縮機外部に吐出される。ここで密閉容器１の底部に
は冷凍機油１６が貯溜されているが、冷凍機油１６に溶
解した冷媒ガスの発泡や回転子４の撹拌作用等により冷
凍機油が前記冷媒ガスと混合噴霧化された状態で電動機
部の上方にふき上げられ吐出パイプ１５から圧縮機外に
吐出される。

ここで圧縮機外部に吐出される冷凍機油の量は圧縮機の
信頼性および該圧縮機に接続される冷凍機の性能に関係
する。すなわち、圧縮機外部に吐出される冷凍機油の量
が増加すると密閉容器１の底部に貯溜する冷凍機油が減
少し軸受への潤滑が不十分になることがある。また、前
記冷凍機を構成する熱交換器内に付着する冷凍機油のた
めに熱交換器の熱貫通率が低下し冷凍機の能力が低下す
る。

［発明が解決しようとする課題］ 上記従来技術において、特に圧縮機を高速で使用する場
合には、運転周波数と回転軸および回転子よりなる軸系
の固有値が近づくために共振領域に達することがあり、
その場合は回転軸の振れ回り量が増大し上軸受および下
軸受に加わる局部荷重が増大するため軸受の信頼性が低
下する。

軸系の固有値を増加させるためには、回転子の／ｈ形形
量量化回転子の固定位置低下などが必要であるが、回転
子を小形化すると電動機の性能低下が問題となり、また
回転子の固定位置を低くするため上軸受を短くする場合
には信頼性の低下が問題となる。

また、上記従来例に示すように、回転子の上下を貫通す
る穴を形成した場合、貫通穴の下方から上方へ回転され
ながら吐出される冷媒および冷凍機油が、固定子と密閉
容器とのすきま、および固定子と回転子とのすきまを通
って吐出される冷媒および冷凍機油と、電動機部の上方
で混合されるため、冷凍機油が噴霧化され圧縮機外部に
吐出される冷凍機油量が増大し、冷凍機の能力が低下す
るという問題があった。

さらに、前記貫通穴から吐出される冷媒ガス音が発生す
る問題があった。

本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになさ
れたもので、電動機の性能および軸受の信頼性を低下さ
せることなく、軸系の固有値を増加でき、さらに圧縮機
外部へ吐出される冷凍機油量を減少させ、冷凍機の性能
を向上しうる縦形ロータリ圧縮機を提供することを、そ
の目的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために１本発明に係る縦形ロータリ
圧縮機の構成は、密閉容器内の下部に圧縮機構部を、上
部に固定子と少なくとも鉄心およびエンドリングで構成
される回転子とからなる電動機部を収納した縦形ロータ
リ圧縮機において、前記回転子の鉄心に当該鉄心全長を
貫通する複数個の空洞部を設け、この空洞部の上側端部
を閉塞し下側端部を回転子外部に開口したものである。

［作用］ 上記技術的手段による働きは次のとおりである。

回転子の鉄心に形成する空洞部は、回転子の性能を低下
させることなく回転子質量を低減することができるため
、軸系の固有値を増加し、信頼性を確保できる。

また、回転子の前記空洞部の上端を閉塞すれば、当該空
洞部を通って電動機部上方に吐出される冷媒および冷凍
機油が遮断されるため、圧縮機外部に吐出される冷凍機
油の量を低減でき冷凍機の性能を向上できる。

さらに、回転子の前記空洞部の下端を開口することによ
って、圧縮機組立時に当該空洞部に残在する空気を真空
引きにより完全に除去でき、圧縮機および冷凍機の信頼
性を低下させることがない。

［実施例］ 以下、本発明の各実施例を第１図ないし第９図を参照し
て説明する。

第１図は、本発明の一実施例に係る縦断面図、第２図は
、第１図のＡ−Ａ矢視断面図、第３図は、第１図の装置
における固定子の重量比と軸系の固有値の比との関係を
示す線図、第４図は、空洞部の上端を閉塞した場合と閉
塞しない場合の、圧縮機外部への冷凍機油の吐出力と冷
凍機のＥＥＲとの関係を示す線図である。

第１図において、先の第１０図と同一符号のものは従来
技術と同等部分であり、特に圧縮機構部は従来例と同一
であるので、その説明を省略する。

第１図に示す縦形ロータリ圧縮機では、電動機の回転子
４は、鉄心１０、この鉄心の外側に配設した永久磁石１
１、およびエンドリング１２等で構成されている。

鉄心１０には、鉄心の上下を貫通する空洞部１７を設け
てあり、鉄心１ｏの上端は閉塞板１８をもって空洞部１
７と回転子上方の空間とを閉塞している。また、空洞部
１７の下端は回転子４下方の空間と連通する構造として
いる。

この空洞部１７は、第２図に示すように、鉄心１０内部
に複数個の空間をほぼ円周上に配置しており、空洞部の
内側と外側とをリブ１９によって連結することで鉄心の
強度を確保し複数個の空洞部１７に仕切られた構成とな
っている。

本実施例において、空洞部１７の体積を変化させた場合
の固定子の重量比と軸系の固有値との関係を、前者を横
軸に、後者を縦軸にとって第３図に示す。

第３図に示すように、固定子の重量比を０．８５すなわ
ち８５％にすることにより、軸系の固有値は８％増加さ
せることができる。この場合、軸系の共振領域に達し、
軸が共振し始める圧縮機の許容回転数を８％増加できる
。

また、第４図では、横軸に、空洞１部１７の上端を閉塞
しない場合と閉塞した場合とを示し、縦軸に、圧縮機外
部に吐出される冷凍機油の量と冷凍機のエネルギー効率
比（以下ＥＥＲという）の比とをとっている。

第４図に示すように、実験の結果、空洞部１７の上端を
閉塞することにより吐出冷凍機油量を６５％に低減でき
、冷凍機のＥＥＲを２．４％増加できることが判明した
。

ところで、本実施例とは逆に、空洞部１７の下端を閉塞
し上端を開口させる場合には、空洞部に冷凍機油が貯溜
されたり飛散したりして、冷凍機油吐出量がバラつくと
ともに、飛散音が発生する問題があるため、空洞部の上
端を閉塞し下端を開口する本実施例の構造の方がすぐれ
ている。

本実施例によれば、下記の効果がある。

（１）冷凍機油の圧縮機外部への吐出量を減少させるこ
とができるので、圧縮機内部の残在冷凍機油量を増加さ
せ信頼性を増すとともに、冷凍機の性能を向上させるこ
とができ、さらに、冷凍機の熱交換器を小形化して冷凍
機全体を小形化できる効果がある。

（２）軸受の信頼性および電動機の性能を低下させるこ
となく軸系の固有値を増加できるので、軸系の固有値の
増加分だけ圧縮機の運転周波数を増加でき、冷凍能力を
増加できるだけでなく、本圧縮機より大形の圧縮機を本
圧縮機に置換えることが可能となるため冷凍機を小形化
できる効果がある。

（３）鉄心に設けた空洞部の上端を閉塞することで、空
洞部の上端から電動機上部に吐出される冷媒ガス音の問
題を回避でき騒音低減できる効果がある。

次に、第５図は、本発明の他の実施例に係る縦形ロータ
リ圧縮機の回転子部の縦断面図、図中、第１図と同一符
号のものは、先の実施例と同等部分を示す。図示しない
圧縮機構部その他は第１図と同一である。

第５図に示す回転子４Ａは、鉄心１０、永久磁石１１、
上側のエンドリング１２Ａ、下側のエンドリング１２等
により構成されている。鉄心１０には鉄心上下を貫通す
る複数個の空洞部１７が形成され、空洞部１７の上端は
エンドリング１２Ａによって閉塞されており、下端は回
転子下方の空間と連通ずる構成となっている。

第５図の実施例によれば、先の第１図の実施例と全く同
様の効果が期待される。

次に５第６図は、本発明のさらに他の実施例に係る縦形
ロータリ圧縮機の回転子部の縦断面図、図中、第１図と
同一符号のものは同等部分であり、図示しない圧縮機構
部その他は第１図と同一である。

第６図に示す回転子４Ｂは、鉄心１ｏに設けた複数の空
洞部１７の上端部には、当該空洞部１７を閉塞するブツ
シュ２０を挿入固定した構成となっている。このブツシ
ュ２０に適した材料としては鉄、アルミニウム、亜鉛、
黄銅などの金属、あるいは対冷媒性を示す樹脂などがあ
り、固定方法としては、圧入あるいは接着剤による固定
が適している。

第６図の実施例によれば、先の第１図の実施例とまった
く同様の効果が期待される。

次に、第７図は１本発明のさらに他の実施例に係る縦形
ロータリ圧縮機の回転子部の縦断面図、第８図は、第７
図のＢ−Ｂ矢視断面図、第９図は、第７図の実施例にお
ける小孔と空洞部の断面積比と圧縮機外部への冷凍機吐
出量との関係を示す線図である。図中、第１図と同一符
号のものは同等部分を示し、図示しない圧縮機構部その
他は第１図と同一であるから、その説明を省略する。

第７図に示す回転子４Ｃの鉄心１０Ａには、前記各実施
例に示した空洞部１７を、上端を閉塞板１８で閉塞し下
端を開口するように設けるとともに、鉄心１０Ａの上下
に貫通し回転子４Ｃの外部に開口する複数（第８図では
２個）の小孔２１を穿孔している。

小孔２１は、圧縮機組立時の上軸受５（第１図参照）へ
の注油を目的として設けたものであり、小孔２１の断面
積は、空洞部１７の断面積の５％以下になるように設定
している。

第９図では、横軸に空洞部１７の断面積に対する小孔２
１の断面積の割合（％）をとり、縦軸に圧縮機外部への
冷凍機油吐出量の比をとって実験結果を示しており、空
洞部の断面積に対する小孔の断面積の割合いが５％以下
では冷凍機油吐出量に影響がないことが明らかである。

第７，８図の実施例によれば、先の第１図の実施例と同
様の効果が期待されるほか、あわせて圧縮機組立時の上
軸受への注油を可能にするという本実施例特有の効果が
ある。

なお、上記の各実施例では、鉄心１０の外側に永久磁石
１１を装備した構成の回転子を例示したが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、鉄心の外側に永久磁石を
装備しない回転子についても適用できることはいうまで
もない。

［発明の効果］ 以上述べたように、本発明によれば、電動機の性能およ
び軸受の信頼性を低下させることなく、軸系の固有値を
増加でき、さらに圧縮機外部へ吐出される冷凍機油量を
減少させ、冷凍機の性能を向上しつる縦形ロータリ圧縮
機を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例に係る縦断面図、第２図は
、第１図のＡ−Ａ矢視断面図、第３図は。 第１図の装置における固定子の重量比と軸系の固有値の
比との関係を示す線図、第４図は、空洞部の上端を閉塞
した場合と閉塞しない場合の、圧縮機外部への冷凍機油
の吐出力と冷凍機のＥＥＲとの関係を示す線図、第５図
は、本発明の他の実施例に係る縦形ロータリ圧縮機の回
転子部の縦断面図、第６図は、本発明のさらに他の実施
例に係る縦形ロータリ圧縮機の回転子部の縦断面図、第
７図は、本発明のさらに他の実施例に係る縦形ロータリ
圧縮機の回転子部の縦断面図、第８図は、第７図のＢ−
Ｂ矢視断面図、第９図は、第７図の実施例における小孔
と空洞部の断面積比と圧縮機外部への冷凍機油吐出量と
の関係を示す線図、第１０図は、従来の縦形ロータリ圧
縮機の縦断面図である。 １・・・密閉容器、２・・・圧縮機構部、３・・・固定
子、４．４Ａ、４Ｂ、４Ｃ・・・回転子、１０．ＩＯＡ
・・鉄心、１２・・・エンドリング、１７・・・空洞部
、１８・・・閉塞板、１９・・・リブ、２０・・・ブツ
シュ、２１小孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、密閉容器内の下部に圧縮機構部を、上部に固定子と
   少なくとも鉄心およびエンドリングで構成される回転子
   とからなる電動機部を収納した縦形ロータリ圧縮機にお
   いて、前記回転子の鉄心に当該鉄心全長を貫通する複数
   個の空洞部を設け、この空洞部の上側端部を閉塞し下側
   端部を回転子外部に開口したことを特徴とする縦形ロー
   タリ圧縮機。 ２、密閉容器内の下部に圧縮機構部を、上部に固定子と
   少なくとも鉄心およびエンドリングで構成される回転子
   とからなる電動機部を収納した縦形ロータリ圧縮機にお
   いて、前記回転子の鉄心に当該鉄心全長を貫通する複数
   個の空洞部を設け、この空洞部の上側端部を閉塞し下側
   端部を回転子外部に開口するとともに、当該鉄心全長を
   貫通する複数個の小孔を穿孔したことを特徴とする縦形
   ロータリ圧縮機。 ３、特許請求の範囲第１項または第２項記載のもののい
   ずれかにおいて、空洞部は、ほぼ円周上に配置され、当
   該空洞部の内側と外側とを連結するリブによって複数個
   に仕切られたことを特徴とする縦形ロータリ圧縮機。