JPH0215653Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の利用分野］ 本考案は水平方向に走行する例えば活字ベルト
等の活字搬送体を清掃する活字搬送体清掃装置に
関するもので、本出願人が先に出願した実願昭59
−55083号を改良したものである。

［考案の背景］ インクリボンを使用するインパクトプリンタに
おいては、インクリボンの屑等が活字ベルトの活
字間につまり印字品質が低下するという問題があ
るため活字ベルトの清掃が必要となる。このため
上記した出願に示した如く、活字ベルトを駆動す
るプーリの一方と対向する位置に、活字ベルトに
接触して回転させられるブラシを設け、該ブラシ
によつて活字ベルトを清掃するものがある。

前記ブラシは、常時活字ベルトに接触している
ため長期間使用していると摩耗してしまい活字ベ
ルトに接触しなくなつて活字ベルトを清掃する能
力が無くなることがある。このため前記ブラシを
頻繁に交換しなければならないという問題があつ
た。また活字ベルトは一方のプーリとブラシの間
にあるため、活字ベルトの着脱が面倒で作業性が
悪いという問題があつた。更に活字ベルトを取り
外した時にブラシが一方のプーリの外周に接触し
てプーリがリボン屑等で汚れないようにするため
の特殊な構成が必要である等の問題もあつた。

［考案の目的］ 本考案の目的は、上記した従来技術の欠点をな
くし、前記ブラシの交換周期を長くすると共に活
字搬送体着脱の作業性を向上させることである。

［考案の概要］ 本考案は、前記ブラシの取り付け位置を変えれ
ばブラシの摩耗に対応させて活字搬送体に接触さ
せることができる点に着目し、該ブラシが取り付
けられる回転軸、吸い込みフード及びカラー等の
関係構造を工夫したものである。

［考案の実施例］ 第１図及び第２図は本考案装置の一実施例を示
すものである。

プーリ２によつて回転駆動される活字ベルト１
の外周に接触して回転するブラシ４は回転軸３を
介して吸込フード５に可回転に支持されている。

該フード５はホース６を介して図示しない吸引
装置に接続されている。活字ベルト１上のリボン
屑等はブラシ４によつてかき落されフード５によ
つて吸引される。

前記回転軸３は、その上部からつまみ部３１、
位置決め部３２、前記ブラシ４が取り付けられる
偏心軸部３３、位相合せ面３４及びネジ部３５か
ら構成されている。

前記フード５は、上面に前記位置決め部３２と
嵌合する孔５１及び底面に放射状に延びた複数個
の溝５３を有する孔５２が設けられている。また
その底にネジ穴を有する２個のボス５４が下方に
延びて設けられている。

カラー７は、前記孔５２及び溝５３に嵌合する
位置決め部７１及びフランジ７３上に設けられた
係止片７２を有し、位置決め部７１の偏心した位
置に前記位相合せ面３４と嵌合する位相合せ孔７
４が設けられている。該位相合せ孔７４の下方に
は前記ネジ部３５が通過でき、偏心軸部３３が通
過できない大きさの丸孔が設けられている。該カ
ラー７は前記ネジ部３５にネジ嵌合するナツト８
により回転軸３に固定され、該回転軸３と一体と
なつて軸方向及び半径方向に動くことができる。
またカラー７は、ネジ１１により前記ボス５４に
固定された板１０とカラー７との間に設けられた
スプリング９により常時上方すなわちフード５に
押し付けられている。前記ブラシ４は中央に偏心
軸部３３の径より僅かに大きい径の孔を有する支
持体４１を有する。

かかる構成において、ブラシ４を活字ベルト１
に接触させると、ブラシ４は偏心軸部３３を中心
として滑らかに回転して活字ベルト１を清掃す
る。この場合、カラー７の係止片７２が前記溝５
３に嵌合し、かつスプリング９により押されこの
嵌合が外れることがないので、カラー７及び回転
軸３が回転することはない。すなわちブラシ４は
任意の位置で回転して活字ベルト１を清掃するこ
とになる。

つまみ部３１をもつてスプリング９に抗して回
転軸３及びカラー７を押し下げて係止片７２と溝
５３との嵌合を外し回転軸３を回転させると、回
転軸３及びカラー７は、夫々位置決め部３２及び
７１を中心として回転するため、これらと偏心し
て設けられている偏心軸部３３の位置は変化し、
ブラシ４も移動する。前記溝５３は複数個設けら
れているので、任意の溝５３を選択して係止片７
２を嵌合させることで、ブラシ４を活字ベルト１
に接触できる任意位置に設定させることが可能と
なる。

従つて、ブラシ４が摩耗して活字ベルト１に接
触しなくなつた場合、上記した如くブラシ４の位
置を移動することで再び活字ベルト１に接触させ
ることができ、ブラシ４を頻繁に交換する必要が
なくなる。

なおこの実施例においては、活字ベルト１を交
換する際、前もつてブラシ４を移動させ活字ベル
ト１から離しておくことで、ブラシ１とプーリ２
が離れた状態にしておけるので、活字ベルト１の
着脱操作が容易になると共にプーリ２の表面にリ
ボン屑が付着することはなくなる。

上記実施例においては、回転軸３及びカラー７
は吸込みフード５の下方に設置されたスプリング
９により上方に押し上げるとしたが、第３図に示
す如く、回転軸３のつまみ部３１と吸込みフード
５の上面との間にスプリング９を設けても同様の
効果が得られる。

また前記スプリング９、係止片７２及び溝５３
を利用して回転軸３の回転角を調整するとした
が、第４図に示す如く、板バネ９０を用いて回転
角を調整することもできる。この場合、回転軸３
の上面には板バネ９０が固定され、板バネ９０は
析り曲げ部９１を有している。吸込みード５の上
面には板バネ９０の幅より僅かに広い溝５６を持
つ複数個の突起５５が設けられており、通常は該
溝５６に板バネ９０の端部を嵌合させることで回
転軸３の回転角を選択できる。回転角の変更は折
り曲げ部９１を持つて板バネ９０を反らせ突起５
５よりも板バネ９０の端部を高くすることで可能
となる。

［考案の効果］ 本考案によれば、ブラシが摩耗した場合でもブ
ラシの位置を変えることで常にブラシを活字搬送
体に接触させることが可能となるのでブラシの交
換周期を延ばすことができる。また活字搬送体交
換の際にはブラシの位置を変え、ブラシと活字搬
送体を非接触状態とすることができるため、活字
搬送体の着脱操作が容易になると共にプーリがブ
ラシと接触して汚れることもなくなり、活字搬送
体を安定した速度で駆動させることが可能となる
等の効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案装置の一実施例を示
すもので、第１図は要部を示す展開斜視図、第２
図は側面図、第３図及び第４図は本考案装置の他
の実施例の要部を示す展開斜視図である。 図において、１は活字搬送体、２はプーリ、３
は回転軸、４はブラシ、５は吸込フード、７はカ
ラーである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 少なくとも２個のプーリに可回転に支持される
   活字搬送体と、前記プーリの一方に対向する位置
   に設けられ、前記活字搬送体に接触して活字搬送
   体を清掃するブラシと、該ブラシを可回転に支持
   する吸込フードとを有する活字搬送体清掃装置で
   あつて、 前記吸込フードを貫通し、かつ吸込フードに可
   回転に支持され、前記ブラシが取り付けられる偏
   心軸を有する回転軸と、前記吸込フードの底から
   下方に突出した回転軸の下端にネジ嵌合されたカ
   ラーと、前記回転軸が貫通する前記吸込フードの
   孔の周りに設けられた複数個の係止溝と、前記回
   転軸またはカラーの一方に設けられ、係止溝に係
   合して前記回転軸及びカラーの少なくとも一方の
   回転を阻止する係止片とを備えてなる活字搬送体
   清掃装置。