JPH02156091A - 自動かしめ性の優れた積層鉄心用電磁鋼板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、積層鉄心用電磁鋼板に係り、特に自動かしめ
性の優れた積層鉄心用電磁鋼板に関するものである。

〈従来の技術〉 近年、家庭電化製品をはじめとする電気製品のめざまし
い発展に伴い小型トランスや小型電動機の需要も増大の
一途をたどっている。

このような電気製品に使用される鉄心を製作するには、
電磁鋼板を順送りプレスを用いて所定の形状に打ち抜き
、その数枚ないし画数１０枚を積層した後リベットや溶
接で成形している。

ところで、この製作工程には下記のような２通りがある
。

■　ブレス→背切り→ピン入れ→かしめ■　ブレス→背
切り→溶接機へ七ット→熔接しかし、上記のいずれも工
程が長く、作業ｎも多く必要とすることから、ここ数年
の間に順送りプレス内で一定枚数を積層し、鉄心の状態
で取り出される自動かしめ方式による複合順送り金型が
使用されるようになってきている。

この方式は、従来方式に比べ大幅な合理化、省力化が図
られることから、今後ますます採用されるものと推察さ
れる。

ところで、かしめ突起やかしめ孔は、１１　磁ｍ板の材
質、鉄心製品の大きさ、形状、またはかしめ突起の位置
、個数などによって適正形状を選ぶことになるが、かし
め突起の外径とかしめ孔の内径の寸法差が重要であり、
これは刃物（通常はポンチ、グイ）のクリアランスによ
り決まり、かしめ強度に影響を及ぼすのである。

かしめ方法としては、 ■　順送りプレスの中で仮かしめ後、別工程で本かしめ
を行う。

■　順送りプレスの中だけでかしめを行う。

の２種類がある。

前者は、特開昭５８−９３５２１号公報に示されている
ように先端をｖ字状にした矩形ポンチのストロークを調
整して７字状に打ち出したＶ字状突起で仮かしめを行い
、順送りプレス外で本かしめを行う方法であり、かしめ
強度は強い。しかしながら、２工程となるため作業員の
増加が必要であり、また、本かしめ用プレスを設置した
り、そのスペースの確保を要するなど後者に比べて経済
的な問題がある。

一方、後者は、順送りプレス中で丸形のポンチのストロ
ークを具屑整して手反厚の１／２〜４１５程度を打ち出
してかしめ突起を作り、次のステージでコア板を抜き落
とした時にグイ側面の締め付は圧やグイ内の下からの支
えによる保持力でがしめ突起をかしめ孔へ押し込みかし
める方法であり、第３図に示すように全く破断面のない
剪断面２１のみの形状になる。この場合、材料のａ械的
性質や硬度あるいは突起高さによりかしめ強度が変わり
、また、不良品の発生も多数あり、材料に合わせたかし
め条件を見出すのに困難を極めている。そこで、打ち抜
かれる材料に合わせて順送りプレスの金型を配設する方
法が一般的であるが、種々の材料に合わせた金型を保有
しておくことは不経済である。

〈発明が解決しようとする課題〉 本発明の目的は、上記のような問題点に層み、順送りプ
レスを用いた自動かしめ装置に好適な積層鉄心用電磁鋼
板を提供することである。

また本発明の他の目的はかしめ強度の強い積層鉄心用ｔ
ｕｔｓ板を提供することである。

〈問題点を解決するための手段〉 本発明は、鋼板表面に絶縁被膜を有し、かつ該鋼板表面
層のビッカース硬さが該鋼板中心層のそれより１０以上
大きいことを特徴とする自動かしめ性の優れた積層鉄心
用電磁ｗ４仮である。

く作　用〉 本発明者らは、製品板の抜き落とし工程より前段におい
て、かしめ突起とかしめ孔を形成する工程を有する順送
りプレスにおいて、順送りプレスの中だけでかしめを行
う際に、かしめ不良を起こさすかしめ強度の強くなる方
法について検討した。

その結果、ビッカース硬さで、Ｍ板中心層に比べ綱板表
面層が１０以上硬いｍｖｉ材料を用いることによりかし
め強度の強い鉄心が得られることを見出したものである
。

すなわち、かしめ突起及びかしめ孔を形成した場合、ビ
ッカース硬度で鋼板中心層と８Ｆｉ表面層で１０（ポイ
ント）以上の差が有れば打抜かれた切断面のダレ部が少
なく、狙いの寸法形状が容易に得られる。このことは打
抜き金型を新造するときのかしめ部のクリアランスさえ
決めてやればどの様な材料でもかしめ強度の強い鉄心が
得られることを意味している。

本発明に用いられる積層鉄心用電磁鋼板の鋼板中心層と
綱板表面層においてビッカース硬さで１０ポイント以上
の差を付与する方法としては、鋼板表面をブラシ研削し
て加工硬化を計る方法や、鋼板表面に酸化膜を形成させ
たり、鋼板表面層を浸炭あるいは浸窒させる方法、さら
に軽圧下スキンパス方法などがある。

これらのうち、スキンパス法については磁気特性を大幅
に劣化させるためかならずしも望ましい方法ではないが
、コア形成後に歪取り焼鈍を行って使泪される機種につ
いてはその限りではない。

鋼板中心層と鋼板表面層の硬度差が１０ポイント未満で
あればかしめ強度向上に有効でない、ｌＯポイント以上
の差があれば、かしめ強度は強く安定したかしめ性が得
られる。

一方、絶縁被膜についてはりん酸塩系、クロム酸塩系の
１種または２ｍ以上、あるいはこれらに有機樹脂を配合
したもの、さらには有機樹脂中味のものでも良い。

絶縁被膜がない場合コア板間で渦電流が発生しモーター
特性を劣化させるため好ましくない、しかし、絶縁被膜
がなくても本発明の如き鋼板表面層を鋼板中心層に比ベ
ビンカース硬度で１０ポイント以上硬くすることにより
かしめ強度を向上させることはできる。

なお本発明でいう表面層は両表面であり、地鉄外表面が
５μ程度までを指す、残部が中心層である。また硬度ス
ケールは平均値である。

以下に本発明を第１図を用いて具体的に説明する。

第１図は本発明材を適用する一例として、かご型モータ
川鉄心を製作する場合の連続打ち抜き工程を示したもの
である。

第１図（ａ）に示すような帯状の鋼板ｌから鉄心板を打
ち抜く工程において、まず第１工程Ａでパイロット孔１
１が加工される。このパイロット孔１１を基準にして第
２工程Ｂでロータのシャフト孔１２が、第３工程Ｃでア
ルミ鋳込み用のスロット１３が、第４工程りでかしめ突
起１４がそれぞれ順次加工される。この場合、かしめ突
起の内側即ちＳｔ仮１の表面側はかしめ孔となり、裏面
側がかしめ突起となる。このかしめ突起を形成するため
第１図Ｃ＃３）に示すポンチ２のストロークを調整して
かしめ突起即ちかしめ孔１４が形成される０次の第５工
程Ｅにおいて第１図（Ｃ）に示すようにｍＩ記のシャフ
ト孔１２、スロット１３、かしめ突起１４を含めたロー
タがポンチ４で抜き落とされ、綱板１にはロータ抜き落
とし孔１５が形成される。前記ポンチ４には押し込みポ
ンチ３が埋め込まれており、この押し込みポンチ３にて
、前工程で打ち抜かれ、ダイ６の側圧で保持されたロー
タのかしめ孔にかしめ突起１４を押し込む、かくして、
ダイ６中でかしめが完了すると、ロータはシュート７よ
り排出される。

さらに、第６エ程Ｆにおいてステータの磁極となるテー
ス１６が形成される。その後第７エ程Ｇで、かしめ突起
１７が加工され、第８工程１１で第５工程Ｅと同様にか
しめ突起の押し込みとステータの切り離しが同時に行わ
れる。

このように、本発明は鉄心を製作する際に前段の工程で
かしめ突起即ちかしめ孔を形成させ、鉄心板を打ち抜く
ときの打ち抜き圧とダイ側圧とにより、かしめ突起を先
に抜かれて、ダイ６内に保持されている鉄心板のかしめ
孔に押し込み、鉄心を形成するのである。

この時に、鋼板中心層に比べ鋼板表面層のビッカース硬
さがＩＯポイント以上硬い場合、かしめ突起の切断面部
近傍のダレは小さ（かしめ強度の強い鉄心が形成される
。

以下に本発明の実施例について説明する。

〈実施例〉 実施例１ 下記条件の下で順送りプレスを用いてｔ磁鋼板を打抜き
、かしめを行った後、かしめ強さを引張試験機を用いて
調べた。

素材 ＪＩＳＳ６０相当材（Ｓｉ　：　０．１ｗｔ％、　　Ｃ
：　０．０３８ｗｔ％）で板厚０．５閣の焼鈍Ｆｉ２種
須の表面をブラシ研削条件を変えて研削し、地鉄表面層
の硬度アップを計った。その後、クロム酸塩−有機樹脂
系処理液を塗布し、焼付けて付着！ｉｔ２ｇ／＋＋ｆの
絶縁被膜を形成した。

ブラシ研削条件 ブラシ周速：　１２００ｍｐｍ 通板速度　：　　５０ｍｐｍ 圧下量：２〜３ｍｓ パス回数　＝１〜３回 処理液 Ｃｒｙｓ分Ｆ　３２．５重量部 エチレングリコール：　　１０重量部 打抜条件 ２００ｔｏｎｌｌｌｉ送りプレス（８ステージ）打抜速
度：　２５０ｇ＋１！ｌ かしめ条件 ステータ寸法７６０ｍｍφ（かしめ突起４点）積　ＩＦ
Ｉ　　ｆｆ：５０ｎｍ かしめ突起径：３ｍ１ｌｌφ 引張試験条件： 得られたコアの上下端面を引張試験用治具に接着剤を用
いて固定し、ｌａ＋Ｉｌ／ｍｉｎで引張った。この時の
最初にコアの積層部に割れが入った時点の強度を調べた
。

なお、素材のピンカース硬さの測定はＪＩＳＺ　　２２
４４に準じた。試験荷重はＩｋｇＦである０表面層の測
定は絶縁被膜上から測定し、中心層については表面層を
化学研摩により除去した後に測定した。

第２図にかしめ強度の結果を示した０図中Ｏ印はビッカ
ース硬さで地鉄中心層が１３８の試料であり、・印はビ
ッカース硬さで地鉄中心層が１０３の試料である。

ビッカース硬さにおいて表面層と中心層で差のない場合
（通常材）は０印試料でかしめ強度は２５ｋｇであり、
・印試料は７ｋｇであった。これは硬度の違いでかしめ
条件を変更する必要があることを意味している。

鋼板表面層と中心層のビッカース硬度差をつけることに
よりかしめ強度が向上していることが分かる。

Ｏ印試料の場合、表面層と中心層のビッカース硬度差ｌ
Ｏポイントにおいてかしめ強度は約ｉｏｋｇ向上した。

一方、地鉄中心層硬度が１０３と低い・印試料の場合、
硬度差１０ポイントで１８ｋｇのかしめ強度向上であっ
た。

通常、必要なかしめ強度はモーターコアの形状（ａｍ）
により異なるが、１０ｋｇ以上、望ましくは２０ｋｇ以
上が安定して得られれば十分であり、本発明材はこれを
十分に満たすものである。

実施例２ ＪＩＳＳ６０相当材（Ｓｔ　：　０．１ｗｔ％、　　Ｃ
：　０．０３８１％、板厚：　　０．５ｍ）の電磁鋼板
を焼鈍後の冷却過程の７００℃近辺を露点３０℃として
鋼板表面を酸化（ブルーイング）した、この時、地鉄表
層部に主としてＦｅ５０．からなる酸化物含有層が形成
される。

その後、下記に示すりん酸塩系処理液を塗布し焼付けて
付！’！　１．８ｇ／ｎｆの絶縁膜を形成した。

処理液 ３０％第１りん酸マグネシウム＋　１００重量部無　　
水　　り　　ロ　　ム　　酸＝３６重量部硝酸アルミニ
ウム：６０重量部 この材料のビッカース硬度は鋼板表面で１２５、鋼板中
心層で１０３であった。

この電磁鋼板を実施例１と同様に２００　ｔｏｎの順送
りプレスにより自動かしめコアを製作した。このコアの
かしめ強度は２４〜２８ｋｇで安定していた。

実施例３ ＪＩＳＳ１８相当材（３１：　１．８５ｗｔ％、　　Ｃ
：　０．００８何ｔ％、板厚０．５ｍ）の電磁鋼板を露
点６０°ＣのＡＸガス中で焼鈍し、鋼板表面を酸化し地
鉄表層部に主としてＳ１０．からなる酸化物含有層を形
成させた。

その後アルキ７ド／メラミン系有機樹脂を塗布し焼付け
た。付着量は７ｇ／ｎｌであった。

この材料のビッカース硬度は鋼板表面で１６５、鋼板中
心層で１２３であった。

この電磁鋼板を実施例１と同様に２００　ｔｏｎ順送り
プレスにより自動かしめコアを製作した。このコアのか
しめ強度は３２〜３５ｋｇで安定していた。

実施例４ ＪＩＳ　　ＳＱ相当材（３１：　３．’！ｗｔ％、Ｃ：
０．００５ｗｔ％、板厚０．５ｍ）の電磁鋼板をＮｔ＋
Ｃ５Ｈｓ雰囲気中８００℃×６０秒の焼鈍を行い鋼板表
面を浸炭により硬くした。その後実施例１と同じ処理液
を塗布し焼付けて１．２ｇ／ｎｆの絶縁膜を形成した。

この材料のビッカース硬度は鋼板表面で１１８、鋼板中
心層は１０５であった。

実施例１と同様に２００ｔｏｎ順送りプレスにより自動
かしめコアを製作した。このコアのかしめ強度は２６〜
２９ｋｇであり良好であった。

〈発明の効果〉 以上説明したように、本発明によれば、順送りプレス内
で鉄心板をかしめる際用いられる電磁鋼板のビッカース
硬さを１０ポイント以上表面層を中心層より硬くするこ
とによって、かしめ強度は強（かつ安定したかしめ性が
得られ、かしめコアの品質向上につながった。

さらに本発明の方法によれば、種々の材料によりかしめ
条件を変更する必要はなく経済的メリットも大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明材を適用する一例である順送りプレス
法を示す説明図、第２図は表面層と中心層のビッカース
硬度差とかしめ強度の関係を示す特性図、第３図は、か
しめ突起の例である。 ｌ・・・鋼　板、　　　　　２・・・かしめ突起ポンチ
。 ３・・・押し込みポンチ、４・・・切り落としポンチ。 ５．６・・・グ　イ、　　　７・・・シュート。 １１・・・パイロット孔、　　１２・・・ロータシャフ
ト孔。 １３・・・スロット１４．１７・・・かしめ突起。 １５・・・ロータ抜き落とし孔。 １Ｇ・・・ステータテース。 １８・・・ステータ抜き落とし孔。 ２１・・・かしめ突起の剪断面。 ２２・・・かしめ突起の破断面。 特許出願人　　　川崎製鉄株式会社

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 鋼板表面に絶縁被膜を有し、かつ該鋼板表面層のビッカ
   ース硬さが該鋼板中心層のそれより１０以上大きいこと
   を特徴とする自動かしめ性の優れた積層鉄心用電磁鋼板
   。