JPH02154868A - 可変容量型揺動斜板式圧縮機におけるクランク室のシール構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、外部制御によって圧力制御を受ける可変容量
型揺動斜板式圧縮機のクランク室をシールする構造に関
するものである。

［従来の技術］ 実開昭６２−１５２０８９号公報に開示されるように揺
動斜板式圧縮機では回転軸とハウジングとの間にリップ
シールを介在し、内外の抑えリング間に挟持されるゴム
製のリップリングをクランク室内の冷媒ガス圧によって
回転軸上に押さえつけ、この押さえつけ作用によってク
ランク室内の圧力あるいは潤滑油が外部へ漏洩すること
が防止されている。

［発明が解決しようとする課題］ 電磁弁のデユーティ制御によってクランク室への吐出冷
媒ガスの供給を制御して揺動斜板の頭角を外部から制御
する可変容量型の揺動斜板式圧縮機では、例えば本願出
願人が特願昭６２−２００５３２号公報に開示したよう
に、可変容量型圧縮機を搭載した車両が加速したり、あ
るいは坂を登るような場合には斜板頭角を急激に小さく
して圧縮負荷を急激に低減することが可能である。この
ような圧縮負荷低減によって車両のエンジン出力負荷を
低減し、車両加速あるいは上り坂走行を向上することが
できる。このような圧縮負荷低減を行なった場合には斜
板の頭角を短時間で小さくするためにクランク室に高圧
力をかける必要があり、そのためにクランク室の圧力が
通常の場合よりもさらに高い値まで急上昇する。このよ
うにしてクランク室の圧力が上昇すると、リップリング
が回転軸に強く押さえつけられ、加速時のようなエンジ
ン高速回転に追随して高速回転する回転軸とリップリン
グとの摺接部位が高熱を発する。そのため、ゴム製のリ
ップリングがこの高熱によって硬化し、ひび割れ等の損
傷に繋がる。このよう損傷が発生すればリップシールの
シール性能が低下し、冷媒ガス及び潤滑油の洩れが生じ
る。

本発明は、外部制御によって容量可変可能な揺動斜板式
圧縮機におけるシール性能の低下を回避し得るシール構
造を提供することを目的とするものである。

［課題を解決するための手段］ そのために本発明では、外側抑えリングと内側抑えリン
グとの間に挟持されるリップリングをフッ素樹脂系材料
を形成したリップシールを回転軸とハウジングとの間に
介在してクランク室のシールを行なうようにした。

［作用］ リップリングはクランク室内の冷媒ガス圧によって回転
軸上に押し付けられ、高速回転時かつ高圧時にはリップ
リングと回転軸との間の摺接部位には高熱が発生する。

しかしながら、リップリングの材質として耐熱性能かつ
滑り性能に優れたフッ素樹脂系材料を採用したことによ
りリップリングが高熱によって劣化することもなく、シ
ール性能低下に繋がるひび割れといった損傷が回避され
る。

［実施例］ 以下、本発明を具体化した一実施例を図面に基づいて説
明する。

回転軸１上のスライド可能なスリーブ２の軸ビン２ａに
揺動可能に支持された回転駆動体３は回転軸１上に固定
された回転支持体４側の長孔４ａにビン３ａを介して連
結されており、回転軸１と共に一体的に回転する回転駆
動体３には斜板５が相対回転可能に支持されている。斜
板５にはシリンダブロック６内のピストン７がピストン
ロッド７ａを介して連結されており、回転駆動体３の回
転に伴って揺動する斜板５の往復揺動運動がピストン７
の往復運動に変換される。斜板５の傾角はクランク室Ｃ
内の圧力と吸入圧とのピストン７を介した差により左右
され、クランク室Ｃ内の圧力は電磁制御弁機構８を介し
た吐出冷媒ガス供給により制御される。電磁制御弁機構
８はデユーティ制御によって開閉制御され、デユーティ
比は圧縮機を搭載した車両の車室内の温度、圧縮機の駆
動源となる車両エンジンの回転数等の検出結果に基づい
て逐次設定される。

クランク室Ｃを形成するフロントハウジング９と回転軸
１との間にはリップシール１０が介在されており、クラ
ンク室Ｃ内の高圧冷媒ガスのリーク防止が行われている
。リップシール１０は、固定リング１１と、その外周に
嵌められたゴム製のシールリング１２と、固定リング１
１の内周に嵌め込まれたポリ−テトラ−フルオロ−エチ
レン（ＰＴＦＥ）製のリップリング１３と、リソブリン
グ１３を挾むように固定リング１１の内周に嵌め込まれ
た内外一対の金属製の抑えリング１４゜１５と、リップ
リング１３、内側抑えリング１４及び外側抑えリング１
５を束にして挾持する固定リング１１と外側抑えリング
１５との間に介在されたゴム製のシール部材１６及びこ
れを支持する支持プレート１７と、内側抑えリング１４
を被覆するシール部材１８とから構成されている。

リップリング１３の内周シール部１３ａはその軸心方向
においてクランク室Ｃ側に湾曲して突出形成されており
、内周シール部１３ａの凸面側が回転軸１の周面に接合
している。クランク室Ｃ内の冷媒ガスの圧力はリップリ
ング１３の内周シール部１３ａに作用し、回転軸１の半
径方向への作用成分によって内周シール部１３ａが回転
軸１の周面に圧接される。この圧接作用によって回転軸
ｌの周面に沿った冷媒ガスリークの防止が行われるが、
クランク室Ｃ内の冷媒ガスの圧力が非常に高く、かつ回
転軸１の回転速度が大きい場合には内周シール部１３ａ
と回転軸１との間の摺接部位には高熱が発生する。

クランク室Ｃ内の圧力が非常に高くなるのは斜板５の仰
角を急激に減少する場合であり、斜板５の傾角を急激に
減少する場合としては例えば車両を加速する場合である
。即ち、車両の加速時には圧縮機の圧縮負荷がエンジン
負荷となって車両加速性に大きな影響を与えるため、車
両加速時には圧縮負荷を極力抑制することが望ましい。

そこで、例えば本願出願人が特願昭６２−２００５３２
号公報に開示したようにエンジン回転数の変化を検出し
て加速有無状態を把握し、加速状態であればデユーティ
比を急激に増大してクランク室Ｃへの吐出冷媒ガスの流
入量を急激に増大すればクランク室Ｃ内の圧力が急激に
上昇する。これにより斜板５の傾角が急激に減少し、圧
縮機における圧縮負荷が最低となり、車両加速時のエン
ジン負荷が軽減する。

車両加速時にこのような負荷軽減を行えばクランク室Ｃ
内の圧力が通常よりも非常に高くなり、しかもエンジン
回転に連動する圧縮機の回転軸１の回転速度も高速とな
る。そのためリップリング１３と回転軸１との間の摺接
部位には高熱が発生するが、耐熱性能及び滑り性能に優
れたフッ素樹脂系のＰＴＦＥで形成したリップリング１
３が上記のような高い摩擦熱によっても劣化することは
ない。従って、従来のゴム製リップリングのようにシー
ル性能の低下に繋がるひび割れといった損傷がもたらさ
れることはなく、前記のような外部制御によってリップ
リングと回転軸Ｉとの間の摺接部位に高い摩擦熱を誘発
する外部制御方式の可変容量型揺動斜板式圧縮機におけ
るクランク室Ｃのシール確保が確実に達成される。

本発明は勿論前記実施例にのみ限定されるものではなく
、例えば第３図に示す実施例も可能である。この実施例
におけるリップシール１９は、固定リング２０と、その
外周に嵌められたゴム製のシール部材２１と、固定リン
グ２０の内周に嵌め込まれた金属製の内外一対の抑えリ
ング２２゜２３と、両抑えリング２２．２３間に挾持さ
れるように固定リング２０の内周に嵌め込まれたＰＴＦ
Ｅ製の内外一対のリンプリング２４．２５と、固定リン
グ２０の内周に接するように両リップリング２４．２５
間に介在されたシール部材２６とから構成されており、
シール部材２６は金属製の芯材２６ａをゴム製の弾性材
１５ｂで被覆して形成されている。

両リップリング２４．２５の内周シール部２４ａ。

２５ａはその軸心方向においてクランク室Ｃ側に湾曲し
て突出形成されており、内周シール部２４ａ。

２５ａの凸面側が回転軸１の周面に接合している。

そして、外側リップリング２５の先端が内側リップリン
グ２４の湾曲凹面に接するように内外側リップリング２
４．２５の配列関係が設定されており、この状態のもと
に固定リン２０が内外側抑えリング２２，２３、内外側
リップリング２４．２５及びシール部材２６を束にして
挟持している。

クランク室Ｃ内の冷媒ガスの圧力は内側リップリング２
４の内周シール部２４ａに作用し、回転軸１の半径方向
への作用成分によって内周シール部２４ａが回転軸１の
周面に圧接される。この圧接作用によっ・て回転軸１の
周面に沿った冷媒ガスリークの防止が行われるが、冷媒
ガスの圧力は回転軸１の方向へも作用し、この方向への
圧力成分は内側リップリング２４の湾曲部に対するへこ
み変形力として作用する。従って、車両加速時に圧縮負
荷低減を行なうことに起因して冷媒ガスの圧力が非常に
高くなる場合にはこの内側リップリング１３自体の耐変
形強度及び回転軸１に対する内周シール部２４ａの圧接
力だけでは前記へこみ変形力に対抗できない。しかしな
がら、外側リップリング２５の先端が内側リップリング
２４の湾曲凸面に接している本実施例では前記へこみ変
形力が外側リップリング２５によっても受は止められる
ことになり、この受は止め作用が内側り・ノブリング２
４自体の耐変形強度及び回転軸１に対する内周シール部
２４ａの圧接力に加担する。従って、クランク室Ｃ内の
冷媒ガス圧が非常に高い場合にも内側リップリング２４
がへこみ変形することはなく、このへこみ変形に起因す
る内側リップリング２４の内周シール部２４ａと回転軸
１との間の異常な摺接が回避される。これにより回転軸
１の周面に沿った冷媒ガスリークに繋がる内側リップリ
ング２４の劣化防止効果がリップリング２４゜２５のＰ
ＴＦＥ製とあいまって一層高まる。さらに、一対のリッ
プリング２４．２５によって回転軸１との摺接部位を適
宜分担して受は持つことにより摩擦熱の放熱性が良くな
り、熱劣化防止が一段と確実になる。

［発明の効果］ 以上詳述したように本発明は、外側抑えリングと内側抑
えリングとの間に挾持されるリップリングを耐熱性能及
び滑り性能に優れたフッ素樹脂系材質製としたリップシ
ールを外部制御型の揺動斜板式圧縮機のクランク室のシ
ールに用いたので、クランク室が高圧かつ回転軸が高速
回転の場合にもリップリングが熱劣化することはなく、
これによりクランク室のシール性を確保し得るという優
れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を具体化した一実施例を示す側断面図、
第２図は要部拡大断面図、第３図は別個を示す要部拡大
断面図である。 リップシール１０，１９、内側抑えリング１４゜２４、
外側抑えリング１５，２３、リップリング１３．２４．
２５゜

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １　外側抑えリングと内側抑えリングとの間にリップリ
   ングを挾持して構成したリップシールを回転軸とハウジ
   ングとの間に介在して外部制御によって圧力制御を受け
   るクランク室をシールする可変容量型揺動斜板式圧縮機
   において、前記リップシールをフッ素樹脂系材質で形成
   した可変容量型揺動斜板式圧縮機におけるクランク室の
   シール構造。