JPH0215464Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は寝台、患者運搬車、診察台、その他の
患者用等の仰臥台に於ける床部の昇降用駆動機構
に関するものである。

（従来の技術及びその問題点） 例えば床板昇降式寝台に於いて、背部床板等の
床板部分を回動昇降して起伏させたり、床板全体
を平行に昇降したり、一方側を他方側よりも昇降
させて傾斜させたりする機構に於ける駆動装置と
しては、作動筒の一側に構成した雌ねじ部を雄ね
じシヤフトに螺合させ、該雄ねじシヤフトの回転
駆動により、作動筒を進退させる装置が従来広く
使用されている。

ところがこの装置は摩擦力が比較的大きいの
で、この装置を適用した寝台に於いて、雄ねじシ
ヤフトをクランクハンドルやレバー等により人力
で駆動させるものでは、かかる摩擦力と床部上の
荷重によつて、労力的負担が大きく、モータ等を
用いるにしても最大所要力に応じてその能力を決
定しなければならないので、コストやスペースの
点で問題がある。これらの欠点を解決するべく、
駆動装置とは別に床部の昇降機構中の適所にばね
を設置することも行なわれているが、スペースが
制約されたり、外観上見映が悪くなつたりする等
の欠点がある。

また実願昭59年第170235号の明細書に開示され
るように、雄ねじシヤフトの先端部と作動筒間に
ばねを設置するようにして、このばねを駆動装置
内に内蔵させるものもあるが、この装置はベアリ
ングを必要とするので製作コストが比較的高くな
るという問題点がある。

本考案は以上の問題点を解決することを目的と
するもので、以下実施例に基づいて詳述する。

（問題点を解決するための手段） 図に於いて、符号１はねじシヤフト、２はこの
ねじシヤフト１に螺合した昇降作動用雌ねじ部材
で、この雌ねじ部材２は一側ａを仰臥台に於いて
床部を昇降させる部材に連結する作動筒３の他側
ｂに設けており、またねじシヤフト１の一端には
クランクハンドル４やモータ等の回転駆動源を連
結する。しかして本考案は、前記ねじシヤフト１
の一側の軸部に、一端側ｃをこれに固定したうず
巻きばね５を巻き回すと共に、該うず巻ばね５の
他端側ｄを、前記ねじシヤフト１の支持部材側６
に固定し、該うず巻ばね５により前記ねじシヤフ
ト１を荷重に抗して回転させる方向に附勢する構
成とする。第１図〜第３図の実施例はうず巻きば
ね５としてぜんまいを用いたもので、また第４図
の実施例はうず巻きばね５として、剛帯７に予応
力を加えてわん曲させてうず巻状とした定トルク
ばねとし、該ばねの他端側ｄは、ねじシヤフト１
の支持部材側６に回転自在に固定した巻取ドラム
８に、予応力によるわん曲と逆向きにうず巻き状
に巻き回して固定した構成である。このようにう
ず巻きばね５の種類は適宜である。

（作用） かかる構成に於いて、仰臥台の床部が昇降範囲
の最も下部に存る時には、例えばぜんまいの場合
には第３図ｂに示すように縮径状態で締まつてい
て、エネルギーが蓄えられた状態となつている。
しかしてクランクハンドル４等によりねじシヤフ
ト１を回転させて雌ねじ部材２を移動させ、作動
筒３を介して床部を荷重に抗して上昇させる時に
は、ぜんまいは、ねじシヤフト１にその回転方向
にトルクを与えるので、荷重に抗して附勢され、
床部の上昇に要する力が軽減される。このように
して床部が上昇するとぜんまいはエネルギーを放
出して第３図ａに示すように拡径状態となる。床
部を下降する時には以上と逆にぜんまいはエネル
ギーが次第に蓄まり、第３図ｂから第３図ａの状
態に移行する。ぜんまいは、このように床部の荷
重に抗して附勢する方向にねじシヤフト１にトル
クを与えるので、床部の上昇に際しての所要力を
軽減する作用を奏すると共に、床部の荷重による
ねじシヤフト１の逆転に抗する作用を奏する。従
つてぜんまいの附勢力を適宜に設定することによ
り、ねじシヤフト１のリードを大きくすることも
でき、この場合には床部を所定の範囲昇降させる
のに必要な回転数を減少することができる。以上
の作用はうず巻ばねとして一定力ばねを用いた場
合も同様であるが、ぜんまいの場合には床部の昇
降範囲に於いてねじシヤフト１に与えるトルクが
変化するのに対して、一定力ばねの場合にはこれ
が変化せず、常時一定力の附勢力を得られるとい
う利点がある。

（考案の効果） 本考案は以上の通り、ねじシヤフトとこれに螺
合させた雌ねじ部材を用いた駆動装置に於いて、
駆動装置自体に、ばねを内蔵させて、このばねに
よつて仰臥台等の床部の荷重に抗する方向に附勢
するようにしたので、仰臥台のスペースに制約さ
れずに取り付けることができ、美観にも優れると
いう効果がある。特に本考案は、ばねを従来のよ
うにコイルスプリングでなく、うず曲きばねと
し、これによつて直接にねじシヤフトにトルクを
与える構成であるので、ベアリング等を不要と
し、製作コストを低減し得るという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の駆動装置の一実施例を示す外
観説明図、第２図は第１図の要部説明的斜視図、
第３図ａ，ｂは第１図、第２図の構成の動作を示
す説明的断面図、第４図は本考案の他実施例の要
部説明的斜視図である。 符号１……ねじシヤフト、２……雌ねじ部材、
３……作動筒、４……クランクハンドル、５……
うず巻きばね、６……支持部材側、７……剛帯、
８……巻取ドラム、９……ジンバル状取付支持部
材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 昇降作動用雌ねじ部材を螺合させたねじシヤ
   フトの一側の軸部に、一端側をこれに固定した
   うず巻きばねを巻き回すと共に、該うず巻ばね
   の他端側を前記ねじシヤフトの支持部材側に固
   定し、該うず巻ばねにより前記ねじシヤフトを
   荷重に抗して回転させる方向に附勢する構成と
   したことを特徴とする仰臥台に於ける床部の昇
   降用駆動機構。 (2) うず巻きばねはぜんまいとしたことを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の仰臥
   台に於ける床部の昇降用駆動機構。 (3) うず巻きばねは、剛帯に予応力を加えてわん
   曲させてうず巻き状とした定トルクばねとし、
   該ばねの他端側は、ねじシヤフトの支持部材側
   に回転自在に固定した巻取ドラムに、予応力に
   よるわん曲と逆向きにうず巻き状に巻き回して
   固定したことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の仰臥台に於ける床部の昇降用
   駆動機構。