JPH02152771A - 溶接継手の疲労強度向上法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、特に、大型構造物に適した溶接継手の疲労強
度向上法に関するものでおる。

［従来の技術］ 近年、大型構造物の代表である海洋構造物を対象に、厚
板溶接部材の疲労強度に関する種々の研究が行われてお
り、これらの研究結果を反映して板厚を考えた疲労設計
指針が提案されている。一般に、構造物は、大型化に伴
って部材板厚が増加する傾向にあるため、大型化により
大荷重に耐える設計が要求される。しかし、上記近年提
案されている板厚を考えた疲労設計指針に従うと、溶接
継手の疲労設計応力は板厚の増加に伴って下げなければ
ならない。

ここで、溶接継手の一例として、第２図に示す如く、板
材１を板材２に隅肉溶接した場合を考えてみると、板材
１と２の溶接部３には溶融金属が肉盛りされて不連続な
段差として盛り上がり、該溶接部３が成る大きざ以上の
応力の繰り返しを受けるような場合には、応力集中の厳
しい溶接部３の溶接止端部３ａから疲労破壊してしまう
。このように、上記溶接止端部３ａの応力集中が継手の
疲労強度を大きく支配することから、溶接止端部３ａに
応力が集中しないようにすることが従来から行われてい
る。

すなわち、第２図に二点鎖線で示す如く、応力が集中す
る継手の溶接止端部３ａを滑らかに処理して応力の流れ
を集中させないようにする方法が採られ、その手段とし
て、グラインダーにより研削することや、ＴＩＧ再溶融
法等が考えられていた。

［発明が解決しようとする課題］ ところが、上記溶接止端部３ａをグラインダーにより研
削することによって滑らかにするやり方では、処理に多
大な時間を必要とし、非能率的である。

また、上記ＴＩＧ再溶融法の場合には、イナートガスの
膜を作り、ガスシールドした状態で処理する必要がある
が、屋外作業で風のおるような場合には上記イナートガ
スの膜を作ってガスシールドを行うことができず使用で
きないため、現場等での施工ができない問題がある。

そこで、本発明は、環境に大きく左右されず大型構造物
に対して容易に採用でき、且つ短時間に処理でき、しか
も現場でも確実に作業を行うことができるような溶接継
手の疲労強度向上法を提供しようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、上記目的を達成するために、溶接継手の溶接
止端部近傍の溶接部を、砥粒を混入させた高圧水を噴射
することにより研削し、上記溶接止端部を全長にわたり
滑らかに処理することを特徴とする溶接継手の疲労強度
向上法におる。

［作　　用］ 高圧水を溶接止端部近傍の溶接部へ向けて噴射すると、
混入した砥粒により溶接止端部近傍の溶接部は簡単に研
削され溶接止端部は滑らかに処理される。又、高圧水を
用いるため、環境条件に殆ど左右されることなく作業を
行うことができる。

［実　施　例］ 以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。

第１図は本発明の溶接継手の疲労強度向上法の実施例を
示すもので、第２図に示したと同様に板材１と板材２と
を溶接した溶接部で実施する場合を示す。

本発明の特徴とするところは、砥粒を混入させた高圧水
をノズルより噴射させることにより岩石等を切断できる
ようにしである岩石等切断用装置としてのウォータージ
ェット式切断装置を用いて溶接止端部を滑らかに仕上げ
るようにすることであり、上記ウォータージェット式切
断装置のノズル４ａを先端に有するノズルガン４を、自
走式台車５に備えたノズルガンホルダー６に保持させ、
上記台車５を溶接部３に沿い移動させながら上記ノズル
４より砥粒混入の高圧水を溶接止端部３ａ近傍の溶接部
３へ向けて噴射させることにより、該溶接止端部３ａ近
傍の溶接部３を研削して溶接止端部３ａを滑らかに仕上
げ処理させるようにする。

詳述すると、板材２上を自走できるようにしである台車
５上に支柱７を立設し、該支柱７にノズルガンホルダー
６を上下方向へ任意に位置調整できるように取り付け、
且つ該ノズルガンホルダー６に、ウォータージェット式
切断装置のノズルガン４をノズル４ａの方向を垂直面内
で任意に変更できるように保持させると共に、上記ノズ
ルガンホルダー６に、板材１の側面に沿い転勤させるロ
ーラ８を一端に取り付けたガイドロッド９の他端部を、
上記支柱７と直交する方向に変位自在且つ位置決め自在
に挿通させ、上記ノズルガンホルダー６の支柱７に沿っ
た高さ位置と板材１の側面からの水平方向の位置を適宜
法めることによりノズル４ａの先端から溶接部３までの
距離を適正に保ち得るようにする。

更に上記ノズルガン４は、ノズル４ａに高圧水を供給す
る高圧水発生装置（図示せず）に高圧水供給管１０を介
して接続しており、且つ途中に設けた砥粒混入部が砥粒
供給装＠（図示せず）に砥粒供給管１１を介して接続し
てあり、ノズル４ａに供給される高圧水中に砥粒をノズ
ルガン内で混入させて高圧水によって噴射させる方式の
ものを採用している。なお、１２は台車５の走行速度設
定ダイヤル、１３は駆動スイッチである。

溶接部３の溶接止端部３ａを滑らかにするための施工に
当たり、ノズル４ａを所要の傾斜角度に設定すると共に
、ノズルガンホルダー６の支柱７に対する上下方向の位
置とガイドロラード９のノズルガンホルダー６に対する
支持位置を調整してノズル４ａと溶接止端部３ａとの間
の距離を設定する。なお、本実施例では、溶接部３の板
材１側の溶接止端部３ａの仕上げを対象としている。

具体的施工条件の一例としては、板材１，２の抗張力が
５０ＫＦｌ／１ｒａ２級の場合、ノズル４ａの傾斜角度
を４５°、ノズル４ａから溶接止端部３ａ近傍の溶接部
３、すなわち、供試体までの距離を９０ｍ、ノズル４ａ
の口径を０．６３ｍ、高圧水の水圧を２５００Ｋｇｆ／
ｃｍ２、高圧水に混入させる砥粒をガーネット／＃６０
とし、砥粒の混入率は適宜設定する。

ノズル４ａから溶接止端部３ａ近傍の溶接部３へ向けて
高圧水を噴射させると同時に、ガイドロッド９の先端の
ローラ８を板材１の側面に接触させた状態で台車５を所
定の速度で走行させると、台車５の走行に伴い溶接止端
部３ａに沿う溶接部３が図示の如く高圧水により吹き付
けられる砥粒によって連続的に研削されて行き、溶接止
端部３ａを第２図の右側の溶接部３で二点鎖線で示す如
く段差のない滑らかな状態に処理することができる。こ
の場合、砥粒は、高圧水により高速で溶接部３に吹き付
けられるため、短時間で且つ効果的に溶接止端部を半径
の大きい円弧状に仕上げることができる。このようにし
て溶接止端部３ａを滑らかに処理することにより、溶接
部３は応力が集中しない形状となり、応力集中を効果的
に低減できて疲労強度を著しく向上することができる。

因に、上記施工条件で溶接止端部を処理した場合、溶接
したままの場合の強度に比して約１．４倍の疲労強度の
向上が図れた。

なお、本発明は上記実施例にのみ限定されるものではな
く、たとえば、台車５に立てた支柱７にローラ８付きの
ガイドロッド９を支持させ、ローラ８を板材１に沿い転
勤させながら台車の走行を行わせる場合を示したが、第
１図に二点鎖線で示す如く、板材２上にレール１４を設
けて該レール１４に沿い台車５を走行させるようにして
もよく、又、ガイドロッド９やレール１４を用いること
なく溶接部３の研削位置を自動的に検知しながらその位
置に沿って台車５が倣い走行するようにしてもよく、更
に、高圧水、砥粒や研削された金属粉等の飛散を防止す
るために、必要に応じてノズル４ａの先端部に溶接部３
の方向へ延びるカバーを設置するようにしてもよく、そ
の池水発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え
得ることは勿論である。

［発明の効果］ 以上述べた如く、本発明の溶接継手の疲労強度向上法に
よれば、砥粒を混入した高圧水を溶接止端部近傍の溶接
部に吹き付けることによって溶接上端部を滑らかに処理
させるので、現場等の如き風環境下であっても風に影響
されることなく確実に研削仕上げ作業を行うことができ
、しかも短時間に溶接止端部を応力が集中しないように
滑らかに仕上げることができて、特に大型構造物の溶接
継手の疲労強度向上に極めて有効な方法である、という
優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の溶接継手の疲労強度向上法の一実施例
を示す斜視図、第２図は溶接継手の一例を示す概略図で
ある。 １．２・・・板材、３・・・溶接部、３ａ・・・溶接止
端部、４・・・ノズルガン、４ａ・・・ノズル、５・・
・台車、１０・・・、高圧水供給管、１１・・・砥粒供
給管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）溶接継手の溶接止端部近傍の溶接部を、砥粒を混
   入させた高圧水を噴射することにより研削し、上記溶接
   止端部を全長にわたり滑らかに処理することを特徴とす
   る溶接継手の疲労強度向上法。