JPH0214952B2 - - Google Patents

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JPH0214952B2
JPH0214952B2 JP13431181A JP13431181A JPH0214952B2 JP H0214952 B2 JPH0214952 B2 JP H0214952B2 JP 13431181 A JP13431181 A JP 13431181A JP 13431181 A JP13431181 A JP 13431181A JP H0214952 B2 JPH0214952 B2 JP H0214952B2
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gel
aqueous solution
polyvinyl alcohol
water
ice
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、保冷用ゲルの製法に係り、特にポリ
ビニルアルコールから従来の保冷用ゲルに見られ
ない優れた諸特性の保冷用ゲルの製造法を提供す
る。
冷却用ゲル,保冷用ゲル,保冷用熱媒体,コロ
イド冷媒,保冷用具,保冷用組成物あるいは、氷
のいらない氷枕などの名称のもとに、既に各種の
冷却用ゲルが提案され、一部は実用に供されてい
る。しかし、下記(1)〜(9)に要約するとおり、いず
れも製品性状または製法上に難がある。
(1) 保冷用含水ゲルの安易な製法として、寒天ゲ
ルの製造が著名である。すなわち、80〜94℃の
熱湯または沸とう水へ、0.1wt%以上、例えば
1〜10wt%相当の寒天を溶解後、室温に放冷
することにより、含水率90〜99wt%程度の含
水ゲル(ヒドロゲル)を容易に得ることができ
る。しかし、このゲルを冷蔵庫の氷室で冷却
後、保冷用ゲルとして、例えば氷枕あるいは氷
袋(氷のう)代替品に供する場合、寒天ゲルが
弾性に乏しく、しかもきわめてもろいため、人
体に異物感を与え、しかも使用中にゲルが崩壊
するなど、快適な感触を与えるにはほど遠い。
また、冷蔵庫の氷室においてしばしば氷結・硬
直するため、氷枕あるいは氷袋(氷のう)代替
品に供するに不都合である。この場合、寒天を
エチレングリコール,プロピレングリコール等
の不凍液に浸漬するか、あるいは寒天と不凍液
の双方を含む加熱水溶液を冷却することによ
り、氷結温度を低下させることはできるが、こ
のようにして得られるゲルももろく、崩壊しや
すいため、やはり枕その他保冷用ゲルとして不
適当である。
(2) 寒天類似の、D―ガラクトース型構造、3,
6―アンヒドロガラクトース型構造、ポリガラ
ストークの部分硫酸エステル型構造などを含有
するk―カラゲナンも、やはり寒天同様、容易
にヒドロゲル(含水率90〜97wt%程度)を形
成するが、寒天と同じくもろい難点があるう
え、きわめて軟弱である。このゲルを塩化カリ
ウムまたは塩化カルシウムの水溶液へ浸すこと
により、機械的強度が高まることも、古くから
しばしば強調されてきたが、このような後処理
後も、寒天同様にもろい事実には変りない。
カラゲナンにローカスト・ビーム・ガムを併
用して、ゲルの弾性を高める手法も周知である
が、その効果に多くを期待できない。
また、冷蔵庫氷室において氷結・硬直する事
実ならびにエチレングリコール等の不凍液によ
る対策後の難点も寒天の場合と同様である。
(3) D―マヌロン酸型構造とL―グルロン酸型構
造を含むアルギン酸のナトリウム塩の水溶液か
らも、これを酸性水溶液(PH2.5〜5),または
カルシウム,バリウム,亜鉛,銅,鉄,アルミ
ニウム,ニツケル等の水溶性塩を含む水溶液へ
滴下(あるいは浸漬)することにより、含水率
97〜98wt%のヒドロゲルが得られるが、この
ゲルも周知のとおりこわれやすく、もろいう
え、寒天の場合と同様,氷結・硬直する。
(4) ゼラチンゲルも公知であるが、ゼラチン濃度
2〜15wt%では軟弱なゼリー状を呈するにす
ぎず、またゼラチン濃度15wt%以上、特に
30wt%以上に高めることにより強力なゲルが
得られるものの、柔軟性を欠く硬直体であり、
含水率が低いうえ、にかわ・・・臭を発する難点があ
る。
(5) D―マンノース型構造とD―グルコース型構
造を含むこんにやく・・・・・は、多くの、天然物ゲル
(ゼラチン,豆腐,殿粉糊,寒天,アルギン酸,
カードラン,カラゲナン,フアーセレラン,プ
クチン)のうちでも、特に形くずれし難く、し
かも柔軟性と弾性をも具えており、含水率
97wt%にも及ぶ高含水ゲルである。しかし、
保冷用ゲルとして反復使用することにより、ゲ
ルの崩壊が急速に進行する。すなわち、
こんにやく・・・・・は、カルシウムイオンを含むアル

リ性の冷水溶液に浸されているかぎり比較的安
定であるが、これに冷却(凍結)・融解を反復
する過程で、石灰の析出,偏在化が促進される
に伴い、ゲルは糊状と化す。
(6) CMC(カルボキシメチルセルロース=ナトリ
ウムセルロースグリコラート)の鉄,クロム,
アルミニウム,鉛,バリウム,スズ塩も提案さ
れたが、軟弱な糊状ゲルであり、また、しばし
ばゲル組織が崩壊しやすい難点がある(特公昭
45―11210)。殿粉またはCMCとホウ砂(四ホ
ウ酸ナトリウム+水和物)との反応によるゲル
も著名であるが、やはり、同様に軟弱である。
また、氷結・硬直すること、ならびに不凍液
による対策を施しても、やはり崩壊しやすいゲ
ルであることに変りはない。
(7) ポリビニルアルコール水溶液へホウ酸(また
はホウ酸水溶液)あるいはホウ砂(またはホウ
砂水溶液)を加えると、即座にゲル化すること
も古くから著名である。しかし、得られるゲル
は、流動性で、軟弱で、単に指先でつまむこと
より直ちに千切れる。また、反復使用中に離漿
(含有水を分離)する難点がある(特公昭45―
11210)。
ポリビニルアルコール・ホウ砂ゲルを冷蔵庫
(冷凍庫)氷室で冷却することにより、ゲル内
の水分が氷結し、これに伴い、ゲルが直硬する
のを回避する目的で、ポリビニルアルコール水
溶液へ1価アルコール,多価アルコール,グル
コースまたは蔗糖を添加後、ホウ砂よりゲル化
させる方法も提案されたが、この場合、ゲルの
強度はかえつて低下し、また、反復使用中に離
漿する難点もある(特公昭46―19602)。
ポリビニルアルコール・ホウ砂ゲルの氷結点
を低下させる別法として、このゲルをエチレン
グリコール,プロピレングリコール等の不凍液
へ浸漬する方式も考えられるが、このゲルもま
た、エチレングリコール,プロピレングリコー
ル等により更に軟弱化し、形くずれするほか、
メタノール,エタノール,アセトン等の不凍液
によつても、ゲルが崩壊する難点を有する。
(8) フエノール,ナフトール,コンゴー・レツド
等のフエノール類またはアミノ化合物、あるい
はチタニウム,クロム,ジルコニウム等の金属
化合物によるポリビニルアルコールのゲル化法
も多数提案されているが、いずれも上記ポリビ
ニルアルコール・ホウ砂ゲルと同様の難点があ
る。
(9) アルデヒド,ジアルデヒド,不飽和ニトリ
ル,ジイソシアナート,トリメチロールメラミ
ン,エピクロロヒドリン,ビス―(β―ヒドロ
キシエチル)スルホン,ポリアクリル酸,ジメ
チロール尿素、無水マレイン酸等の架橋剤また
は共重合成分によるポリビニルアルコールのゲ
ル化も周知であるが、いずれも化学試薬を用い
る操作を要するほか、冷蔵庫(冷凍庫)氷室に
おいて硬直し難いゲルを得るには、このゲルを
エチレングリコール等の不凍液へ長時間浸漬し
なければならないうえ、弾力性と柔軟性に富む
ゲルは得難い。
本発明は、ポリビニルアルコールを利用して、
機械的諸特性にすぐれた水不溶性の、しかも、冷
蔵庫(冷凍庫)氷室において氷結し難いゲルを安
価かつ安定に製造する方法を開発すべく検討した
結果、ポリビニルアルコールと水溶性有機化合物
の双方を含む水溶液または懸濁水溶液を冷却・固
化・真空脱水(乾燥)することにより、弾性に富
み、柔軟性に優れる、しかも氷結し難い固形ゲル
が得られるという知見を得、ここに効果の顕著な
本発明を完成した。
すなわち、本発明はけん化度95モル%以上、粘
度平均重合度1500以上のポリビニルアルコール
と、水溶性多価アルコールとを含み、且つ、該ポ
リビニルアルコールの濃度2.5〜10wt%、該水溶
性多価アルコールの濃度20〜80wt%に調整され
た水溶液または懸濁水溶液を、任意形状の容器へ
注入後、これを−6℃より低い温度に冷却し、し
かる後、これに脱水率60wt%以下の真空乾燥を
施すことを特徴とする保冷用ゲルの製造法を提供
する。
本発明によれば、ポリビニルアルコールと水溶
性多価アルコールの双方を含む水溶液または懸濁
水溶液をゲル化させることにより、弾性および柔
軟性に富み、しかも冷凍庫氷室においても氷結し
ないゲルが得られる。本発明はゲル化の過程なら
びにその前処理工程において、従来合成高分子の
ゲル化に常用されている酸,アルカリ,ラジカル
源,放射線、有機溶媒,反応試薬などを必要とせ
ず、2次的硬化処理あるいは氷結点(温度)を低
下させるための後処理も要しない。しかも、本発
明で得られるゲルは、ソフト型(非氷結硬化性)
保冷用ゲルに必要なゴム状弾性と柔軟性および機
械的強度をも兼備している。
ポリビニルアルコール水溶液を0〜30℃で1日
〜1週間程度貯蔵することにより、しばしばゲル
化することは、古くから周知であるが、このゲル
は寒天のようにもろく、例えば氷枕代替保冷用に
使用する場合、ゲル組織の崩壊を伴うほか、冷凍
庫氷室において容易に氷結・硬直する。一方、本
発明のゲルは、氷枕代替に用いるに好適な弾性と
柔軟性および強度を有し、しかも冷凍庫氷室にお
いても氷結・硬直せず、元の弾性,柔軟性および
強度をそのまま保持する。このことは、本発明は
従来の単なるポリビニルアルコール・ゲルとは全
く異なる保冷用ゲルを提供することを意味する。
本発明に用いるポリビニルアルコールのけん化
度は、95モル%以上、好ましくは97モル%以上を
要する。けん化度80〜88モル%、特に85モル%以
下のポリビニルアルコールを用いても、軟弱なゲ
ルが得られるにすぎず、本発明の目的は達成され
ない。
本発明に用いるポリビニルアルコールの重合度
は、1500以上を要する。さもなくば、軟弱なゲル
が生成するにすぎず、本発明においては、例えば
重合度1500〜300程度のポリビニルアルコールが
使用できるが、通常市販されている高重合度品
(重合度1500〜2600)をそのまま用いるのが良い。
本発明では、まず、ポリビニルアルコールと水
溶性多価アルコールの双方を含む水溶液または懸
濁水溶液を調合する。ポリビニルアルコールの濃
度としては、2.5〜10wt%、好ましくは3〜8wt
%とすることができる。この濃度を10wt%より
高めると、氷枕代替用保冷ゲルとしては硬質にす
ぎるゲルが生成する傾向にあるので好ましくな
い。また、この濃度を2.5wt%より低くすると、
氷枕代替用途として軟弱にすぎ、ゲル成型体の形
くずれ・崩壊を伴い易いので好ましくない。
本発明においては、ゲルの形成に先立ち、上記
ポリビニルアルコール水溶液に凍結防止剤(氷結
点降下剤)としての水溶性多価アルコールを溶解
させることを特徴とする。この凍結防止剤とし
て、例えばエチレングリコールが挙げられる。純
エチレングリコールの凝固点は−16℃であるが、
濃度38vol%および58vol%(60wt%)の水溶液
の凝固点は、それぞれ−23℃と−49℃である。し
たがつて、前記ポリビニルアルコール水溶液に特
に多量の、例えば上記58vol%のエチレングリコ
ールを共存させることは必ずしも必要でなく、エ
チレングリコール濃度を35〜40vol%程度とする
ことにより、氷結点を約−20℃まで低下させ、本
発明の目的を達成することができる。この凍結防
止効果は、エチレングリコールに限らず、プロピ
レングリコール(40%置換,−20℃)、1,3―プ
ロピレングリコール(50wt%置換,−24℃)、グ
リセリン(49wt%置換,−21℃),2―メチル―
2,4―ペンタンジオール(71wt%置換,−20
℃)などの水溶性多価アルコールにも見られ、こ
れらによりゲルの硬化温度は−20℃以下に低下
し、通常の家庭用冷蔵庫(冷凍庫)の氷室(−10
〜−20℃)では通常、硬化せず、氷枕などの用途
に好適な弾性と従軟性および生体製織類似の感触
を保持する。
これらの多価アルコールは、上述の氷結点降下
剤としての作用のほかに、本発明で得られる保冷
用ゲルの機械的強度の向上にも寄与する。すなわ
ち単なるポリビニルアルコール水溶液をゲル化さ
せる場合に比し、上記多価アルコールが共存する
ことは、ゲル強度の著しい向上をもたらし、した
がつて、通常きわめて軟弱なゲルを生ずるにすぎ
ないポリビニルアルコールの低濃度水溶液、たと
えば2.5〜8wt%の水溶液からも、上記多価アルコ
ールが共存することにより、氷枕代替用途に好適
な機械的強度の保冷用ゲルを得ることができる。
多価アルコールの共存濃度としては、20〜80wt
%、好ましくは35〜75wt%とすることができる。
この共存濃度を20wt%より低くする場合、ゲル
の氷結・硬化点を−10℃以下に低下させ難い。ま
た、共存濃度80wt%より高いと、氷結点を不必
要なまでに低下させる場合があるほか、氷結・硬
化点をかえつて高める結果を招く場合もあり、い
ずれにしてもいたずらに経済的負担を増大させ
る。ゲルの氷結・硬直温度低下効果は、メチルア
ルコール(25wt%置換,凝固点−20℃)、エチル
アルコール(30wt%置換,−20℃)、イソプロピ
ルアルコール(40wt%置換,−19℃)、エトキシ
エチルアルコール(40wt%置換,−21℃)、エト
キシイソプロピルアルコール(62wt%置換,−30
℃)等の水溶性1価アルコールまたはその誘導体
にも見られるほか、アセトン(36wt%置換,−20
℃)、ジメチルスルホキシド(37wt%置換,−25
℃)、メチルスルホン酸(32wt%置換,−28℃)、
エチルスルホン酸37wt%置換,−24℃)さらに
は、ジメチルアミン(33wt%置換,−20℃)、メ
チルアミン(20wt%置換,−20℃)、ギ酸(35wt
%置換,−20℃)などの水溶性有機化合物に一般
に見られるが、無臭で、揮発性のきわめて乏しい
利点および比較的少量の置換より氷結点降下の目
的を達成しうること、更には得られるゲルの機械
的強度への寄与等を考慮して、エチレングリコー
ルとプロピレングリコールが特に好ましい。トリ
メチレングリコール(1,3―プロピレングリコ
ール)、2,4―ペンタンジオールは、かすかに
アーモンド様の臭気を発する点で、上記エチレン
グリコール,プロピレングリコールに劣り、1,
3―ブタンジオール,グリセリンは経済性の点
で、やはりエチレングリコール,プロピレングリ
コールに劣る。
上記のポリビニルアルコール及び凍結防止剤と
しての水溶性多価アルコールの双方を含む水溶液
または懸濁水溶液を調合するには、水中へポリビ
ニルアルコールと該水溶性多価アルコールとを添
加・溶解・懸濁させる方式のほか、あらかじめ水
中へポリビニルアルコールを溶解し、しかる後、
これを該水溶性多価アルコール(またはその水溶
液)と混する方式、あるいは該水溶性多価アルコ
ール(またはその水溶液)へポリビニルアルコー
ル水溶液またはポリビニルアルコール粉末を添
加・溶解・懸濁させる方式などを採ることがで
き、いずれの方式においても、最終的に、ポリビ
ニルアルコール濃度2.5〜10wt%、該水溶性多価
アルコール濃度20〜80wt%に調整する。これら
の場合、ポリビニルアルコールは、水以外の溶剤
に難溶であることから、水溶性多価アルコールの
水溶液中において、しばしば透明なミクロゲル微
粒子の分散した状態(透明懸濁水溶液状態)をと
るが、これが本発明の実施になんら差し支えな
い。
本発明においては、上記ポリビニルアルコール
と水溶性多価アルコールとを含む水溶液または懸
濁水溶液を、任意形状の容器または所望の成型用
鋳型へ注入し、冷却・成型する。
この場合、冷却剤としては例えば、食塩―氷
(23:77)(−21℃)、塩化カルシウム―氷(30:
70)(−55℃)などの寒剤、あるいは、ドライア
イス―メチルアルコール(−72℃)、液体窒素
(−196℃)などを用い、−6℃より低い温度に冷
却する。また、液体ヘリウムを用いれば−269℃
まで冷却できるが、不経済であるうえ、ゲルの品
位に利点はなく、実用上はフレオン冷凍機を用
い、例えば−20〜−80℃に冷却するのが良い。家
庭用冷蔵庫(冷凍庫)製氷室(−10〜−20℃)へ
収めて冷却することも、もち論差し支えない。こ
れに引き続き真空乾燥を行うことにより固形ゲル
が得られる。なお、冷却が不十分であると、得ら
れるゲルの機械的強度が劣るため、本発明に好ま
しくない。
したがつて、本発明においては、ポリビニルア
ルコールと水溶性多価アルコールとを含む水溶液
または懸濁水溶液を、少なくとも−6℃以下、好
ましくは−15℃以下に到達させ、ひき続き真空脱
水することにより、固形ゲルを得る。このゲルの
機械的強度は、上記の冷却時間に若干影響され、
冷却時間1hの場合に比し、4h更には10h冷却を続
けた場合、わずかながら機械的強度と弾性が上昇
するが、氷枕代替の用途としては、1hの冷却に
より十分目的を達しうる。
本発明においては前述の冷却処理後、真空乾燥
して脱水する。脱水率(冷却・固化ゲルの重量減
少率)が高まるとともに、ゲルの機械的強度も更
に向上するが、氷枕代替品としての用途を考慮す
るならば、特に脱水率を高めて強固なゲルを得る
ことは必要でなく、脱水率60wt%以下、好まし
くは2以上で、55wt%以下にとどめるのが、ゲ
ルの柔軟性の観点から好ましい。
真空乾燥して脱水する際の真空度は所定の水分
が脱水し得るものであればいずれでもよく、たと
えば10mm以下好ましくは1mmHg以下、さらに好
ましくは0.1mmHg以下が通常用いられる。
真空脱水後のゲルは乳白色の不透明ゲルである
が、常温においても水に不溶の固形ゲルであり、
家庭用冷蔵庫(冷凍庫)の製氷室においても硬直
しない。
本発明においては、ポリビニルアルコールと水
溶性多価アルコールとの混合水溶液または懸濁水
溶液の注入容器または鋳型の形状を任意に選定
し、所望の形状(粒状,膜状,塊状,板状,円筒
状その他任意形状)の湿潤ゲルとすることができ
る。最終目的物の形状に合わせて成型してもよい
し、一旦得た成型体を切削等により別の形に成型
してもよい。
本発明のゲルは、多量の水分および水溶性多価
アルコールを含有するにもかかわらず、
こんにやく・・・・・に類似の強度と弾性を有し、堅く
握り
しめても、一時的に変形するが、直ちに元の形状
に復し、形くずれしない。
本発明のゲルに圧力を加えても、含有液の浸出
はほとんど見られず、例えば2Kg/cm2の圧縮応力
を課しても浸出(流出)液量は、含有液の1〜2
%にすぎない。
本発明のゲルには、粘着性がない。板状(8mm
×8mm×2mm)、円筒状(内径3mm,外径6mm,
長さ6mm)、球状(直径4mm)等に成型したゲル
約10gを、50mlの水中で常温において10日間かき
まぜても、相互付着、形くずれ等の現象は全く認
められない。なお、水道水中に1年間浸漬した
が、溶解せず、弾性および強度も変らない(これ
は、例えばこんにやく・・・・・を数日間水道水に浸漬
した
場合、激しい形くずれが起こるのと、きわめて対
照的である)。
本発明においては、ポリビニルアルコール単一
成分がゲル素材(ゲル化成分)として用いられ
る。しかし、ポリビニルアルコールのゲル化を阻
害しない他の無機物または有機物が共存すること
は、本発明に差支えなく、その共存量としては、
例えばポリビニルアルコールの1/2重量以下とす
ることができる。
本発明のゲルは、ポリ塩化ビニール,ポリエチ
レン,ポリプロピレン等の透明または不透明の軟
質フイルム製の袋に包装または封入された状態に
おいて、当初のみずみずしい外観と感触が維持さ
れる。
本発明のゲルは、ゲル自体が生体組織に似た感
触を有することから、弾性に富む保冷剤、例えば
氷枕,氷袋代替品として利用することができ、家
庭用冷蔵庫(冷凍庫)製氷室においても氷結・硬
直せず、常に、みずみずしい感触とこんにやく・・・・
・様
の弾性が発揮される。
以下、本発明の実施例を記載する。
実施例 1 けん化度99.5モル%,粘度平均重合度2600、4
%水溶液粘度(20℃)67cPのポリビニルアルコ
ールの9.4wt%水溶液500gとエチレングリコール
500gとを混合し、21×25cmの底面のポリエチレ
ン製容器へ注ぎ、−50℃で8h放冷後、直ちに真空
脱水を施し、水分40gを除いた(脱水率=冷却体
の重量減少率4wt%)。これはこんにやく・・・・・類
似の
弾性と柔軟性を有し、しかも、こんにやく・・・・・に
勝る
機械的強度を有し、耐圧縮強度10Kg/cm2以上を示
した。
これを家庭用冷凍庫の製氷室に1晩放置した
が、硬直(氷結)せず、なお、冷却と常温放置の
反復に耐え、保冷材として使用できた。
比較例 1 実施例1において、エチレングリコールを用い
ずに操作する。
即ち、ポリビニルアルコール水溶液500gを、−
50℃に冷却(凍結)後、直ちに真空脱水を施し、
水分170gを除いた(脱水率34wt%)。得られる
ゲルは、家庭用冷凍庫製氷室においても凍結・硬
直し、岩板状と化した。
実施例 2 けん化度97.5モル%,粘度平均重合度2200、4
%水溶液粘度(20℃)56cPのポリビニルアルコ
ール630g(含水率7wt%)を、水4800gに溶解
し、11.4wt%溶液とした。
この水溶液4536gとポリプロピレングリコール
2433gとを混合し、そのうちの4536gを、底面90
×90cm、深さ1cmのポリエチレン製容器へ流し込
み、次にこれを−50℃で6h放置し、しかる後、
直ちに、これに真空脱水を施し、脱水率15wt%,
脱水量680g,含液率91wt%に到達させた。
かくして得たシート状ゲル(厚み5mm)から、
成人男子用チヨツキの縫製を前提として、左前身
頃・後身頃・右前身頃の順に配列された身丈48
cm,胸囲(含ゆるみ)97cmの裁断ゲルを得、しか
る後、その左肩部と右肩部をそれぞれ縫合わせ
る。
かくして得た保冷用チヨツキを、工業用大型冷
蔵庫(−20℃)へ8h放置したが、硬直(氷結)
現象は認められず、成人男子が作業衣の上に、更
この保冷用チヨツキを着用し、高温作業に従事す
ることができた。
実施例 3 ポリビニルアルコール(けん化度99.5モル%,
粘度平均重合度2600、4%水溶液の粘度(20℃)
66cP)の粉末30g,プロピレングリコール158
g,水292gを混合し、90℃×2h撹拌後、この
471gを、直径20cm,深さ2cmのポリエチレン製
容器へ注ぎ、−45℃で5h放置後、直ちに真空脱水
を施し、脱水率13wt%(脱水量61g,含液量
93wt%)に到達させる。
かくして得られた円板状ゲル(直径19.5cm,厚
み1.4cm)の中心と、円周上の任意の1点とを結
ぶ直線(半径)に沿つて、切れ目を入れ、この切
れ目の部分を利用して、円板の一部を重ね、縫い
合わせることにより、底面を欠く円錐型ゲルを得
た。このゲルは家庭用冷凍庫内で1夜放置させて
も硬直せず、これを産院等における乳線炎患部の
保冷用カツプ型冷却材として、ガーゼに包み試用
することができた。
実施例 4 実施例3の方法により得られる円板状ゲル2枚
から、中心角50゜の扇状板4枚と、7×5cmの長
方板8枚を切取り、これらを商標名「Lovable
」ブラジヤー(サイズ95D)の左右両カツプの
外面に適宜配列し、直径0.1mmのポリエステル糸
によりカツプに縫付けた。これを家庭用冷凍庫に
6h放置したが、硬直化は見られず、みずみずし
い弾性を有する、ソフトな肌ざわりの保冷ゲルと
して、産院等における炎症性隆房冷却用三角巾に
替え、試用することができた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 けん化度95モル%以上、粘度平均重合度1500
    以上のポリビニルアルコールと、水溶性多価アル
    コールとを含み、且つ、該ポリビニルアルコール
    の濃度2.5〜10wt%、該水溶性多価アルコールの
    濃度20〜80wt%に調整された水溶液または懸濁
    水溶液を、任意形状の容器へ注入後、これを−6
    ℃より低い温度に冷却し、しかる後、これに脱水
    率60wt%以下の真空乾燥を施すことを特徴とす
    る保冷用ゲルの製造法。
JP56134311A 1981-05-16 1981-08-28 保冷用ゲルの製造法 Granted JPS5837076A (ja)

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JPH0678460B2 (ja) * 1985-05-01 1994-10-05 株式会社バイオマテリアル・ユニバース 多孔質透明ポリビニルアルユールゲル

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