JPH02136143A

JPH02136143A - 貯血槽

Info

Publication number: JPH02136143A
Application number: JP63291710A
Authority: JP
Inventors: Hiroaki Oshiyama; 押山　広明
Original assignee: Terumo Corp
Current assignee: Terumo Corp
Priority date: 1988-11-18
Filing date: 1988-11-18
Publication date: 1990-05-24

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〈産業上の利用分野〉本発明は、医療施術分野で利用される例えば密閉系人工
心肺回路等に用いられる貯血槽の改良に関するものであ
る。

〈従来の技術〉例えば密閉系人工心肺回路においては、患者から脱血し
た静脈血を一時的に貯溜する貯血槽（静脈リザーバー）
が用いられる。

この静脈リザーバーは、通常、内部に貯血空間を有する
容器体と、その一端部が前記貯血空間内に突出するよう
に−この容器体に設けられたチューブ状の血液流入口と
、貯血空間と連通して容器体の下部付近に設けられた血
液排出口と、貯血空間と連通して容器体の上部に設けら
れた脱気口とから構成される。

そして、この静脈リザーバーに要求される基本的な性能
としては、 ■　貯血機能を満足させられるだけの一定量の血液を貯
え得る容積（貯血空間）を有すること。

■　脱血した血液中に混入した空気を除去し得ること。

■　局部的な血液滞留を防止し得ること。

の３つが必要である。

これらのうち、血液中に混入した空気を除去する技術の
１つとして、例えば第６図に示すように、容器体５１の
貯血空間５２内に突出して設けられた血液流入口５３の
先端部５４に多数の小孔５５を開けて、血液流入口５３
から貯血空間５２へ流入する血液を拡散させ、血流を穏
やかな流れにすることによって、血液中の気泡が浮力で
上昇し易い状態にする試みが、特開昭５９−６７９６２
号（特願昭５７−１７６７５５号）が提案されている。

この静脈リザーバー５０は、貯血空間５２の上方壁５６
を傾斜させて、浮上した気泡がこの上方壁５６に沿って
脱気口５７に向かい、そこから外方へ抜は出るように構
成されてもいる。

〈発明が解決しようとする課題〉しかしながら、このような静脈リザーバー５０では、血
液流入口５３の小孔５５群から貯血空間５２へ流入する
血液が、そのまま血液排出口５８へ向うことも多（、そ
のため、血液排出口５８に流出する血液中からの除泡機
会が失われ勝ちとなり、その結果、除泡機能が充分に行
われるとはいいがたい。

また、貯血空間５２の底部等に局部的な血液滞留が生じ
易いという欠点もあった。

本発明は、これら従来の欠点を除去して、除泡効率が高
く、局部的な血液滞留も生じにくい新規な貯血槽を提供
することを目的とする。

く課題を解決するための構成〉このような目的は、下記（１）ないしく５）の本発明に
よって達成される。

（１）内部に貯血空間を有する柔軟な合成樹脂製の容器
体と、チューブ体から形成され、その端部が前記貯血空
間内に突出して、前記貯血空間に連通ずるように設けら
れた血液流入口と、前記貯血空間に連通して前記容器体
の下部付近に設けられた血液排出口と、前記貯血空間に
連通して前記容器体の上部に設けられた脱気口とを有す
る貯血槽において、前記貯血空間の内部に、前記血液流入口の貯血空間突出
端部な覆う袋状部材を設け、該袋状部材に前記貯血空間
と連通ずる開口部を設けたことを特徴とする貯血槽。

（２）前記血液流入口の端部はその端面が封止され外周
部に複数個の血液流出小孔を有するものであり、前記袋
状部材の開口部は該袋状部材の上方部分に１個設けられ
たものである上記（１）に記載の貯血槽。

（３）前記袋状部材の開口部が？！数の小孔からである
上記（１）または（２）に記載の貯血槽。

（４）前記袋状部材が網状物である上記（１，）ないし
く３）のいずれかに記載の貯血槽。

（５）前記袋状部材が柔軟な合成樹脂製である上記（１
）ないしく３）のいずれかに記載の貯血槽。

〈作　用〉この構成に基（本発明の作用は、貯血空間内に突出させ
た血液流入口の周囲を、血液流出用開口部を有する袋状
部材で覆うことによって、血液流入口から血液排出口へ
向う血液のうち、両者間を短絡するような血流を阻止し
５正規の血流路を、袋状部材の血液流出用開口部を通る
ように長く設定する。

これにより、血流の勢いを穏やかなものに変えると共に
、血液中に含まれている気泡に、自身の浮力により貯溜
血液中を浮上し易い環境を与える。

〈実施例〉以下、図示の実施例に基いて本発明の詳細な説明する。

第１図は、本発明の貯血槽の第１実施例を示す模式断面
図である。

第１図中、静脈リザーバーで代表される貯血槽ｌの主要
部をなす容器体２は、血液に対して何等の悪影響を及ぼ
さない柔軟な合成樹脂製の容器体として形成される。

そして、容器体とは、好ましくは、２枚の透明な合成樹
脂シートの四周を高周波等により融着等した袋状のもの
として形成これる。

なお、以下の文中で使用する融着等なる語は、融着、溶
着、接着等を総称する概念のものである。

この場合、容器体２の材質としては、より好ましい態様
では、塩化ビニル、ポリエチレン等の材料を使用する。

この容器体２の内部は、所定量の血液を貯溜できる大き
さの貯血空間３として形成されるが、好ましくはその上
方壁３ａが後述する脱気口８に向って傾斜した形状のも
のとして作られる。

一方、容器体２の底部２ａには、所定の間隔を隔てて、
チェーブ状の血液流入口４と血液排出口５とが設けられ
ている。

これらのチェーブ状の血液流入口４および血液排出口５
は、いずれも血液に対して何等の悪影響を及ぼさない半
硬質の合成樹脂で作られる。

そして、好ましくは第２図に示すように、いずれも、容
器体２を構成する表裏２枚のシートの間に垂直に挿入さ
れた状態で容器体２と一体的に融着するような構造に作
られている。

この場合、血液流入口４は、その先端部４ａが貯血空間
３の中央部分まで突出し、後端部４ｂが、例えば密閉系
人工心肺回路の一端に接続するように設けられている。

そして、前記先端部４ａの端面４ｃは封止された状態に
、また、その外周部分４ｄにはそれぞれの放射方向を向
いた多数の小孔６が形成されている。

この小孔６は、これを通過する際に血液の流れを穏やか
なものに変える作用をするので、その直径は、２〜５ｍ
ｍの範囲に、また、その設置数は４〜２４の範囲に設定
することが好ましい。

血液排出口５は、その一端部５ａが貯血空間３の底壁と
ほぼ一致するような状態に、また、他端部５ｂが人工心
肺回路の他端に接続するように設けられている。

このような構成において、血液流入口４の先端部４ａと
容器体２の表裏２枚のシートの間には、この先端部４ａ
の周囲を覆うような状態で袋状部材７が設けられている
。

この袋状部材７は、容器体２と同様に柔軟な合成樹脂製
のものとして、その上方のみに大きな開口部７ａを有す
る袋体として形成されている。

好ましくは第３図に示すように、袋状部材７を構成する
表裏２枚のシートの両側部７ｂを高周波等により融着し
、しかも、底部７ｃは血液流入口４を表裏２枚のシート
の間に挾んでから高周波等により袋状部材７と一体的に
融着して作られる。

また、容器体２の上部には、チェーブ状をした合成樹脂
製の脱気口８が高周波融着等により設けられている。

なお、貯血槽１の製造に際しては１、例えば、血液流入
口４と袋状部材７とを融着して体止し、この一体止され
たものと血液排出口５および脱気口８とを、容器体２を
構成する表裏２枚のシートの間に挿入した後、それぞれ
一体的に高周波融着する工程で作られる。

このような構成では、密閉系人工心肺回路から血液流入
口４へ流入した血液は、先ず血液流入口４の先端部４ａ
に形成された小孔６群を経て袋状部材７内に流入し、そ
の後、袋状部材７の開口部７ａを通ってから貯血空間３
に入って血液排出口５に向うことになる。

従って、血液流入口４から血液排出口５へ向う血液は、
袋状部材７によってその短絡現象が防止され、その流路
は、袋状部材７の開口部７ａを経る分だけ長（なる。

しかも、血流としての勢いは、小孔６群を通過する段階
で多方向に少量づつ分散されることにより削がれる。　
更には、分散された小血流が、袋状部材７の開口部７ａ
から貯血空間３に流出する際に広い流れに変わることに
より、より一層穏やかな流れに変りることになる。

その結果、血液流入口４から流入した血液中に含まれて
いる気泡は、自身の浮力によって貯溜血液中を浮上し得
る時間と浮上し易い環境を与えられることになって、そ
の除泡機能が大幅に向上することになる。

また、貯溜血液中から貯血空間３の空気部分に出た気泡
は、貯血空間３の上方壁３ａの傾斜に助けられて脱気口
８に向うことになる。

第４図に本発明の第２実施例を示す。

この実施例に係る貯血槽１０は、袋状部材１７の構造が
第１図に示すものと異なるだけで、他の構成は第１図の
ものと共通である。

この実施例の袋状部材１７は、上部が傾斜した密閉的な
袋体として作られる。　そして、その下部には、例えば
直径５ｍｍ程度の血液流出用の開口部１７ａを、複数個
１例えば８個有する。

また、袋状部材１７の上部には前記脱気口８の下端と接
続する隘路孔１７ｂが形成され、この隘路孔１７ｂの周
囲には貯血空間３と連通する脱気連通孔１７ｃが適当数
形成されている。

なお、袋状部材１７の材料は第１図の場合と同じであり
、製作法については第１図示のものに準するものとする
。

この実施例では、密閉系人工心肺回路から血液流入口４
へ流入した血液が、血液流入口４の先端部４ａから小孔
６群を経て袋状部材１７内に流入し、この袋状部材１７
の開口部１７ａを通ってから貯血空間３に入って血液排
出口５に向うことになる。

この場合、血液中の気泡は主として袋状部材１７内で除
泡され、除泡された気泡は隘路孔１７ｂを通って脱気口
８へ導かれることになる。　また、貯血空間３で除１包
された気泡は脱気連通孔１７ｃおよび隘路孔１７ｂを経
て脱気口８へ導かれる。

第５図に本発明の第３実施例を示す。

この実施例の貯血槽２０は、袋状部材２７の構造が第１
図および第４図に示すものとと異なるだけで、他の構成
は第１図のものと共通である。

この実施例の袋状部材２７は、第１図のものと同様に、
上部にのみ大きな開口部２７ａを持つ構成であるが、袋
体な構成する材質が第１図のものと異なる。

すなわち、この袋状部材２７は、例λばオープニング１
００ｐ＋ｎ以下のメツシュや不織布等の網状物から作ら
れている。

しかし、血液流入口４の先端部４ａから小孔６群を経て
袋状部材２７内に流入した血液のうち、網状物を透過す
る血液は余りなく、開口部２７ａから血液排出口５に向
う。

従って、除泡作用等は第１実施例の場合と同様になるが
、血流を分散することにより各部での血流速を低下させ
るため、除泡効果が改善される。

次に、本発明の具体例と従来例とを作成して実験したと
きの確認結果を示す。

［具体例　１１柔軟な塩化ビニル樹脂シートを用いて、第１図に示す容
１１０００ｃｃ、最大血液循ＴＭ遣６Ｉ２／ｍｉｎの貯
血槽１を作製した。

なお、貯血空間３は、縦寸法が２００ｍｍ、横寸法が１
５０＋ｎｍである。

血液流入口４および血液排出口５は、それぞれ内径が１
０ｍｍの柔軟な塩化ビニル樹脂製であり、血液流入口４
は貯血空間３内に垂直に挿入されその先端の突出量は１
１０ｍｍで、先端部４ａの外周部分に形成された小孔６
は直径３ｍｍのものが１６個である。　また、血液排出
口５は貯血空間３の底壁端部に設けた。

袋状部材７は、柔軟な塩化ビニル樹脂シートを用いて縦
寸法１００ｍｍ、横寸法１２０ｍｍであり、血液流入口
４に対する袋状部材７の底部の位置は、突入ｆｆ１５０
ｍｍの位置に設定しである。

［具体例　２１柔軟な塩化ビニル樹脂シートを用いて、第４図に示す容
量１０００　ｃｃ、最大血液循ｙＪ量６Ｉ２／ｍｉｎの
貯血槽１０を作製した。

なお、貯血空間３は、具体例１と同一である。

血液流入口４、血液排出口５、袋状部材７の大きさおよ
び取付は位置等の基本的な構成値は具体例１とほぼ同じ
であり、前述したように下部に直径５ｍｍの血液流出用
の開口部１７ａを８個有する。

［具体例　３１第４図に示のような構成を持つ貯血槽２０を作製した。

この場合、貯血槽および袋状部材７のサイズは具体例１
と同一である。　ただし、その材質は、オープニング１
００−の細状物である。

（従来例］第６図に示す従来型の貯血槽５０を比較例として作製し
た。　ただし、貯血槽のサイズは具体例１と同一である
。

［除泡性能実験］それぞれの貯血槽１．１０．２０．５０を順次に実験用
回路に接続し、牛血を４ｊ２／ｍｉｎで循環させた。　
そして、予め貯血槽の手前に接続したルアーボート付き
コネクターから空気を１００　ｃｃ／　ｍｉｎの流量で
実験回路中に注入し、超音波気泡検出装置（Ｈａｔｔｅ
ｌａｎｄ　ＢＤｌｏｏｓｙｓｔｅｍ　）をそれぞれの貯
血槽ｌ、１０．２０．５０の出口（血液排出口）に設置
して、この出口を通過する気泡の大きさおよび数を測定
した。

その結果は、下記表１の通りであった。

表１から明らかなように、本発明の貯血槽１．１Ｏ１２
０の除泡性能は、従来例の貯血槽５０に比べて大幅に向
上しているのが判る。

これによって本発明の有効性を確認することができた。

以上、数実施例について説明したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、その要旨を変更せざる範囲内で
種々に変形実施し得ることができる。

例えば、貯血槽や袋状部材の大きさ、形状および構造は
、必要に応じて種々のものを選定することが可能であり
、また、血液循環回路との接続についても、目的の範囲
内において任意の構造を用い得ることを付記する。

〈発明の効果〉本発明によれば、従来の欠点を除去して、除泡効率が高
く局部的な血液滞留も生じ難い新規な貯血槽を実現する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係る貯血槽の第１実施例を示す模式
断面図、第２図は、第１図におけるＩＩ　−ＩＩ視の断
面図、第３図は、第１図におけるＩｌｌ　−Ｉｌｌ視の
断面図、第４図は、本発明の第２実施例を示す模式断面
図、第５図は、本発明の第３実施例を示す模式断面図、
第６図は従来の貯血槽の構造を示す模式断面図である。符号の説明 ■・・・貯血槽２・・・容器体２ａ・・・容器鉢底部３・・・貯血空間３ａ・・・上方壁４・・・血液流入口４ａ・・・先端部４ｂ・・・後端部４ｃ・・・先端部端面４ｄ・・・外周部分５・・・血液排出口５ａ・・・一端部５ｂ・・・他端部６・・・小孔７・・・袋状部材７ａ・・・開口部７ｂ・・・両側部７ｃ・・・底部８・・・脱気口１０・・・貯血槽１７・・・袋状部材１７ａ・・・開口部１７ｂ・・・隘路孔１７ｃ・・・脱気連通孔２０・・・貯血槽２７・・・袋状部材２７ａ・・・開口部５０・・・静脈リザーバー５１・・・容器体２・・・貯血空間３・・・血液流入口４・・・先端部５・・・小孔６・・・上方壁７・・・脱気口８・・・血液排出口ＧｂｂＦＩＧ、４Ｆ　Ｉ　Ｇ、２＼ＦＩＧ／ＦＩＧ、５

Claims

【特許請求の範囲】

（１）内部に貯血空間を有する柔軟な合成樹脂製の容器
体と、チューブ体から形成され、その端部が前記貯血空
間内に突出して、前記貯血空間に連通するように設けら
れた血液流入口と、前記貯血空間に連通して前記容器体
の下部付近に設けられた血液排出口と、前記貯血空間に
連通して前記容器体の上部に設けられた脱気口とを有す
る貯血槽において、前記貯血空間の内部に、前記血液流入口の貯血空間に突
出した部分の少なくとも一部を覆う袋状部材を設け、該
袋状部材に前記貯血空間と袋状部材内部とを連通する開
口部を設けたことを特徴とする貯血槽。
（２）前記開口部は、該袋状部材の上方部分に設けられ
ている請求項１に記載の貯血槽。
（３）前記袋状部材は、前記血液流入口の貯血空間突出
端部を覆う請求項１または２に記載の貯血槽。
（４）前記袋状部材は、前記血液流入口の少なくとも貯
血空間突出端部を含んで、前記脱気口に至る閉空間を形
成し、その下部に前記開口部を有し、その前記脱気口付
近に、脱気連通孔を有する請求項１に記載の貯血槽。