JPH02127497A - 防錆潤滑剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、Ｉｋ業分野や小型船舶に使用される機械、器
具用の防錆潤滑剤に関する。

〈従来の技術〉 防錆潤滑剤としては、昔から動植物油が使用されてきた
が、酸化安定性が悪く、長期間使用した場合、変質し易
く、又防錆効果も充分でなく、現在は殆ど使用されてい
ない。近年は一般工業用としては鉱油系又は合成油等の
基油を低粘度の溶剤で希釈し、各種の防錆添加剤を添加
した潤滑防錆剤が多く使用されている。そしてこの場合
の合成油とし°Ｃは、ポリオレフィン、アルキル芳香族
。

ジエステル、ポリオールエステル、ポリアルキレングリ
コール、ポリフェニルエーテル、リン酸エステル、ケイ
酸エステル、シリコーンポリマーフルオロカーボン等が
あげられる。

〈発明が解決しようとする課題〉 前記の潤滑防錆剤は、−・般の工業分野に使用する場合
は、特に支障はないが、これらは毒性を有するため、例
えば耕うん機、田植機、刈取機、脱穀機、芝刈機等の農
機具に塗布した場合、それらを用いて作業をすると、土
壌に潤滑防錆剤か混入し、土壌汚染につながるし、又農
作物の刈り入れ時、精粒精製時には、農作物に付着し汚
染する可能性も大きい、またレジャーポート等の沿岸航
行用の小型船舶においても、前述の潤滑防錆剤を使用し
た場合、それらに水中に混合すると、沿岸海域汚染の原
因となる。

したかって実質的に毒性のない、酸化安定性のすぐれた
防錆潤滑剤の開発か強く望まれている。

〈課題を解決するための手段〉 本発明者らは、前述の現状に鑑み、種々研究の結果、炭
素数か６〜１０の飽和脂肪酸のトリグリセリドは実質的
に毒性はなく、酸化安定性に優れた特徴を有することを
知り、該化合物を実質的主成分とする防錆潤滑剤か、芝
刈機等の農機具および小型船舶機器用として好適である
ことを確認して本発明を完成した。

すなわち、本発明は防錆潤滑剤の構成成分中、不揮発分
の８０％以上か炭素数６〜ｌＯの飽和脂肪酸のトリグリ
セリドてあり、不揮発分の残部は、安全性の高い動植物
油、潤滑性を増加させる滑剤である農機具および小型船
舶機器用防錆潤滑剤に関する。

本発明におけるトリグリセリドは、グリセリンを炭素数
か６〜１０の飽和脂肪酸でエステル化したものて、実質
的に毒性はなく常温で液体である。

そして、酸化安定性に優れており、経時変化を生じる事
も少ない０例えば、９７．８°Ｃて空気を送り込み、過
酸化物価か１００に達するまでの時間を測定するＡＯＭ
試験（Ａｃｔｉｖｅ　Ｏｘｙｇｅｎ　Ｍｅｔｈｏｄ）で
は、大豆油が１６時間、オリーブ油が２０時間程度であ
るのに対し、本発明に使用する飽和脂肪酸トリグリセリ
ドは３００時間以上てあり、酸化安定性か著しく高い結
果を示す。

本発明の防錆潤滑剤において、炭素数が６〜ｌＯの飽和
脂肪酸トリグリセリドを含有し、かつ該トリグリセリド
が不揮発成分の８０％以上である理由を次に示す。

即ち炭素数がｌＯを越える飽和脂肪酸を使用すると、常
温でも使用時に固化し、また炭素数が５に達しない場合
は、分解時に酸としての働きか強く、長期使用に際して
金属等に悪影響を与え、さらに飽和脂肪酸グリセライド
が不揮発分の８０％に達しない場合、常温で固化したり
、長期使用時に分解を生じたり又良好な防錆性、潤滑性
か得られにくいためである。

一方不飽和脂肪酸は、酸化安定性が悪く、粘性か低い液
状て、潤滑剤に使用すると焼き付きをおこすおそれもあ
る。そこで不飽和脂肪酸を含む通常の動植物油を使用す
る場合は、含有率を２０％未満とした。

次に本発明の防錆潤滑剤における実用的に好ましい飽和
脂肪酸のトリグリセリドを示す。

即ちカプリル酸トリグリセリドとカプリン酸トリグリセ
リドとの混合物がよい。そしてそれらの混合は重量比で
５０：５０〜９０：１０の範囲がとくに好ましい。

カプリン酸トリグリセリドの融点は１０℃前後、カプリ
ル酸トリグリセリドでも０℃ては長期放置すると固化の
おそれかあるが、前記のように両者を混合すると融点は
低下し、０°Ｃ以下でも使用可能となり１例えばカプリ
ル酸トリグリセリドとカプリン酸トリグリセリドとの重
量比か８５：１５の場合、−７℃前後でも十分液状を保
持できる。

なお、防錆潤滑剤に要求される浸透性の一因である粘度
についても、２５℃に於て落花生油か約６０ＣＰ、綿実
油か約５ｏｃｐ、ひまし油が約７０ＣＰ、とうもろこし
油か約５ｏｃｐであるのに対し、カプリル酸トリクリセ
リ阻カプリン酸トリグリセリドでも約２０ＣＰ前後てあ
り、良好な浸透性か得られる。

また表面張力は、それ自身でも：１Ｏｄｙｎ／ｃｍと比
較的低く、ぬれ性も良好な結果であった。

更に防錆効果もＪＩＳ−に−２２４６の湿潤試験では、
７２０時間でも全く発錆は認められてらず、優れた防錆
力を有しており、潤滑性も動摩擦係数て０．１２〜０．
１８と鉱物油の０．２４と比較しても良好な結果を得た
。

又、炭素数６〜１０の飽和脂肪酸トリグリセリドは、酸
化等における経時変化が少なく安定であるか、生分解性
が良好のため、土壌や海水等に混入しても、問題が生じ
ない利点を有する。

本発明において不揮発分中の炭素数が６〜１０の飽和脂
肪酸のトリグリセリド以外に、例えば毒性の少ない動植
物油、滑剤としてグラファイト、滑石粉（タルク）等も
添加する事かできる。

本発明の防錆潤滑剤は前述のように炭素数が〜１０の飽
和脂肪酸のトリグリセリドを実質的主成分として含有す
るか１本発明の防錆潤滑剤の特徴か変化しない範囲で、
従来使用されてる防錆添加剤、酸化防止剤、防錆剤、粒
度指数向上剤等を添加してもよい。

又揮発成分として必要によりアルコール類、低粘度の揮
発性炭化水素系溶剤等の希釈剤、粘度低下剤を混合する
こともできる。

本発明において飽和脂肪酸グリセリドは不揮発成分の８
０％以上であるか、この不揮発成分とは沸点か３００℃
のものをいう。

〈発明の効果〉 本発明の防錆潤滑剤は、実質的に毒性がなく、生分解性
も良好な事から芝刈機等の農機具用防錆潤滑剤、小型船
舶機器用防錆潤滑剤として使用の場合、農作物へ付着し
たり、土壌や海水中へ混入しても、それらを汚染せず、
安全で海水の場合、海草、魚類、貝類にも悪影響を！ト
えないので安心して使用する事ができる。

〈実　施　例〉 本発明を実施例により説明する。実施例において％は、
ｆｆ！量％を示す。

実施例１ カプリル酸トリグリセリド１ｏｏ％よりなる防錆潤滑剤
。

実施例２ カフロイン酸トリグリセリド６０％とｎ−へブタン４０
％とよりなる防錆潤滑剤。

実施例３ カプリル酸トリグリセリド８５％とカプリン酸トリグリ
セリド１５％とよりなる防錆潤滑剤。

実施例４ カプリル酸トリクリセリドア５％とカプリン酸トリグリ
セリド２５％との混合物を２０％とイソパラフィン系溶
剤（ＮＡＳ−３：日本油脂（株）製）　８０％とよりな
る防錆潤滑剤。

実施例５ カプリル酸トリクリセリドア５％とカプリン酸トリグリ
セリド２５％の混合物を５０％とｎ−へブタン４９％と
合成スルフォネート（モレスコアンハー５Ｂ−５０：　
（株）松材石油研究所製）１％を混合した防錆潤滑剤。

実施例６ カプリル酸トリグリセリド８５％とカプリン酸トリグリ
セリドを１５％を十分混合したものを３０％と、ｎ−へ
ブタン６６％とグラファイト４％混合した防錆潤滑剤。

実施例７ カプリル酸トリグリセリド８５％とカプリン酸トリグリ
セリド１５％を十分混合したものを９０％と、オリーブ
油１０％からなる防錆潤滑剤。

比較例　１．大豆油 １ノ　　２・オリーブ油 ツノ　　３：自スピンドル抽 ツノ　　４：白スピンドル油２０％、イソパラフィン系
溶剤（ＮＡＳ−３：日本油脂（株）製）　８０％を混合
したもの。

ｉｎ記の実施例の未発明の防錆潤滑剤及び比較例の各物
質試料について次にのべる各種試験を行った。

試験方法 融点は各試料を１００’Ｃで１時間放置し、薄発成分の
大半を除いた残分の融点を測定した。

酸化安定性試験は９７．８°Ｃて空気を送り込み過酸化
物価が１００に達するまでの時間を測定した。

（＾ＯＭ試験方状１ 動摩擦係数は、首孔振子式試験器にて測定した。

毒性は食品用としても問題のないものを○印、若干問題
のあるものを△、問題のあるものを×とした。（なお、
各試料とも塗布後、２週間数ｎした残分について推定し
た。） 湿潤試験は、防錆効果の目安として実施したもので、試
験方法はＪ　Ｉｓ−に−２２４５に基づいて実施した。

Ｏ印は発錆なし。△は一部発錆、×は大部分が発錆を示
す。

屋外暴露試験は、ＪＩＳ−Ｇ−３１４１に規定する５Ｐ
ＣＣ−８Ｂ鋼板をハークレンチ脱脂後、ＪＩＳ−Ｒ−６
２５３に規定する耐水研摩紙２８０番て磨いたものに、
各試料を塗布後、３週問屋外放置し、錆の発生を観察し
た。

○印は発錆なし。

Δ印は一部発錆又は変 色。

Ｘ印は全面発錆を示す。

結　　　果 各試験の結果は表に示す。

本発明の実施例１〜７は、植物油の比較例１゜２と比較
すると、酸化安定性も非常に良く、湿潤試験、屋外暴露
試験も、優れている事が判る。又。

スピンドル油等をベースとした比較例３．４と比較して
も毒性かなく、良好な防錆性、潤滑性を有している事が
分る。

なお、実施例２〜５，７は、融点が−６〜−７℃てあり
、とくに低温用どして好適である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 防錆潤滑剤の構成成分中、不揮発成分の８０％以上が炭
   素数６〜１０の飽和脂肪酸のトリグリセリドてあり、残
   部が動植物油および、または滑剤である事を特徴とする
   農機具用および小型船舶機器用防錆潤滑剤。