JP2004067770A - 潤滑防錆剤およびこれを含む金属加工油剤 - Google Patents

潤滑防錆剤およびこれを含む金属加工油剤 Download PDF

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Abstract

【課題】より防錆効果のある酸性リン酸エステル系防錆剤の提供と、環境汚染の問題となる塩素化パラフィンやサルファイド系極圧剤などを使用することなく、加工油に優れた防錆性と潤滑性を与えることのできる加工油剤を提供すること。
【解決手段】金属加工油用の防錆剤および加工油剤としてヒマシ油の酸性リン酸エステル(リン酸のモノエステル体およびジエステル体を含む)またはその塩を有効成分として含有させる。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防錆性および加工油剤に関し、より詳細には、各種産業機械などを含めた金属に対し優れた潤滑性と防錆性を付与することのできる防錆剤および加工油剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油圧作動油、圧縮機油、歯車油、軸受油、タービン油の如き各種産業機械用の防錆油や潤滑油、切削油、研削油等の金属加工油には、優れた防錆性と潤滑性が要求される。従来、こうした用途に用いられる防錆剤としては、炭素数8〜24程度のアルキル(またはアルケニル)酸性リン酸エステルのアミン塩や、カルシウム、マグネシウム、バリウム等の金属塩、あるいは、高級脂肪酸の金属塩やアミン塩、石油スルホン酸の金属塩やアミン塩、高級脂防酸の多価アルコールエステル類などが知られている。
【0003】
また、潤滑剤としては、塩素化パラフィンやジ−tert−ノニルポリサルファイド(TNPS)の如きサルファイド系極圧剤、更には、リン化合物や含窒素有機化合物などが使用されてきた。
【0004】
ところが、防錆剤として使用される炭素数8〜24程度のアルキル(またはアルケニル)リン酸エステルのアミン塩や、カルシウム、マグネシウム、バリウム等の金属塩は、防錆性や潤滑性は不十分である。一方、塩素化パラフィンやジ−tert−ノニルポリサルファイドの如きサルファイド系極圧剤は、塩素系化合物に由来する発癌性や硫黄系化合物に由来する環境汚染の問題があり、廃液処理にも多大な負担が課せられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような事情に着目してなされたものであって、その目的は、より防錆効果の高い酸性リン酸エステル系防錆剤の提供と、環境汚染の問題となる塩素化パラフィンやサルファイド系極圧剤などを使用することなく、加工油に優れた防錆性と潤滑性を与えることのできる加工油剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することのできた本発明の潤滑防錆剤とは、ヒマシ油の酸性リン酸エステルまたはその塩を有効成分として含有するところに特徴を有している。
【0007】
本発明の潤滑防錆剤において、上記酸性リン酸エステルとしては、特にリン酸のモノエステル体とジエステル体を主成分として含有する混合物が好ましい。
【0008】
前記酸性リン酸エステルは、一段目酸価が28〜100mgKOH/g、二段目酸価が45〜150mgKOH/gであるのが好ましい。
【0009】
また、上記酸性リン酸エステルの塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、Al塩、Zn塩、Ti塩、Cu塩、Ni塩から選ばれる金属塩、アンモニウム塩およびアミン塩よりなる群から選択される1つ以上の塩が特に好ましく、これらの金属塩中でもとりわけ好ましいのはカルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩などであり、上記酸性リン酸エステルの金属塩は、ヒマシ油の酸性リン酸エステルと過塩基性スルホネート金属塩とを反応させることによって得られるものである。
【0010】
そして、上記潤滑防錆剤を適量添加した防錆剤および加工油剤は、優れた潤滑性と防錆性を兼ね備えているため、油圧作動油、圧縮機油、歯車油、軸受油、タービン油の如き各種産業機械用の防錆油や潤滑油、切削油、研削油等の加工油として極めて有用である。
【0011】
【発明の実施の形態】
前述した如く通常の防錆油や加工油には、防錆剤として炭素数が8〜24程度のアルキル(またはアルケニル)酸性リン酸エステル、代表的には動・植物油脂をけん化することによって得られるオレイルアルコールを主成分とする高級アルコール混合物の酸性リン酸エステル、あるいは、同程度の炭素数のアルキル(またはアルケニル)酸性リン酸エステルのアミン塩や、カルシウム、マグネシウム、バリウム等の金属塩が使用され、また潤滑剤としては、塩素化パラフィンや、ジ−tert−ノニルポリサルファイド(TNPS)の様なサルファイド系極圧剤などが使用されている。
【0012】
しかし、これらは防錆性や潤滑性の不足で満足し得る性能が得られなかったり、環境汚染の問題を引き起こす原因となることは先に指摘した通りである。そこで本発明者らは、前述した様な従来剤に指摘される問題点を生じることなく、加工油に優れた潤滑性能と防錆能を与え得るような潤滑防錆剤の開発を期して様々な化合物について研究を重ねてきた。その結果、ヒマシ油の酸性リン酸エステルあるいはその塩を配合することで、優れた防錆性を示す防錆油と、防錆性と潤滑性を兼ね備えた加工油が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0013】
ヒマシ油とは下記式(1)で表されるリシノール酸のトリグリセリド〔下記式(2)〕を主成分とするもので、トリグリセリドを構成する酸成分の平均的な組成は下記表1の通りである。従ってヒマシ油とは、リシノール酸トリグリセリドを主成分とし、これらに加えて表1に示した様な他の酸成分を任意の組み合わせで含む複数のトリグリセリドの混合物であるが、本発明では、ヒマシ油中に存在するリシノール酸のトリグリセリド分子中に含まれる水酸基を酸性リン酸エステルの生成に活用するものである。よって、本発明でいうヒマシ油とは、リシノール酸トリグリセリドを主成分として含む混合トリグリセリドを総称するものである。現在、市販されているヒマシ油の水酸基価は156〜165mgKOH/gで、この値からするとヒマシ油1モルの平均分子量は1020〜1080となる。尚、リシノール酸を基準とした水酸基1個当たりの平均分子量は340〜360である。
【0014】
【化1】
Figure 2004067770
【0015】
【化2】
Figure 2004067770
【0016】
【表1】
Figure 2004067770
【0017】
本発明におけるヒマシ油の酸性リン酸エステルとは、上記式(2)で表されるリシノール酸トリグリセリドが有する3個の水酸基のうち1〜3個と、リン酸が有する3個の酸基のうち1〜2個との間で形成されるエステルの混合物を主成分として含有するものであり、リン酸からみると下記式(3)で表されるモノエステル体と、下記式(4)で表されるジエステル体の混合物である。
【0018】
【化3】
Figure 2004067770
(式中、Rはリン酸の酸基とエステルを形成しているリシノール酸トリグリセリドの残基を示す。)
【0019】
【化4】
Figure 2004067770
(式中、Rはリン酸の酸基とエステルを形成しているリシノール酸トリグリセリドの残基を示す。)
【0020】
本発明のヒマシ油の酸性リン酸エステルとは、上述の様に、モノエステル体とジエステル体を含む酸性リン酸エステルの混合物であり、一段目酸価が28〜100mgKOH/g、二段目酸価45〜150mgKOH/gを有するものである。一段目酸価の値が28mgKOH/g、二段目酸価の値が45mgKOH/gより低い場合は、未反応のヒマシ油が存在していることを意味しており、このような場合、鉱物油に対する溶解性に問題がある。一方、一段目酸価が100mgKOH/g、二段目酸価が150mgKOH/gを超える場合は、メタリン酸、ピロリン酸、オルトリン酸などの不純物が痕跡量以上に存在していることを意味しており、この場合、製品がゲル化するのを防ぐため、不純物の除去操作が必要となるので好ましくない。好ましくは、一段目酸価が30mgKOH/g以上、90mgKOH/g以下、二段目酸価が50mgKOH/g以上、140mgKOH/g以下である。
【0021】
上記ヒマシ油の酸性リン酸エステルを製造する方法としては、ヒマシ油とオキシハロゲン化リンとを反応させ、次いで加水分解する方法、トリホスフェートにオキシハロゲン化リンを反応させてピロリン酸エステルを生成させた後加水分解して得る方法などがあるが、ヒマシ油と五酸化リンを反応させて得る方法が簡単でよい。この反応によって得られるのは、多少の変動があるとはいえ、上記式(3)で表されるモノエステル体と上記式(4)で表されるジエステル体との混合物であるが、痕跡程度であれば不純物としてメタリン酸、ピロリン酸、オルトリン酸などが含まれていても使用上差し支えない。
【0022】
上記ヒマシ油の酸性リン酸エステルを得る際のヒマシ油と五酸化リンの使用量は、ヒマシ油1モルに対して、五酸化リンを0.25モル以上、1.0モル以下用いればよい。理論的には、ヒマシ油1モルに対して、五酸化リン(P)0.33モルを反応させると、リシノール酸トリグリセリド1分子中の1つの水酸基が反応してリン酸エステルとなり、1分子中に2つの水酸基が残ったモノエステル体と、ジエステル体の混合物が生成すると考えられるが、実際には1分子内に存在する水酸基が2つ以上エステル化された分子や、未反応のリシノール酸トリグリセリド分子等が混在する複雑な混合物が生成すると推定される。また、ヒマシ油1モルに対し、五酸化リン(P)を1.0モル反応させた場合は、リシノール酸トリグリセリド1分子中の3つの水酸基が全て反応してリン酸化されたモノエステル体とジエステル体が生成すると考えられる。
【0023】
従って、ヒマシ油1モルに対する、五酸化リンの使用量が0.25モル未満になると、リン酸エステル化されていない未反応のリシノール酸トリグリセリド分子の割合が多くなり、潤滑剤のベースとして用いる鉱物油等に対する溶解性等に問題が生じる。これに対して、ヒマシ油1モルに対する五酸化リンの使用量が1.0モルを超えると、未反応の五酸化リンや、五酸化リンの加水分解生成物であるメタリン酸、ピロリン酸、オルトリン酸が副生し、これら不純物の除去操作が必要となるので好ましくない。よって、好ましい使用量は、ヒマシ油1モルに対し、五酸化リンが0.25モル以上、1.0モル以下、より好ましくは0.33モル以上、0.9モル以下である。
【0024】
また、反応原料としてヒマシ油と高級あるいは低級アルコール(炭素数6〜24のアルキル、アルケニル)を混合して酸性リン酸エステルの混合物を製造しても全く問題は無く、高級あるいは低級アルコール(炭素数6〜24のアルキル、アルケニル)を混合して酸性リン酸エステルの混合物を製造すると鉱物油への溶解性が向上してより良い。また、反応時に、潤滑剤のべースである鉱物油を希釈剤として使用してもよい。
【0025】
本発明で用いるヒマシ油の酸性リン酸エステルは、ヒマシ油と五酸化リンを上述の割合で混合し、攪拌下に加熱反応させることによって得られる。反応温度は、60℃以上、110℃以下が好ましい。60℃未満では十分に反応が進行せず、110℃を越えると製品の着色が激しくなったり、脱水によりリン酸のトリエステルが生成して、リン酸の極性基が無くなり、防錆性が悪くなるからである。より好ましくは70℃以上、100℃以下である。
【0026】
また、反応時間は反応温度も考慮して適宜決定すればよいが、標準的には30分以上、300分以下とするのが好ましい。30分以下では反応が十分に進行せず、反応時間が300分を超えても生成物の組成は変化しないので経済的に無駄となるからである。より好ましくは60分以上、240分以下である。
【0027】
上述の様にして得られるヒマシ油の酸性リン酸エステルは、特に純アルミニウムやアルミニウム合金用の潤滑防錆剤として優れた効果を示すが、鉄系金属用潤滑防錆剤として用いる場合には、上述のヒマシ油の酸性リン酸エステルをLi,Na,K等のアルカリ金属塩や、Mg,Ca,Ba等のアルカリ土類金属塩、Al,Zn,Ti,Ni,Cu等の金属塩、更にはアンモニウム塩、アミン塩とすれば、鉄系金属材および銅、亜鉛、黄銅、マグネシウム、アルミニウム、カドミウム、クロム等の非鉄金属に対して一層優れた潤滑性および防錆性を発揮する。また、本願発明の潤滑防錆剤はプラスチック加工用の潤滑剤としても利用可能である。
【0028】
尚、前記ヒマシ油の酸性リン酸エステルをアルカリ土類金属塩とする場合は、酸性リン酸エステルとアルカリ土類金属の過塩基性スルホネート金属塩を、室温あるいは加熱下で反応させることで容易に得ることができる。このときの酸性リン酸エステルと過塩基性スルホネート金属塩の使用量は、酸性リン酸エステルの有する第二酸価×使用量と、過塩基性スルホネート金属塩の塩基価(TBN)×使用量から決定され、これらの式から計算される値が1:1となる場合に酸性リン酸エステルと過塩基性スルホネート金属塩が過不足なく反応する。従って、上記式から得られる過塩基性スルホネート金属塩の値が酸性リン酸エステルの値に対して0.5以上、1.5以下となる範囲で反応させるのが良い。過塩基性スルホネート金属塩の使用量が少なく、上記計算式から得られる値が酸性リン酸エステルに対して0.5未満となる場合、未反応の酸性リン酸エステルが多く残留し、1.5を超えると、過塩基性スルホネート金属塩が残留して相対的にリン酸エステル金属塩の濃度が低下し、いずれの場合にも十分な潤滑防錆能が得られなくなるからである。好ましくは0.7以上、1.3以下、より好ましくは0.9以上、1.1以下である。
【0029】
本発明の潤滑防錆剤は、溶剤に添加することで防錆油となり、鉱物油などに添加することで防錆能と潤滑性を兼ね備えた加工油とすることができる。また、上述したヒマシ油の酸性リン酸エステルやその塩を2種以上を同時に添加してもかまわない。このときの添加量としては、加工油中の潤滑防錆剤の濃度が0.01%以上、50%以下となるようにすればよい。濃度が0.01%未満では、十分な潤滑防錆能が得られず、50%を超えて添加しても防錆能および潤滑性は向上せず経済的に無駄となるからである。より好ましくは0.1%以上、20%以下である。なお、防錆油、加工油としては、鉱物油、油脂、合成潤滑油(エステル、エーテル、グリコールなど)、アルコール、水などが例示されるが、要は防錆性や潤滑性が求められる液状の加工油剤であれば全てに適用できる。
【0030】
また上述の様にして得られる加工油剤には本発明の潤滑防錆剤以外に油性剤、極圧剤、乳化剤、殺菌剤、防錆剤、防腐剤や酸化防止剤などの添加物を含んでいてもよく、これらは優れた防錆性と潤滑性が要求される各種産業機械用の防錆油、潤滑油、切削油、研削油等の金属加工油に好適に用いることができる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、これらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0032】
実施例1
ヒマシ油(水酸基価:162mgKOH/g、平均分子量:1038)400gに、五酸化リン(純度:99.55%)18gを添加し、80℃で3時間反応させることにより、ヒマシ油のモノ・ジ混合酸性リン酸エステルからなる黄色液体を得た(一段目酸価31.9mgKOH/g、二段目酸価48.2mgKOH/g)。
【0033】
実施例2
ヒマシ油600gと新日本理化社製の「アンジェコール90NX」(オレイルアルコールとセチルアルコールを主成分とする高級アルコール、水酸基価:205mgKOH/g、平均分子量:274)600gの混合物に、五酸化リン148.2gと谷口石油社製のナフテン系鉱物油「NCL−10」296.4gの混合物を添加し、80℃で3時間反応させて、ヒマシ油および高級アルコールのモノ・ジ混合酸性リン酸エステルからなる褐色液体を得た(一段目酸価67.6mgKOH/g、二段目酸価93.9mgKOH/g)。
【0034】
比較例1
新日本理化社製の「アンジェコール90NX」500gに、五酸化リン83.6gと谷口石油社製のナフテン系鉱物油「NCL−10」167.2gの混合物を添加し、80℃で3時間反応することにより、高級アルコールのモノ・ジ混合酸性リン酸エステルからなる褐色液体を得た(一段目酸価83.6mgKOH/g、二段目酸価122.0mgKOH/g)。
【0035】
実施例1および比較例1で得られたリン酸エステルを用いて、防錆試験および潤滑性試験を行った。
【0036】
防錆試験−1 (アルミニウムの防錆試験)
上記実施例1、比較例1で得たリン酸エステルを、イソプロピルアルコール(IPA)で2質量%に希釈した溶液に、#320の研磨紙で湿式研磨したアルミニウム合金A2024Pを2秒間浸漬してから、自然乾燥した試験片を用いて、5%食塩水を用いた塩水噴霧試験(JIS K 2246、JIS Z 2371による)(スガ試験機社製の塩水噴霧試験機「ST−ISO−3」)を行った。評価は白錆が発生するまでの日数と黒色に変色するまでの日数で行った。結果を表2に示す。尚、同様の条件で塩水噴霧試験を行った未処理のアルミニウム試験片には、塩水噴霧後4時間で白錆が発生し、1日後には黒色に変化した。
【0037】
表2より、予め試験片に処理を施した実験番号1,2はいずれも防錆力を有しており、とくにヒマシ油のリン酸エステルを用いた実験番号1は実験番号2に比べて、黒色に変色するまでに時間を要し、従来の潤滑剤に比べて防錆能に優れていることが確認できた。
【0038】
潤滑性試験−1
上記実施例1、比較例1によって得た酸性リン酸エステルを用いて潤滑性試験を行った。ナフテン系鉱物油「NCL−10」中に上記で得た各酸性リン酸エステルの濃度が5質量%となるように配合することによって油溶性の加工油を調合し、この加工油を用いて曽田式振り子摩擦試験機により動摩擦係数を測定した。結果を表2に示す。なお、比較対照として「NCL−10」を単独で加工油として使用したときの動摩擦係数の値は0.200であった。
【0039】
表2から、実験番号1、2はいずれも潤滑性に優れており、特にヒマシ油のリン酸エステルを用いた実験番号1は従来用いられている潤滑剤と同等以上の潤滑性を有することが確認できた。
【0040】
【表2】
Figure 2004067770
【0041】
次に、実施例1,2および比較例1で得た酸性リン酸エステルを用いて金属塩およびアミン塩を製造した。
【0042】
実施例3
前記実施例2で得たヒマシ油と「アンジェコール90NX」の混合酸性リン酸エステル500gに、「NCL−10」321gを混合して、100〜120℃の加熱下で、エチル・ジャパン社製の「HITEC611」(カルシウムスルホネート、TBN〔全塩基価〕:305mgKOH/g)153gと「NCL−10」の153gの混合物を30分かけて添加して、反応させることにより、実施例2の酸性リン酸エステルのカルシウム塩と石油スルホネートカルシウム塩を含む混合油溶性褐色液体を得た。
【0043】
実施例4
上記実施例2で得たヒマシ油と「アンジェコール90NX」の混合酸性リン酸エステル80gに、「NCL−10」51.2gを混合して100〜120℃の加熱下で、Crompton社製の「ブライトンM−400」(マグネシウムスルホネート、TBN:400mgKOH/g)18.8gと「NCL−10」18.8gの混合物を30分かけて添加して、反応させることにより実施例2の酸性リン酸エステルのマグネシウム塩と石油スルホネートマグネシウム塩を含む混合油溶性褐色液体を得た。
【0044】
実施例5
前記実施例2で得たヒマシ油と「アンジェコール90NX」の混合酸性リン酸エステル94gに、「NCL−10」84.6g、ラウリルアミン25.4gを添加し、80℃で30分間反応させることにより実施例2の酸性リン酸エステルのラウリルアミン塩からなる油溶性褐色液体を得た。
【0045】
実施例6
前記実施例1で得たヒマシ油の酸性リン酸エステル600gとトリエタノールアミン80g、ジエチレングリコールモノブチルエーテル200gを80℃で30分間反応させることにより、ヒマシ油の酸性リン酸エステルトリエタノールアミン塩を含む水溶性黄色液体を得た。
【0046】
実施例7
前記実施例2で得たヒマシ油と「アンジェコール90NX」との混合酸性リン酸エステル80gとトリエタノールアミン22g、ジエチレングリコールモノブチルエーテル27gを80℃で30分間反応させることにより、酸性リン酸エステルトリエタノールアミン塩を含む水乳化性黄色液体を得た。
【0047】
比較例2
前記比較例1で得た「アンジェコール90NX」の酸性リン酸エステル500gに、「NCL−10」の321gを混合して加熱し、100〜120℃の加熱下で、エチル・ジャパン社製の「HITEC611」(カルシウムスルホネート、TBN:305mgKOH/g)153gと「NCL−10」の153gの混合物を30分かけて添加し反応させることにより、「アンジェコール90NX」の酸性リン酸エステルのカルシウム塩と石油スルホネートカルシウム塩を含む混合油溶性褐色液体を得た。
【0048】
比較例3
前記比較例1で得た「アンジェコール90NX」の酸性リン酸エステル80gに、「NCL−10」44.4gを混合して加熱し、100〜120℃の加熱下でCrompton社製の「ブライトンM−400」(マグネシウムスルホネート、TBN:400mgKOH/g)24.4gと「NCL−10」24.4gの混合物を30分かけて添加し反応させることにより、「アンジェコール90NX」の酸性リン酸エステルのマグネシウム塩と石油スルホネートマグネシウム塩を含む混合油溶性褐色液体を得た。
【0049】
比較例4
前記比較例1で得た「アンジェコール90NX」の酸性リン酸エステル80gと「NCL−10」72.5gおよびラウリルアミン28.1gを混合し、80℃で30分間反応させることにより「アンジェコール90NX」の酸性リン酸エステルのラウリルアミン塩を含む油溶性褐色液体を得た。
【0050】
比較例5
前記比較例1で得た「アンジェコール90NX」の酸性リン酸エステル80gに、トリエタノールアミン28g、ジエチレングリコールモノブチルエーテル27gを添加し、80℃で30分間反応させることにより、「アンジェコール90NX」の酸性リン酸エステルトリエタノールアミン塩を含む水乳化性黄色液体を得た。
【0051】
比較例6
前記比較例2で製造した「アンジェコール90NX」の酸性リン酸エステルのカルシウム塩と石油スルホネートカルシウム塩の混合油溶性褐色液体90gに、ジ−tert−ノニルポリサルファイド(TNPS)10gを混合して、油溶性液体を得た。
【0052】
上記実施例1〜7に示す如く、ヒマシ油の酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、カルシウム、マグネシウム等の金属塩は、従来剤である比較例1〜5と同様の操作で簡単に得ることができた。
【0053】
防錆試験−2
上記実施例3〜5、比較例2〜4で得た酸性リン酸エステル金属塩、アミン塩を使用し、各リン酸エステル:6質量%、「フッコールNT−900」(富士興産(株)社製の潤滑油基油):25質量%、灯油:69質量%となるように室温で調合し、JIS K 2246さび止め油の溶剤希釈形さび止め油3種、1号、NP−3−1タイプの防錆油を作成した。
【0054】
上記防錆油を使用し、JIS K 2246のさび止め油に則って試験片(60×80×1.2mm)を調製した後、皮膜重量(mg/100cm)を測定し、5質量%食塩水による塩水噴霧試験(スガ試験機株式会社製の塩水噴霧試験機「ST−ISO−3」)を行った。実験番号3,4,5,6は、16、24時間放置した後に、実験番号7,8は、8、16時間放置した後にそれぞれ評価を行った。各試料の防錆能は上記JIS規格のさび発生度測定法で測定し評価した。結果を表3に示す。
【0055】
(さび発生度の表示)
A級:0%、B級:1〜10%、C級:11〜25%、D級:26〜50%、E級:51〜100%
表3より、ヒマシ油あるいは高級アルコールのリン酸エステルのカルシウム塩を用いた実験番号3,4、マグネシウム塩を用いた実験番号5,6、ラウリルアミン塩を用いた実験番号7,8のそれぞれにおいて、ヒマシ油の酸性リン酸エステルの塩を用いた実験番号1,3,5は、現在使用されている高級アルコールの酸性リン酸エステルの塩を使用した実験番号4,6,8よりも優れた防錆力を有している。
【0056】
潤滑性試験−2
上記実施例3,4,5、比較例2,3,4,6で得た酸性リン酸エステルの金属塩、アミン塩、およびサルファイド系極圧剤混合物を、「NCL−10」で5質量%に希釈し、室温で油溶性の加工油を調合し、曽田式振り子摩擦試験器によって動摩擦係数を測定した。潤滑性試験結果を表3に示す。尚、比較として「NCL−10」を単独で用いて同様の測定を行ったときの動摩擦係数の値は0.20であった。
【0057】
表3より、実験番号4,6,8に比べて、実験番号3,5,7は動摩擦係数が低く、優れた潤滑性を有している。特に、実験番号3は、サルファイド系極圧剤を添加した実験番号12と同程度の動摩擦係数を有しており、従来剤と同等以上の良好な潤滑性を有することが確認できた。
【0058】
潤滑性試験−3
上記実施例6,7および比較例5で得た酸性リン酸エステルのトリエタノールアミン塩を、脱イオン水で2質量%に希釈することによって水溶性の加工油を室温で調合し、曽田式振り子摩擦試験器によって動摩擦係数を測定した。結果を表3に示す。尚、脱イオン水のみを用いて動摩擦係数を測定したときの値は0.40であった。
【0059】
表3より、実験番号11に比べて、実験番号9,10の動摩擦係数は低く、潤滑性に優れていることが確認できる。
【0060】
【表3】
Figure 2004067770
【0061】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されており、ヒマシ油の酸性リン酸エステル若しくはその塩を防錆油や加工油剤として使用することによって、塩素系化合物や硫黄系化合物に由来する問題が生じることなく、しかも高級アルコールの酸性リン酸エステルやその塩を用いた場合と同等以上の防錆性および潤滑性を有する潤滑防錆剤を提供することができた。

Claims (5)

  1. ヒマシ油の酸性リン酸エステルまたはその塩を有効成分として含有することを特徴とする潤滑防錆剤。
  2. 前記ヒマシ油の酸性リン酸エステルが、リン酸のモノエステル体およびジエステル体を含む混合物である請求項1に記載の潤滑防錆剤。
  3. 前記ヒマシ油の酸性リン酸エステルは、一段目酸価が28〜100mgKOH/g、二段目酸価が45〜150mgKOH/gである請求項1又は2に記載の潤滑防錆剤。
  4. 前記ヒマシ油の酸性リン酸エステルの塩が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、Al塩、Zn塩、Ti塩、Cu塩、Ni塩から選ばれる金属塩、アンモニウム塩およびアミン塩よりなる群から選択される少なくとも1つの塩である請求項1〜3のいずれかに記載の潤滑防錆剤。
  5. 前記請求項1〜4のいずれかに記載の潤滑防錆剤を含有することを特徴とする防錆剤および加工油剤。
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