JPH0212729Y2

JPH0212729Y2 -

Info

Publication number: JPH0212729Y2
Application number: JP1983137125U
Authority: JP
Priority date: 1983-09-02
Filing date: 1983-09-02
Publication date: 1990-04-10
Also published as: JPS6045503U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野本考案は、小型、軽量を要求される携帯無線機
に適したアンテナ装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点第１図は、従来の携帯無線機に用いられていた
逆Ｆ型板状アンテナ装置の正面方向より見た外観
を示す図である。第１図において、１は導電性材
料で形成された無線機の筐体、２はアンテナ素子
を構成する矩形の導電体板、３はアンテナインピ
ーダンスの整合のため前記導電体板２の一端を筐
体１に接地する接地部、４は給電線の中心導体が
接続される接続用ピンで、前記給電線のシールド
外被は筐体１に接続される。なお、接地部３と上
記給電線とにより給電手段が構成される。５は無
線機の背面に設けた段差部を示し、アンテナ素子
を構成する導電体板２が筐体１の外部へ突出しな
いように設けられている。６は受話器、７は送話
器で、アンテナ素子取付面とは反対側の正面側に
設けられており、通話時のアンテナ特性の変化を
少なくするようになつている。

また、アンテナ素子を構成する導電体板の周囲
長はたとえば使用周波数の約２分の１波長、アン
テナ素子の筐体表面からの高さは10分の１波長以
下に選ばれており、小型である。

この種のアンテナは、小型・広帯域・高利得で
の特性を有し携帯無線機用アンテナに適している
が、アンテナ素子が導体板で構成されているため
重量が大となる欠点がある。また、重量軽減のた
め導体板の板厚を薄くすると機械的な強度が低下
し、振動、衝撃などによつてアンテナ特性が変化
するなどの欠点が生じていた。

また、前記導体板は、その一端に設けた接地部
のみで無線機筐体と結合すると機械的強度が弱く
なるので、この他に、アンテナ特性に影響を与え
ないように絶縁体で構成され導体板に一端が固定
されると共に他端が筐体に取付けられた支柱を使
用して保持固定する必要があり、高価になるとい
う欠点があつた。

考案の目的本考案は、上記従来例の欠点を除去するもので
あり、逆Ｆ型板状アンテナ装置の特性、形状上の
利点を失なわずしかも簡単に筐体に装着出来て、
アンテナ部の軽量化および低価格化を可能にする
携帯無線機用アンテナ装置を提供することを目的
とする。

考案の構成本考案は、上記目的を達するために、従来矩形
の導電体板で構成されていたアンテナ素子をその
周辺部に相当するだけの環状の導電体で構成し、
他を絶縁板で形成したものであり、後述の実測図
に示すようにアンテナ特性の劣化なしに、軽量
化、低価格化、作業性の改善を実現させたもので
ある。

実施例の説明以下、本考案の一実施例の構成について、図面
とともに説明する。

第２図は、本考案のアンテナ装置の第１の実施
例を示す図で、第１図と同一の機能を有する部分
には同一番号が附されている。また第２図では、
第１図との構造の差異を明確にするため、第１図
の背面方向に相当する側から見た外観を示してい
る。第２図において、８はアンテナ素子部を構成
する環状の導電体で、この例では黄銅板を環状に
打抜いたものを使用している。９は給電部に接続
された同軸ケーブルで、中心導体は給電部４に、
シールド外被は接地部３に接続されている。１０
は同軸ケーブル９を無線機の筐体１の内部に引込
むための切欠きあるいは貫通孔部を示す。８ａは
環状の導電体が被着された絶縁基板、８ｂは絶縁
基板８ａの中央に設けた金属製の固定・保持部で
ある。第１図の場合と同様に第２図においてもア
ンテナ素子部を構成する環状の導電体８が無線機
の筐体１の外部に突出しないように、段差部５の
段差よりも低い高さで対向近接して配置されてい
る。また、図示していないがこの段差部は絶縁体
カバーにより覆われており、無線機外形は突出部
のない直方体構造となつている。

本考案は、アンテナの輻射に寄与する高周波電
流が従来用いられている導電体板の周辺部のみに
流れることに着目して、前記導電体板をその中央
部が中空のいわゆる環状の導電体に取り換えて使
用するように構成したものであり、900MHz帯で
の実測によれば、後述のように利得、指向性パタ
ンともに従来の逆Ｆ型アンテナと同等の特性が得
られている。

第３図は板状導体をアンテナ素子とした公知の
逆Ｆ型アンテナのゲインおよび指向性パタンの自
由空間での920MHzにおける実測値を示した図で、
第３図ａは（Ｘ−Ｙ）面特性、第３図ｂは（Ｙ−
Ｚ）面特性、第３図ｃは（Ｘ−Ｚ）面特性で、い
ずれも外周円は、1/2波長標準ダイポールアンテ
ナで受信したときのレベルをOdBとして、この
レベルとの相対値を示している。

なお、測定時の座標は、第３図ｄに示す通り
で、第３図ａ〜ｃの特性図で破線で示しているの
は電界成分の｜Ee｜特性、実線で示しているの
は｜E〓｜特性である。

第４図は、本考案の環状の導電体をアンテナ素
子とした逆Ｆ型アンテナのゲインおよび指向性パ
タンを示す図で、第４図ａ，ｂ，ｃは、それぞれ
（Ｘ−Ｙ）面、（Ｙ−Ｚ）面、（Ｘ−Ｚ）面内の特
性の920MHzにおける自由空間での実測値である。
測定時の座標は第３図ｄと同じで、破線と実線の
別も第３図と同様に、それぞれ｜Ee｜，｜E〓｜特
性を示す。また、外周円は標準ダイポールアンテ
ナの受信レベルに対応している。

第３図と第４図を比較すれば明らかなように、
本実施例のアンテナは、公知の板状導体を用いた
逆Ｆ型アンテナの特性にほぼ等しい。

第５図は、本考案の逆Ｆ型アンテナの第２の実
施例を示す図で、第５図において第２図と同一機
能を有する部分には同一の記号を附しているので
説明は省略する。第５図において、１１はたとえ
ばガラスエポキシ等より成るプリント基板で、軽
量化のため開口部１２が設けられている。また斜
線で示した部分は、導体箔を残した部分であり、
この導体箔により環状の導電体を構成している。
またプリント基板１１の中央部に設けた導体箔部
１３は、無線機筐体部から突出したアンテナ固定
用ツメ１４を半田付固定する部分で、従来の板状
アンテナ素子を保持・固定する場合と異なり、導
体を金属支持体としてプリント基板１１の保持・
固定のため使用しても、その周辺にはアンテナ素
子導体がないからアンテナ特性にほとんど影響を
与えない。またそのため、アンテナ素子の保持・
固定に高価な高周波絶縁材を使用する必要がな
く、安価かつ確実強固な固定が可能となる。

以上説明した実施例では、使用した無線機の筐
体寸法は、ほぼ（高さ178mm）×（幅45mm）×（奥行
き50mm）であり、段差は約15mm、使用周波数
920MHzにおいて、アンテナ素子寸法は約37mm×
40mmが適当であつた。

第６図ａは本考案の第３の実施例の要部を示す
図で、第５図と同一の機能を有する部分には同じ
記号を附している。第６図ａにおいて、１５はア
ンテナ特性調整用半固定コンデンサで、第５図で
は、給電部４とアンテナ素子部との間に直列に挿
入されて同調周波数を可変できるようになつてい
る。このような構成とすることにより、従来アン
テナ素子部とは別に設けられていた調整部品をア
ンテナ素子部に実装することができるので小型に
なり、組立てが容易になる。

また、第６図ａでは片面プリント板を使用した
例を示したが、両面プリント基板を用いて、第６
図ａとは逆に、アンテナ素子と筐体との間に部品
を実装すれば突出部をなくすことができる。第６
図ｂは、第６図ａと同じ外観で、第６図ａとプリ
ント基板部のみ異なつた実施例でプリント基板部
のみを図示したものである。第６図ｂにおいて１
６はプリント基板であり、斜線で示した部分１６
ａが導体箔である。

１７は給電部、１８は接地部、１９は同軸ケー
プル、２０は同軸ケープルのシールド外被の接続
部で、２１はプリント箔で構成されたコイル、２
２はチツプコンデンサである。第６図ｂでは図示
した面が筐体部との対向面となつている（筐体側
からアンテナ側を見た図である）。これらの素子
はアンテナインピーダンス特性の広帯域化のため
に挿入されており、プリントコイル２１とチツプ
コンデンサ２２とで、使用周波数帯で共振する並
列共振回路を構成している。この例でも明らかな
ように、本考案では、アンテナ素子として動作し
ない部分に、インピーダンス調整用素子を容易に
実装することができる。

考案の効果本考案は上記のような構成であり、以下に示す
効果が得られる。

(a) 環状の導体部によりアンテナ素子を形成して
いるので、アンテナ特性に無関係な導体部を取
り去つたことになり、アンテナ特性を劣化させ
ることなくアンテナ素子部を軽量化することが
可能になる。

(b) アンテナ素子部を、プリント基板で構成する
ことができ、基板の中央部等をアンテナ素子の
固定部として利用できるため取り付けが容易
で、安価なアンテナ素子を実現することができ
る。

(c) アンテナ素子部をプリント基板で構成し、か
つ周辺部のアンテナ素子部の他にリアクタンス
素子の取付け用箔を設けることで、容易かつ小
型にアンテナインピーダンス整合用素子を搭載
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の携帯無線機用アンテナ装置の外
観を示す斜視図、第２図は本考案の第１の実施例
における携帯無線機用アンテナ装置の外観斜視
図、第３図ａ〜ｄは従来の逆Ｆ型アンテナの特性
を示す特性図と測定法の説明図、第４図ａ〜ｃは
本考案の第１の実施例における逆Ｆ型アンテナの
特性を示す特性図、第５図は本考案の第２の実施
例の外観斜視図、第６図ａ，ｂは本考案の第３，
第４の実施例を示す要部斜視図及びアンテナ部分
の下面図である。１……筐体、３……接地点、４……給電部、８
……導電体、８ａ……絶縁板、８ｂ……金属支持
体。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 導電性材料で構成された無線機の筐体と、前
記筐体に近接対向して取付けられた矩形の絶縁
板と、前記絶縁板の周辺部に設けられ、前記周
辺部に沿つた環状の導電体と、前記導電体の一
つのエツジ部を前記筐体に接地する接地部と、
前記接地部の近傍に設けた給電部とを有し、前
記接地部と前記給電部との間に給電することに
より前記環状の導電体をアンテナ素子として作
用させるように構成した逆Ｆ型板状の携帯無線
機用アンテナ装置。 (2) 絶縁板にアンテナのインピーダンス整合用素
子を搭載して成る実用新案登録請求の範囲第１
項記載の携帯無線機用アンテナ装置。