JPH0212269Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は、吸気通路を開閉制御する２サイク
ルエンジンのリードバルブに関する。

（従来の技術） ２サイクルエンジンでは、第１図に示すように
吸気ポート１をリードバルブ２を介してクランク
室３に開口し、リードバルブ２に逆止弁の作用を
させて、ピストン４の上下運動に応じて燃料ガス
をクランク室３に導入し、圧縮するサイクルを繰
返す。この吸入効率がエンジン性能を大きく左右
する。リードバルブ２は、第２図、第３図にも示
すように、バルブシート６にあけた窓５に一端を
止着したリード７の自由端を弾接したもので、ク
ランク室３の負圧により燃料ガスはリード７を押
し開いて流入する。リードバルブ２は、このとき
の燃料ガスの流れが大きく偏向しないようにリー
ド７の自由端側を下流側へ傾けて取着けられる。

しかし燃料ガスがリード７部を通るときは、リ
ード７が平板なので、その表面に当つて渦流を生
ずることもあつて抵抗になり、吸入効率の向上を
阻害するものとなつている。

（考案が解決しようとする課題） この考案の２サイクルエンジンのリードバルブ
は、上記の点を考慮し、リードの表面形状を改良
し、流通抵抗を小さくして吸入効率を向上させる
ことを目的としたものである。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、この考案に係る２
サイクルエンジンのリードバルブは、クランク室
に開口する吸気通路がリードバルブにより開閉制
御される２サイクルエンジンにおいて、リードバ
ルブは、リード自由端側を吸気下流側に傾けて設
置されたものであつて、このリードの吸気上流側
面に、リード巾のセンターライン上に沿い、両側
を残してリード巾より細く、かつ自由端側に向つ
て流面形に設定された隆起部が形成された構成に
したものである。

（作用） このように構成したので、リードを押し開いて
クランク室に流入する燃料ガスは、斜めに配置さ
れたリード面に沿つて自由端側へ流れ、かつその
流れは流面形の隆起部にガイドされて大きく乱さ
れることがなく、滑かで、吸気抵抗が少なく、し
たがつて吸入効率が上がつてエンジン出力が向上
する。

（実施例） 以下この考案の実施例を示す図に就いて説明す
る。

第４図、第５図において、窓５を設けたバルブ
シート６の形状は従来と同じである。リード８は
窓５の周囲のバルブシート６に弾接する部分は平
板状であり、その中央部に裏面からエンボスして
上流側へ隆起部９が形成されている。その隆起部
９は、リード巾のセンターラインに沿つて、両側
に充分な余白部が残るようにした細長い形状で、
かつガス流通の方向に抵抗の少ない流面形に設定
されている。

エンジン吸入時、リード８を押し開いて流入す
る燃料ガスは、斜めに配置されたリード８に沿つ
て流れるが、隆起部９の細長い形状によつて滑ら
かに流れ、かつ集束作用を受けて両側へ拡散する
ことなく、クランク室に導入される。したがつて
吸入量が増し、エンジン出力が向上する。

〔考案の効果〕

このようにこの考案に係る２サイクルエンジン
のリードバルブは、クランク室に開口する吸気通
路がリードバルブにより開閉制御される２サイク
ルエンジンにおいて、リードバルブは、リード自
由端側を吸気下流側に傾けて設置されたものであ
つて、このリードの吸気上流側面に、リード巾の
センターライン上に沿い、両側を残してリード巾
より細く、かつ自由端側に向つて流面形に設定さ
れた隆起部が形成されたもので、リードをプレス
加工によつてエンボスするだけの簡単な構造によ
り、吸入効率をあげて出力向上ができる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は２サイクルエンジンの一例を示す縦断
側面図、第２図は従来型リードバルブの作用時の
正面図、第３図は第２図のリードバルブの縦断側
面図、第４図はこの考案の実施例になるリードバ
ルブの作用時の一部縦断正面図、第５図は第４図
リードバルブの縦断側面図である。 ５……窓、６……バルブシート、８……リー
ド、９……隆起部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クランク室に開口する吸気通路がリードバルブ
   により開閉制御される２サイクルエンジンにおい
   て、リードバルブは、リード自由端を吸気下流側
   に傾けて設置されたものであつて、このリードの
   吸気上流側面に、リード巾のセンターライン上に
   沿い、両側を残してリード巾より細く、かつ自由
   端側に向つて流面形に設定された細長い隆起部が
   形成されたことを特徴とする２サイクルエンジン
   のリードバルブ。