JPH0335855Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、エンジンが低回転高負荷で運転さ
れるときに、燃料の霧化をよくして高出力が得ら
れるように改善した気化器のスロツトルバルブに
関する。

〔考案の技術的背景およびその問題点〕

気化器では、第３図に示すように、横向きにし
た吸気通路１に、吸気通路１の出口側の負圧に応
動して摺動開閉するピストンバルブ２を設け、ピ
ストンバルブ２の下側に燃料のメインノズル３を
開口し、ピストンバルブ２の後側に、運転者が開
閉操作する蝶形のスロツトルバルブ４を設けた型
のものであり、オートバイに搭載するエンジン等
に広く用いられている。

この型の気化器は、エンジンを低回転高負荷で
運転する場合には、スロツトルバルブ４は水平方
向になるように大きく開かれ、ピストンバルブ２
は半開きの状態にある。

そして、ピストンバルブ２の下を流れる吸気が
メインノズル３から燃料を吸引し、後方に流れる
が、ピストンバルブ２の下を流れた直後、ピスト
ンバルブ２とスロツトルバルブ４との間隙を通つ
て、スロツトルバルブ４の上下に分かれて広がつ
て流れるので、流速が急に落ちて、霧化が十分に
行われず、出力が低下する不都合がある。

〔考案の目的〕

この考案は、かかる点に鑑み、ピストンバルブ
を離れた後に急に速度が落ちないようにして、霧
化をよくし、出力が向上できるようにした気化器
のスロツトルバルブを得ることを目的とする。

〔考案の構成〕

以下、本考案を第１図および第２図に示す実施
例について説明する。

第１図において、符号１は、吸気通路であつ
て、その吸気通路１には吸気通路１の出口側の負
圧に応じて摺動開閉する水平断面が四角形のピス
トンバルブ２を設けている。上記ピストンバルブ
２の下方には燃料のメインノズル３が開口し、ま
た、ピストンバルブ２の後側に蝶形のスロツトル
バルブ４が設けられている。

ところで、四角形のピストンバルブ２の後側に
は上記スロツトルバルブ４よりやや大きい同心の
半円筒状にした切欠５が設けられている。そし
て、そのスロツトルバルブ４をピストンバルブ２
側に近づけて配設し、スロツトルバルブ４を回動
したとき、その前半部が上記ピストンバルブ２の
切欠５の内部に入る。

これにより、四角形のピストンバルブ２と円板
状の蝶形のスロツトルバルブ４とを極めて接近さ
せ、スロツトルバルブ４が開閉するときに、四角
形のピストンバルブ２の切欠５とスロツトルバル
ブ４の前半部との間隙が小さくなり、スロツトル
バルブ４の上方に流れるの吸気が抑制される。

しかして、エンジンを低回転高負荷で運転する
場合には、ピストンバルブ２を半開き状態にし、
スロツトルバルブ４を水平方向に大きく回動さ
せ、そのスロツトルバルブ４の前半部をピストン
バルブ２の半円筒状切欠５に入れる（第４図）。
そのため、蝶形のスロツトルバルブ４の前半部と
四角形のピストンバルブ２との間隙例えばｇ１が
小さくなり、吸気がこの間隙ｇ１を通りスロツト
ルバルブ４の上方に流れるのを少なくする。これ
は従来一般に用いられている蝶形のスロツトルバ
ルブ４の前半部と円筒形のピストンバルブ２との
間隙例えばｇ３に比べると相当の違いとなり（第
５図）、吸気が間隙ｇ３を通りスロツトルバルブ
４の上方に流れる量にかなりの相違が在る。

そのため、ピストンバルブ２の下面からスロツ
トルバルブ４の後方に延びる吸気通路の間隙が小
さくなり、ピストンバルブ２の下部のメインノズ
ル３から吸引した吸気をスロツトルバルブ４の後
側に流すときに吸気がスロツトルバルブ４の上方
に流す量を少なくし、その結果吸気通路における
吸気の流速を早め、霧化を促進し、出力の向上を
図る。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案は、横向きにし
た吸気通路に吸気通路の出口側の負圧に応動して
摺動開閉するピストンバルブを設け、その後側に
運転者が操作する蝶形のスロツトルバルブを設け
たものにおいて、ピストンバルブを水平断面四角
形とするとともに、そのピストンバルブの後側に
スロツトルバルブを近づけて設け、このスロツト
ルバルブを開いたときに、前記ピストンバルブの
後下部に上記スロツトルバルブの前半部がそのピ
ストンバルブの後下部に入るスロツトルバルブよ
りやや大きい同心の半円筒状切欠を設けたから、
エンジンを低回転高負荷で運転するに際し、ピス
トンバルブの下面からスロツトルバルブの後方に
延びる吸気通路を形成するときに、スロツトルバ
ルブの前半部が四角形のピストンバルブの半円筒
状切欠に入れられ、ピストンバルブとスロツトル
バルブとの間隙が小さくされ、吸気がスロツトル
バルブの上方に流すのを極力防止させる。

その結果、メインノズルから吸引される燃料の
吸気がピストンバルブの下面からスロツトルバル
ブの後側に至るまでスロツトルバルブの下面を流
れるので、吸気の流速を早め、霧化を促進し、出
力の向上を図ることができる。

また、スロツトルバルブがピストンバルブに近
づいた部分だけ、吸気通路を短くできて、気化器
をエンジンに近づけることができ、しかも、出力
がスロツトルバルブに敏感に応動して、エンジン
のレスポンスをよくすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の一実施例を示
し、第１図は縦断側面図、第２図は要部の斜視
図、第３図は従来例を示す縦断側面図、第４図
は、第１図のピストンバルブとスロツトルバルブ
の間隙部の大きさを示す説明図、第５図は、従来
一般に使用されているピストンバルブとスロツト
ルバルブの間隙部の大きさを示す説明図ある。 １……吸気通路、２……ピストンバルブ、４…
…スロツトルバルブ、５……切欠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横向きにした吸気通路に吸気通路の出口側の負
   圧に応動して摺動開閉するピストンバルブを設
   け、その後側に運転者が操作する蝶形のスロツト
   ルバルブを設けたものにおいて、ピストンバルブ
   を水平断面四角形とするとともに、そのピストン
   バルブの後側にスロツトルバルブを近づけて設
   け、このスロツトルバルブを開いたときに、前記
   ピストンバルブの後下部に上記スロツトルバルブ
   の前半部がそのピストンバルブの後下部に入るス
   ロツトルバルブよりやや大きい同心の半円筒状切
   欠を設けたことを特徴とする気化器のスロツトル
   バルブ。