JPH02118021A - 金属嵌合部材およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、金属嵌合部材およびその製造方法に関するし
のである。

（従来技術および発明が解決しようとする課題）例えば
、自動車エンツノ川のカムシャフトに対してドライブギ
ヤを嵌合して得られるような金属嵌合部材においては、
カムシャフトのような軸部材を鋳鉄製とする一方、ドラ
イブギヤのような環状部材を鋼鉄製とするのか一般的に
行なわれてきている。ところが、上記の如き＋１が成の
嵌合部材の場合、鋳鉄材に比べて鋼鉄材の方が線膨張率
が大きいところから、運転中における温度」二界に伴っ
て両者間のクリアランスが拡大することとなり、運転中
のノイズ発生が免れかたいという問題があった。

一方、本発明者は、タグタイル鋳鉄に対してオーステン
パー処理を施したところ、ある種の鋼鉄材、例えば浸炭
層あるいは非調質鋼よりら線膨張率が大きくなるという
事実をカするに至った。そこで、前記の如きタグタイル
鋳鉄におけろ線膨張率の変化に着目して本発明をするに
至ったものである。なお、タグタイル鋳鉄に対してオー
ステンパー処理を施すことによって、材料の強靭性を向
上させるという技術的思想は、特開昭６１−２９１９１
９号公報にも開示されているように良く知られているが
、該公知例には、金属嵌合部材におけるクリアランス拡
大に起因する迅転中のノイズ防止についての考慮は全く
なされていない。

本発明は、上記の点に鑑みてなされたしので、その第１
の目的は、迂耘中におけるノイズ発生を防止し得るよう
な金属嵌合部材を得ることであり、第２の目的は、前記
の如き金属嵌合部材を簡易な手段により製造し得るよう
にすることにある。

（課題を解決するたぬの手段および方法）本発明では、
上記課題を解決するために次のような手段および方法を
講じている。

請求項１記載の発明では、オーステンパー処理され、ベ
イナイトと残留オーステナイトとの混在組織を有するタ
グタイル鋳鉄からなる軸部材と、該軸部材外周に嵌合さ
れ、前記軸部材上り線膨張率の小さな鋼材料からなる環
状部材とによって金属嵌合部材を構成している。

このように構成したことにより、当該金属嵌合部材が回
転駆動された場合等において温度上昇したとしても、軸
部材の線膨張率が環状部材のそれよりも大きくなってい
るため、両者のクリアランスが小さくなることとなり、
ノイズ発生が効果的に防止されることとなるのである。

請求項２記載の発明では、タグタイル鋳鉄材料からなる
軸部材外周に対して、浸炭処理のみされた鋼材料からな
る環状部材を相嵌合させた後、該嵌合状態を保持さ仕っ
つオーステンパー処理を施し、軸部材を、ベイナイトと
残留オーステナイトとの混在組織とするとともに、環状
部材の浸炭層に対する焼入れを同時に行うことによって
、金属嵌合部材を製造するようにしている。

このようにしたことにより、タグタイル鋳鉄材料からな
る軸部材に対するオーステンパー処理と、環状部材の浸
炭層に対する焼入れとが、両部材を結合仕しめた状態の
ままで同時に行えることとなり、ノイズ発生の極めて少
ない金属嵌合部材を容易に製造することができることと
なるのである。

（発明の効果） 請求項１記載の発明によれば、オーステンパー処理され
、ベイナイトと残留オーステナイトとの混在組織を有す
るタグタイル鋳鉄からなる軸部材と、該軸部材外周に嵌
合され、前記軸部材より線膨張率の小さな鋼材料からな
る環状部材とによって金属嵌合部材を構成するようにし
たので、当該金属嵌合部材が回転駆動された場合等にお
いて温度上昇したとしても、軸部材の線膨張率が環状部
材のそれよりも大きくなっているため、両者のクリアラ
ンスが小さくなることとなり、ノイズ発生が効果的に防
止されることとなるという優れた効果がある。

請求項２記載の発明によれば、タグタイル鋳鉄材料から
なる軸部材外周に対して、浸炭処理のみされた鋼材料か
らなる環状部材を相嵌合させた後、該嵌合状態を保持さ
せっつオーステンパー処理を施し、軸部材を、ベイナイ
トと残留オーステナイトとの混在組織とするとともに、
環状部材の浸炭層に対する焼入れを同時に行うことによ
って、金属嵌合部オを製造するようにしているので、タ
グタイル鋳鉄材料からなる軸部材に対するオーステンパ
ー処理と、環状部材の浸炭層に対する焼入れとが、両部
材を結合せしめた状態のままで同時に行えることとなり
、ノイズ発生の極めて少ない金属嵌合部材を容易に製造
することができるという優れた効果がある。

（実施例） 以下、添付の図面を参照して本発明の幾つかの好適な実
施例を説明する。

実施例１ 本実施例では、第１図図示の如き形状の金属嵌合部材ｌ
が製造される。

該金属嵌合部材ｌは、タグタイル鋳鉄材料からなるカム
シャフト２（即ち、軸部材）と、該カムシャフト２の端
部に形成された嵌合部２ａ外周に嵌合される浸炭鋼材料
からなるドライブギヤ３（即ち、環状部材）とによって
構成されている。

前記カムシャフト２としては、組成の異なる２種類（試
料ｌおよび試料２）のものが次のようにして製造される
。

即ち、試料１お上び試料２にかかるカムシャフト２は、
所定のシェルモールド鋳型を用いて下記表−１の如き化
学成分組成を有する２種の溶湯を鋳込んだ後、所望形状
に機械加工して製造される。

表−１（ｖｔ％） なお、前記鋳造に当たっては、試料！（非合金タグタイ
ル鋳鉄）の場合にはインモールド接種が行なわれ、試料
２（合金タグタイル鋳鉄）の場合には注湯流接種が行な
われる。

一方、前記ドライブギヤ３は、ＳＭＣ４２０鋼　。

材料を所望形状に機械加工した後、次のようなガス浸炭
処理を施して製造される。

９２０℃Ｘ３．ＯＨ→８７０℃Ｘ　１．ＯＨ→徐冷かく
して得られたドライブギヤ３の表面には、０゜２ｍｍの
浸炭層が形成された。

上記の如くして製造されたカムシャフト２（試料ｌおよ
び試料２）の嵌合部２ａ外周に対してドライブギヤ３を
嵌合させた後、次のオーステンパー処理を施す。

８９０℃ｘ２．ＯＨ→３８０℃Ｘ２．０Ｉ−１→空冷該
オーステンパー処理においては、第２図図示の作業図解
に示すように、タグタイル鋳鉄製のカムシャフト２は、
３８０℃の恒温保持過程においてベイナイトと残留オー
ステナイトとの混在組織を有するものとなり、強靭性に
浸れたものとなるとともに、前工程において浸炭処理の
みが施されたドライブギヤ３の浸炭層は、前記恒温保持
過程において焼入れ（マルテンサイト変態）されて表面
硬度が著しく向上することとなる。

かくして得られた金属嵌合部材ｌでは、タグタイル鋳鉄
のオーステンパー処理により得られたカムシャフト２（
試料ｌおよび試料２）の線膨張率が１．６〜１．８Ｘ　
１０−＠／’Ｃとなり、浸炭焼入れされたドライブギヤ
３の線膨張率は１．３〜１．４　Ｘ　１０−＠１０Ｃと
なった。つまり、カムシャフト２の線膨張率の方が、該
カムシャフト２の端部外周に嵌合されるドライブギヤ３
の線膨張率より大きくなることとなっているのである。

このような金属嵌合部材ｌを回転駆動した場合等におい
て温度上昇が起こると、両者の線膨張率の差によって両
者間のクリアランスが小さくなることとなり、ノイズ発
生が可及的に低減されることとなるのである。

実施例２ 本実施例の場合、前記実施例１におけると同様な化学成
分組成を有する溶湯をシェルモールド鋳型に鋳込んでタ
グタイル鋳鉄素材を鋳造し、該素材を研削加工代を残し
て機械加工した後、前記実　４施例１と同様なオーステ
ンパー処理を施し、その後カム研削およびジャーナル研
削を行ってカムシャフト２を製造する。一方、ドライブ
ギヤ３は、前記と同様な浸炭処理を施した後、別個に焼
入れして製造される。かくして得られたカムシャフト２
の端部外周に対してドライブギヤ３を嵌合せしめること
により金属嵌合部材ｌを製造している。つまり、本実施
例の場合、オーステンパー処理されたタグタイル鋳鉄か
らなるカムシャフト２と、浸炭焼入れされた鋼材料から
なるドライブギヤ３とが、別々な工程において製造され
た後、両者を相嵌合せしめることによって金属嵌合部材
１か製造されることとなっているのである。かくして得
られた金属嵌合部材１は、前述の実施例１において説明
したと同様の効果が得られることは勿論である。なお、
本実施例の場合、環状部材としてのドライブギヤ３を、
浸炭鋼以外の非調質鋼を用いて製造した場合にも本実施
例と同様な効果を奏することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例にかかる金属嵌合部材を示す分
解斜視図、第２図は本発明の実施例にかかる金属嵌合部
材を製造するに際して実施されるオーステンパー処理に
おける作業図解チャートである。 １・・・・・・・金属嵌合部材 ２・・・・・・・軸部材（カムシャフト）３・・・・・
・・環状部材（ドライブギヤ）第２図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、オーステンパー処理され、ベイナイトと残留オース
   テナイトとの混在組織を有するタグタイル鋳鉄からなる
   軸部材と、該軸部材外周に嵌合され、前記軸部材より線
   膨張率の小さな鋼材料からなる環状部材とからなること
   を特徴とする金属嵌合部材。 ２、タグタイル鋳鉄材料からなる軸部材外周に対して、
   浸炭処理のみされた鋼材料からなる環状部材を相嵌合さ
   せた後、該嵌合状態を保持させつつオーステンパー処理
   を施し、軸部材を、ベイナイトと残留オーステナイトと
   の混在組織とするとともに、環状部材の浸炭層に対する
   焼入れを同時に行うようにしたことを特徴とする金属嵌
   合部材の製造方法。