JPH0211608B2 - - Google Patents

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JPH0211608B2
JPH0211608B2 JP12764282A JP12764282A JPH0211608B2 JP H0211608 B2 JPH0211608 B2 JP H0211608B2 JP 12764282 A JP12764282 A JP 12764282A JP 12764282 A JP12764282 A JP 12764282A JP H0211608 B2 JPH0211608 B2 JP H0211608B2
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JP
Japan
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vinyl
ethylene
vinyl chloride
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latex
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JP12764282A
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Masashi Kinoshita
Muneo Koyama
Kei Pponda
Kazumi Mai
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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【発明の詳細な説明】
本発明は新規にして有用なる塩化ビニル系共重
合体の製造方法に関し、さらに詳細には、特定の
ゴム状ポリマーのラテツクスの存在下に塩化ビニ
ル系単量体を重合せしめることから成る、透明
性、耐油性、低温特性および加工性などにすぐれ
る塩化ビニル系共重合体の製造方法に関する。ゴ
ム弾性を示すエチレン/ビニルエステル共重合
体、就中、エチレン/酢酸ビニル共重合体(以
下、EVAと略記する。)に塩化ビニルをグラフト
重合させて得られるグラフト共重合体(以下、
EVGと略記する。)は、特公昭39―27876号公報
にも記載されていて明らかな如く、非移行性、低
温特性および耐熱性などに優れるために電線被覆
材などの各種の用途に適したものである。 ところで、このEVGの低温特性や耐油性など
の性質は多分に該EVG中のEVA含有率および
EVA中のエチレン含有率に影響を受け、のEVA
がゴム弾性を示す範囲、すなわち20〜80重量%な
るエチレン含有率の範囲では上記の両含有率が高
いほどEVGの低温特性が良好となるが、その反
面において、これら両含有率が高くなればなるほ
ど耐油性および透明性は低下するという、二律背
反の現象が従来のEVGにはあつた。 他方、耐油性および低温特性のよいゴム状樹脂
を塩化ビニル樹脂に混合し分散せしめるという技
術の開発も進められ、特公昭39―6816号および52
―36896号公報などには、塩化ビニル樹脂にポリ
ウレタンを混合せしめるという技術が開示されて
いる。 しかしながら、この種のポリマーブレンドにあ
つては、押出機やロールなどの混合装置を使用し
てブレンドさせなければならない処から、期待し
うるような安価な樹脂組成物を提供できるまでに
到つていない。 加えて、ポリウレタン樹脂の場合には、これら
両樹脂の混合時にその装置にベタついてしまつて
混合に時間がかかり過ぎたり、出来上がつた樹脂
組成物も粘着性を有するものであつたり、さらに
は混合時の熱履歴のために熱変色されるに及んで
成形加工材料として供給できないなどといつた欠
点もあるし、機械的混合による不十分な分散状態
のために透明性も悪くなり、用途によつては、実
用に供しえない場合すらあつた。 しかるに、本発明者らは上述した如き実情に鑑
みて従来技術における種々の問題点を解決すべ
く、まずは、塩化ビニルに対して相溶性のよいエ
チレン/ビニルエステル共重合体およびポリウレ
タンの存在下に、塩化ビニルを重合させることに
より低温特性、耐熱性および耐油性さらには透明
性などの点で優れた塩化ビニル系重合体が得られ
ることを見出し、先に特願昭57―27278号として
出願を済ませているが、その後になつて、これら
の熱可塑性ポリウレタンおよびエチレン/ビニル
エステル共重合体はいずれもペレツトなどの如き
固形物として一般には供給されているものの、か
かる塩化ビニル系グラフト共重合体調製用の原料
形態としてみた場合には、こうしたペレツト状物
不利なものであることが判明した。すなわち、ポ
リウレタンなどのゴム成分がペレツトなる場合に
は、かかるペレツト状のゴム成分を用いて塩化ビ
ニル系グラフト共重合体を得るに当つて、まず第
一に、塩化ビニルにゴム成分を均一に溶解させる
工程が入用となることである。こうした溶解工程
は高められた温度においてさえ時間がかかるもの
であり、特に、ゴム成分を多くしたい場合でも、
溶液粘度の増大による反応釜の撹拌機への負荷増
大のために、どうしてもゴムの含有率が制限され
ることとなつたり、困つたことには、増粘された
系ではゴム成分が未溶解のまま残存する結果、塩
化ビニル系グラフト共重合体中にそのままの形で
包含されて粗大粒子を形成したり、あるいは成形
品のフイツシユ・アイの原因となることがある。 第二に、従来の重合法によつた場合には、前述
したような溶解工程の必要を前提とするために、
塩化ビニルに不溶性の高分子量ポリウレタンまた
はエチレン/ビニルエステル共重合体―たとえ
ば、部分的に架橋構造をもつたゴム成分―の使用
は不可能であることも挙げられる。 しかるに、本発明者らは以上の諸点を改良する
ために、さらに検討を進めた結果、当該ゴム成分
の形状をゴム状ポリマーが微粒子状に分散したラ
テツクスの状態にして使用することが望ましいこ
とを見出すに及んで、本発明を完成させるに到つ
た。 すなわち、本発明は幹ポリマーとして好適なラ
テツクス状態のポリウレタン(ポリウレタンラテ
ツクス)の5〜60重量部(固形分換算)と、同じ
くラテツクス状態のエチレン/ビニルエステル共
重合体(エチレン/ビニルエステル共重合体ラテ
ツクス)の0〜60重量部(固形分換算)との存在
下で、塩化ビニルを主体とするビニル系単量体を
ラジカル重合せしめることから成る、フイツシ
ユ・アイが少なく、しかも物性の上でも経済性の
上でも極わめて有利な塩化ビニルル系グラフト共
重合体の製造方法を提供するものである。 ここにおいて、前記幹ポリマーとしてのポリウ
レタンラテツツクスとは、数平均分子量(n)
が300〜3000なる分子両末端に水酸基を有する長
鎖グリコール類と、分子両末端にイソシアネート
基を有するポリイソシアネート化合物とを、さら
に必要に応じて、反応性水素原子を有する鎖伸長
剤などとを反応させて得られるポリウレタンの水
性分散液を指称するものである。 まず、上記長鎖グリコール類として代表的なも
のにはプロピオンオキサイドもしくはテトラヒド
ロフランの如き(シクロ)アルキレンオキサイド
類の重合により得られるポリエーテルグリコール
類;アジピン酸とエチレングリコールもしくはプ
ロピレングリコールの如きグリコール類との縮合
により得られるポリエステルグリコール類;また
はラクトン類の開環重合により得られるポリエス
テルグリコール類などがある。 次に、前記ポリイソシアネート化合物として代
表的なものにはトルエンジイソシアネート、ジフ
エニルメタンジイソシアネートまたはヘキサメチ
レンジイソシアネートなどがあるが、塩化ビニル
系グラフト共重合体への可塑化効果や耐熱着色性
などの点からすれば、ヘキサメチレンジイソシア
ネートなどの如き脂肪族ジイソシアネートが特に
好ましい。 さらに、前記鎖伸長剤はポリウレタンラテツク
スを調製するに当つて、必要に応じて使用される
ものであるが、かかる鎖伸長剤として代表的なも
のにはエチレングリコール、1,4―ブタンジオ
ール、1,6―ヘキサンジオールの如き多価アル
コール類;エチレンジアミン、N,N′―ジメチ
ルピペラジンの如きアミンの如きアミン類;エタ
ノールアミンの如きアミノアルコール類または水
などがある。 その他の分散剤として公知慣用のアニオンもし
くはノニオン系界面活性剤や保護コロイド類など
が用いられるが、塩化ビニルを主体とするビニル
系単量体をグラフト重合させるための幹ポリマー
用の分散剤としては、耐熱着色性の点からノニオ
ン系界面活性剤および保護コロイド類が好まし
く、これらのうちノニオン系界面活性剤としては
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルアリール、ポリエチレングリ
コールまたはポリオキシエチレンアルキルアマイ
ドなどが、他方、保護コロイド類としてはポリビ
ニルアルコールまたはメチルセルロースなどがそ
れぞれ代表例として挙げられる。 これらの分散剤は単独であるいは二種以上の併
用の形で用いることができ、その使用量はポリウ
レタンに対して0.05〜10重量%が好ましい。 そして、ポリウレタンラテツクスの使用量とし
ては固形分で塩化ビニル系グラフト共重合体中の
5〜60重量%、好ましくは5〜40重量%が適当で
あり、5重量%未満では低温特性および加工性な
どの改良効果が認められ得ないし、逆に60重量%
よりも多くなるとポリマーが粘着を帯びて乾燥さ
れにくくなる。 また、前記幹ポリマーとしてのエチレン/ビニ
ルエステル共重合体ラテツクスとは、エチレンと
アルキルまたはアリールカルボン酸のビニルエス
テル類との共重合体の水性分散体を指称するもの
であるが、このビニルエステル類として代表的な
ものには酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸
ビニル、「バーサテイツク酸」(オランダ国シエル
社製品)ビニルまたは安息香酸ビニルなどがあ
る。 エチレンとビニルエステル類とを共重合させる
に当つては、これらのエチレンまたはビニルエス
テル類と共重合性を有する他のビニル系単量体を
併用しても一向に差し支えないことは勿論であ
り、かかる他のビニル系単量体の代表例としては
(メタ)アクリロニトリルまたは(メタ)アクリ
ル酸もしくはそのエステル化物などが挙げられ
る。 そして、エチレンとビニルエステル類とを共重
合させる際の両成分化合物の重量比はエチレン/
ビニルエステル類=20/80〜50/50なる範囲が好
ましく、エチレンが少なすぎると低温特性が十分
ではなく、逆にエチレンが多すぎると耐油性およ
び透明性が悪くなる。 エチレンとビニルエステル類とを共重合させる
に当つては、ポリマーが微粒子分散で得られ、し
かも分子量の高い共重合体として得られるために
も、乳化重合法が最適であるが、これのみに限定
されなく、他の塊状、溶液または懸濁重合法など
で得られた共重合体を常法によりラテツクス状態
に変成せしめたものであつても一向に差し支えは
ない。 この際に用いられる分散剤としてはアニオン
系、カチオン系もしくはノニオン系界面活性剤ま
たは保護コロイド類などがあるが、ノニオン系界
面活性剤または保護コロイド類が好ましく、いず
れも前述された如き化合物が使用できる。 これらは単独であるいは二種以上の併用の形で
用いることができるし、これらの使用量はエチレ
ン/ビニルエステル共重合体に対して0.05〜10重
量%なる範囲が好ましい。 また、ラジカル開始剤としては水溶性、油溶性
またはレドツクス系の開始剤を用いることができ
るが、好ましくは水溶性ラジカル開始剤またはレ
ドツクス系ラジカル開始剤である。 重合温度は特に制限されないが、一般には0〜
100℃の範囲である。 そして、当該エチレン/ビニルエステル共重合
体ラテツクスの使用量は固形分で塩化ビニル系グ
ラフト共重合体中の0〜60重量%、好ましくは5
〜40重量%である。 本発明方法を実施するに当つて、以上に記述さ
れたポリウレタンラテツクスとエチン/ビニルエ
ステル共重合体ラテツクスを併用する場合におけ
るエチレン/ビニルエステル共重合体とポリウレ
タンラテツクスとの重量比は耐油性、耐熱性、低
温特性および経済性の面から決められるが、0.3
〜5なる範囲内が好ましく、特に好ましくは0.5
〜2なる範囲内であり、0.5未満ともなると経済
性および耐熱性の点で悪くなつてくるし、逆に2
を越えると次第に耐油性と低温特性とを同時に満
足させるのが困難となつてくる。 他方、本発明方法の実施に当つて用いられるグ
ラフト重合用単量体としては塩化ビニルの単独あ
るいはこれを主体とする他のビニル系単量体との
混合物であるが、かかる他のビニル系単量体の代
表例としてはエチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリ
デン、またはアクリル酸もしくはそのエステルな
どの如き塩化ビニルと共重合可能な単量体であ
り、これらの使用量は全単量体混合物中の50重量
%以下が好ましい。 而して、グラフト重合反応は塩化ビニルを主体
とするビニル系単量体がその結果得られるグラフ
ト共重合体中の40〜95重量%、好ましくは40〜60
重量%となるように、幹ポリマーラテツクスの存
在下で、前記した如き種類の公知慣用のラジカル
開始剤によつて遂行され、かかる重合反応は塊
状、溶液、乳化または懸濁重合などのいずれによ
つてもよいが、生産性の点からは懸濁重合法が特
に有利である。 かかるグラフト重合反応用の触媒としては公知
慣用のラジカル開始剤が使用でき、必要に応じ
て、分散剤ないしは乳化剤などの助剤が使用され
る。このさいの重合温度は特に限定されるもので
はないが、一般的には0〜70℃の範囲が適当であ
る。 かくして本発明方法により得られる塩化ビニル
系グラフト共重合体は、目的に応じて、熱安定
剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、顔料または充填剤
などを添加して成形材料とすることができるし、
また本発明方法によつて得られるこの共重合体を
有機過酸化物や電子線などによつて架橋させて応
用することもできる。 このように、本発明方法はゴム成分の塩化ビニ
ルを主体とするビニル系単量体への溶解工程を何
ら必要とせず、当該単量体に容易に均一に分散し
てフイツシユ・アイの少ない、しかも透明性の優
れた塩化ビニル系グラフト共重合体を与えるし、
またゴム成分がその分子量も高く、一部架橋結合
の存在するようなラテツクスの形で利用できる処
から、抗張力の大きいグラフト共重合体を供給し
うる。 本発明方法の如く、多成分系の高分子分散系に
おいて各高分子量物成分が相溶して得られる多成
分系グラフト共重合体にあつて、当該共重合体が
透明性を有するという事実はグラフト効果の顕著
さと共に、各高分子量物成分の組み合わせの特異
性をも如実に示しているものであり、本発明方法
の絶対的な価値を明確なものにしている。 加えて、本発明方法の実施そのものが極めて容
易なものであることは、経済的にも有利であるこ
との証左であり、その工業的成果は極めて大であ
るといえる。 こうした諸々のメリツトを有する本発明の方法
により得られるグラフト共重合体はまた、その優
れた低温特性、耐油性および透明性などから電線
の被覆用材料をはじめ、医療用のチユーブまたは
容器の製造用として特に有用なものである。 次に、本発明を参考例、実施例および比較例に
より具体的に説明するが、部および%はすべて重
量基準であるものとする。 参考例1 (ポリウレタンラテツクスの調製例) 分子量1200なるブタンジオール―アジピン酸ポ
リエステルジオールの100部を80℃で1時間減圧
脱水させたのち、トルエンの265部を添加して溶
解させ、さらにヘキサメチレンジイソシアネート
の14.7部を加えて同温度で3時間撹拌反応させ
て、固形分濃度が約30%なるポリウレタン溶液を
得た。 次いで、この溶液にポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンエーテル(分子量=8350、オキシ
エチレン量=80%)の8.5部を含む水溶液の190部
を混合して水分散化させ、減圧蒸留によりトルエ
ンを除去せしめて固形分濃度が40.1%なる目的物
をラテツクスを得た。 参考例2 (同上) 分子量1042なるブタンジオール―アジピン酸ポ
リエステルジオールの100部にヘキサメチレンジ
イソシアネートの32部を加え、80℃で3時間撹拌
反応させて粘稠なるプレポリマーを得た。 次いで、このプレポリマーの100部にトルエン
の40部を加えて溶液となし、さらにこれに7.5部
のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエー
テル(エチレンオキサイドの付加モル数=40)を
含む水溶液113部を混合してコロイドミルを通し
てプレポリマーのラテツクスを得た。 しかるのち、このラテツクスをゆつくりかきま
ぜながら速やかに3.8部のエチレンジアミンを含
む溶液の15部を加え、さらにゆつくり30分間かき
まぜて固形分濃度が40.1%なるポリウレタンラテ
ツクスを得た。 参考例3(エチレン/ビニルエステル共重合体ラ
テツクスの調製法) 撹拌装置付きの内容積2なるステンレス製オ
ートクレーブ中に、第1表に記載される原料のう
ちa、b、d、e、f、h〜kまでを仕込んでオ
ートクレーブ内を30℃に保持しながら同表に記載
のjなる過硫酸カリウム水溶液を5時間に亘つて
滴下させ、さらに同温度に30分間保持したのち、
未反応のエチレンを放出させて重合を停止せしめ
た。 ここに得られたラテツクスは固形分が49%なる
ポリマーであり、ポリマーの組成分析を行つた
処、エチレン/酢酸ビニル=34/66であつた。ま
た、ムーニー粘度=10.5であつた。
【表】 参考例4 (同上) 第1表に記載された通りの原料を用いた他は、
実施例1と同様にして得られたラテツクスは固形
分が48%であり、ポリマーを組成分析した処、エ
チレン/プロピオン酸ビニル=33/67であつた。
また、このポリマーのムーニー粘度は16であつ
た。 実施例 1 撹拌装置付きの内容積2なるオートクレーブ
中に、参考例1で得られたポリウレタンラテツク
スの249部、参考例3で得られたエチレン/酢酸
ビニル共重合体ラテツクスの202部、蒸留水の599
部、塩化ビニルの200部、α,α′―アゾビスイソ
ブチロニトリルの1部およびポリ酢酸ビニルの部
分けん化物の2部を仕込んで、直ちに60℃に昇温
して8時間重合させた。 次いで、この重合生成物を乾燥させた処、375
部の白色粉末状の塩化ビニル系グラフト共重合体
が得られた。 この共重合体を分析した処、エチレン/酢酸ビ
ニル共重合体が26%、ポリウレタンが25%、およ
び塩化ビニルが49%であつた。 これらの各共重合成分のうちポリウレタンおよ
びエチレン/酢酸ビニルル共重合体はいずれもそ
れ自体ではトルエンに可溶性であるにも拘らず、
ここに得られた目的共重合体のトルエン可溶分は
16%であつた。 これは幹ゴム成分の約30%に相当する割合でし
かない処から、本発明の方法は極めてグラフト効
果が大であることを示している。 ここで、得られた塩化ビニル系グラフト共重合
体の100部にオクチル錫メルカプトの1部、ステ
アリン酸亜鉛の0.2部およびステアリン酸カルシ
ウムの0.2部を添加し、160℃で5分間混練後、
170℃で5分間プレス成形せしめてシートを得た。 その評価結果は第2表に示す。 比較例 1 ポリウレタンテツクスの代わりに該ラテツクス
を塩析し、回収して乾燥させた固形のポリウレタ
ンの100部を用いる一方、エチレン/酢酸ビニル
共重合体ラテツクスの代わりに該ラテツクスを塩
析し、回収して乾燥させた固形のエチレン/酢酸
ビニル共重合体の100部を用い、しかも蒸留水の
量を850部に変更させて実施例1と同様に仕込ん
で、まず室温で3時間激しく撹拌してこれらの共
重合体の混合物を塩化ビニルに溶解させた。 次いで、60℃に昇温して8時間重合せしめた。 ここに得られた重合生成物を乾燥させた処、白
色粉末状の塩化ビニル系グラフト共重合体377部
が得られた。 このポリマーの組成分析の結果および成形品の
評価の結果については、第2表に示す。 実施例 2 ポリウレタンラテツクス、蒸留水および塩化ビ
ニルの使用量をそれぞれ50部、766部および330部
に変更し、かつ、エチレン/酢酸ビニル共重合体
ラテツクスの代わりに104部のエチレン/プロピ
オン酸ビニル共重合体ラテツクスを使用した以外
は、実施例1と同様にして377部の白色粉末状な
る塩化ビニル系グラフト共重合体を得た。 ここに得られた重合生成物の分析結果および成
形物の評価の結果については第2表に示す。 当該ポリマー中のポリウレタン分およびエチレ
ン/プロピオン酸ビニル共重合体分のトルエン可
溶分はそれぞれ65%および75%であつたが、当該
ポリマーのそれは6%と極めて少なく、幹ゴム成
分の34%にしか過ぎない割合である処から、本発
明方法による塩化ビニルのグラフト効果が極めて
大きいことを示している。 比較例 2 ポリウレタンラテツクスおよびエチレン/酢酸
ビニル共重合体ラテツクスの代わりに、それぞれ
ポリウレタンラテツクススおよびエチレン/プロ
ピオン酸ビニル共重合体ラテツクスを塩析し、回
収して乾燥させた固形物を用い、比較例1と同様
にゴム成分の塩化ビニルへの溶解操作を行なつた
のち、室温で3時間激しく撹拌してからオートク
レーブより試料を採取した処、ゴム成品の塩化ビ
ニルに対する不溶解物が肉眼でも認められるほど
で、均一な重合物はもはや得られないものと判断
して反応を中止せざるを得なかつた。 実施例 3 エチレン/酢酸ビニル共重合体ラテツクスの使
用を一切欠如し、かつ、ポリウレタンラテツクス
の使用量を498部に変更した以外は、実施例1と
同様にして塩化ビニル系グラフト共重合体を得
た。 ここに得られたポリマーを分析した処、ポリウ
レタン分が59%で、塩化ビニル分が41%であつ
た。 このうち、ポリウレタン自体がトルエンに可溶
であるにも拘らず、当該塩化ビニル系共重合体の
トルエン可溶分は29%であつた処から、本発明方
法における塩化ビニルのグラフト効果が大きいこ
とを示している。 ここで、当該塩化ビニル系共重合体の100部の
ステアリン酸カルシウムの0.5部、ステアリン酸
亜鉛の0.5部およびエポキシ化油の3部を加え、
160℃において5分間混練させ、170℃で5分間プ
レス成形せしめてシートを得た。その評価結果は
第2表に示す。
【表】
【表】 試験法 塩化ビニル系グラフト共重合体の32メツシユ篩 未通過率……乾燥後の当該共重合体をJIS標準篩
(32メツシユ)を用いて分別し、未通過量
を測定して、その重量%で以て表示した。 成形品のフイツシユ・アイ試験……1mm厚の成形
シートを10×10cm2の大きさで切り取り、
170℃の熱風乾燥機中で30分間老化させた
のちの赤黒斑点の数を以て、フイツシユ・
アイの個数とし、2個以上を合格とした。 成形品の常態物性……JIS K―6723に準拠 成形品の透明性……1mm厚の成形シートの全光透
過率を以て表示した。 成形品の耐油性……JIS K―6723に準拠 第2表に示された処からも明らかなように、本
発明方法によつて得られる塩化ビニル系グラフト
共重合体は粗大粒子分が少なく、したがつてこの
共重合体を用いて得られる成形品にしてもフイツ
シユ・アイが少なく、加えて透明性も従来法(比
較例1)に比して大幅に改良されていることが知
れる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 それぞれ固形分換算で5〜60重量部のポリウ
    レタンラテツクスと0〜60重量部のエチレン/ビ
    ニルエステル共重合体ラテツクスとの存在下に、
    塩化ビニルを主体とするビニル系単量体の40〜95
    重量部をラジカル重合せしめることを特徴とす
    る、塩化ビニル系共重合体の製造方法。
JP12764282A 1982-07-23 1982-07-23 塩化ビニル系共重合体の製法 Granted JPS5918715A (ja)

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