JPH0211296Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、並列している複数本の金属製枕材に
複数本の金属製横部材を交差させ、その交差点に
おいて枕材と横部材とを定着した金属製パレツト
の改良に関するものである。

従来、金属製のパレツトにあつては、枕材と横
部材とが溶接により固定されているため、パレツ
ト上の被処理物をパレツトごとオートクレーブで
加熱処理した場合、金属製の枕材と横部材の変形
によりパレツトが歪む欠点がある。枕材と横部材
の材質が異なる場合、上記歪は特に大きい。

本考案はこの欠点を解消するために案出された
もので、枕材をパイプ状にするとともに、該枕材
及びこれと交差する複数本の横部材のうち少くと
も両端に位置するものには、両者の交差する部分
において、ボルト挿通用の孔をそれぞれ形成し、
横部材のボルト挿通用の孔から枕材のボルト挿通
用の孔を経て奥に差込んだボルトのネジ部分を、
上記枕材の端部に嵌込んだブロツクのネジ孔に螺
入せしめたものである。

本考案の実施例を図面に基いて説明する。

第１図に示すように、並列している前後方向の
複数本の枕材１はこれを角型のパイプ状とし、そ
の上下両側には、これと直交するように複数本の
横部材２が橋架せしめられ、枕材１と各横部材２
とを溶接により定着する。

一方、横部材のうち枕材１の前後両端部に位置
するもの２ａは、枕材１に溶着することなく、第
３図に示すように枕材１と交差する部分において
ボルト挿通用の孔３を設け、また、枕材１にも上
記孔３と対向する部分にボルト挿通用の孔４を設
ける。

次に、パイプ状である枕材１の端部は開口して
おり、該開口部４ａから角形のブロツク５を嵌込
み、該ブロツク５には枕材１に設けた孔４と対向
する部分に上下に貫通するネジ孔６を設ける。

そして、枕材１の端部においてその上下に横部
材２ａを直交状に配置し、横部材２ａ、枕材１に
形成したボルト挿通用の孔３，４及び枕材１に嵌
込まれたブロツク５のネジ孔６を上下一直線とな
るよう一致させ、しかる後孔３から孔４を経てボ
ルト７を差込み、そのネジ部７ａをブロツク５の
ネジ孔６に螺入する。

かくして、枕材１の上下に溶接によることなく
横部材２ａを交差させた状態で固定することがで
きる。

本考案によるときは、複数本の枕材１，１と少
くともその端部に位置する横部材２ａとの固定を
溶接によらずにボルトを用いて行つているため、
パレツト上の被処理物をパレツトごと例えばオー
トクレーブに入れたとしても、両部材即ち枕材１
と横部材２，２ａの熱による変形をボルト挿通用
の孔で逃がすことができ、パレツト全体の歪を可
及的に少ないものとすることができる効果があ
る。枕材１とその端に位置する横部材との固定だ
けに限らず、枕材１とすべての横部材との固定手
段に応用すると、パレツト全体の歪をほとんどな
いものとすることができるであろう。

また、本考案によれば、少くとも枕材１の端に
位置する横部材２ａを枕材１から分解することが
できるから、フオークリフトのフオークなどが衝
突したりすることによつて折損し勝ちな端の横部
材２ａだけを新しいものと替えることができ、パ
レツトを永年使用し得ることができるだけでな
く、痛み勝ちな端の横部材２ａを安価な材質のも
のとすることができ、パレツトをそれだけ低廉な
らしめることができる効果もある。

なお、図面中、５ａ〔第３図、第４図〕はブロ
ツク５の端部にこれと一体的に設けたストツパー
部材で、ブロツク５よりわずかに大きく、枕材１
と同じ大きさとしてある。このようにしておく
と、枕材１にブロツク５を差込んだときこれが奥
に入り込んでしまうおそれがない。

また、３ａ〔第３図、第４図〕は、横部材２ａ
のボルト挿通用の孔３に形成した座ぐりで、枕材
１と横部材２ａとの定着に用いられるボルト７の
頭７ｂがこの中に納まり、頭７ｂが横部材２ａか
ら飛び出ることがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案による金属製パレツトの実施例を
示すもので、第１図は平面図、第２図は正面図
で、右端の枕材のブロツクは外した状態を示す、
第３図は枕材とその端に位置する横部材との定着
手段を示す分解斜視図、第４図はその結合状態を
示す第１図−線拡大断面図、である。 １……枕材、２，２ａ……横部材、３，４……
孔、３ａ……座ぐり、５……ブロツク、５ａ……
ストツパー部材、６……ネジ孔、７……ボルト、
７ａ……ネジ部、７ｂ……頭。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 並列している複数本の枕材に複数本の横部材
   を交差させ、その交差点において枕材と横部材
   とを定着した金属製パレツトにおいて、枕材１
   をパイプ状にするとともに、該枕材１及びこれ
   と交差する複数本の横部材のうち少くとも端に
   位置するもの２ａには、両者の交差する部分に
   おいて、ボルト挿通用の孔４，３をそれぞれ形
   成し、横部材２ａのボルト挿通用の孔３から枕
   材１のボルト挿通用の孔４を経て奥に差込んだ
   ボルト７のネジ部分７ａを、上記枕材１の端部
   に嵌込んだブロツク５のネジ孔６に螺入せしめ
   てなる金属製パレツト。 ２ 横部材２ａに形成したボルト挿通用の孔３に
   は、座ぐり３ａが施されている実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の金属製パレツト。 ３ ブロツク５の端部には枕材１の端面に接合さ
   せ得るストツパー部材５ａを形成してなる実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の金属製パレツ
   ト。