JPH0210727B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、自動車用ドアの構造に関し、詳しく
は、ドアフレーム着脱式の自動車用ドアにおい
て、そのドアフレームの内周に、周縁に芯材を取
付けてなるシート状のドアウインドをはめこみ式
に取付けるようにしたドアの構造に関する。

たとえば、オフ・ロードでの走行に適するよう
に計画された四輪駆動型自動車の中には、車室を
幌で覆うようにするとともに、フロントウインド
を前倒れ可能とし、さらにドアフレームを着脱可
能なものとすることにより、幌を取り払い、フロ
ントウインドを前倒れ状態とし、かつドアフレー
ムを取り外すと、車室上部と外気とを区切るもの
が何もないフル・オープンカーとなるものがあ
る。

上記のような自動車のドアをドアフレーム着脱
可能とするための手法としては、従来、実開昭56
−51622号公報に示されているもののように、鋼
管や棒鋼を逆Ｕ字状に曲げて作成した枠に透明な
窓部を有する布製の幌を張つて構成したドアフレ
ーム自体を、上記枠の脚部をメタルドア本体の頂
面に挿脱可能に差し込むようにするのが知られて
いる。

上記のような、鋼管や棒鋼性の枠に幌を張つた
だけの簡単なドアフレームは、ガラスのように割
れる心配がなく、かつ軽量でコストが安いという
利点がある。

しかし、上記ドアフレームはドアウインドと一
体的に形成されており、ドアフレームを構成する
鋼管等の外周枠が幌の袋部で覆われてしまうた
め、ドアフレームの外周部に、ドア開口部周縁と
の間のシールを行なうためのウエザストリツプ等
を取り付けるのが困難である。

しかも、ドアフレームを構成する上記鋼管等の
芯材は、幌の袋部を套挿する都合から断面を大き
くとつて剛性を高めることができない。このた
め、ドアフレームを、シールを行なうに十分な押
圧力をもつてドア開口部周縁に当接させることが
できずシール性が悪い。とくに高速走行する場合
には、風圧によつて上記ドアフレームがドア開口
部周縁から浮き上がり、さらにシール性が低下す
る。

また、上記ドアフレームとなる芯材を通挿した
袋部が外側から見えることとなり外観が良いとは
いえない。

本発明は、上記の事情のもとで考え出されたも
ので、その目的は、着脱可能な幌型のドアウイン
ド、すなわち、ある程度の硬さを有する芯材で構
成される枠に布などのシート状物を張つて形成し
たドアウインドの利点を活かしつつ、そのドアウ
インドと車体のドア開口部とのシールを完壁に行
うことができ、取付け作業性が良く、しかも取付
け外観の優れたドアの構造をあらたに提供するこ
とである。

このような目的を達成するため、本発明では、
次の技術的手段を講じている。

すなわち、本発明は、内周に凹溝を設けるとと
もに外周にウエザストリツプを備えたドアフレー
ムを、メタルドア本体に対して着脱可能に取り付
ける一方、 透明部を有するシート材からなるドアウインド
の周縁に設けた芯材を、上記ドアフレームの凹溝
内にシール部材を介して着脱自在にはめこむよう
にしたことを特徴とする。

このようにすると、ドアウインドはガラスでは
なく、あくまでも布等のシート材でできているの
で、割れるといつた心配がなく、また、軽量であ
る。また、従来例と異なり、ドアウインドの外側
にドアフレームが位置しており、このドアフレー
ムの外周に容易にウエザストリツプを取付けるこ
とができる。さらに、上記ドアフレームはドアウ
インドとは別体であるため剛性を高めるため断面
寸法を増加させても、従来のようにドアウインド
の取付けに支障が生じることもない。したがつ
て、ドアフレームの外周に設けたウエザストリツ
プをドア開口部周縁に十分な押圧力をもつて当接
させることができるため、上記ドアフレームと車
体のドア開口部との気密性は通常のドアフレーム
付ドアと同程度に高められる。

一方、ドアウインドはその周縁に設けた芯材
が、上記ドアフレームの内周に形成された凹溝に
シール部材を介して着脱自在にはめこまれている
ため、上記ドアウインドの取付け作業が容易であ
るとともに上記凹溝内で上記シール部材と上記芯
材とを密着させることができ、上記ドアフレーム
と上記ドアウインドとのシール性も十分に保たれ
る。

この結果、上記ドアとドア開口部との間のシー
ル性が格段に向上し、取付け作業性がよく、しか
も幌の袋部が上記凹溝内に収容されることから外
観をも優れたドアの構造を提供することが可能と
なる。しかも、ドアフレームは、メタルドア本体
に対して着脱可能であるので、このドアフレーム
を取り外すと、前に紹介したような自動車をフ
ル・オープンな状態に変更することが可能であ
る。

以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照し
つつ具体的に説明する。

第１図は、本発明の構造を採用したドアウイン
ドを有する自動車の例を示している。この自動車
１は、オフ・ロードを支障なく走行できるように
とくに設計された四輪駆動型自動車で、車室の天
井の大部分および荷室の側部と後部を着脱可能な
幌２で覆い、かつフロントウインド３は図に仮想
線で示すように前倒れ可能となつている。また、
ドア４は、そのドアフレーム５が下部メタルドア
本体６に対して着脱可能となつている。したがつ
て、幌２を取払い、フロントウインド３を前倒れ
させ、かつドア４のドアフレーム５をメタルドア
本体６から取り外すと、この自動車１は、車体上
部にロールバー７のみを残してあとは遮るものが
何もないオープン・カーに変わる。

上記ドア４は、外見上は通常一般のドアフレー
ム付きのドアと同様であり、異なる点は、ドアフ
レーム５がメタルドア本体６に対して着脱自在と
なつていることと、ドアフレーム５にはまるドア
ウインドが昇降式のガラスウインドではなく、あ
る程度の硬度を有する、鋼管や硬質のゴムなどの
芯材８に幌などの可撓性のシート材９を張つて形
成した軽量、簡易かつ耐衝撃性のドアウインド１
３となつていることである。

上記のドアウインド１３が保持されるドアフレ
ーム５は、第２図および第３図によく表れている
ように、起立時のフロントウインド３の傾斜とほ
ぼ対応した角度で傾斜する前脚部１０と、この前
脚部１０の上端からほぼ水平に後方に向けて延び
る上部フレーム１１と、この上部フレーム１１の
後端からほぼ垂直に下がる後部脚１２を有し、そ
の内面に設けた凹溝１４には、第４図に断面が表
れているように、ドアウインド１３の芯材８をは
めこみ状に保持するゴム等の弾性体よりなる保持
部材１５が装着され、また、このドアフレーム５
の外周面には、車体のドア開口部に密着してドア
とドア開口部との間をシールするためのウエザー
ストリツプ３２が装着されている。このドアフレ
ーム５は、後部脚１２の下端と、前部脚１０の下
端近傍においてメタルドア本体６と分離されてお
り、上記後部脚１２の下端部をメタルドア本体５
の後部頂面に設けられた開口１６に差し込むとと
もに、前部脚１０の下端部をドアミラー取り付け
用三角部１７の上端部に連結部材１８を介して突
き合わせることにより、メタルドア本体６に対し
て着脱可能に取り付けうるようになつている。な
お、このドアフレーム５の取り付け構造の詳細お
よび取り付け方法については後記する。

一方、メタルドア本体６の頂面およびドアフレ
ーム５により囲まれる窓部にはめこむべきドアウ
インド１３は、次のように構成される。

すなわち、第３図および第４図よ良く表れてい
るように、上記窓部の輪郭にほぼ対応するように
針金や硬質ゴムなどで枠体８を形成し、これに布
製の幌あるいは樹脂製シートなどの可撓性のシー
ト材９を張つて構成される。このシート材９の縁
部を上記芯材８に止着するには、たとえば、第４
図に表れているように、シート材９の縁部に袋部
１９を形成し、これが芯材８を全周にわたつて抱
持するようにするとよい。また、このシート材９
の中央部には、ビニル製の透明部２０がが設けら
れ、ここから外景が見通せるようになつている。
さらに、このシート材９の中間部には、フアスナ
２１が取り付けられ、シート材９を部分的に開く
ことができるようになつている。このようにする
と、たとえば、道路通行料金を支払う際、一々ド
ア４を開けなくとも、上記フアスナ部分から外部
に手を出せるので、好都合である。さらに、この
シート材９の上部外面には、第４図に示されてい
るように、上記フアスナ部から雨滴が侵入するこ
とのないように、このフアスナ２１の外側を覆う
カバー２２が縫い付けられている。

上記ドアウインド１３は、第４図に示されてい
るように、ドアフレーム５に対し、これの内周に
設けた凹溝１４に接着された保持部材１５に、そ
の前後および上部がはめこまれることにより、取
り付けられる。無論このドアウインド１３は、ド
アフレーム５に対して着脱可能である。上記保持
部材１５は、ドアウインド１３の芯材８ないしこ
れを抱持するシート材９に弾性的に密着すること
となるので、この部のシール性は十分高い。ま
た、取り付けられた状態においてこのドアウイン
ド１３の下部は、第４図に示されているように、
メタルドア本体６のインナパネル２３とアウタパ
ネル２４との間隙内にはまりこんでいる。なお、
インナパネル２３とアウタパネル２４の上端部に
それぞれ取り付けられたウエザーストリツプ２
５，２６がシート材９の内外側に密着しているの
で、この部のシール性も十分である。

ドア４は、まずドアウインド１３をドアフレー
ム５にはめ、次いでこのドアフレーム５をメタル
ドア本体６に対して取り付けることにより組立て
られる。この例では、フレーム５の後部脚１２を
ドア本体６の後部上面の開口１６にさし込み、前
部脚１０の下部をドアミラー取り付け用三角部１
７の上端に突き合せることにより、フレーム５を
ドア本体６に対して取り付けるようになつてい
る。

そこで次に、上記ドアフレーム５の後部脚１２
および前部脚１０のメタルドア本体６に対する取
り付け構造の詳細を第５図および第６図を参照し
つつ説明する。

第５図に示されているように、後部脚１２の下
部には、断面コ字状の延長部２７が一体形成され
ている。一方、メタルドア本体６の後部頂面に
は、アウタパネル２４、後部側面パネル２８およ
びインナパネル２３によつて囲まれた、上記延長
部２７が入りうる開口１６が形成され、かつ、側
面パネル２８の裏面には、上記延長部２７の凹溝
の内面にはまりこんで延長部２７をガタなく保持
するための、上下方向に長状のガイドレール２９
が、側面パネル２８の裏面に対して一定間隔を隔
てるようにスペーサ３３を介して固着されてい
る。この後部脚１２の延長部２７は、図に表れて
いるように、その凹溝が上記ガイドレール２９の
外側にはまりこむようにして上記開口１６内に差
し込まれ、かつねじ３０により、容易に抜け出な
いように止められる。

一方、前部脚１０の取り付け部は、第６図に示
されているように、この前部脚１０下部に、その
外周面１０ａ、車室側側面１０ｂおよび内周面１
０ｃを抱持しうるように形成された断面コ字状の
連結部材１８を、これの下端が前部脚１０の下端
からさらに下方に延びるように溶接などにより固
着しておき、上記三角部１７の上端に前部脚１０
の下端を突き合わせたとき、連結部材１８と固定
側三角部１７とをねじ３１により固定するように
してある。

以上説明したように、本発明にかかる自動車用
ドアウインドの構造においては、まず、外周面に
ウエザーストリツプなどのシール部材が取付けら
れるドアフレームをメタルドア本体に対して着脱
可能に取り付けるようにしてあるので、ドアを閉
めたときのドアフレームの車体との間のシール性
を高いレベルに維持することができる。また、上
記ドアフレームの内側に取付けられるドアウイン
ドは、その外周枠部が、上記ドアフレームの内側
に形成された凹溝に、シール部材としての保持部
材を介してはめこまれているため、上記ドアフレ
ームとウインドフレームとの間のシール性も十分
に保たれる。次に、上記のドアフレームはメタル
ドア本体から取り外すことができるので、たとえ
ば、前に紹介したような、幌型車にこのドアを適
用すると、容易にこの自動車をフルオープン・カ
ー状態とすることができる。さらに、ドアフレー
ムにはめこむべきドアウインドは、ガラスウイン
ドではなく、芯材にシート材を張つて構成された
ものなので、割れるといつた心配がなく、軽量
で、コストも安い。さらに、シート状のドアウイ
ンドとこれを保持するドアフレームからなるドア
上部を作成するのが従来の幌型のドアフレームに
比して容易で、作業性がよい。

なお、本発明の範囲は、図面に示した実施例に
限定されないことは勿論である。

すなわち、図示例では、ドアフレームをメタル
ドア本体に対して着脱可能に取り付けるための手
段として、その後部脚をメタルドア本体の頂面後
部に形成した開口に差し込むとともに、前部脚を
ドアミラー取り付け用三角部の上端部に突き合せ
るようにしているが、これは、後部脚と前部脚が
互いに平行をなさないためにいずれかを突き合せ
状とせざるをえないためで、後部脚と前部脚とを
互いに平行をなすようにしうる場合には、双方を
メタルドア本体に対してさし込み状に取り付ける
ようにすることもできる。このようにすると、ド
アフレームの取り付け状態での剛性がより高まる
し、また、取り付けの作業性も良くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明を提要したドアを装着した自
動車の例を示す側面図、第２図は、ドア全体を車
室側から見た図、第３図は、ドアの分解斜視図、
第４図は、第２図の−線断面図、第５図は、
ドアフレームの後部脚のドア本体に対する取り付
け構造を示す分解斜視図、第６図は、ドアフレー
ムの前部脚のドア本体に対する取り付け部を示す
斜視図である。 ５……ドアフレーム、６……メタルドア本体、
８……芯材、９……シート材、１３……ドアウイ
ンド、１４……凹溝、２０……透明部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内周に凹溝を設けるとともに外周にウエザス
   トリツプを備えたドアフレームを、メタルドア本
   体に対して着脱可能に取り付ける一方、 透明部を有するシート材からなるドアウインド
   の周縁に設けた芯材を、上記ドアフレームの凹溝
   内にシール部材を介して着脱自在にはめこむよう
   にしたことを特徴とする、自動車用ドアの構造。