JPH02106862A - X線管用陽極およびその製造方法 - Google Patents

X線管用陽極およびその製造方法

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JPH02106862A JP25958788A JP25958788A JPH02106862A JP H02106862 A JPH02106862 A JP H02106862A JP 25958788 A JP25958788 A JP 25958788A JP 25958788 A JP25958788 A JP 25958788A JP H02106862 A JPH02106862 A JP H02106862A
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深沢 美治
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明はX線管用陽極およびその製造方法に係り、特に
運転時に陽極において発生する異常放電を低減しX1m
管の管特性を向上し得るX線管用陽極およびその製造方
法に関する。
(従来の技術) X線の透過力を利用して被験体内部の状況を把握するC
T装置などの医療機器や非破壊検査用の分析機器にX線
管が使用されている。
このX線管は、ガラスバルブ、メタルまたはセラミック
容器内に対向するように配設された一対の陰極および陽
極を有し、陰極はタングステンフィラメント等で構成さ
れた電子放出源であり、陽極は、タングステンまたはそ
の合金で形成されている。
そしてタングステンフィラメントを加熱することによっ
て電子放出源から放出された電子ビームは、陽陰極間に
印加した高電圧によって加速され、太さ41運転エネル
−)−をもって陽極に衝突する。
この際大部分の運転エネルギーは、熱となって失われる
が、一部の1ネルギーがX線となって周囲に放出される
ところで近年、検査技術の高度化の要請に対応して、よ
り強力なX線を発生させるX線管が開発実用化されCい
る。この高出力用のX線管では電子ビームの衝突によっ
て発生ずる高熱ににつて陽極か溶解りることを防止りる
ために、陽極を円板状に形成し、約110000rp程
度の高速度で回転させて、電子前用焦点面が常に変化す
るように構成している。
X線管用陽極は前記の通り、一般にタングステンまたは
その合金から構成される。タングステンが使用される理
由は、耐熱強度や耐熱衝撃性が極めて高く、またX線を
安定して発生させるなどの優れた特性を右覆るからであ
る。
しかしながらタングステンは非常に高密度であるため、
X線管用陽極として使用し、−層高出力化を図るには難
点がある。すなわち高出力化を図るためには、高熱容量
化する必要があるが、そのために陽極全体の容積を増大
し、大容量の陽極どせざるを19ない。しかしながら陽
極を支持づる構造部品の強度等の制約から陽極の重量を
無制限に大型化でることは不可能である。
上記問題を解決するためにタングステンと比べその比重
が約半分程度であるモリブデンをタングステン材料と張
り合わせることにJ:す、陽極全体の重量を軽減づ−る
とともに熱容量を増大させた陽極も実用化されている。
このようなX線管用陽極は、一般にタングステン合金粉
末とモリブデン合金粉末どを積層して圧縮成形して得た
複合成形体またはタングステン合金粉末とモリブデン合
金粉末とをそれぞれ所定形状に圧縮成形し、得られた成
形体を積層して形成した複合成形体を、水素還元雰囲気
において温度が約2200℃で約4時間程度焼結して一
体に接合し、しかる後に焼結体を鍛造と機械加工を粁て
所定形状に加工して製造されている。。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記従来のX線管用陽極の原料粉末中に
は、鉄、ニッケル、マンガン、銅、コバルトなどの、低
融点金属や酸素などが少量ではあるが含有されているた
め、X線管が高電圧負荷で使用された場合に、異常放電
を頻繁に引き起こすという問題点があった。
すなわちXla管を装着した0丁装置を運転した場合、
X線管用陽極表面は1500’C以上、高出力のもので
は局部的に2700℃程度の高温度に加熱される。その
ため陽極に含有される低融点金属および酸素が熱分解ま
たは蒸発して、外囲器内の真空度が低下し、陽極表面に
おいてアーク放電が頻発する。
このアーク放電に伴って発生する異常電波は、撮影中の
影像写真にノイズ線を出現させて映像を撹乱し、検査粘
度を大幅に低下させる原因となる。
特に電子計算機により運転制御されるCT装置の場合に
は、異常電波によりLSI@路が誤作動し、デジタル処
理が不可能どなるとともに装置全体が停止する場合も多
く、その復旧に多大な時間と、煩箱な労力とを要する問
題がある。
また上記障害の原因となる低融点金属Jシよび酸素は、
従来の製造工程である水素ガス雰囲気における加熱焼結
操作では、わずかに酸素が除去されるのみで低融点金属
はほとんど除去することができなかった。
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので
あり、運転時に陽極において発生ずる異常放電を低減し
、X線管の管特性を向上することができるX線管用陽極
およびその製造方法を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本願発明者等は、以上の観点から異常放電の要因となる
低融点金属および酸素の総含有量と放電回数との相関を
調査し、さらに低融点金属等を除去するだめの加熱焼結
時の雰囲気を研究した結果に基づいて本願発明をなした
ものである。
すなわち本発明に係るX線管用陽極は、タングステン合
金で形成された電子照射面層と、モリブデン合金で形成
された支持体との複合体から成り、電子照射面層に含有
される融点が2000℃より低い低融点金属および酸素
の総含有量を1100pp以下に設定したことを特徴と
する。
また本発明に係るxi管用陽極の製造方法はタングステ
ン合金粉末とモリブデン合金粉末とを積層して圧縮成形
した複合成形体またはタングステン合金粉末の圧縮成形
体とモリブデン合金粉末の圧縮成形体とを積層して複合
成形体を形成し、上記複合成形体を真空中または不活性
ガス雰囲気において加熱し、タングステン合金粉末中に
含まれる低融点金属および酸素を除去するとともに複合
成形体を一体に焼結接合することを特徴とする。
(作用) 上記構成に係るX線管用陽極によれば、X線放射性能お
よび耐熱性に優れたタングステン合金によって電子照射
面層を形成し、また上記電子照射面層を強固に支持する
支持体として、熱容量が大ぎくかつ軽量なモリブデン合
金を使用しているため、熱放射性に優れた軽量な陽極と
することが可能であり、大出力用のX線管用陽極として
最適である。
またX線管運転時に、電子照射面層が達する最高温度2
000℃以下の温度において融解し蒸発するFe1Ni
などの低融点金属および酸素の総含有量が1ooppm
以下に設定されているため、異常放電が起る頻度が極め
て少なくなり、ノイズが少く常に安定した状態でX線検
査装置等を運転することが可能となる。
一方低融点金属および酸素の総含有量が1100ppを
越えると異常放電回数が急激に増大し、安定した運転が
不可能となり、検査精度も大幅に低下することが実証さ
れた。
また本発明方法によれば、タングステン合金粉末とモリ
ブデン合金粉末とを積層して圧縮成形した複合成形体ま
たはタングステン合金粉末の圧縮成形体とモリブデン合
金粉末の圧縮成形体とを積層して形成した複合成形体を
真空中または不活性ガス雰囲気において焼結している。
その際、電子照射面層を構成するタングステン合金粉末
等の月利中に含有されていた低融点金属および酸素は、
加熱によって成形体外部に放出される。
そのため運転時に高温度に加熱された電子照射面層から
の低融点金属の蒸発が少なく、外囲気内の真空度が低下
することが防止され、異常放電回数が大幅に低減する。
従ってX線管は、常に安定した惰性性を発揮し、高い精
度でCT検査や非破壊検査を実M ’Iることができる
(実施例) 次に本発明の実施例についてより具体的に説明する。
10重量%のレニウムを含有し、平均粒径3μ汎のタン
グステン合金粉末と、平均粒径4μmのモリブデン合金
粉末を積層し、5 t / ciの加圧力で圧縮成形し
て第1図に示すような直径125#の笠形の試験体とし
ての複合成形体3を複数(実施例1〜3)調製した。タ
ングステン合金粉末の圧縮成形体1が電子照射面層4を
形成する。10重量%のレニウムを含むタングステン合
金原料粉末に含まれる低融点金属および酸素の総含有量
は2201)pmであった。
次に調製した試験体を第1表に示すように、真空または
アルゴンガス雰囲気において1400〜2200℃の温
度範囲で4〜6時間加熱した後に、電子照射面層4に残
留する低融点金属および酸素の総残留量を測定した。ざ
らに得られた各試験体を1500℃に加熱して鍛造加工
、および機械加工を施し、所定寸法のX線管用陽極を製
造した。
次に得られた各陽極を耐電圧試験に供し、延べ2ooo
o回におよぶ高電圧印加試験において発生した異常放電
回数を測定した。試験条件は印加電圧は150KV、陰
極加熱用電流は250mA。
電圧印加周期および時間は30秒間毎に0.1秒間とし
た。
また比較例4〜7として、第1表に示すように従来方法
である水素気流中において、1800〜2200℃の温
度範囲において、4〜10時間加熱焼結した場合に、電
子照射面層4に残留する低融点金属および酸素の総量を
測定しIC8さらに実施例1〜3と同様の条件で耐電圧
試験を実施し異常放電回数を測定した。
実施例1へ・3および比較例4〜7における測定試験結
果を下記第1表に示す。
第1表 第1表の結果より、実施例1〜3に示すように真空また
はアルゴンガス雰囲気にお(プる加熱操作によって、材
料中に含まれる低融点金属および酸素が加熱雰囲気中に
排出除去され、その総残留量は11001)p以下に低
減される。その結果異常放電回数も著しく低減される。
特に真空中で1/′lo o ’cまで加熱して2時間
保持し、ざらにアルゴンガス雰囲気において2200℃
で6時間加熱焼結したものは、低融点金属などの総残留
量が60ppmとなり、異常放電回数もげ口となり、X
線用管の惰性性を著しく向上させることがわかる。
一方、比較例4〜7で例示するように従来方法と同様に
水素ガス雰囲気において加熱焼結処理を実施したものは
、材料中の低融点金属の除去割合が少なく総残留量が1
30〜2ooppmにとどまった。そのため、異常放電
回数も8〜15回と多く、安定したX線管の惰性性を得
ることができない。
X線管の惰性性を高めるためには、電子照射面層を形成
するタングステン合金材料に含有される低融点金属およ
び酸素の総含有量は可及的に小さいことが望ましい。そ
のためには真空またはアルゴンガス雰囲気内において長
時間にわたる加熱操作が必要となるが、製造効率上好ま
しくない。また高真空中でモリブデン材料を高温度で長
時間加熱するとモリブデン自体も蒸発して減耗する傾向
もある。一方、耐電圧試験において、1万回当りの高電
圧印加に対して1回以下の異常放電であれば検査装置の
実用上の信頼性を損うおそれも少ない。従って電子照射
面層に含有される低融点金属および酸素の総含有量は1
ooppm以下に設定Jることが必要である。
なおタングステン合金中に含有されるレニウムは、タン
グステン合金成形体へのモリブデンの拡散結合を強化す
るために有効な元素であり、タングステン合金とモリブ
デン合金どの圧縮成形体相互の接合強度を均一かつ高度
に保持する。レニウムの含有量は5〜15%の範囲内で
その効果が大きい。
〔発明の効果〕
以上説明の通り、本発明に係るX線管用陽極およびその
製造方法によれば、高出力用のX線管が運転時に達する
最高温度2000℃以下の温度において蒸発する低融点
金属および酸素の含有量が低減されているため、運転時
におりる異常放電回数が極めて少ない。そのためX線管
を使用するCT装置などの医療機器や非破壊検査用の分
析機器の信頼性および測定精度を大幅に向上させること
かできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るX線管用陽極の一実施例を示す断
面図である。 1・・・圧縮成形体、2・・・圧縮成形体、3・・・複
合成形体、4・・・電子照射面層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、タングステン合金で形成された電子照射面層と、モ
    リブデン合金で形成された支持体との複合体から成り、
    電子照射面層に含有される融点が2000℃より低い低
    融点金属および酸素の総含有量を100ppm以下に設
    定したことを特徴とするX線管用陽極。 2、タングステン合金粉末とモリブデン合金粉末とを積
    層して圧縮成形した複合成形体またはタングステン合金
    粉末の圧縮成形体とモリブデン合金粉末の圧縮成形体と
    を積層して複合成形体を形成し、しかる後に上記複合成
    形体を真空中または不活性ガス雰囲気において加熱し、
    タングステン合金粉末中に含まれる低融点金属および酸
    素を除去するとともに複合成形体を一体に焼結接合する
    ことを特徴とするX線管用陽極の製造方法。
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