JP2001143647A - マンモグラフィー用x線管およびそれに用いられるターゲット - Google Patents

マンモグラフィー用x線管およびそれに用いられるターゲット

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JP2001143647A JP32028199A JP32028199A JP2001143647A JP 2001143647 A JP2001143647 A JP 2001143647A JP 32028199 A JP32028199 A JP 32028199A JP 32028199 A JP32028199 A JP 32028199A JP 2001143647 A JP2001143647 A JP 2001143647A
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Hitoshi Aoyama
斉 青山
Takahiro Okuhata
孝浩 奥畑
Toshiaki Sudo
利昭 須藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】運転時にターゲットから発生するガスを低減し
て異常放電を防止し、X線管の管特性を向上し得るマン
モグラフィー用X線管およびそれに用いられるターゲッ
トを提供する。 【解決手段】電子ビームの照射を受けてX線を放出する
ターゲット3を回転自在に配置したマンモグラフィー用
X線管において、上記ターゲット3がNb,V,W,T
iおよびZrの少なくとも1種を含有するモリブデン合
金層1と、純モリブデン層2との接合体から成ることを
特徴とするマンモグラフィー用X線管および、少なくと
も電子ビーム照射面を構成するNb,V,TiおよびZ
rの少なくとも1種を含有するモリブデン合金層1と、
純モリブデン層2との接合体からなることを特徴とする
マンモグラフィー用X線管に用いられるターゲット3で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマンモグラフィー用
X線管およびそれに用いられるターゲットに係り、特に
運転時に陽極(ターゲット)において発生するガスに起
因する異常放電を低減しX線管の管特性を向上し得るマ
ンモグラフィー用X線管およびターゲットに関する。
【0002】
【従来の技術】X線の透過力を利用して被験体内部の状
況を把握するCT装置などの医療機器や非破壊検査用の
分析機器にX線管が使用されている。
【0003】このX線管は、一般に、ガラスバルブ、メ
タルまたはセラミック容器内に対向するように配設され
た一対の陰極および陽極(ターゲット)を有し、陰極は
タングステンフィラメント等で構成された電子放出源で
あり、陽極は、タングステン(W),モリデブン(M
o)またはその合金で形成されている。
【0004】そしてタングステンフィラメントを加熱す
ることによって電子放出源から放出された電子ビーム
は、陽陰極間に印加した高電圧によって加速され、大き
な運転エネルギーをもって陽極に衝突する。この際、大
部分の運転エネルギーは、熱となって失われるが、一部
のエネルギーがX線となって周囲に放出される。
【0005】ところで近年、検査技術の高度化の要請に
対応して、より強力なX線を発生させるX線管が開発実
用化されている。この高出力用のX線管では電子ビーム
の衝突によって発生する高熱によって陽極(ターゲッ
ト)が溶解することを防止するために、陽極(ターゲッ
ト)を円板状に形成し、約10000rpm程度の高速
度で回転させて、電子照射焦点面が常に変化するように
構成している。
【0006】X線管用陽極は前記の通り、一般にタング
ステン、モリブデンまたはその合金から構成される。タ
ングステン等が使用される理由は、耐熱強度や耐熱衝撃
性が極めて高く、またX線を安定して発生させるなどの
優れた特性を有するからである。
【0007】特に、マンモグラフィー(乳房検査法)検
査において使用されるマンモグラフィー用X線管の陽極
(アノード)にはモリブデンターゲットが広く採用され
ている。この理由はモリブデンターゲットから発生する
軟X線のエネルギースペクトルが乳癌の検査用X線源と
して極めて有効であるためである。
【0008】すなわち、胸部,腹部,頭部等の一般部位
の医療診断におけるX線撮影には、50〜120kV程
度の管電圧を有するX線管がX線源として使用されてい
る。一方、乳癌の早期発見に有効な乳房のX線撮影にお
いては、石灰部分や異常軟部組織を高い分解能で識別で
きるコントラストを得るために、モリブデン合金から成
るターゲットを用いたX線管がX線源として用いられて
いる。このようなMoターゲットを備えるX線管によれ
ば、17.4keVと19.5keVの特性X線を効率
良く発生することが可能であり、マンモグラフィー検査
に有効である。
【0009】この種のモリブデンターゲットは、使用状
態において高強度の電子ビームにより、その表面が照射
され、かつ高温度に加熱される。そして、電子ビームが
照射される表面部の再結晶による脆化を防止し結晶構造
を安定化させるため、また高温度での構造強度を確保
し、X線管の回転子(ロータ)と固定する際に必要な室
温強度を確保するために、ターゲットはNb,V,W,
Ti,Zrなどの強化元素を添加したMo合金から構成
されているのが一般的である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Mo合
金から成る従来のターゲットを有するマンモグラフィー
用X線管は、ターゲットからの放出ガスの影響を低減す
るために煩雑な真空脱ガス処理が必要となるため、X線
管の製造原価が大幅に増加してしまう問題点があり、こ
の製造原価を低減することが解決すべき大きな課題とな
っている。
【0011】具体的には、上記従来のモリブデンターゲ
ットについては、高温度、高真空の使用条件下でのガス
の放出量を低減するために、ターゲットの黒化処理前後
に、1400〜1600℃の高温度および1×10−3
Pa以下の高真空中においてターゲット構成材を例えば
3〜10時間と長時間に亘って真空脱ガス処理を行う工
程が必要となるため、X線管の製造減価を大幅に増大さ
せる原因となっている。
【0012】しかしながら、上記真空脱ガス処理の効果
は不十分であり、この脱ガス処理を長時間実施した場合
においても、X線管の組立段階において突発的にガス放
出に起因する耐電圧不良が多発してしまう問題点があっ
た。
【0013】また、Nbを添加したモリブデンターゲッ
トを例にとると、本来、Nbは酸素や水素などの不純物
ガス成分を吸着し易い性質がある。一方、粉末冶金法で
モリブデンターゲットを製造する際には、ターゲット内
部に炭素や酸素が不可避的に多く残存し易い傾向があ
り、X線管の運転時にCOやCOなどのガスが放出さ
れる割合が高くなり、X線管内の真空度が低下し、ター
ゲット表面において異常放電が頻発し易く、X線撮像に
ノイズを出現せしめ、X線検査精度を大幅に低下させる
という問題点があった。
【0014】しかしながら、上記Nb等の強化用添加材
は、ターゲットの室温強度および高温強度を保持し、ま
た電子ビーム照射面における亀裂伝播によるX線出力の
低下を防止するために必要不可欠の成分であった。その
ため、上記強度特性および出力特性を良好に保ちなが
ら、ガス発生量が少ないターゲットを実現することが技
術上の課題となっていた。
【0015】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、運転時にターゲットから発生するガス
を低減して異常放電を防止し、X線管の管特性を向上し
得るマンモグラフィー用X線管およびそれに用いられる
ターゲットを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るマンモグラフィー用X線管は、電子ビ
ームの照射を受けてX線を放出するターゲットを回転自
在に配置したマンモグラフィー用X線管において、上記
ターゲットがNb,V,W,TiおよびZrの少なくと
も1種を含有するモリブデン合金層と、純モリブデン層
との接合体から成ることを特徴とする。
【0017】さらに、本発明のターゲットは、少なくと
も電子ビーム照射面を構成するNb,V,TiおよびZ
rの少なくとも1種を含有するモリブデン合金層と、純
モリブデン層との接合体からなることを特徴とする。
【0018】また、モリブデン合金層における結晶粒径
が10〜300μmの範囲であることが好ましい。さら
に、純モリブデン層における炭素含有量が50ppm以
下であり、かつ酸素含有量が50ppm以下であること
が好ましい。
【0019】また、純モリブデン層における結晶粒径が
100μm〜5mmの範囲であることが好ましい。さら
に、モリブデン合金層におけるNb,V,W,Tiおよ
びZrの少なくとも1種の元素の含有量が0.05〜5
重量%の範囲であることが好ましい。また、ターゲット
の相対密度が98%以上であることが好ましい。
【0020】本発明に係るX線管のターゲットにおいて
は、電子照射面を構成する部分とX線管の回転子(ロー
タ)とを固定する際に、室温下で高い構造強度を必要と
する部分のみをNb,V,W,Ti,Zrの少なくとも
1種を添加したモリブデン合金で形成する一方、その他
の部分は、ガス放出が少ない純モリブデンで形成するこ
とによって、ターゲット全体の放出ガス量を低減し、異
常放電の影響を解消し高精度のX線撮像を得る効果を得
ている。
【0021】Nb,V,W,Ti,Zrの少なくとも1
種を添加したモリブデン合金層における結晶粒径は10
〜300μmの範囲とされる。上記結晶粒径が10μm
未満と過小な場合には、電子ビーム照射により結晶粒界
が選択的にダメージを受け易くなり、X線管の出力特性
が低下してしまう。一方、結晶粒径が300μmを超え
るように過大になると、純モリブデン層との接合強度が
低下してしまう。そのため、モリブテン合金層の結晶粒
径は10〜300μmの範囲とされるが、20〜250
μmの範囲がより好ましい。
【0022】Nb,V,W,Ti,ZrはいずれもMo
合金層の構造強度を高めるために添加されるものであ
り、上記の少なくとも1種の元素の添加量は0.05〜
5重量%の範囲とされる。この添加量が0.05重量%
未満と過少になる場合には、上記Mo合金層の構造強度
を高める効果が不十分となる。一方、添加量が5重量%
を超えるように過大となる場合には、ターゲットの加工
性が低下したり、X線管を使用した際にターゲットから
のガス放出量が増加する不具合が発生し易い。したがっ
て、Nb,V,W,…等の少なくとも1種の元素の添加
量は、0.05〜5重量%とされるが0.1〜4重量%
の範囲がより好ましい。
【0023】純モリフリデン層に含有される炭素および
酸素は、X線管の使用時にガスとして放出され異常放電
を起こす成分である。そのため、本発明では純モリブデ
ン層における炭素含有量および酸素含有量はそれぞれ5
0ppm以下に設定される。特に炭素または酸素の含有
量が50ppmを超えるように過量となると、ターゲッ
トから発生するCOガスおよびCOガスが急激に増加
してしまう。したがって、ガス放出を低減するために炭
素および酸素の含有量は50ppm以下とされるが、3
0ppm以下とすることがより好ましい。
【0024】さらに、放出ガスをより低減するために、
純モリブデン層の純度は可及的に高いことが望ましい
が、工業的に生産可能な99.95%以上の純度を有す
るように構成することが好ましい。
【0025】また、ターゲットの相対密度は冷却効率に
大きな影響を及ぼすため、本発明においては98%以上
とされる。ターゲットの相対密度が98%未満と過小な
場合にはターゲットの熱伝導率が急激に低下し冷却効率
が低下する。そのため、ターゲットの相対密度は98%
以上とされるが、99%以上であることが、より好まし
い。
【0026】さらに純モリブデン層における結晶粒径は
100μm〜5mmの範囲に調整することが好ましい。
純モリブデンの結晶粒径が100μm未満になると、結
晶粒界に沿って純モリブデン層内部に残存しているガス
成分が放出され易くなる。一方、純モリブデンの結晶粒
径が5mmを超えるように過大となると、再結晶脆化に
より強度が低下し、旋盤等を使用した切削加工工程にお
いて結晶の脱落が起こり易くなる。そのため結晶粒径は
100μm〜5mmの範囲とされるが200μm〜2m
mの範囲が、より好ましい。
【0027】上記のようなターゲットは、例えば以下の
ような工程を経て製造される。すなわち、所定の添加元
素を含有したMo合金粉末と純Mo粉末とを成形型内に
積層充填した後に加圧成形し、得られた成形体を不活性
ガス雰囲気中で焼結してMo合金層と純Mo層とから成
るターゲット焼結体を調製し、さらに得られたターゲッ
ト焼結体を鍛造加工したり、熱間静水プレス(HIP)
処理して相対密度および強度を高め、しかる後に切削加
工により所定の形状に仕上げて製造される。
【0028】また、上記製法と比較して製造コストの増
加は避けられないが、他の製造方法として、予め純モリ
ブデン層のみから成るターゲット本体を上記の方法によ
って製造した後に、化学的蒸着法(CVD法)等を使用
して上記ターゲット本体表面に強化型モリブデンをコー
ティングして純モリブデン層から成るターゲット本体と
モリブデン合金層としての強化型モリブデンとを一体に
接合してターゲットとする方法も採用できる。
【0029】本発明に係るマンモグラフィー用X線管
は、上記のように調製した陽極としてのターゲットをガ
ラスバルブ内に回転自在に配置する一方、電子ビーム放
出源である陰極を上記陽極と対向するように配置して形
成される。
【0030】本発明に係るマンモグラフィー用X線管に
よれば、電子ビームの照射を受けてX線を放出するター
ゲットが、Nb等を含有する高強度のモリブデン合金層
と、ガス放出が少ない純モリブデン層との接合体から構
成されているため、ターゲット全体の構造強度を損うこ
となく、ターゲット全体から放出されるガス量を大幅に
低減することが可能になる。そのため、X線の出力特性
が良好であり、放出ガスに起因する異常放電の発生が効
果的に防止でき、ノイズの少ない高精度のマンモグラフ
ィー用X線撮像が得られ、マンモグラフィーによる診断
精度を大幅に向上させることが可能になる。
【0031】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について以
下の実施例に基づいて具体的に説明する。
【0032】実施例1〜8 平均粒径が3μmである3%Nb−Mo合金粉末と,3
%V−Mo合金粉末と,1%Ti−Mo合金粉末と,純
度が99.99%であり、平均粒径が3μmである純M
o粉末とを用意した、ここで、純Mo粉末については最
終的にターゲッ内に含有される炭素量および酸素量を種
々変更するために、原料粉末であるMoOの還元温度
および還元に使用する水素の露点を変更し、原料粉末の
段階で上記CおよびOの含有量を調整したものを使用し
た。
【0033】次に上記純Mo粉末と、それぞれのMo合
金粉末とを、表1に示す組成の組合せとなるように成形
機の金型に順次層状に充填し、300MPaの成形圧力
で加圧成形して各成形体を形成した。次に、各成形体を
水素雰囲気中で温度2000℃で焼結し、純Mo層とM
o合金層とが一体に接合したターゲット焼結体を得た。
【0034】さらに、各ターゲット焼結体の結晶粒径を
変更して、その影響を確認するために、各ターゲット焼
結体を表1に示す加工率で鍛造加工するとともに、表1
に示す所定の温度でアニール処理を実施し、それぞれ結
晶粒径が異なるターゲット鍛造体を調製した。そして各
ターゲット鍛造体を機械加工して、図1に示すようにM
o合金層1と純Mo合金層2とが一体に接合した実施例
1〜8に係る複合ターゲット3をそれぞれ調製した。
【0035】比較例 一方、実施例1において純Mo粉末を使用せず、3%N
b−Mo合金粉末のみを使用した点以外は実施例1と同
一条件で成形,焼結,鍛造,アニール処理,機械加工し
て、図2に示すように実施例1と同一寸法形状を有し、
Mo合金層のみから成る単体ターゲット4を比較例とし
て調製した。
【0036】上記のように調製した各実施例用および比
較例用の各ターゲットの結晶粒径,C含有量,O含有
量,相対密度を測定するとともに、ガス放出量を下記の
条件で測定した。すなわち、まず、前処理として各ター
ゲットを水素雰囲気中で1400℃に加熱して30分間
保持し、このターゲットを真空装置内に収容した状態で
真空装置内の圧力が室温で1×10−3Paになるまで
排気した。次に、真空装置内のターゲットを1400℃
/hの昇温速度で加熱し、温度1400℃で3時間保持
した際にターゲットから発生した合計ガス量を圧力の変
化から測定し、表1に示す結果を得た。
【0037】次に各実施例用および比較例用のターゲッ
トをガラスバルブ内に陽極として回転自在に配置する一
方、電子ビーム放出源としての陰極を上記陽極と対向す
るように配置して実施例1〜8および比較例に係るX線
管を調製し、出力特性の評価を行った。この出力特性
は、X線を5000回爆射した時の線量の、初期の線量
からの低下率(%)で評価した。以上の測定結果を合せ
て下記表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】上記表1に示す結果から明らかなように、
純Mo合金層とMo合金層との接合体から成る複合ター
ゲットを使用した実施例1,2,3,7,8に係るX線
管によれば、Mo合金のみから成る従来のターゲットを
使用したX線管と比較して、ターゲット全体から放出さ
れるガス量を1/8程度にまで大幅に低減できることが
判明した。また、実施例1,7,8に係るX線管によれ
ば、X線の出力低下率も比較例のX線管と比較して1/
3にまで減少し、出力特性が良好なマンモグラフィー用
X線管が得られている。
【0040】なお、Mo合金層の結晶粒径が8μmと過
小な実施例2のX線管においては、結晶粒界のダメージ
が大きく、X線の出力低下が顕著であった。またMo合
金層の結晶粒径が500μmと過大な実施例3のX線管
においては、構造強度が不足し、評価試験中にターゲッ
トに割れが発生した。また純Mo層の結晶粒径が700
0μmと粗大な実施例4のX線管においては、機械加工
によってターゲットに仕上げる際に純Mo層にクラック
を生じ使用不能となった。さらに純Mo層の結晶粒径が
10μmと過小な実施例5の場合には、純Mo層に残存
しているガスの放出量が増加しX線の出力低下が顕著に
なることが判明した。
【0041】また、純Mo層におけるC含有量およびO
含有量がそれぞれ80ppm,100ppmと高い実
施例6の場合には、ガス放出が顕著になり、X線管の異
常放電が顕著になり、評価試験を中止した。
【0042】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明に係るマンモグ
ラフィー用X線管およびターゲットによれば、電子ビー
ムの照射を受けてX線を放出するターゲットが、Nb等
を含有する高強度のモリブデン合金層と、ガス放出が少
ない純モリブデン層との接合体から構成されているた
め、ターゲット全体の構造強度を損うことなく、ターゲ
ット全体から放出されるガス量を大幅に低減することが
可能になる。そのため、X線の出力特性が良好であり、
放出ガスに起因する異常放電の発生が効果的に防止で
き、ノイズの少ない高精度のマンモグラフィー用X線撮
像が得られ、マンモグラフィーによる診断精度を大幅に
向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマンモグラフィー用X線管に使用
されるターゲットの一実施例を示す断面図。
【図2】従来のX線管に使用されるターゲットの構成例
を示す断面図。
【符号の説明】
1 モリブデン合金層 2 純モリブデン層 3 複合ターゲット 4 単体ターゲット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須藤 利昭 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 4C092 AA01 AB17 AB19 AC01 BD06 BD19 BD20

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームの照射を受けてX線を放出す
    るターゲットを回転自在に配置したマンモグラフィー用
    X線管において、上記ターゲットがNb,V,W,Ti
    およびZrの少なくとも1種を含有するモリブデン合金
    層と、純モリブデン層との接合体から成ることを特徴と
    するマンモグラフィー用X線管。
  2. 【請求項2】 モリブデン合金層は、電子ビーム照射面
    に配置されることを特徴とする請求項1記載のマンモグ
    ラフィー用X線管。
  3. 【請求項3】 モリブデン合金層における結晶粒径が1
    0〜300μmの範囲であることを特徴とする請求項1
    記載のマンモグラフィー用X線管。
  4. 【請求項4】 純モリブデン層における炭素含有量が5
    0ppm以下であり、かつ酸素含有量が50ppm以下
    であることを特徴とする請求項1記載のマンモグラフィ
    ー用X線管。
  5. 【請求項5】 純モリブデン層における結晶粒径が10
    0μm〜5mmの範囲であることを特徴とする請求項1
    記載のマンモグラフィー用X線管。
  6. 【請求項6】 モリブデン合金層におけるNb,V,
    W,TiおよびZrの少なくとも1種の元素の含有量が
    0.05〜5重量%の範囲であることを特徴とする請求
    項1記載のマンモグラフィー用X線管。
  7. 【請求項7】 ターゲットの相対密度が98%以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載のマンモグラフィー用
    X線管。
  8. 【請求項8】 少なくとも電子ビーム照射面を構成する
    Nb,V,TiおよびZrの少なくとも1種を含有する
    モリブデン合金層と、純モリブデン層との接合体からな
    ることを特徴とするマンモグラフィー用X線管に用いら
    れるターゲット。
  9. 【請求項9】 モリブデン合金層における結晶粒径が1
    0〜300μmの範囲であることを特徴とする請求項8
    記載のターゲット。
  10. 【請求項10】 純モリブデン層における炭素含有量が
    50ppm以下であり、かつ酸素含有量が50ppm以
    下であることを特徴とする請求項8記載のターゲット。
  11. 【請求項11】 純モリブデン層における炭素含有量が
    100μm〜5mmの範囲であることを特徴とする請求
    項8記載のターゲット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006524420A (ja) * 2003-04-23 2006-10-26 ハー ツェー シュタルク インコーポレイテッド 均一な粒子構造を有するモリブデン合金x線ターゲット

Cited By (2)

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JP2006524420A (ja) * 2003-04-23 2006-10-26 ハー ツェー シュタルク インコーポレイテッド 均一な粒子構造を有するモリブデン合金x線ターゲット
JP4728225B2 (ja) * 2003-04-23 2011-07-20 ハー ツェー シュタルク インコーポレイテッド 均一な粒子構造を有するモリブデン合金x線ターゲット

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