JP2845459B2 - X線管用陽極およびその製造方法 - Google Patents

X線管用陽極およびその製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明はX線管用陽極およびその製造方法に係り、特
に運転時に陽極において発生する異常放電を低減しX線
管の管特性を向上し得るX線管用陽極およびその製造方
法に関する。
(従来の技術) X線の透過力を利用して被験体内部の状況を把握する
CT装置などの医療機器や非破壊検査用の分析機器にX線
管が使用されている。
このX線管は、ガラスバルブ、メタルまたはセラミッ
ク容器内に対向するように配設された一対の陰極および
陽極を有し、陰極はタングステンフィラメント等で構成
された電子放出源であり、陽極は、タングステンまたは
その合金で形成されている。
そしてタングステンフィラメントを加熱することによ
って電子放出源から放出された電子ビームは、陽陰極間
に印加した高電圧によって加速され、大きな運動エネル
ギーをもって陽極に衝突する。この際、大部分の運動エ
ネルギーは、熱となって失われるが、一部のエネルギー
がX線となって周囲に放出される。
ところで近年、検査技術の高度化の要請に対応して、
より強力なX線を発生させるX線管が開発実用化されて
いる。この高出力用のX線管では電子ビームの衝突によ
って発生する高熱によって陽極が溶解することを防止す
るために、陽極を円板状に形成し、約10000rpm程度の高
速度で回転させて、電子照射焦点面が常に変化するよう
に構成している。
X線管用陽極は前記の通り、一般にタングステンまた
はその合金から構成される。タングステンが使用される
理由は、耐熱強度や耐熱衝撃性が極めて高く、またX線
を安定して発生させるなどの優れた特性を有するからで
ある。
しかしながらタングステンは非常に高密度であるた
め、X線管用陽極として使用し、一層高出力化を図るに
は難点がある。すなわち高出力化を図るためには、高熱
容量化する必要があるが、そのために陽極全体の容積を
増大化し、大容量の陽極とせざるを得ない。しかしなが
ら陽極を支持する構造部品の強度等の制約から陽極の重
量を無制限に増大化させ、陽極を大型化することは不可
能である。
上記問題を解決するために、タングステンと比べその
比重が約半分程度であるモリブデンをタングステン材料
と張り合わせることにより、陽極全体の重量を軽減する
とともに熱容量を増大させた陽極も実用化されている。
このようなX線管用陽極は、一般にタングステン合金
粉末とモリブデン合金粉末とを積層して圧縮成形して得
た複合成形体またはタングステン合金粉末とモリブデン
合金粉末とをそれぞれ所定形状に圧縮成形し、得られた
成形体を積層して形成した複合成形体を、水素還元雰囲
気において温度が約2200℃で約4時間程度焼結して一体
に接合し、しかる後に焼結体を鍛造と機械加工を経て所
定形状に加工して製造されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記従来のX線管用陽極の原料粉末中
には、鉄、ニッケル、マンガン、銅、コバルトなどの低
融点金属や酸素などが少量ではあるが含有されているた
め、X線管が高電圧負荷で使用された場合に、異常放電
を頻繁に引き起こすという問題点があった。
すなわちX線管を装着したCT装置を運転した場合、X
線管用陽極表面は1500℃以上、高出力のものでは局部的
に2700℃程度の高温度に加熱される。そのため陽極に含
有される低融点金属および酸素が熱分解または蒸発し
て、外囲器内の真空度が低下し、陽極表面においてアー
ク放電が頻発する。
このアーク放電に伴って発生する異常電波は、撮影中
の撮像写真にノイズ線を出現させて映像を撹乱し、検査
精度を大幅に低下させる原因となる。特に電子計算機に
より運転制御されるCT装置の場合には、異常電波により
LSI回路が誤作動し、デジタル処理が不可能となるとと
もに装置全体が停止する場合も多く、その復旧に多大な
時間と、煩雑な労力とを要する問題がある。
また上記障害の原因となる低融点金属および酸素は、
従来の製造工程である水素ガス雰囲気における加熱焼結
操作では、わずかに酸素が除去されるのみで低融点金属
はほとんど除去することができなかった。
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもの
であり、運転時に陽極において発生する異常放電を低減
し、X線管の管特性を向上させることができるX線管用
陽極およびその製造方法を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本願発明者等は、以上の観点から異常放電の要因とな
る低融点金属および酸素の総含有量と放電回数との相関
を調査し、さらに低融点金属等を除去するための加熱焼
結時の雰囲気を研究した結果に基づいて本願発明を完成
したものである。
すなわち本発明に係るX線管用陽極は、タングステン
合金で形成された電子照射面層と、モリブデン合金で形
成された支持体との複合体から成り、この複合体はタン
グステン合金粉末とモリブデン合金粉末とを積層して圧
縮成形した複合成形体を成形した後、焼結接合して得ら
れた複合体であり、上記電子照射面層に含有される融点
が2000℃より低い低融点金属および酸素の総含有量を10
0ppm以下に設定したことを特徴とする。
また本発明に係るX線管用陽極の製造方法はタングス
テン合金粉末とモリブデン合金粉末とを積層して圧縮成
形した複合成形体を形成し、上記複合成形体を真空中ま
たは不活性ガス雰囲気において加熱し、タングステン合
金粉末中に含まれる低融点金属および酸素を除去すると
ともに複合成形体を一体に焼結接合することを特徴とす
る。
(作用) 上記構成に係るX縁管用陽極によれば、X線放射性能
および耐熱性に優れたタングステン合金によって電子照
射面積を形成し、また上記電子照射面層を強固に支持す
る支持体として、熱容量が大きくかつ軽量なモリブデン
合金を使用しているため、熱放射性に優れた軽量な陽極
とすることが可能であり、大出力用のX線管用陽極とし
て最適である。
またX線管運転時に、電子照射面層が達する最高温度
2000℃以下の温度において融解し蒸発するFe、Niなどの
低融点金属および酸素の総含有量が100ppm以下に設定さ
れているため、異常放電が起る頻度が極めて少なくな
り、ノイズが少なく常に安定した状態でX線検査装置等
を運転することが可能となる。
一方低融点金属および酸素の総含有量が100ppmを越え
ると異常放電回数が急激に増大し、安定した運転が不可
能となり、検査精度も大幅に低下することが実証され
た。
また本発明方法によれば、タングステン合金粉末とモ
リブデン合金粉末とを積層して圧縮成形した複合成形体
とを積層して形成した複合成形体を真空中または不活性
ガス雰囲気において焼結している。その際、電子照射面
層を構成するタングステン合金粉末等の材料中に含有さ
れていた低融点金属および酸素は、加熱によって成形体
外部に放出される。
そのため運転時に高温度に加熱された電子照射面層か
らの低融点金属の蒸発が少なく、外囲気内の真空度が低
下することが防止され、異常放電回数が大幅に低減す
る。従ってX線管は、常に安定した管特性を発揮し、高
い精度でCT検査や非破壊検査を実施することができる。
さらに、陽極を構成する電子照射面層(タングステン
合金材)と支持体(モリブデン合金材)を焼結する前に
一体化して複合成形体とし、しかる後に焼結しているた
め、両部材の接合強度は、焼結体同志を接合する従来法
と比較して大幅に高めることができ、耐久性に優れたX
線管用陽極が得られる。
(実施例) 次に本発明の実施例についてより具体的に説明する。
10重量%のレニウムを含有し、平均粒径3μmのタン
グステン合金粉末と、平均粒径4μmのモリブデン合金
粉末を積層し、5t/cm2の加圧力で圧縮成形して第1図に
示すような直径125mmの笠形の試験体としての複合成形
体3を複数(実施例1〜3)調製した。タングステン合
金粉末の圧縮成形体1が電子照射面層4を形成する。10
重量%のレニウムを含むタングステン合金原料粉末に含
まれる低融点金属(Fe,Ni,Mn,Cu,Co)および酸素の総含
有量は220ppmであった。
次に調製した試験体を第1表に示すように、真空また
はアルゴンガス雰囲気において1400〜2200℃の温度範囲
で4〜6時間加熱した後に、電子照射面層4に残留する
低融点金属および酸素の総残留量を測定した。さらに得
られた各試験体を1500℃に加熱して鍛造加工、および機
械加工を施し、所定寸法のX線管用陽極を製造した。次
に得られた各陽極を耐電圧試験に供し、延べ20000回に
およぶ高電圧印加試験において発生した異常放電回数を
測定した。試験条件は印加電圧は150KV、陰極加熱用電
流は250mA、電圧印加周期および時間は30秒間毎に0.1秒
間とした。
また比較例4〜7として、第1表に示すように従来方
法である水素気流中において、1800〜2200℃の温度範囲
において、4〜10時間加熱焼結した場合に、電子照射面
層4に残留する低融点金属(Fe,Ni,Mn,Cu,Co)および酸
素の総量を測定した。さらに実施例1〜3と同様の条件
で耐電圧試験を実施し異常放電回数を測定した。
実施例1〜3および比較例4〜7における測定試験結
果を下記第1表に示す。
第1表の結果より、実施例1〜3に示すように真空ま
たはアルゴンガス雰囲気における加熱操作によって、材
料中に含まれるFe,Ni,Mn,Cu,Coなどの低融点金属および
酸素が加熱雰囲気中に排出除去され、その総残留量は10
0ppm以下に低減される。その結果異常放電回数も著しく
低減される。特に真空中で1400℃まで加熱して2時間保
持し、さらにアルゴンガス雰囲気において2200℃で6時
間加熱焼結したものは、低融点金属などの総残留量が60
ppmとなり、異常放電回数もゼロとなり、X線用管の管
特性を著しく向上させることがわかる。
一方、比較例4〜7で例示するように従来方法と同様
に水素ガス雰囲気において加熱焼結処理を実施したもの
は、材料中の低融点金属の除去割合が少なく総残留量が
130〜200ppmにとどまった。そのため、異常放電回数も
8〜15回の多く、安定したX線管の管特性を得ることが
できない。
X線管の管特性を高めるためには、電子照射面層を形
成するタングステン合金材料に含有される低融点金属お
よび酸素の総含有量は可及的に小さいことが望ましい。
そのためには真空またはアルゴンガス雰囲気内において
長時間にわたる加熱操作が必要となるが、製造効率上好
ましくない。また高真空中でモリブデン材料を高温度で
長時間加熱するとモリブデン自体も蒸発して減耗する傾
向もある。一方、耐電圧試験において、1万回当りの高
電圧印加に対して1回以下の異常放電であれば検査装置
の実用上の信頼性を損うおそれも少ない。従って電子照
射面層に含有される低融点金属および酸素の総含有量は
100ppm以下に設定することが必要である。
なおタングステン合金中に含有されるレニウムは、タ
ングステン合金成形体へのモリブデンの拡散結合を強化
するために有効な元素であり、タングステン合金とモリ
ブデン合金との圧縮成形体相互の接合強度を均一かつ高
度に保持する。レニウムの含有量は5〜15%の範囲内で
その効果が大きい。
〔発明の効果〕
以上説明の通り、本発明に係るX線管用陽極およびそ
の製造方法によれば、高出力のX線管が運転時に達する
最高温度2000℃以下の温度において蒸発する低融点金属
および酸素の含有量が低減されているため、運転時にお
ける異常放電回数が極めて少ない。そのためX線管を使
用するCT装置などの医療機器や非破壊検査用の分析機器
の信頼性および測定精度を大幅に向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るX線管用陽極の一実施例を示す断
面図である。 1……圧縮成形体、2……圧縮成形体、3……複合成形
体、4……電子照射面層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 9/14,35/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タングステン合金で形成された電子照射面
    層と、モリブデン合金で形成された支持体との複合体か
    ら成り、この複合体はタングステン合金粉末とモリブデ
    ン合金粉末とを積層して圧縮成形した複合成形体を成形
    した後、焼結接合して得られた複合体であり、上記電子
    照射面層に含有される融点が2000℃より低い低融点金属
    および酸素の総含有量を100ppm以下に設定したことを特
    徴とするX線管用陽極。
  2. 【請求項2】タングステン合金粉末とモリブデン合金粉
    末とを積層して圧縮成形した複合成形体を成形し、しか
    る後に上記複合成形体を真空中または不活性ガス雰囲気
    において加熱し、タングステン合金粉末中に含まれる低
    融点金属および酸素を除去するとともに複合成形体を一
    体に焼結接合することを特徴とするX線管用陽極の製造
    方法。
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