JPH0210659B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、並列運転電源装置に関し、特に各電
源ユニツトの電圧制御回路へ基準電圧を供給する
回路に生ずる電気的変動要因に起因して生ずる各
電源ユニツトの負荷分担の不安定性を除去するよ
うにした並列運転電源装置に関するものである。

〔従来の技術〕

負荷に電力を供給する場合に、２以上の電源ユ
ニツトを並列運転してその供給を首尾よく行わな
ければならな場合がある。

このような場合において、各電源ユニツトの負
荷分担をバランス良く、しかも安定して行う必要
がある。その要求を満たすために、精巧な制御回
路を電源ユニツトに設けて行う技法も１つの対応
手段としてある反面、比較的に簡易な制御回路で
上述要求に応えられないだろうかという要求もま
た存在する。

従来において各電源ユニツトの負荷分担特性を
良好な状態に維持するために、その制御回路にオ
ペアンプを用いて行う技法があるが、これによれ
ば、上述要求を成功裡に満たし得る反面、その回
路構成の複雑化、コストアツプを余儀なくされて
しまうのも否めない事実である。

このような不具合から免れんとして、第１図の
ような簡略化した回路が考えられる。補助電源か
らの供給電流によつて発生させたツエナーダイオ
ードZD１１，ZD２１のツエナー電圧に基づい
て、電源ユニツトの電圧制御回路内のトランジス
タTR１１，TR２１を動作させるものであり、
更に電源ユニツトの出力電圧による制御ループが
抵抗Ｒ１３，Ｒ２３等によつて形成されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところで、上述した従来方式にあつては、ツエ
ナーダイオードZD１１，ZD２１の温度特性や補
助電源の変動によるシエナー電圧の変動に伴つて
電源ユニツト間の負荷バランスが変わつて片側の
電源ユニツトが負荷の大部分を負荷するに至り、
それを過負荷にしてしまうという不具合が生ずる
ことになる。従つて、第１図の回路は負荷分担性
能の安定性に欠けるという問題点があつた。

本発明は、このような点にかんがみて創作され
たものであり、安定した負荷分担特性で負荷に電
力を供給し得る並列運転電源装置を提供すること
を目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上述した課題を解決するために、本発明の並列
運転電源装置は、所定のツエナー電圧を発生し、
アノードが給電線の一方に接続されたシエナーダ
イオードと、このツエナーダイオードに並列接続
された可変抵抗器と、一方端がこの可変抵抗器の
摺動端子に接続され、他方端が給電線の他方に接
続された抵抗素子とを有する基準電圧発生回路
と、基準電圧発生回路内の抵抗素子の一方端の電
位に応じて、給電線間の出力電圧の制御動作を行
う電圧制御回路とを備える電源ユニツトを給電線
を介して負荷に並列に接続すると共に、基準電圧
発生回路内のツエナーダイオードのカーソド間を
接続するように構成されている。

〔作用〕

基準電圧発生回路においては、ツエナーダイオ
ードのツエナー電圧によつて流れる可変抵抗器の
固定端子間の電流と、抵抗素子及び可変抵抗器の
摺動端子を介して流れる給電線間の電流とに応じ
て決定された電圧が電圧制御回路に供給され、電
圧制御回路ではこの供給電圧に応じた出力電圧の
制御を行う。出力電圧は基準電圧発生回路内の抵
抗素子を介して電圧制御回路に伝えられ、出力電
圧を一定に保つ制御が行われている。

このような各電源ユニツトが給電線を介して負
荷に並列接続されており、更に基準電圧発生回路
内のツエナーダイオードのカソード間が接続され
ている。

本発明にあつては、抵抗素子及び可変抵抗器に
よつて形成された制御ループ外にあるツエナーダ
イオードのカソード間を接続することで、制御ル
ープの伝達特性や制御比率を考慮することなく、
電源ユニツト間の負荷バランスを容易に安定させ
ることができる。

〔実施例〕

以下、図面に基づいて本発明の実施例について
詳細に説明する。

第２図は、本発明の一実施例の構成を示す。

図において、１，２は電源ユニツトを、３，４
はその電圧制御回路をそれぞれ示している。

電圧制御回路３は、負荷５への給電線６，７に
直列に接続された抵抗Ｒ１１、トランジスタTR
１１、ホトカツプラPI１１、抵抗Ｒ１２から成
る。同様に、電圧制御回路４は、負荷５への給電
線６，７に直列に接続された抵抗Ｒ２１、トラン
ジスタTR２１、ホトカツプラPI２１、抵抗Ｒ２
４から成る。

また、８，９は基準電圧発生回路であり、これ
らはそれぞれ、補助電源線１０，１１と給電線７
との間に並列に接続されたツエナーダイオード
ZD１１，ZD２１と、これと並列に接続された可
変抵抗RV１１，RV２１、抵抗Ｒ１４，Ｒ２２
との接続点１２，１３を接続線１４で接続し、そ
の可変抵抗RV１１，RV２１の摺動端子を各別
に上述トランジスタTR１１，TR２１のベース
および抵抗Ｒ１３及びＲ２３を介して給電線６へ
接続して構成する。

このように、基準電圧発生回路８，９の接続点
１２，１３間を接続することにより、ツエナーダ
イオードZD１１，ZD２１の温度特性に変化があ
つても、また補助電動の変動によるツエナー電圧
の変動があつても、それらの変動はトランジスタ
TR１１，TR２１のベートに供給される基準電
圧の略同等の変動となつて現れるから、電圧制御
回路３，４の出力、即ちホトカツプPI１１，PI
２１の出力によつて制御されるスイツチング電源
（電源ユニツト１，２がそのように構成されてい
る場合）のパルス幅制御回路の制御度合は負荷分
担を安定した状態に維持せしめ得る如きものとな
る。

特に、抵抗Ｒ１３，Ｒ２３、可変抵抗RV１
１，RV２１、抵抗Ｒ１４，Ｒ２２によつて形成
される制御ループの伝達特性や制御比率を合わせ
ることが安定性上重要であるが、接続点１２，１
３の接続は上述した制御ループ外の接続となるた
め、安定性に影響を与えることはなく、設計及び
調整を簡素化することができる。

また、上述のような構成を採つた場合の基準電
圧の変動要因はトランジスタTR１１，TR２１
のVB_BEとなるが、同一特性のトランジスタを用
いることにより、その影響も除き得る。

なお、上述の基準電圧発生回路、電圧制御回路
が回路構成の簡易性からして好ましいものである
が、これのみに限られるものではない。

〔発明の効果〕

上述したように、本発明によれば、回路の簡易
性という利点の享受に寄与しつつ、並列運転され
る電源ユニツトの負荷分担特性を安定化し得ると
いう効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は電源ユニツトの制御回路として考えら
れる一例を示す図、第２図は本発明の一実施例を
示す図である。 図において、１，２は電源ユニツト、３，４は
電圧制御回路、８，９は基準電圧発生回路、１４
は接続線である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 所定のツエナー電圧を発生し、アノードが給
   電線の一方に接続されたツエナーダイオードと、
   このツエナーダイオードに並列接続された可変抵
   抗器と、一方端がこの可変抵抗器の摺動端子に接
   続され、他方端が給電線の他方に接続された抵抗
   素子とを有する基準電圧発生回路と、 前記基準電圧発生回路内の抵抗素子の一方端の
   電位に応じて、前記給電線間の出力電圧の制御動
   作を行う電圧制御回路と、 を備える電源ユニツトを前記給電線を介して負荷
   に並列に接続すると共に、前記基準電圧発生回路
   内のツエナーダイオードのカソード間を接続する
   ことを特徴とする並列運転電源装置。