JPH0210609Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカセツトテープレコーダにおいて、カ
セツトの着脱あるいは早送り巻戻し操作とともに
進退する磁気ヘツド取付板を利用したカセツトの
着脱機構に関する。

従来より、カセツトをその開口部側より挿入
し、挿入終了と共に上昇待機位置から下方録再位
置へ自動的に降下して録再状態となし、その後エ
ジエクトレバーによる排出操作によつて録再中止
の後カセツトが上昇して排出されるカセツトの着
脱機構においては、エジエクトレバーによる排出
操作は磁気ヘツドを取付け、ピンチローラの進退
に連係するヘツド取付板の後退と、カム機構によ
つてカセツトホルダを上昇せしめる機構とを並列
に、前記エジエクトレバーによつて行うのが一般
的であつた。このため、運動伝達系列が直線的で
なく左右に枝葉的に分岐することになり、操作が
重かつたり、機械的構成のためにスペースを大き
く必要とするものであつた。

本考案はこの点を改善したもので、構成が簡潔
で、しかも操作力の軽いものである。

図面は本考案の実施例で、全体はほぼ左右対称
であつて、基板１の後方寄り左右の立ち上り側壁
２，２には、カセツト３を収容するカセツトホル
ダ４の左右側壁を４ａ，４ａで軸支するカセツト
ホルダ支持板５がその両側アーム５ａ，５ａを軸
６，６によつて軸支されている。一方、基板１の
基部側壁にはほぼコの字型をなす回動アーム７が
その両端７ａ，７ａを軸８，８で軸支され、その
両サイドにピン９，９が前記カセツトホルダ支持
板５の両側アーム５ａ，５ａに設けたカム部１０
に当接するごとく設けられている。

更に、基板１の上面にはそのほゞ全面にわたり
ヘツド板１１が枠状をなして摺動自在に載置さ
れ、下方へ向けて突出するピン１２，１３と基板
１の図示省略の長孔をガイドとして進退自在であ
るが、後述のピンチローラばね２１により前方矢
印Ａ方向、即ちカセツト挿入口側へ付勢され、後
方上面には磁気ヘツド２４を載置し、かつ、後方
寄り側面にはローラ１４，１４を左右外向きに設
け、該ローラ１４，１４は前記カセツトホルダ支
持板５の両サイド５ａ，５ａの型ガイド孔１
５，１５に係合している。この型ガイド孔１
５，１５は垂直ガイド孔１５ａと水平ガイド孔１
５ｂとで形成されている。下面側には前記ヘツド
板１１のピン１２に係合する長孔１６を設けたエ
ジエクトレバー１７が矢印Ａ，Ｂ方向へ摺動自在
で、かつ、ばね１８により矢印Ａ方向へ常時付勢
されている。ヘツド板１１の後方にはピンチロー
ラ１９がそのアーム２０により軸支され、該アー
ム２０はばね２１により矢印Ｃ方向へ付勢されつ
つ軸２３により基板１上に支持されており、回動
端寄りにピン２２を下方に突出させ、このピン２
２を介してヘツド板１１の後方縁辺を押圧してヘ
ツド板１１を矢印Ａ方向へ付勢している。

トーシヨンばね２５は回動アーム７を反時計方
向へ、ばね２６はカセツトホルダ支持板５を同じ
く反時計方向への付勢ばねである。又、基板１の
後方寄りの前述の軸６，６にはＬ字状のヘツド板
押圧プレート２７，２７が左右両側それぞれに軸
支され、一端にばね２８を設けることにより全体
を反時計方向に付勢し、他端は傾斜辺２９として
ローラ１４に係合当接している。以上のばねはす
べて左右両側面に対称的に設けられている。

カセツト３挿入前の状態を第１図に示す。カセ
ツトホルダ支持板５は回動アーム７のピン９とカ
ム部１０の円弧部１０ａの末端とが係止状態にあ
るので、ここでばね２６による回動を係止され、
カセツトホルダ４は上昇待機位置を保つ。ヘツド
板１１はそのローラ１４が型ガイド孔１５の垂
直ガイド１５ａにあるので矢印Ａ方向への付勢前
進を係止され、後退状態に保持される。ヘツド板
押圧プレート２７は後退しているローラ１４を押
圧するごとくその下辺２７ａを当接させている。

カセツト３をカセツトホルダ４に対して挿入す
るとその先端は回動アーム７を押圧してこれをば
ね２５の作用力に抗するごとくに回動させる。ピ
ン９はカセツトホルダ支持板５のカム部１０の円
弧部１０ａに沿つて移動し、やがて段差部１０ｂ
に至るとカセツトホルダ支持板５はばね２６によ
る反時計方向の回動を許容されて回動し、カセツ
トホルダ４をカセツト３と共に下降させる。同時
に型ガイド孔１５の水平ガイド孔１５ｂにガイ
ドされてヘツド板１１のローラ１４が前進を許容
されてピンチローラばね２１の作用力により前進
し、ヘツド、ピンチローラを前進させ、ピンチロ
ーラ１９と図示を省略したキヤプスタンとを圧接
させるところで一旦係止されるが、ヘツド２４は
更に前進させる必要があり、そのためヘツド板押
圧プレート２７の傾斜辺２９によつてローラ１４
が矢印Ａ方向に前進せしめられる。傾斜辺２９は
併せてヘツド板１１を基板１側へも押圧して、ヘ
ツド２４の位置を安定させる作用をも有する。
尚、ヘツド板１１の矢印Ａ方向への前進はその下
方突出ピン１２をも当然移動前進せしめるが、こ
のピンに係合するエジエクトレバー１７はその係
合孔１６が長孔に形成されているので、影響を受
けることなく、原位置を保つ。以上の下降録再状
態は回動アーム７のピン９がカセツトホルダ支持
板５のカム部１０の段差部１０ｂに係止されるこ
とにより保持される。この状態を第２図に示す。

録音、再生状態を停止し、カセツトを排出する
さいはエジエクトレバー１７を矢印Ｂ方向に押圧
する。長孔１６の端部がヘツド板１１のピン１２
を押圧し、これを矢印Ｂ方向へと移動せしめ、ヘ
ツド２４、ピンチローラ１９を後退させる。ロー
ラ１４も後退し、まずヘツド板押圧プレート２７
を時計方向へ回動させ、次に型ガイド溝１５の
垂直ガイド孔１５ａに至り、その傾斜端辺を押圧
するので、カセツトホルダ支持板５は時計方向に
回動してカセツトホルダ４をカセツト３と共に上
昇させ、やがて回動アーム７のピン９がカム部１
０の段差部１０ｂから解脱すると回動アーム７は
ばね２５の作用力により反時計方向に回動復帰
し、このときカセツト３の先端を押圧してこれを
排出する。ピン９は再びカム１０の円弧部１０ａ
の末端にて係止され、第１図の待機位置にすべて
が復帰する。

上述の説明にはテープ走行に必要なリール軸の
駆動機構は省略したが、ヘツド板１１の前進後退
と連動して、上記機構が適切なタイミングをもつ
て、構成されているものである。

以上のように本考案によれば、磁気ヘツドを載
置し、カセツト挿入方向に対し進退可能であり、
かつ、前記方向にばねにより付勢されるヘツド板
と、前記ヘツド板を押圧するエジエクトレバー
と、カセツトを収容するカセツトホルダを昇降せ
しめるごとく回動動作するカセツトホルダ支持板
とを備え、前記ヘツド板の側方に設けたローラを
前記カセツトホルダ支持板の側面アームに設けた
型ガイド孔に係合せしめたので、従来のように
エジエクトレバーがヘツド板の進退及びカセツト
の昇降の双方を分岐的に並列に司るものと異り、
本考案ではエジエクトレバーは単にカセツト排出
時ヘツド板を押圧するのみで、ヘツド板の後退が
直接カセツトを上昇せしめるもので、運動伝達の
径路が直列的であり、しかもほぼ同一直線上に系
列的に配置したのでエジエクトレバー押圧時の操
作力が左右方向への分力が生ぜず軽い操作力です
むものである。又、エジエクトレバーの押圧力は
ヘツド板にしか伝達されないので、エジエクト時
第一にヘツド、ピンチローラが後退することにな
り、カセツト上昇に当つての衝突等の誤動作が生
じることが全くない。更に、ヘツド板の前進方向
への付勢力はピンチローラばねを利用するように
構成したので部品の構成が簡潔となり、動作も確
実である。このような効果を有する本考案はカセ
ツトカーステレオ等小型のテープレコーダに利用
して実用的価値の大なるものである。

【図面の簡単な説明】

図面はいずれも本考案の実施例で、第１図はカ
セツト挿入前の側面図、第２図はカセツト挿入後
の側面図、第３図は分解斜視図であつて、図中、 ３……カセツト、４……カセツトホルダ、５…
…カセツトホルダ支持板、５ａ……カセツトホル
ダ支持板の側面アーム、１１……ヘツド板、１４
…（ヘツド板側方の）ローラ、１５……型ガイ
ド孔、１７……エジエクトレバー、１９……ピン
チローラ、２１……ピンチローラばね、である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 磁気ヘツドを載置し、カセツト挿入方向に対
   し進退可能であり、且つ、前記方向にばねによ
   り付勢されるヘツド板と、前記ヘツド板を押圧
   するエジエクトレバーと、カセツトを収容する
   カセツトホルダを昇降せしめるごとくに回動動
   作するカセツトホルダ支持板とを備え、前記ヘ
   ツド板側方に設けたローラを前記カセツトホル
   ダ支持板の側面アームに設けた垂直ガイド孔と
   水平ガイド孔とよりなる型ガイド孔に係合せ
   しめたことを特徴とするテープレコーダのカセ
   ツト脱着機構。 ２ ヘツド板を付勢するばねはピンチローラばね
   であることを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項記載のテープレコーダのカセツト脱着
   機構。