JPH021014B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は微収縮性、熱可塑性包装用フイルムに
関するものであり、且つ特に、本発明は多層、ポ
リオレフイン収縮フイルムに関するものである。 ポリオレフイン及びポリ塩化ビニルは、包装用
フイルムとして商業的に入手することができる大
部分の収縮フイルムの製造原料となるプラスチツ
ク樹脂の主要な２部類であるとみなすことができ
る。収縮フイルムの製造原料となるその他の樹脂
の部類は、アイオノマー、ポリエステル、ポリス
チレン及びポリ塩化ビニリデンを包含する。今日
市場にある収縮性のポリオレフインは、架橋及び
非架橋の配向したポリエチレン、配向したポリプ
ロピレン及び配向したエチレン−プロピレン共重
合体を包含する主として単層のフイルムである。
ポリ塩化ビニル（以下“PVC”と記す）収縮フ
イルムは、種々の配合のポリ塩化ビニルから成る
単層フイルムである。 収縮フイルムの顕著な特性は、ある程度の熱に
暴したときに収縮する能力、または、拘束してあ
る場合には、フイルム内に収縮張力を生ずる能力
である。この能力は、包装した製品を熱空気また
は熱水収縮トンネル中を通過させるときに発見す
る。この工程はフイルムを製品の周りに収縮させ
て、製品の輪郭に順応し且つ見ばのよいぴつたり
した透明な包装を与えると共に、内容物の損失、
抜取りまたは取扱いや輸送による損傷からの製品
の保護というような包装材料に必要な有用な機能
を提供する。PVCまたはポリオレフイン収縮フ
イルム中に包装される典型的な商品は、ゲームお
もちや、スポーツ用品、文房具、賀状、金物、家
庭用品、事務用品及び用紙類、食品、蓄音機レコ
ード、及び工業部品である。 収縮フイルムの製造は、ラツキング能力を有す
る押出しライン、架橋を希望する場合には照射装
置、幅出機、中心折りたたみ機及び裁断機を包含
する複雑な装置を必要とする。“ラツキング”ま
たは“幅出し”は、材料にクロスすなわち横方向
及び縦すなわち加工方向において延伸を生じさせ
る配向工程である。フイルムを重合体の相違によ
つて異なるが通常は室温よりも高く重合体の融点
よりも低い配向温度範囲に加熱する。延伸後にフ
イルムを迅速に冷却させて、フイルムの分子をそ
の配向状態で凍結させる。加熱すると、配向応力
が緩和して、フイルムはその始め未配向の寸法ま
での収縮を開始する。 PVCとポリオレフインの収縮フイルムの部類
は、たとえば収縮力（フイルムが収縮の間にその
単位断面積当りに表わす力の量）、自由収縮の程
度（拘束してない場合に材料が受ける表面積の低
下）、引張強さ（フイルムが裂け始める前にその
単位面積当りに加えることができる最大の力）、
密封性、収縮温度曲線（収縮と温度の関係）、引
裂き開始及び引裂抵抗（フイルムが引裂きを開始
し且つ引裂きを続ける力）、光学的性質（材料の
光沢、くもり及び透明度）、及び寸法安定性（あ
らゆる種類の貯蔵条件下にフイルムがその始めの
寸法を保持する能力）のような、広い範囲の物理
的及び性能的特性を提供する。フイルム特性は、
特定のフイルムの選択において重要な役割を果し
且つそれぞれの包装用途の種類によつて、あるい
は包装機械によつて異なる。製品の大きさ、重
量、形状、剛さ、製品の成分の数、そのフイルム
と共に用いる他の包装材料、及び使用する包装装
置の方式についての考慮も必要である。 ポリオレフインは、中乃至高収縮張力が好まし
い場合の使用において、且つ収縮及びシーリング
温度範囲を比較的厳密に制御できる新式の自動高
速収縮包装装置に対して、もつとも有用である。
ポリオレフインはPVCよりも清浄であつて、付
着物や残留物を残すことが少なく、それによつて
装置の寿命を長くし且つ装置の保守を容易にする
傾向がある。PVCフイルムは一般に比較的光学
的性質にすぐれ、収縮張力が低く、且つポリオレ
フインよりも遥かに広い温度範囲にわたつてシー
ルし且つポリオレフインよりも遥かに広い温度範
囲にわたつてシールし且つ収縮させることが可能
である。ポリオレフインは通常は、シーリングに
おいて気体を放出することがなく、この点に関し
てもまた、PVCフイルムよりも清浄である。 従来は、包装すべき製品がPVCフイルムにお
ける収縮張力の４倍に至るまでの高い収縮張力を
有するポリオレフインフイルムを使用するにはも
ろすぎるために、PVCの比較的低い収縮張力が
必要である場合には、ポリオレフインはPVCフ
イルム包装の分野に侵入することはできなかつ
た。温度の変動が大きい、旧式の手動操作密封機
及び半自動式包装機に対してもまた、選択される
収縮フイルムはPVCフイルムである。旧式の、
保守が良くない如何なる種類の包装装置も、一般
にPVCフイルムのより広い収縮及びシーリング
温度の結び付きの故に、通常は現在の単層モノオ
レフインよりもPVCを使用するほうが具合が良
い。その上、鋭どいまたはとがつた延長部を有す
る製品もまた、ポリオレフインよちも高いPVC
フイルムの初期引裂抵抗のために（典型的な単層
ポリオレフイン収縮フイルムにおいては引裂きの
生長に対して２〜3.5gの力を必要とするにすぎな
いのに対して、PVCにおいては引裂きの生長に
対して約7gの力を必要とする）、包装フイルムと
してPVCを必要とすることが多い。 かくして、本発明の全般的な目的は、PVCの
多くの望ましい性質を有し、しかもPVCの限界
の多くを克服する、収縮ポリオレフインフイルム
を提供することにある。 特定的には、本発明の一目的は、PVCフイル
ムの値にほぼ等しい収縮張力を有すると共に、良
好な光学的性質、広い収縮温度範囲、密封性、及
び引裂生長に対する抵抗性を有するポリオレフイ
ンフイルムを提供することにある。 加うるに、毒性の臭気や腐食性の副生物という
ようなPVCフイルムの望ましくない性質を全く
有していないポリオレフインフイルムを提供する
ことが本発明の一目的である。 さらにまた、本発明の一目的は配向したプロピ
レン単独重合体または共重合体のきわめて薄い層
を有する多層フイルムを提供することにある。 これら及びその他の目的は、以下に開示する多
層ポリオレフイン収縮フイルムによつて達成する
ことができる。 驚くべきことに、従来単層ポリオレフインフイ
ルムにおいて取得し得なかつた、収縮張力、光学
的透明性、切断性、密封性、収縮温度範囲、及び
引裂抵抗の独特の組み合わせを有する軟質熱可塑
性包装フイルムは、本発明の多層、軟質、熱可塑
性包装フイルムによつて達成しうることが見出さ
れた。この多層フイルムは、エチレン−プロピレ
ン共重合体とブレンドしたエチレン−酢酸ビニル
共重合体から成る“中心”層と”表面”すなわち
“皮膚”層から成つており、各表面層はプロピレ
ンの共重合体から成つている。この多層フイルム
は、少なくとも１方向において熱収縮しうるよう
に配向させるが、好適な延伸比範囲は４：１（横
方向）×４：１（縦方向）乃至７：１（横方向）×
７：１（縦方向）である。 中心層中のエチレン−酢酸ビニル共重合体の酢
酸ビニル含量は重量で４〜18％であることが好ま
しく且つエチレン−酢酸ビニル共重合体はブレン
ド物の重量で約50〜95％を占めている。中心層の
厚さは、0.5〜1.5ミルの範囲の全体的な厚さを有
する多層フイルムの厚さの80〜30％である。 中心層ブレンド物の残りの部分と表面層に対し
て好適な材料は、重量で１〜６％のエチレン含量
を有するエチレン−プロピレン共重合体である。 特別な指示及び定義または限定がない限りは、
本明細書中で用いる“重合体”という術語は一般
に、単独重合体、共重合体、三元重合体、ブロツ
ク重合体、グラフト重合体、ランダム及び交互重
合体を包含する。 本明細書中で使用する“メルトフロー”または
“メルトフローインデツクス”という術語は、
ASTM Ｄ 1238に記すように、規定した圧力及
び温度下に所定のオリフイスから10分以内に押出
すことができる熱可塑性樹脂のグラム単位での量
である。 本明細書中で用いる“配向した”または“配
向”という術語は、主として特定の方向における
重合体分子の配列を意味する。“配向”という術
語は、本明細書中では“熱収縮性”と互換的に使
用し且つ延伸が行なわれたのちその延伸した寸法
で固定してあり且つ融点範囲よりも低い特定の温
度に加熱したときに最初の寸法にもどる傾向を有
する材料を意味する。 本明細書中で使用する“中心層”という術語
は、両側を別の補助層によつて囲まれている多層
フイルム中の層を意味する。中心層は“熱膨張”
または“配向”の何れが行なわれているものでも
よい。 本明細書中で使用する“熱膨張”という術語
は、延伸が最低の応力及び分子配向しか誘発しな
いように、当該材料をその融点範囲で、またはそ
れよりも高い温度で、延伸することを意味する。
このような処理を受けた材料は、きわめて低い収
縮張力を有していることからわかるように、“熱
収縮性”とはみなされない。 “皮膚”すなわち“表面”層は、配向してあつ
てフイルムの収縮性に貢献する外層である。 以下に、密接に関連する特許を挙げて、簡単に
説明する： (1) フレデリツク エス タイレルによる1968年
５月７日公告の米国特許第3381717号が開示す
る膨張させたポリプロピレン管状フイルムにお
いては、中心層はエチレン−酢酸ビニル共重合
体から成り且つ外層はプロピレンとブチレンの
ブロツク共重合体から成つている。同じくフレ
デリツク エス タイレルによる1971年７月27
日公告の米国特許第3595735号は同様な多層構
造フイルムを開示しているが、但し外層は線状
ポリエチレンから成つている。 (2) ハロルド ローマンらによる1971年11月16日
公告の米国特許第3620825号はイソタクチツク
及び非イソタクチツク ポリプロピレンまたは
プロピレン−エチレン共重合体のブレンドで少
なくとも１表面を被覆したイソタクチツク ポ
リプロピレンの二軸配向フイルムを開示してい
る。 (3) ジエー・ビー ガリーニよる1974年６月18日
公告の米国特許第3817821号は、３層の積層し
た、密封可能な包装フイルムを示しており、そ
の中の第一の層はエチレン−酢酸ビニル共重合
体と別のエチレン−酢酸ビニル共重合体または
ポリブテン−１のブレンドであり；次の層すな
わち中心層は高密度ポリエチレンから成り、第
三の層は高密度ポリエチレンとエチレン−酢酸
ビニル共重合体のブレンドから成りつている。 (4) ウイリアム ジー ベアード世による1974
年６月28日公告の米国特許第3821182号は、サ
ランを中心層としポリエチレンを外層とする３
層材料をダイから押出す方法を開示している。
この３層材料は照射し、２軸配向したのち、外
側のポリエチレン層をはがし去ることによつて
平滑な表面を有するサランフイルムを与えるこ
とができる。 (5) モダーン パツケージ エンサイクロペジ
ア、1977年12月の37頁と39頁における“特殊フ
イルムの性質”及び“収縮及び延伸フイルムの
性質”と題する表中において、共押出ししたエ
チレン−酢酸ビニル／ポリプロピレン積層物及
び共押出ししたポリエチレン／ポリプロピレ
ン／低密度ポリエチレン／ポリプロピレン／低
密度ポリエチレン積層物が、延伸してあるけれ
ども熱収縮性を有していないものとして、示さ
れている。たとえばポリエチレン、ポリプロピ
レン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体のよう
な単層ポリオレフインの収縮特性がポリ塩化ビ
ニルの性質と共に示されている。 (6) 雑誌モダーン プラスチツクスの1981年２月
号の38頁には、エチレン−プロピレン共重合体
層と共押出ししたポリスチレンとエチレン−プ
ロピレン共重合体ブレンド物の層を有する収縮
フイルムが記されている。 (7) ウオルター ビー ミユーラーによる1980年
３月18日公告の米国特許第4194039号は、皮膚
層がエチレン−プロピレン共重合体から成り、
中心層がエチレン−酢酸ビニル共重合体のみま
たはそれとエチレン−ブチレン共重合体のブレ
ンド物から成つているフイルム構造物を開示し
ている。 本発明の好適実施形態は、簡単に且つ概念的に
は 皮膚／中心／皮膚 として示すことができる、中心層と皮膚層すなわ
ち表面層を有する３層の、共押出ししたポリオレ
フイン包装フイルムである。好適な中心層は、重
量で約2.7〜3.0％のエチレンを含有し且つ2.3のメ
ルトインデツクスを有するエチレン−プロピレン
共重合体（以下“EP”と記す）とブレンドした
重量で約12％の酢酸ビニル含量を有し且つ0.3の
メルトインデツクスを有するエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体（以下“EVA”と記す）から成つて
いる。ブレンド物の中の重量で約90％がEVAで
あり、残りの部分がEPである。 皮膚層は中心層と同一のEP共重合体から成つ
ていてもよいが、機械加工性を高め取扱いを容易
にするためにこの技術分野で公知の滑剤がアンチ
ブロツク剤を比較的僅かな量で添加してあつても
よい。 90％のEVAと10％のEPから成る中心層ブレン
ド物が、収縮性、機械加工性及び成形性の最良の
組合わせを与えることが認められている。EP含
量を低下させた場合、特にEP含量を５％未満と
する場合には、フイルムは、工業的に受容しうる
速度で薄いフイルム状に共押出しし且つラツキン
グさせるには軟らかすぎるようになり、特に全体
の厚さが0.5ミル以下に達する薄いフイルムは、
実用的には全く製造することができない。それに
対して、中心層ブレンド物が50％近くまたはそれ
を越えるEP含量を有する場合には、光学的な問
題が生じ、フイルムは透明性を失なう。その上、
フイルムの製造において、1/3/1の層の厚さの比
が、５〜50％のEPを含有する中心層に対して、
中心層材料の性質と皮膚層の性質のもつとも好都
合な組合わせを与えることが認められている。 本発明の多層、ポリオレフイン収縮フイルムを
製造するための好適方法においては、基礎段階
は、各層のための重合体をブレンドし、各層を共
押出しして多層フイルムを形成させたのち、フイ
ルムを延伸して二軸的に配向させることである。 この工程は、原材料、すなわち重合体樹脂を望
ましい割合でブレンドすること、すなわち、中心
層に対して重量で90％のエチレン−酢酸ビニル共
重合体を重量で10％のエチレン−プロピレン共重
合体とブレンドすることによつて始まる。樹脂は
通常はペレツト状で供給者から講入して、この技
術分野で公知の商業的に入手することができる多
くのブレンダー中の一つを用いてブレンドすれば
よい。ブレンド工程においては、特別な性質を与
えるために必要な、たとえば、可塑性、滑剤、ア
ンチブロツク剤または帯電防止剤のような、添加
剤を加えてもよい。 ブレンドした樹脂を押出機のホツパー中に仕込
み、それによつて共押出しダイへと供給する。３
層フイルムに対しては、共押出しダイへの供給に
３基の押出機を用いる。２押出機は両皮膚層のた
めのエチレン−プロピレン共重合体を供給し、他
の１押出機はエチレン−酢酸ビニルとエチレン−
プロピレン共重合体のブレンド物を供給する。各
材料をラツキング比と所望の最終直径に依存する
直径を有する円心の管として共押出しすることが
好ましい。この共押出しした管は比較的厚いが、
これを“テープ”と呼ぶことにする。環状の共押
出しダイは、この分野で公知であつて、多くの製
造者から講入することができる。管状の共押出し
のほか、スロツトダイを用いて材料をシート状に
共押出しすること、または単層または多層押出し
コーテイングを用いることもできる。 共押出し後に、押出したテープを加熱して、空
気圧力によつて連続的に気球状に膨張させ、それ
によつて厚く細いテープを望ましいフイルムの厚
さを有する広く薄い管状に変える。この工程は、
配向のための“トラツプド バブル方法”あるい
は“ラツキング”と呼ばれることがある。半仕上
げロール上に巻く。ラツキング工程はフイルムを
配向させ、それを縦横の方向に延伸し、それによ
つて分子を再配列させることにより、フイルムに
収縮能力を付与し且つ物理的性質を変化させる。
本発明においては、配向層が皮膚層を形成するエ
チレン−プロピレン共重合体層であるから、ラツ
キング温度は中心層中のEVAの溶融温度よりも
高い。かくして、ラツキング工程においては中心
層は熱延伸すなわち熱膨張を受け、皮膚層は二軸
的な配向を受ける。熱膨張させた中心層はエチレ
ン−プロピレン層のどちらかといえば強い収縮性
に対して緩和すなわち低下させる効果をもたらす
ものと考えられる。その上、この工程によつてき
わめて薄いエチレン−プロピレン共重合体層が配
向する。 好適実施形態は、上記のような共押出し方法に
おいて、各層を層間に介在させる接着剤なしで、
溶融結合させることによつて製造することが望ま
しい。 下記第１表において、好適実施形態の性質を、
比較のための中心層中でブレンドするEPなしの
類似のフイルム及び同じく比較のためのPVCフ
イルムと共に、示す。

【表】

【表】 第１表中で、加工方向とは材料が押出機から出
るときの流れの方向である。 第１表から明らかなように、好適実施形態の性
質はPVCの性質によく匹敵し且つ中心層ブレン
ド物中へのEPの導入は種々の性質を顕著に且つ
驚くべきほど改善する。しかしながら、もつとも
重要なことは、適当な成形性と機械加工性のため
にはEPが必要であるという事実である。 好適実施形態の３層構造に加えて、概念的に下
記に示すような他の多層構造物を押出すことがで
きる： (a) 好適実施形態（３層） EP／ブレンド／EP (b) ５層 EP／ブレンド／EP／ブレンド／EP (c) ７層 EP／ブレンド／EP／ブレンド／
EP／ブレンド／EP 上の“ブレンド”という表示は、EVAとEPの
ブレンド物を意味する。５及び７層構造物中で層
比率はやはり好適比率、すなわち1/3/1、すなわ
ちブレンド物の厚さの全EP厚さに対する比が
３：２に近くなければならない。すなわち、中心
層は全厚さの約60％である。しかしながら、本発
明の範囲内では、これは全体の厚さの80〜30％の
間で変えることができ、中心層の厚さは、その中
のEPの割合の増大及びEVAの酢酸ビニル含量の
増大につれて小さくする。 皮膚層としてはプロピレン単独重合体ではなく
てEP共重合体であることを要するが、その理由
は、本発明が有用である包装用途に対して満足し
うる材料であるためには、プロピレンの単独重合
体は高過ぎる融点と共に高過ぎる収縮温度範囲を
有しているからである。 EP共重合体中のエチレンの百分率が、2.7〜3.0
％から3.5〜4.0％まで、増大するにつれて、ブレ
ンド物中のEPの割合を増大させることにより満
足しうる結果が得られる。3.0％よりも低いエチ
レン含量においてはEPとEVAは非相溶性を表わ
す。EP中の約3.5％のエチレン含量においては光
学的な性質の顕著な向上を伴なつて相溶性が生じ
るように思われる。たとえば、50％のEVAと3.5
〜4.0のエチレン含量を有する50％のEPから成る
中心層ブレンド物を有する本発明の多層フイルム
は、工業的に受容しうる光学的性質を有するもの
と期待できる。かくして、中心層ブレンド物とし
ての3.5〜4.0％のエチレンを有するEPの使用と皮
膚層としての2.7〜3.0％のエチレンを有するEPの
使用は、きわめて優れた多層収縮フイルムを与え
る。その他の望ましい組合わせを本発明の範囲内
において計画することができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ａ） 重量で95〜50％のエチレン−酢酸ビニ
   ル共重合体とブレンドした重量で５〜50％のエ
   チレン−プロピレン共重合体から成る中心層；
   及び ｂ） エチレン−プロピレン共重合体から成る皮
   膚層すなわち表面層、 から成ることを特徴とする、多層、熱収縮性包装
   用フイルム。 ２ 該各層を、それらの間に介在させる接着剤材
   料なしで、溶融結合させる特許請求の範囲第１項
   記載のフイルム。 ３ エチレン−プロピレン共重合体のエチレン含
   量は重量で１〜６％の範囲にある、特許請求の範
   囲第１項記載のフイルム。 ４ エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル
   含量は重量で４〜18％の範囲にある、特許請求の
   範囲第１項記載のフイルム。 ５ 中心材料の厚さはフイルムの全体の厚さの80
   〜30％を占める、特許請求の範囲第１項記載のフ
   イルム。 ６ (i) 中心層は全フイルム厚さの約60％を占
   め； (ii) エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル
   含量は重量で約12％であり； (iii) エチレン−プロピレン共重合体のエチレン含
   量は重量で2.7〜４％であり； (iv) 中心層のエチレン−酢酸ビニル共重合体含量
   は重量で約90％であり；且つ (v) 各層はそれらの間に介在させる接着剤なしで
   溶融結合してある。 特許請求の範囲第１項記載のフイルム。 ７ 皮膚層は二軸的に配向し且つ中心層は実質的
   に無配向である、特許請求の範囲第６項記載のフ
   イルム。 ８ 収縮張力範囲は215〜285psiである、特許請
   求の範囲第６項記載のフイルム。 ９ 中心層中のエチレン−プロピレン共重合体の
   エチレン含量は皮膚層におけると同一である、特
   許請求の範囲第１項記載のフイルム。 １０ 中心層中のエチレン−プロピレン共重合体
   のエチレン含量は皮膚層中のエチレン−プロピレ
   ン共重合体のエチレン含量よりも大である、特許
   請求の範囲第１項記載のフイルム。